Tourbillon
生まれつき欠いた四肢を補うために魔術に傾倒した末、人の理から外れた魔女。 拷問具に似たフォルムの古い鉄の義肢を、生身と遜色ない精巧さで操る。 梅雨入りと共に、大図書館の司書のひとりとして着任した。
【外見】 首筋から肩口、胴体にかけて、肌がところどころ古木の樹皮と化している。 れっきとした皮膚の一部であり、剥がすと痛い。
膝下まで届く、癖のない銀髪。他人に洗われたり、梳かれることを好む。 勤務中は編んだり結ったり、かんざしを挿したりと、何かしらの方法でまとめている。
手足がないため、胴体のみを覆う下着のような服装が多い。 屋外では大きな鍔広の帽子を被る。 いわゆる女優帽からステレオタイプな魔女の帽子まで、種類はさまざま。
酷薄そうな吊り目は鮮やかなヘーゼル。よく手入れされた、年代物の丸眼鏡を常・pする。 骨張って滑らかな褐色の肌。薄い唇にシルバーグレイのリップ。
【性質】 朗々として迷いのない語り口。不変と変革とを分け隔てなく支持する。 主観的な正誤で物事を判断することが多いが、普遍的な善悪にも理解はある。
【能力】 頑丈な義肢に、種々の属性やバフ・デバフ効果を宿らせて戦うステゴロ派。 たとえミンチにされてもどこからともなくひょっこりと現れて復活するが、 欠損部を再生するたび肌の樹皮が増えていく。 元から存在しない手足を生やすことは出来ないようだ。
【《夢遊病者(スリープ・ウォーカー)》】 自身の影から、人間のシルエット状の生物を現出させる魔術。 全身がのっぺりとして光を反射せず、空間に黒一色の穴が空いているようにも見える。 そのふらふらとして覚束ない足取りから《夢遊病者》と命名された。 耐久力はなく、他者から攻撃を加えられると容易く消滅する程度。
デコイから日常の家事まで幅広く用いられる。 彼女が大きな帽子を愛用しているのは、この魔術を行使するためである。
【その他】 古今東西、方々の土地で多くの子どもを育て上げてきた。 その子孫との間で、現在も年賀状やクリスマスカードのやり取りが続いている。
養子に拾い子、誘拐、生成、召喚などあらゆる手段で子を得たが、 自らの子宮で子を成すことだけが叶わない。 |
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