2015/06/19 - 02:09~03:54 のログ
ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)2」に秋尾 鬨堂さんが現れました。<補足:悪魔のLと呼ばれたマシンを操るドライバー。踏んでいける男>
秋尾 鬨堂 > ―――時既にミッドナイト。

今日の学園地区-産業区直結道、通称中産高速道は、荒れている。
事故渋滞が二ヶ所。
いずれも不注意な一般車や酔っぱらいを避けてのものではない。

炎上しているのはスープラにS2000。カリカリのチューニングが施された、
公道を走るための戦闘機。

それが、撃墜(オト)されたのだ。
今夜、既に二機!

『無線で連絡が入った!マサにシゲ、二人とも無事だ!無事にパクられちまったがな!』
『ちくしょう、俺のFCだって相当ハヤいぜ!何故追いつけない――?』
追撃する、レーシングチーム《Chitty^2-Bang^2》―通称チキバン―の叫びは届かない。
前を行くのは当然。《悪魔のL》――――――!!

ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)2」に五代 基一郎さんが現れました。<補足:夏用スーツ。サービスエリアにいる。乱入free>
ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)2」に白崎玲刃さんが現れました。<補足:自由人な、なんでも屋。高速道路で行われているというレースの調査>
五代 基一郎 > ◇中産高速道 サービスエリア

「五代さん!悪魔のLがやりました!チキバンの2台が!」
「だろうな。連中の車は廃車同然だ」

先のファミレスでの会合の通り。ルシファー川添が呼び水になったか。
悪魔のLへ挑戦する無謀なドライバーが増えていた。
それらは苛烈さを極め、公道を我が物にせんとチームまで出てきた。

「オービスからのデータだと既に……」
「言わなくても分かる」

五代の近くにいるのは彼が率いるチーム:出雲ブルースカイ。
峠最速レコードを叩きつけていく峠専門の走り屋のチーム。
だが峠と公道は違うが、この狂気の沙汰とも言える公道バトル。走り屋として観戦しに来ていた。

白崎玲刃 > ………ふむ、噂は本当であったか。
【中産高速道に立つ、一つの街灯の上に立っている一人の男が居た。
彼の名は白崎玲刃。 

夜な夜な行われているという高速道路でのレース
彼は、それの実態調査の依頼を受けていたのであった。

彼は遠くの事故の様子と走る車の様子を見て、確信する

公道バトル
噂は本当であったと。】

五代 基一郎 > ◇中産高速道 サービスエリア

「《Chitty^2-Bang^2》……チキバンはエンジンターボへの感想。
車の限界以上のスピードを滅茶苦茶なマシンカスタムで回すハイスピードを目的にしたチームだ。
その結果名前の通り、エグゾーストやマフラーからの音が高い。ここにいてもわかる。
翼のない戦闘機をジェットエンジンで無理矢理飛ばしているようなものさ。」

「それが時速300で走る悪魔のLに魅入られた……」
「ドッグファイトでの敗北。それは文字通り撃墜”ファイヤーボール”だ。」

車検から帰ってきた白黒のインプレッサの前で腕を組みながら解説を続ける。
公道バトルが始まってから30分と経っていない。
だが今や中産高速道は地獄の一丁目へのインターチェンジと化していた。

白崎玲刃 > (俺も走りたい…!)
【レースの様子を見ていた彼の心が疼いた
しかし、彼は車を持っていなかった

故に!】

………すぅ………はぁ……
【彼は身体強化の異能と魔術を発動し重ね掛けをすると、
無謀にも、生身で高速道路の中へと飛び込んでゆく

彼は走る、目前を走る車に追い縋り、身体強化を施した身体で走り始めた】

秋尾 鬨堂 > 300km/hは優に超えている。
直線の大い中産高速道ならではの超ハイスピードレーン、
その一番右側を当然のように『踏んで』いく。

「調子がいいナ。ジュンさんの燃調がきいているか」
ゴク、とシフトノブを五速に入れる。
まだ踏んでいく。前に敵が居なくとも、後ろからは着いて来るヤツがいる。
悪魔は、歓喜に身悶えている。

それにしても、今夜の公道は派手だ。
チームでの追撃。
これまでのように1VS1のドッグファイトを繰り返していれば、
確かにそのチームメイトが塩を舐めることもあるだろう。
オトされたなら、オトし返す。
公道の掟。

意地で走る男たちの、当然の思考。
それが、今この島全体に伝播しようとしていた。

五代 基一郎 > ◇中産高速道 サービスエリア

「チキバンの連中、攻めますかね」
「はっきり言えば連中はカスだ。だが走り屋としてのプライドが引くことは許さないだろう。」

出雲ブルースカイの面々が息を飲む。
この光景……状況。普通じゃない。
オービスからのデータは優に300km超えていることを伝えている。
こんなことが繰り広げられているのだ。


「撃墜レコードが……更新される……」
「皆良く見て置け。あれが悪魔に魅入られたドライバーの末路だ。」

「ところで五代さん……生身の人間が走ってるって報告が」
「これは公道バトルだ。有り得ないことはない。」

これは公道バトルだ。それを忘れてはいけない。

白崎玲刃 > ………このままでは抜かされるだけか…!
【どんどん走りゆく車に追い越されてゆく玲刃
身体強化の重ね掛けを施した彼の走る速度は、250km/sを超えていた

しかし!
中産高速道を走り行く車は、
皆優に300km/sを超えており、今の彼では抜かされるのみであった】

【しかし、彼は諦めず走り続ける】
(走りたい…!追いつきたい…!)
【そして、彼はある一つの可能性に至る
それは、悪魔の誘惑であった】

(あの時みたいに…暴走薬を使えば…)
【玲刃は、住宅街での戦闘を思い出しながら、
ポケットの中に残っていた暴走薬を取り出し、】

………っ!
【そして、誘惑に負け
走りたいと、追いぬきたいと強く意識しながら
暴走薬を己に半分注射した!】

(……走りたい…走りたい…はしりたい…ハシリタイ)
【暴走薬を半分使用した彼は、半暴走状態となり、
走る速度が増してゆく、しかし、今の彼の思考には、走るという一点しか残されていなかった

玲刃の走る速度が増してゆく、
無理な速さによる自壊を再生で補いながらどんどんと加速してゆく。
270…290…300…
ついに300km/sを超え、
その速度は、320km/sを超える速度にまで至ろうとしていた。】

五代 基一郎 > ◇中産高速道 サービスエリア

「なっ……五代さん!生身のヤツが……悪魔のLに追いついています!」

「理論上は有り得る」

「何言ってんだよ!これは公道バトル、速さの勝負だぜ!生身がどうとかって話じゃねぇだろ!?」

おちつけ、と荒れるメンバーを宥めて言葉を続ける。
この異様な状況の中で一人冷静に五代は解説を続けた。

「古来から人の移動手段として車が生まれた。四輪、二輪もそうだ。
もっと早く、便利にと。だがそもそも人間が速かったらどうなる?車より人間が速かったら……
俺達は今、その瞬間に立ち会ってる」
「ありえねぇよ……俺ら頭でもおかしくなってんじゃねぇのか……」

ざわつくメンバーに諭すように、続けた。

「ここは常世。そしてこれは公道バトルだ。有り得ないことはない。」

秋尾 鬨堂 > そう。公道バトル。
常識の外側で行われる、法を外れた命知らずの暴走は、決してレースなどではない。

だから。
ありえないことも、起こり得る―!

『なっ…なんだ?!馬…いや、チーターか?!』
チキバンの中堅、アガメムノン高崎が驚愕の声をあげる。
それほどに、バックミラーに写った姿は怪異。
『落ち着け!シルエットは…人型!人だ!二本足で、走っている!』
キルケゴール行田はそれより幾分か冷静だったが、冷静でしか無い。
いかなる異能、魔術、あるいはそれ以外の何か。
踏んでもあえなく追いぬかれ、ライン取りを誤った二台がコーナーへ激突。

「…驚いたな。この領域へ――来たのか、ジェット・マン!」
《悪魔のL》は、その姿を捉え。
古に旧首都高速に現れたという、二本脚で車を追い抜く怪異になぞらえた異名で彼を呼ぶ。
『踏む』。常識外で言えば、悪魔のマシンも相当なもの。

だが、その車体のサイズが違いすぎる。
今、止まっているような速度のトラックへと後ろから追いつき。
たったひとつの空きラインに車体をねじ込む隙は、生身のほうが余りにも有利!

白崎玲刃 > ………GAAA
【玲刃は、駆けていた
否、能力暴走状態にある今の玲刃には理性は無く、走るという思考しか無い
故に、今の玲刃はただ駆ける為に存在していた

≪悪魔のL≫に追い縋ろうとする玲刃、
しかし、
≪悪魔のL≫は速い!
能力暴走の状態にある玲刃とはいえ、そう簡単に追いつくことは難しい

だが、小回りが利くのは生身である!
そのまま、空きラインへ身体をねじ込もうとするも、突如危険を感じ引き下がる
いくら身体強化をしているとはいえ、
300km/sを優に超す、質量大の存在に当たってしまってはひとたまりも無いと本能で悟ったのだ!
故に玲刃は引き下がった。
丁度横を≪悪魔のL≫が通過し、たった一つの空きラインへと入る。

しかし、玲刃はそのまま走り、その勢いでトラックを飛び越し走り続けた。】

五代 基一郎 > 「どう思う五代のアニキ」
「正直言えば俺にもわからん。だがこれが公道バトルというのならば勝敗を決める要素の予想はつく」

常世の高速道を走らせていた元暴走族のメンバー(現風紀の高速機動隊)から問われた。
静かに頷いて答えを返す。

「車ではガソリン、タイヤ、クラッチ、シフトレバー操作にアクセルワーク。
生身では脳と神経、手足でコントロールしている。
ドライバーも運転する以上それは変わらないが、生身ではそこにダイレクトの負担がかかる。
異能や魔術にせよ生身で時速300kmを維持し続けるに限界がある。もちろんNS-Lもだ。
これだけ公道を滑らせているんだ。ガソリンやエンジン、タイヤの摩耗もある。」
「それじゃこのバトルは……」
「熟練や才能という要素を差し引けば先に集中力、スタミナが切れた方が負ける。」

仲間からの中間報告を聞きながら続ける。
炎の匂いが風にのってやってきているのを確かめながら。

「故にそう長い勝負にはならないだろう。だからこそ結果は誰にも予想はつかないだろう。」

「これは公道バトルだからな……」

秋尾 鬨堂 > クルマの速度要因は色々ある。
エンジン、馬力、空力、グリップ、トルク…
だが、最たるものはやはりダウンフォース。
車体を地面に押し付け、確実に路面へと力を伝える強さ。

だから、クルマは二次元でしか走れない。
公道の上を這うように、低く、より低く。

だが、クルマでなければ?
全く違うメカニズムで走る存在は、二本の足を備えている。
路面へと力を伝えて走るのは同じでも、その方向が異なる。

つまり、脚の進行方向は本来上。地面を蹴って、上へ上へ行こうとする動きを前方に変換しているのだ。
だから、跳べる。
失速せずにトラックの上へと駆け上がり、そのままの速度で、三次元的なルートを駆け抜ける!

「ルートを狭めたのは悪手だったか。予想外だな…やるネ!」
アツくなる。
今の一瞬で、ルートを取られ頭を抑えられた。
先行はジェット・マン。

その距離、100。速度差20といったところか。
楽しいだろう。心のなかでヤツに語りかける。
走ることが。誰よりも速く走ることが。
ただ楽しい。

だが。
「こっちだって、そうサ―――!」
『踏む』。折よくここからは中産高速道路海上エリアを超え、直線が真っ直ぐ続く海中トンネルエリア。
先行するジェット・マンを、抜くために。
《悪魔のL》が、そのL30A改ツインターボエンジンが人には解せぬ叫びをあげる。
独特のエキゾーストノート。
馬力を絞り出すエンジン、そして少しでも長く走るための駆動伝達。
ただ踏むだけではない、しかし踏むことには躊躇をしないアクセルワーク!
それらが合わさって初めて《悪魔のL》は完成する!

白崎玲刃 > ………GAAAAA!
【生身だからこそできる動き、三次元的軌道により、
ついに≪悪魔のL≫を追いぬく玲刃、

しかし、
≪悪魔のL≫も一筋縄では無い、L30A改ツインターボエンジンによって加速したその車は、玲刃へと追いつく

だが、能力暴走状態にある玲刃も力を振り絞り加速し、
そのまま二者は少しばかり、海中トンネルを並走を続けていた】

GAAAAaaaa…………っ……
【しかし!
限界は突然やってくる、
暴走薬の効果が切れ始め、玲刃の速度は落ちて行き…

≪悪魔のL≫はそのまま走り去って行くだろう
三次元軌道を生かす事が出来る生身とはいえ、
実際その耐久限界は車よりも短い、
いかに、ジェット・マンといえども
完成した≪悪魔のL≫には勝つ事が出来なかったのであった…!】

五代 基一郎 > ◇中産高速道 サービスエリア

「勝負は中産高速道で一番の直線が伸びる海中トンネルだろう」
「五代さん、今報告が入りました。生身のヤツが失速したと!」
「限界が来たのか!」

「それもあるが海中トンネルという場所が悪い。報告であった三次元軌道。
確かにあれはオープンエリアでは強さを発揮する。
しかし海中トンネルのようなストレートの場所。しかも天井がある場所では機動力が殺されてしまうんだ。」
「戦闘機でトンネルくぐって飛ばせ、というものですね……」

「おそらく今回出ていた生身のヤツもここを走るのは初めてだろう。
攻めあぐねていた部分が出たんだ。このコースの経験の差が大きく出た。」

この戦いの結末を無線越しに聞きながら息を飲む。
もし経験を積んでいたら……公道バトルに有り得ないはない。
だがもし、がないもの公道バトルである。
今夜のバトルは終幕を迎えたのだろう。

他のギャラリーも沸き、また慄いている。
悪魔のL、未だに冥府魔道を突き進む……

ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)2」から五代 基一郎さんが去りました。<補足:夏用スーツ。サービスエリアにいる。乱入free>
秋尾 鬨堂 > デッド・ヒートは直線上!
風洞上の不利さを加味すればこちらがやや有利―
いや、トンネル壁すら走るヤツにとっては、このチューブ状のトンネル全てが直線だ。
ここでも予想を超えてくる。

『踏み切る』覚悟は、全くの同等。

だが、最後に違ったのは…ただ一人で走ったヤツと、違ったのは。
皮肉にも、悪魔と呼ばれた存在と、一人と一台。一緒に走るその耐久力。

その悪魔は。
狂おしく、身を捩るように―
走ると、云う。

「楽しいだろう。ジェット・マン…」
そうだ。公道300km/h以上の快楽。
チューニングだ、スピードの限界だ、レコードだ…色々と、理由をつけて人はこの世界に飛び込んでくる。
あまりにも危険な、ヒトの社会に居てはならないアウトローたちの世界に。

だが、その原初は皆同じだ。
楽しい。走ることが。
誰よりも速く、走ることが――ただ。

公道上に、男を一人置き去りにして。
《悪魔のL》が、遠く消えていく。
新たな好敵手を探して。
今夜しかなかった、そのバトルをその身に刻んで。

白崎玲刃 > 【後日、玲刃は依頼人へと報告する
公道バトルは実在したと、
しかし、証拠として残っていたのは、
彼が走る前、街灯の上から撮影した写真一枚のみであった。
その写真は≪悪魔のL≫の姿を捕えることは出来ておらず、
ただ、他にレースに参加していた車が写っていたのみであった。

≪悪魔のL≫の伝説は残り続ける。

そして、彼は忘れないだろう、あの夜の戦いを、熱き走りの戦いを…】



【余談ではあるが、
この日、学園に一つの都市伝説が生まれた、
高速道路を高速で走ってくる男の都市伝説。
ある有名な都市伝説ターボバばあちゃんを連想させるその都市伝説
『ジェット・マン』は学園にひっそりと刻まれたという。】

ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)2」から秋尾 鬨堂さんが去りました。<補足:悪魔のLと呼ばれたマシンを操るドライバー。踏んでいける男>
ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)2」から白崎玲刃さんが去りました。<補足:自由人な、なんでも屋。高速道路で行われているというレースの調査>