「悪いね、散らかってて。人手不足ってやつなのさ。・アこはいつでもね」
瀬名が代表を務める魔術研究部は、名こそ一般的な部活ではあるが部員は極めて少ない。 学園に提出されている書類には部の存続にこそ可能な人数が記載されてはいるが、実際に部室まで現れるのはその中でも数える程だ。 部活動と称してはいるが、実のところ瀬名個人が研究に没頭するための対外的な体裁であり、学園側から研究費を捻出するために維持されているにすぎないためである。 来客と言えば、物珍しさからの冷やかしぐらいのものであった。 魔術を称してはいるが、他の島民とは意味合いが異なっていたからである。 瀬名の研究対象は物質に秘められた見えざる力。精霊信仰に近いものであったからだ。
-人物像 非常に気さくなタイプだが、自身の研究になると見境がつかなくなりがちの学者肌。 魔術の講義において解釈の相違で講師とトラブルを起こしており、以降は実技のみで単位を得ているため実際の成績はあまり良くはない。 趣味は音楽。とりわけ半世紀近く前の曲層を敬愛しており、産みの親と同じぐらいにマイケル・ジャクソンとプリンセスプリンセスを愛している(当然同年代にはまったく通じない)。
-容姿 肩程までの黒髪を中分けしている。多くの場合は後ろで茶筅のように結んでいる。 学園ではYシャツの上に白衣を羽織っているため目立つ部類に入る。 痩せ型ではあるが身長が高く、バレーやバスケットなど運動部の助っ人を頼まれることが多い。 タレ目がちではあるが、表情が豊かなためあまり感じさせないことだろう。
-技能 彼の研究している魔術は、魔力を直接媒介にしない。 物質に秘められた力、精霊の加護、そういった曖昧なものを外へ放出させることで効果を得る。 蛇口を捻ることで水が出るように、外へと放出させるのだ。 当然ホースの口を指先で調節するように、その術そのものをある程度変異させることも可能である。 砂利の道を発火させたり、木々から風を巻き起こしたり、そういったことが彼にはできる。 しかし扱いは難しく、触媒からどんな力を引き出すことができるのか、その見極めに時間を要する。
-師 勿論だが、この力は彼の独力で学びえたものではない。 師と呼べる男がいたが、突如として姿を消してしまった。 学園の教師であり、部・フ顧問ではあったが……。 現在では名を呼ぶこともタブー視されている。 一説では、研究中の事故に巻き・桙ワれたとも、通り魔に殺害されて遺体は発見されてないとも。 ……犯罪組織ロストサインに名を連ねる者だったとも。
-異能 《稀代の魔法使い》 確定した事象を塗り替える。 技術の集大成である魔術とは真逆の、理論が介在しない正しく異能。 通常の認識力では知覚し得ないため、公安にもその全容を知られては居ない。
-交友 ・食堂儀 シェスタ 学友。お互いに変な奴だと思っている いつか研究に付き合って欲しい(研究対象として)
-近況 海底遺跡にて魚人から鱗を巻き上げたあと、住宅街にて七不思議"異次元通り"に遭遇。 魔術の行使により破壊の限りを尽くしたところ、現世へと放出される。 今後日々の研究と平行して調査を行う。
魚人の鱗についての研究はあまり芳しくない。 貝と似た性質と過程して進めるも、魔力の暴走を引き起こし鱗が粉々になってしまう。 数に余裕はあるが、早いうちに性質を見極めておきたい。
四ノ宮の店で煎餅を買う。 よく喋る人間はからかい甲斐がある。 小料理も十分旨いのだが、それが余計に煎餅屋としての首を絞めているなと思う。
ラーメン屋にて川端とアルストロメリアと鉢合わせる。 どうも女の方は最近来たばかりで浮世離れしているらしい。 助手ぐらいなら雇ってもいいがはてさて?
サトーを炊き付けるだけ炊き付けたが、実験材料となってはくれないようだ。
今日は生物の遺体を使って、かねてより予定していたキマイラの精製実験を行った。 動作はしたが自我もなくただ暴れるのみであったので、折角なのでそのまま持久力のテストもかねて観察を開始。 しかしたまたま居合わせた百瀬によってKOされる。 流れで瀬名本人にまで襲い掛かってきたために、異能にて対処。 彼が誰かに報告すれば、他者からの追求も免れないかもしれない。 |
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