2020/09/07 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に神代理央さんが現れました。<補足:風紀委員の制服に腕章/腰には45口径の拳銃/金髪紅眼/顔立ちだけは少女っぽい>
神代理央 >
己の担当医"だった"女性から受け取った一通のメール。
それは、世話になったシスターが行方不明になった、というもの。
尤も、メールを見た限りだと状況証拠しかない。誘拐だのなんだのといった『犯罪』の明確な物的証拠や犯行声明があった訳でもない。
このメールだけでは、風紀委員会が組織として動く事は――難しい。
「……だが、放っておくわけにもいくまい」
組織として動けないのであれば、己が個人で動くしかない。
幸い、落第街の警邏シフトは密に入っている。上司に頼み込めば、或る程度直近の違反組織の情報も得られるだろう。
何にせよ、憂いは取り除いておきたい。
何事もなくシスターが帰ってきて、笑い話になればそれで良いのだ。
甘ったるいハニーカフェオレにガムシロップを注いで、ゆっくりと味わいながら――深い溜息を吐き出した。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に水無月 沙羅さんが現れました。<補足:身長:156cm 体重:40kg 不死身少女>
水無月 沙羅 >
「どういたしました?」
山になっていた書類仕事をやっつけ、そろそろ帰ろうかと本庁を後にしたのちに立ちよったカフェにて、己の上司を見つけた。
何やら難しい顔……眉にしわを寄せて独り言をつぶやいている。
何かあったのだろうか?
そう思い目の前の席に座り込んだ。
近寄って来る店員にはアイスミルクティーを頼んで座り込む。
ガムシロップを二つほど流し込んで、ティースプーンでくるくるとかき混ぜながら尋ねてみる。
神代理央 >
同僚にも相談したいところだが、果たして何処まで相談したものか、と悩むばかり。
山本は確実に相談して構わないだろう。彼もまた、マルレーネには世話になった男。きっと、力になってくれる筈。
後は――
「……後は、刑事課…しかし、まだ状況証拠しか…」
うーん、と悩みながら、糖分の塊に近いハニーカフェオレで喉を潤していく。
神代理央 >
と、悩んでいるところに投げかける声。
はて、と視線を向ければ。目の前に腰掛けるのは、己の部下であり恋人である少女の姿。
「……いや。ちょっと、な。仕事の事では無いんだが…」
己の近しい存在である彼女に相談するべきだろうか。
しかし、今迄の事件とは違い今回は完全に私事。彼女を巻き込んで良い物かどうか、悩みは深まるばかり。
悩みに憂う表情を深くしながら、珍しく歯切れの悪い口調。
水無月 沙羅 >
「仕事の事ではない……ですか。
口を濁すという事は、知られたくない事?」
問い詰めるわけではなく、静かに尋ねるだけ。
どうしても話したくないというのならばそれでもかまわないだろう。
彼が自分に話したくないとすれば、自然に危険なことかもしれないという予想位は立つ。
もしくは、よっぽどひどい女性関係とか。
……後者はおそらくないと思う、思いたい。
アイスミルクティーをゆっくり喉に流し込みながら、対面に座っている少年の瞳とちらりと見やって、目を伏せる。
神代理央 >
「知られたくない、という訳では無いのだが…。お前を巻き込んでしまって良いのか、と思う所もあるし、そもそも巻き込む様な事件なのかという確証も無くてな」
うーん、と再び唸る様に悩む。
とはいえ、隠し立てする程の事では無い事も事実。そもそも、事件かどうかも、まだ分からないのだ。
暫く悩んだ末に、一度カップを傾けて糖分を脳へ送った後――
「…シスター・マルレーネ、という女性を知っているか?」
「俺が『異能殺し』と交戦した後入院した施療院を預かるシスターで、俺も世話になった女性なんだが…彼女が、昨日から行方不明になった、らしい」
「あくまで『らしい』だけだ。其処に事件性があるかどうかは、まだ分からぬ」
小さく溜息を吐き出すと、悩みの種を彼女に告げるだろうか。
水無月 沙羅 >
「……。」
大体悩みは予想通りだった。
唸っている少年を、責めるようなことはしない。
以前だったらおそらくどうして連れて行ってくれないのかと詰め寄ってしまっただろうが、今は其れも心配してくれているという思いやりの形だとわかった。
ならば、彼がどのような答えを出すのかを待つのが自分の唯一出来る事だ。
「シスター・マルレーネ。
えぇ、バーベキューのイベントの主催者ですよね。
初日の時にお邪魔しまして、気にかけてくださったのを覚えてます。
同居人の『姉』のような人物とも聞いてますね。」
「……行方不明。」
事件性があるかどうかがわからない、という事はおそらく発覚して時間もたっていない。
其れなりに外出することも多い人物という事だろうか。
あくまで居ないことに不信感を持った人物が人かいる程度で、風紀委員として活動できるかも怪しい。
そういう事か。
「……なるほど。
で、貴方はその事件に対してどう動くつもりなんですか?
悩む、という事は、何かしらのアクションは起こすつもりなのでしょう?」
恩人が行方不明、ともなれば彼は動かないという事は無いだろう。
彼は無慈悲に見えるようで臆病な方だ。
自分の親しい人物であればあるほど、放っておけなくなる。
全く関係のない人には驚くほどにその対処も変わるのだが。
いや、今はその差も少しは埋まったのだろうか。
神代理央 >
「同居人の姉…姉…?いや、凄く良く分かるんだが、色々と複雑な家庭環境を疑似構成しているのだな…」
彼女の同居人とは即ち『しーな先輩』という彼女の母変わりの少女の事だろう。面識はないが。
その少女の姉。つまり彼女に取っては叔母…?
実の家族関係が希薄な己と違って、随分と充実した家族構成になりつつあるな、と少しだけ笑みを浮かべる。
「委員会は動くまい。『事件』と定義して良いかどうかも、怪しいところだからな。
だから取り敢えず、俺個人で聞き込みをするつもりだ。後は、シスターに世話になった山本には声をかけてみるつもりだが…」
己の行動原理を、彼女は正確に読み取っている。
世話になったシスターの事となれば、座して眺めているという選択肢は己には無かった。故に、現状打てる手を、彼女に告げるだろう。
――と、其処で震える己の携帯。
すまない、と一度彼女に断りを入れて画面を眺めた後、浮かべるのはより悩まし気なもの。
「……事件性があるかどうかは分からんが、違反組織が関わっている可能性も捨てきれない。風紀と公安のデータベースも、調べてみるつもりだ」
水無月 沙羅 >
「よくわかる……? あぁ、そうですね。 マルレーネさんは世話好きですから。
理央さんもその魅力に『弟』にされてしまったと。」
くすくすと笑ってしまう。
あの椎苗が『姉』と呼ぶほどの人物だ。
目の前の少年が陥落されてしまうのも当然と言えば当然なのだろう。
ちょっとだけ面白くないが。 ちょっとだけ。
「山本先輩も、ですか。」
少しだけ表情が濁るのが自分でもわかる。
あれからまだ彼とは顔を合わせてもいないし、ちゃんとした謝罪を入れる事すらできていない。
今そのことは全く関係ないと言えばそうなのだが、顔を合わせにくいのは仕方ないことだろう。
なぁなぁで終わらせていい事件でもないと思っている。
携帯が震える音を聞き、どうぞと手を差し出すようにジェスチャーした。
彼の携帯を見る眼差しはさらに険しくなる。
「……違反部活、ですか。
私には、なるべくおとなしくしてほしい、と言いたそうですね。」
違反部活ともなれば、仮に『救出活動』をするのだとしたら多少の被害は出るだろう。
おそらく自分は、その中で異能を使わざるを得ない状況になる。
自分が前線を張るには、異能と魔術を自己破壊前提で使う必要があるからだ。
それは、彼の望むところではないだろう。
神代理央 >
「…………コメントは差し控えさせて貰おう」
鋭い彼女の指摘には、沈黙と言う名の肯定。
恋人の前で言い難い事だって、ある。あるのだ。
「……気持ちが落ち着いたら、ちゃんと謝りに行くんだぞ。俺からも謝罪には行ったが…出来れば、お前自身にも向き合って欲しいし、山本はそれを責める様な奴じゃ無いさ」
表情を曇らせる彼女に、穏やかな口調で言葉を投げかける。
この話題は、出来れば避けるべき事だったのかも知れないが――それでも『上司』として。そして『恋人』として。一言彼女に言葉を投げかけておかなければならないだろう。
そこからどうするかは――彼女が選択する事だ。
さて、携帯に届いたのは己にシスターの事を連絡してくれた担当医からの返信。そのメールに記載された違反部活の名に、憂う表情は深まるばかり。
「…………そう言いたい、のはその通りなんだが。
戦闘に至った際、俺と山本だけでどうにかなる相手である保証はない。委員会として関われない以上、大きく人員を動かす事も出来ない。
大人しくして欲しい、と思う反面。お前が居てくれれば頼りになる、と思う俺もいる。だから…悩んでる」
彼女の身を危険に晒したくはない。しかし、彼女が居れば大きく捜査が進展する可能性がある事も事実。
『殺し屋』事件の際に、能動的に、活発に動いた彼女の行動力と人脈は、上司としても評価する点ではあるのだ。
だから、悩んでいる。『彼女の上司』として。『彼女の恋人』として。彼女に何と言葉を続けようか、煩悶する。
水無月 沙羅 >
「……えぇ。もちろんそのつもりです。
山本さんにはお世話になりましたから。」
彼は己の身を賭して、自分の事を止めてくれた。
そのことに大きく感謝しているし、きちんと例も言いたいし、何が起きたのかも明らかにするべきだ。
ただ、とても声をかけにくいという、自分の心の整理問題だった。
必ずこの気持ちは清算しなくてはならない。
「……なるほど。」
自分を頼りにしてくれている、それで十分だった。
その言葉だけで己にとっては十分すぎる評価で、今は動かないでほしいと言われれば納得することもできる。
しかし、それで彼の悩みが晴れたわけではない。
ここで自分が言うべき言葉は。
上司としてでも、恋人としてでもないだろう。
水無月 沙羅 >
「理央。 私にしてほしいことは、何ですか?」
水無月 沙羅 >
真っすぐな眼差しで。
『さん』でも、『先輩』でもなく。
名だけを呼ぶ。
それは、一人の人間として尋ねているという事だと、少年は気が付いてくれるだろうか。
神代理央 >
悩み憂う己の視線は、真直ぐに此方を見つめる少女とかち合うだろうか。強い意志を持った、彼女の瞳と。
そして、告げられる彼女の言葉は『水無月沙羅』から『神代理央』へ向けられた言葉。その言葉を受け止めて、静かに瞳を閉じて考え込む。
暫しの沈黙の後。ゆっくりと瞳を開いて彼女に視線をぶつけよう。
その瞳は穏やかな湖畔の様に、悩みも憂いも消え去った様に、静かなもので――
「………事件性があるとは限らない。徒労に終わるかもしれない。笑い話で終わる事かもしれない。
それでも、万が一、という事もある。お前を危険に晒さない様、必ず俺が守ってみせる。だから」
「……俺一人じゃ、手が足りない。手伝ってくれないか、沙羅」
深々と頭を下げて。彼女に、頼むのだ。
彼女を危険に晒すかも知れない事に。彼女には関係の無い事件に。徒労で終わるかもしれない事に。
手を貸して欲しいと、言葉を紡いだ。
水無月 沙羅 >
「……わかりました。」
アイスミルクティーを飲み干して。
ゆっくりと席を立つ。
その瞳は決意と情熱に満ちながらも、優し気なほほ笑みを少年に向けるのだろうか。
「私は、件の違反部活について調べてみます。
彼女の身の周りで何かなかったか、目撃者はいないか。
落第街からスラムまで、いろいろと探してみます。
成果は無いかもしれません、それでもやるべきことやってみます。
あと、書類の書き方を少々工夫して、3人の交戦許可もとっておきます。
違反部活の摘発となれば、動きやすくもなるでしょう。」
先ずは自分のやるべきことは、彼らが動きやすくすることだ。
自分が心配という負担をかけずに、全力を出せるようにサポートする。
いざというときには駆けつけて、一緒に戦えばいい。
『戦場』は一つだけじゃない。
「書面は私の戦場ですからね。」
にやり、と笑って、頭を下げる少年に背中を向けるだろう。
問題は、同居人の少女がどう動くかである。
自分も少し、気を揉むことが増えそうだ。
神代理央 >
「…ありがとう。頼りにしている」
ゆっくりと顔を上げて、微笑む彼女に笑みを返す。
聞き込み、書類の作成から『工夫』まで。
頼りになる部下を持ったものだ、と表情を綻ばせる。
「…違反部活について、一つ調べて欲しいものがある。
『ディープブルー』という違反部活。風紀で摘発した覚えは無いが、書類で見掛けた記憶がある。どの書類で見たのか、記憶があやふやなんだが…。俺からは、神宮司のツテを当たってみるつもりだ」
担当医からのメールに記載されていた違反部活名。
聞き覚えはあるが、関わった覚えは無い。何処で見た名前だったか――
「…その戦場は、俺は余り得意じゃないからな。不得手な戦場は、頼れる部下に任せるとしよう」
「俺の立つべきは鉄火場。戦の烽火が立ち込める大地。
砲火と力を振るう事が、俺の得意分野だからな」
背中を向ける彼女に視線を向けながら、残ったハニーカフェオレに口を付ける。すっかり温くなってしまったが、それでもまだ、己の好む甘味は健在。
「だが、余り無理はし過ぎぬ様にな。お前の同居人に、怒られたくはないでな」
と、苦笑いと共に言葉を投げかけて彼女を見送るだろうか。
水無月 沙羅 >
「……もしかしたら。
同居人が暴走してあなたの前に現れるかもしれません。
彼女にとって、それほどに大切な人だと思うから。
だから、その時は彼女を助けてあげてください。
顔写真は送っておきます。」
デバイスを操作して送るのは、『神樹椎苗』の基本的な戸籍情報と顔写真だけだ。
それ以上の事は、沙羅でさえ調べてはいない。
知られたくないこともあるであろう、同居人で、『家族』だからこそ踏み込めない領域がそこにはあった。
「……私も、頼りにしてます。
『ディープブルー』。えぇ、了解しました。
では、またあとで。」
そういえば、沙羅は今度こそ振り返らずにその場から去るだろう。
今行くべきは本庁の、書類の山。
過去に、摘発、又は確認された違反部活の総洗い。
今日は帰るに帰れないかもしれないなと、少しだけ肩をすくめた。
神代理央 >
「……同居人が?ふむ……事情は分からんが、他でもないお前の頼みなら引き受けよう。いずれ会わねばならぬ、と思っていたところでもあるし」
端末に送られて来た情報を眺めながら頷く。
年齢は聞いていたが、やはり存外幼い少女だなと思考を巡らせながら。
「ああ、また後で。
――……しかし、本当に無理をしない様にして欲しいんだがなあ…。大丈夫かな…」
強い決意と共に立ち去る彼女を見送って、静かに吐息を吐き出して椅子に身を預ける。
己は元々ワーカーホリックな面はあるが、彼女は一度決めたら突っ走ってしまう所がある。そうならないで欲しい、と心配するところではあるのだが。
「…それをきちんと見てやるのも、俺の仕事か」
と、苦笑いを一つ浮かべるとカップを一気に傾けて。
空になったカップをテーブルに置けば、此方も店を後にするのだろう。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から水無月 沙羅さんが去りました。<補足:身長:156cm 体重:40kg 不死身少女>
ご案内:「カフェテラス「橘」」から神代理央さんが去りました。<補足:風紀委員の制服に腕章/腰には45口径の拳銃/金髪紅眼/顔立ちだけは少女っぽい>