《名前》 有賀 幸作(ありが こうさく) 《体格》175p 58kg 《容姿》 日本人としては普通の黒髪であり、瞳も同じく墨汁を垂らしたような黒である。 黒髪の蓬髪といえば聞こえはいいが、ようはロクに手入れのされていない癖毛としか言い様がない。 瞳も目付きが悪く、濁った瞳を黒縁の眼鏡の奥に押し込んでいる。 何故、目付きが悪いのかなどと尋ねられれば、「そうしなければロクに物が見えんからだ」と答える他ない。 《性格》 これについてはただ一言で済む。 臆病偏屈。 それ以上の言葉は、いくら重ねた所で装飾にもなりえまい。
《設定》 この今更、それこそ殊更、語るような事でもなかろうが、《大変容》以降、《復活》の名の元に噴出した奇奇怪怪共の彼是が、人の世に与えた影響は甚大なものであった。 特に、即座にその場で実利たりえる異能と魔術。 いずれも「やあ之より始まる大奇術」等、嘗ては嘯かれ、嘲られたものであるが、由来はどうあれ、いずれもグリモワアルやらエスエフ伝奇やらと過去の創作の発想と似か寄るもの――否、《復活》の名の元、版元が知れただけと言うのが正確な事だが――何れにせよ、参照史料の彼是が残っているが故、やれ、初めの零と一から等、手間取る事はせずに済んだ。 故、研究は《大変容》以降の僅か数十年でも盛んに行われ、在るものは魔女学、然るものは神学、斯くものは史学と求める先に多少の好みは顕れたが、何処も彼処も学の新天地に踊らされ、徳も道も擲って、やあこれこそが新技術、やれこれこそが新発見と、正に血眼になって喧々諤々喚き散らしながら、手当たり次第、見識、蔵書を唯、食い荒らしていた。 結局の所、学者という人種は最後には考えるよりも手を出してしまうという、まこと、業深い連中であった。 その連中の切先の一つが正に之。 内地某大学にて、研究生として在れやら是れやら学んでいたが、学ぶと声をあげながらも只々時間と扶持を食い散らかすは見て取れる程の穀潰し。 有賀幸作、その男の有様であった。
《目録》 「初回」 常世島の地に降りたち、ヨキなる金工教師と知己になる。 かの教師は異邦人であるようだが、まるでそうは見えない。 いや、その精神性と出立が異邦のそれであるというのならば、十二分に頷けるが。
「第二回」 常世祭の喧騒にて、ジャズ喫茶なる洒落た出店で音楽実習生の美澄蘭と知己になる。 かの女学生は己が行く末に悩み、その上で困難へと挑んでいるようだ。 果たして吾輩の若かりし日に、左様な殊勝は出来ただろうか。 「第三回」 空き教室の一室にて、獅南なる教師と知己となる。 かの御大は甚だ熱心な研究者のようである。 吾と同じ魔導の輩と言うのは卿に対して余りに失礼であろう。 「第四回」 カフェテラスにて、雪城氷架なる女生徒と知己となる。 語る言葉は軽くとも、その過去は恐らく重苦しい。 如何様であるかと己に問うは同じだが、斯様な女子の悩みこそ、吾とは質が異なりけり。
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