【概要】 簸川 旭(ひのかわ あきら)、身長168cm、黒髪痩躯の青年。 目つきが悪く、口も良いとは言えない。とある理由により厭世的な気質を持つ。
図書委員会に所属し、常世博物館にて「遺物管理員」として危険な遺物の封印業務に従事している。 使用する魔術は封印魔術にカテゴライズされるものであり、外部に危険な効果を及ぼすアーティファクトや魔導書の類の力を封じることができる。 ただし、封印可能な対象には限りがあり、強力な力を持つものには封印を施す事ができない。あくまで業務のための魔術であり、戦闘用ではない。 異能については発現していたことはわかっているが、自ら制御できるものではなく、常世学園に入学以降発動していない。
【来歴】 《大変容》以前の20世紀の日本に生まれ育つ。 本来ならば年齢は更に上のはずだが、肉体の年齢的には22歳である。 その理由は、異能である「冷凍睡眠」により長き眠りについていたため。
《大変容》が始まると共に異能に覚醒し、長き眠りに就く。 そのため、《大変容》についてはほとんど記憶・経験していないに等しい。 当人は記憶していないものの、眠りに就くとともに周囲に幾つもの氷柱が出現し、旭を鉄壁の氷の棺に閉じ込めた。 その肉体と精神は氷の棺の中に保存されたのである。 彼が次に目覚めたときに見たものは、常世学園内の異能研究所の白い天井。 そして、彼は自らの家族や友人が《大変容》によって皆死んだことを知らされたのであった。 これが今から5年前のことである。
その後、現在の世界の有様と《大変容》について知るために常世学園に入学。 だが、現在の世界を知れば知るほどかつて自分が生きていた時代との乖離に苦しむこととなり、厭世家と成り果てた。 眠りに就く前は魔術や異能と一切関わらない、ごく普通の人間として生きていたためである。 常世学園の有様などは彼が最も恐怖するところであるが、他に行く先もないため卒業を延期し、学園に居残り続けている。
博物館の遺物管理員となった経緯については、魔術の授業で封印魔術への適性を有していたことが判明したため。そして、本人の希望のためである。 彼が生きていた20世紀の常識を壊してしまった魔術や異能、神秘の様々。それらに纏わるアーティファクトを封印することで、自らの心を慰め、世界への反抗や復讐としている。もちろんこの行為に意味などないことは彼自身十分承知している。結局のところ、ただの八つ当たり。 遺物管理員となるために魔術について非常な努力を以て学び、科学的に理解しようと努めた。 学芸員として雇用されたわけではないため、博物館の一般的な業務には関わっていない。 |
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