2015/06/01 - 18:33~00:36 のログ

ご案内:「浜辺」に川添 孝一さんが現れました。<補足:着崩した制服を着用している。>
川添 孝一 > (浜辺に立って星空の下で海を見ている)
(歓楽街で騒ぎを起こした後に家に帰ったが、結局眠れなかった)
(自分の父親のことを思い出した日は、いつもそうだった)
クソッ………(海に向かって小石を投げ込む)
(波間に飲まれて夜の海に消える小石)

川添 孝一 > ………。(夜の浜辺に立ち尽くしたまま、楽しい歌を口ずさもうとする)
……チッ。(何も思い浮かばない)
(男にとって眠れない夜は長い)

川添 孝一 > (いっそ釣具でも持ってくればよかったのだろうか)
(だが川添に釣りの趣味はない)
(大よそ、時間を無為に過ごすか人を傷つけるためにしか使ってこなかった男だ)
(この浜辺だって暗闇の中布団に入って瞼の裏を眺めているよりマシ程度に考えて来ただけ)

(感傷だけが、積み重なっていた)

ご案内:「浜辺」に蓋盛 椎月さんが現れました。<補足:蜥蜴のヘアピンをした白衣の女性>
蓋盛 椎月 > なんか最近はセンチメンタルになってる男子をよく見るなぁ……
(そんなようなことをボソリとつぶやきながら、白衣の女が苛立った様子の不良少年を遠巻きに眺めている……)

川添 孝一 > (白衣の女に気付いた男が相手を睨みつける)
なんだオイ、見世物じゃねーぞ。(怒鳴ろうと思ったが、腹から声が出ない)
なんだテメーはよ………

蓋盛 椎月 > 知らないの? 生徒の健康を守る養護教諭のフタモリ先生だよー、覚えといてね。
 嫌なことがあって眠れませーんって顔してるね。あたしが治療してあげよっか?(緊張感のない声。人懐っこい笑み)

川添 孝一 > 養護教諭………(怪我がすぐ治る川添にはイマイチ馴染みの薄い存在だった)
フタモリセンセーっすか、そりゃサーセンした。(相手が教師とわかると言葉遣いを変える)
……治療? いや、睡眠薬とかはちょっと……アレなんで。(頬を掻いて)

蓋盛 椎月 > あはは、そんなにあらたまらなくてもいいよ。(手を顔の前でひらひらと振り、)睡眠薬? んー、違うよ。あたしの異能、《イクイリブリウム》のサンプルになってくれる人を探しててさー。(手をかざすと、そこに淡く輝く弾丸のようなものが生まれる。)これに撃たれれば、どんな肉体の傷も、心の傷も治せるんだよ。そのかわり、傷を作った原因についてのことはすっかり忘れちゃうんだけどね。興味ない?
川添 孝一 > そっすか、でも俺のやり方なんで……
(相手の手の中に生まれた淡く輝く弾丸を見る)
治る……? 心の傷が……(胸元を押さえる)
でも、忘れるのか………(顔をくしゃりと歪めてしばらく考える)

(沈黙、そして波の音)

……もし、忘れたら………二度と思い出すことはない………んすか?

蓋盛 椎月 > (その様子に、幼く人なつっこい笑いは静かな微笑みへと変わる)うん。二度と取り戻せないよ。仮に思い出せることがあったとしても、それは「情報」に成り下がって、他人ごとのようにしか捉えることができなくなる。(どこか実感のこもった口調で。)もしかしたら……“忘れる”ことが“治る”ことなのかもしれないね。

(リボルバーを取り出す。何も装填されていないそれに、生成した弾丸を装填する。)
 ……どうする?

川添 孝一 > …………。(間違いない、忘れるのは大嫌いな父親の記憶)
(しかし、死んだ人を忘れることの意味)
(他人事のようにあの男を思い出すことになるかも知れない意味)

(それは、重い)

……とくっす。(俯いていたが、小さな声で呟いた)
やめとくっす。(顔を上げて目の前の女にはっきり伝えた)

キヒ………(笑え、そうだ、笑え)
キヒヒヒヒヒ。俺が安易な逃げに走るなんてあり得ないっすわ。
俺は川添孝一……レモンシード・メソッドでAAランク……セカンドステージの異能を持つ男だ…
(歪んだ、それでいて強烈な自負)
フタモリセンセー、ありがたい選択肢のお礼に。(背を向けて歩き出す)
仕事をあげましょう、明日辺り派手に喧嘩するんで忙しくなりますよ。
(忘却、それは救いだ)

(そんなもの、いらない)
(俺に救いなんていらない)
んじゃ、また会いましょセンセー。(獰猛に笑うとポケットに手を突っ込んで歩き出した)
(認めろ―――憎悪、それこそが自分のルーツなのだと)

ご案内:「浜辺」から川添 孝一さんが去りました。<補足:着崩した制服を着用している。>
蓋盛 椎月 > そっかー、残念。(歪んだ笑いに、さして残念でもなさそうに返す)
 元気でね。気が変わったら、あたしのとこにおいでよ。いつでも治してあげるからさ。(あくまで椎月は屈託なく笑う……)

蓋盛 椎月 > (少年が去って少しすると、消費期限の切れた《イクイリブリウム》が、弾倉の中で霧散した。)
 ……やれやれ。好感触かと思ったけどうまくいかないね。あたしってこういうの苦手かも……。
(肩を落として、自らも浜辺を後にする……)

ご案内:「浜辺」から蓋盛 椎月さんが去りました。<補足:蜥蜴のヘアピンをした白衣の女性>