由緒正しい血族の吸血鬼。外見は40代後半、ロマンスグレーの渋いおじさん。
その能力は『衰退』であり、触れたものが衰退していく。 鉄なら錆びる、人間なら老いる、細胞を劣化させる事も食物を腐らせる事も可能。
が、飽きた。 もう何もかもに飽きた。 戦闘とかしても半不老不死だから死なないし、いつか勝つなら別にやらなくてもいいし、負けるのも痛いから嫌。財産にも興味はなく、何かを蒐集しているわけでもない。身体を鍛えるのにも興味は無いし、教師の立場も自習ばっかりの半ば休講クラス。知識蒐集ももうやめた。そんな頭良くなってどうするんだ。人の面倒見るのも嫌いだから弟子も取らない。女にも興味は無い。性欲も大分前から無い。血族を増やすのとかも興味無い。一族は彼で最後であり、まぁ時代の流れで滅亡させていいだろうと考えている。
そう、もう生きるのには飽きたのだ。 でも死なないし。どうするか。
そんな彼が見つけた生きがい、それが
『食』
とにかく美味しい食べ物が好き。 世界中の飲食店を食べ歩き、そのメニューを制覇する事を目標としている。この島に来たのが1年前。ぶらぶらと研究に協力したりしながら、ひたすら食べ歩きを決行している。常世島の飲食店に出没しては、ひたすら食べ歩くだけの吸血鬼。それが彼である。
「時は誰にでも平等というわけではない。私の時間は無限であり、君らの時間と等価ではない。 だが、この一口は平等だ。誰にだって、その瞬間感動を与えてくれるものだよ」
|
|