@第三記述・本来 「なあ、知ってるか。学力や異能が向上する耳かき屋の噂。 異邦人街にあるらしいんだが、なんでも本当に必要とする生徒の前にしか現れないらしい。」 ―――――とある学生間で流れる噂。
歓楽街、異邦人街と落第街の境目にある、と噂される耳かき屋。 立地が安定しないのは場所が不定期に移動するからであるが、一度訪れたのならばもう一度訪れるのは容易である。 また、初めての客が迷い込むことも多い。 石壁に囲まれた庭のあるそれなりの広さの木造家屋――古民家に着物姿の女性店員がひとり穏やかに客を待っている。 耳かきの代金は30分1000円を基準としているが、延長やその他のサービスも望めばしてくれるようだ。
外見的特長として ・髪は緑をベースにした先端がわずかに肉色の蠢くようなものをしており、もふもふとして手触りがいい。 ・耳には白い花が咲いている。 ・右目は縦長の瞳孔、左目は通常人間型の円形の瞳孔をしており、さらに左頬の布貼りの下には横長の瞳孔をもつ獣の目が隠れている。 ・唇はぷっくりとしてて紅く、美味しそ・、。触れるとさらに紅くなる。 ・胸は豊満だが仕事の邪魔になるため着物に押し込める際にさらしで無理やり押さえつけているようだ。 ・大体の場合は着物姿で、帯は石垣模様で染められている。 ・ふとももは触れると触れた本人の想像した理想的な感触が返ってくる。ただし着物の裾から見える限り足首が見えない。 歩くときは下駄の歯だけが動く。 といった特徴を持つ。
その正体は接続を失った無貌の端末。 建造物の外壁とそこに納まる混沌こそが彼女の本体であり、人型は彼女が持つ特殊能力によって組み上げられた疑似餌である。 体内に入ったものを宇宙における観念を失った混沌へと帰し再構成する能力を持つ。 この概念に飲み込まれると頭蓋肋骨に内臓が収まっている必要はなく、胴体に手足が繋がっている必然も無くなる。 生物的には咀嚼し消化するという過程だけの能力であり、直接戦闘には向かず、耳かき程度の接触では日常に支障はない。 それ以上のことを望んでしまった場合、どうなるかはわからないが。 能力の演出的にはバトルロール的なものではなく、得体の知れないホラーからの離脱を想定している。
現在は知識との接続が絶たれており、断片的な記憶しか持たない無知なおねーさんと化している。 その存在が一個の新たな異界の神ナラカグァであるのか、それともただの端末の奈落瓦落多であるのかは、いまはまだわからない。
>用語録:
神棚-交信を切断したため、何も乗っていない。接続されている間は精神を冒涜する顔の無い置物が乗っていた。
額縁-来訪者の精神が混沌を介する際の混線によって対象の平行世界における知人を映し出す鏡。覗き見てはいけない。
看板-数多の話者の「みみかき」の精神概念を抜き出して集めたものを、思考と意思を疎通する肉体のパーツを看板の形状へ成型して焼き付けたもの。
>コネクション: 2016/05/13 -No■■ 柴木 香 2016/05/18 -No■■ 寄月 秋輝 |
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