2015/07/03 - 13:11~18:34 のログ
ご案内:「考古学試験会場」に日恵野ビアトリクスさんが現れました。<補足:上下ジャージ>
日恵野ビアトリクス > 「試験用特別遺跡……ね」
ダンジョンの入り口を目の前にして。
遺跡探索に適していそうな服の持ち合わせがなかったので、
上下ジャージに運動シューズという出で立ちだ。
持ち物はリュックとスケッチブック。

考古学について造詣があるわけではなかったが、
最初にこの授業を取った時はこんな試験を受けさせられるとは思っていなかった。
常世学園ならではといったところだろうか。

「本当は誰かと組んでやりたかったんだが……」
もやし魔法使いが一人でダンジョンに挑むと大変なことになるというのは、
過去のビデオゲームからいくらでも学べる。
しかしビアトリクスの友達は多くなかった。

「運動神経を要求される罠を引きませんように……」
雑に祈りながら、記録素子を腕に取り付けた。

ご案内:「考古学試験会場」に楓森焔さんが現れました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長160cm未満で胸に俺の一字を刻んだ白い道着の少女>
楓森焔 > 「お? おおー! 同じ授業受けてたのか、知らなかった」
 ビアトリクスの少し先。ストレッチに取り組む道着に裸足の少女が一人。
そちらの姿に気づくと、腕をぶんぶんと振って笑う。
 講義を受ける時間が異なっていたのか、お互い見覚えはなかったのだろう。
 腕には勿論記録素子。焔もまた、これから試験を受けるつもりのようだ。

日恵野ビアトリクス > 進みかけて一度立ち止まり、パラパラ、とスケッチブックを開く。
ダンジョンに挑む前に少し準備を済ませておかないとならない……
ふと顔を上げると、見覚えのある者がいる。

「マジか」
道着姿の少女を見て、意外だな、と一瞬思うが、
確か魔術学も受けていたらしいしそう驚くべき様な話でもなかった。
興味のある課目を手当たり次第履修制限ギリギリまで取っていたりはしそうだ。

少し考え、頬を掻いて

「……なんなら、一緒に受けるか。ちょうど前衛がほしかった」

ひらひらとスケッチブックから頁が何枚か落ちる。
何か大きな絵の一部のようだ。

ご案内:「考古学試験会場」にウィリーさんが現れました。<補足:顔に傷のある長駆の青年、制服>
楓森焔 > 「マジマジ」
 なんて人なつっこい笑みを浮かべながら、勢い良く立ち上がる。
ストレッチは万端か。適度に暖気を済ませた身体。多少のトラップ程度だったら踏み越えられそうだ。
 拳と手のひらをばしんと打ち合わせてよし行くか、と踵を返した時。ちょうど提案が来る。
「お? 一緒に? いいの? いこうぜ!」
 段階的に上がっていくテンション。表情もそれに合わせてパワーアップ。
大輪の花のような笑顔を浮かべながらビアトリクスの背を、馴れ馴れしく叩くだろう。
「おっし! これで最強タッグの結成って奴だな!」
 そう言いながら、いざ進もうと。

ウィリー > 「ああ、ちょっとそこのお二人さん」
早足で駆けてくる男が一人。

「その様子だと考古学試験受けるみたいだけど、よかったら混ぜてくれるか? 問題がなければ、なんだが」
初対面の男が急に混ざってくる事に違和感を覚えるかもしれない。
もちろん断っても大丈夫だ。

日恵野ビアトリクス > 「おっと」
新たな参加者が。ちょうど試験に挑むものが増える時間帯だったのだろうか。
「人が増えるのは、ぼくは構わないけど……
 一応、何が出来るかとか申告しておこうか。三人だし。
 ぼくは日恵野ビアトリクス。魔術専攻だ」
会釈して、軽く自己紹介する。
別にトレジャーの取り分が減るわけでもないし、
パーティメンバーが増えるのは歓迎だ。

「得意なのは召喚と転移。こんな風にな」
スケッチブックから落ちたバラバラな頁が合わさると、
旗のついた槍を携えた長髪の女性の絵が完成する。
「《ヴァルナ》」
すると召喚が為され、ビアトリクスは一時的に風の力を纏う。
一枚の絵をバラバラの頁に描いているのは、平時に誤召喚するのを防ぐためだ。

日恵野ビアトリクス > バシバシと背を叩かれて咳き込む。力強すぎる。
「最強かなー…………」
とりあえずタッグではなくなってしまったが。
焔の実力は知らないが、その立ち振舞は頼もしい。
だいぶクリアの可能性は高くなった。
いざというときは盾になってもらおうと密かに思う。

楓森焔 > 「俺も大歓迎だぜ、もちろんな!」
 親指を立ててその気持を示し、一旦身体を離して構えを取る。
「できることか。そうだな。
 "流派・俺流"開祖にして師範……楓森焔!
 できることは……」
 だん、と足を踏みこんだ。疾走して、壁に向かって走りこんだ。
遺跡の床から壁に踏み込むと、まるで"壁面を掴む"ように足の指が柔らかく食い込む。
そのままの勢いで壁を走り、飛び、懐から試験要項を記したプリントを放り投げる。
「いよいしょぉっ!」
 宙返り。プリントに叩きつけられた足が、プリントと、"空気"を掴む。
まるでそこに踏み台があるかのように、もう一段の跳躍。
その速度でもって勢い良く着地すると、その反動を活かして独楽のように回転する。
「でぇい、りゃあ!」
 その勢いのまま繰り出された蹴りは、拳風を伴ってプリントをばらばらに吹き飛ばした。
「いよっし! とと!」
 慌てて破片を回収しながら、こんな感じ! とブイサイン。
ババァーン、と音がしそうな勢いで見栄を切った。

日恵野ビアトリクス > 「…………」
格ゲーキャラみたいな雰囲気の奴だなとは思っていたが、
“俺流”はだいぶ想像を超えていた。
「すごいな…………」
それしか言えない。
武術か? いや……異能か魔術だろう。魔術は苦手らしいので消去法で異能か。
あまりのデタラメさにもうこいつひとりでいいんじゃないかな、と思いかけたが
INTを参照する系の部屋には弱そうだな、と気を取り直す。

ウィリー > 「無理を言って悪いな。俺はウィリー・トムスン、専攻は……まあ、実技ということにしておいてくれ」
軽く頭を下げ、二人の厚意に感謝する。

ともかくとりあえずは先に、二人の能力を把握することにした。
「すごいな、召喚用の儀式を先に済ませておいて必要なときにすぐ発動できるようにしてるのか……」
身に付けるものや身体に魔術刻印を刻んで、詠唱せずに発動する方法はよく知っている。そういった簡単なものとは、どうやら違うようだった。

そして、もう一人の『俺流』楓森はといえば。
「あ、ああ……なんというか無茶苦茶すぎるだろうそれ」
まるで物語やゲームの登場キャラのような、人を超えている動き。

こうも自分の能力が紹介しづらくなる流れは、あまりない。
「俺は、まあ魔術での身体強化とかだから前衛に立とう。
 攻性魔術も使えるし、盾としても十分に役立つはずだ……恐らく」一応、見せておくだけ見せておこう。
二人から大きく距離をとって、左腕を高々冗談に構えると。

「鉄魔術<鉄鎧の外殻>、<インパクト>」
それを地面に打ち付ける。拳のそれとは全く違う衝撃音と同時に、彼を中心に巨大な鉄球を叩きつけたような大きな窪みが生じる。

「簡単なものなら、こんな感じで」

楓森焔 > 「門下生募集中! へへ、むちゃくちゃっていうけど、
ちゃんと教えれば習得できる技術だから、興味あったら言ってくれよな」
 鼻の下をこすって笑いかけ。
動きは出鱈目な、漫画のような動きだが……
よく見ると何故か理屈が通っていそうな、そんな予感を感じさせたかもしれない。
 ひとまず、ウィリーの方に向き直ってしっかりと観察してみる。
「おおー! すげえ! それも魔術かあ。俺、魔術の実技は全然ダメなんだよなあ」
 魔術の才能無し、という烙印を押されている彼女は、
残念ながら俺流と魔術の奇跡融合を見ることができなかった。
それが実に無念である。
「へへ。まあふたりともよろしく頼むぜ」
 そういいながら、二人の肩に手を回すだろうか。
 意気揚々と鼻歌を一つうたった後。
「いよし! じゃあ、ダンジョン攻略、がんばるぞ。おーっ!!」
 とか、号令をかけた。

日恵野ビアトリクス > 「一人でやるのを前提にしてたからな……(※友達がいないから)
 事前に精霊を置いとかないと間に合わなくなるケースが多いんだ。
 密室のダンジョンだと酸欠やガスが致命的になるから、
 いつでも風で防御できるようにしておいたほうがいいと思って」
ウィリーの感嘆にはそう応える。
不可視の風の魔力が彼の周囲に漂っているのが、霊的知覚があればわかるだろう。

大きなくぼみを見て、おお、と小さく声を上げる。
「わかりやすいな、頼りになりそうだ。よろしく、ウィリーさん」
十分すぎる破壊力だ。
焔ほどの不可思議さはないが、それが逆に有効に働くこともあるだろう。

「本当か……?」
ちゃんと習得できる……? 眉に唾をつけた。
“俺流”を差し引いても身体能力は高そうだ。それに裏打ちされたものだろう。
どのみちビアトリクスにとっては体力強化のほうが優先される課題ではあった。

スケッチブックをたたむ。

「……よし、じゃあ、行こうか」
ともあれ、少し遅れたが、試験を開始することにしよう。
前衛二人、後衛一人、悪くない編成だ。
できればスカウトやら鍵師やらがほしかったところだが、贅沢は言うまい。
焔の後へと続く。

ウィリー > 「楓森、失礼を承知で言っておくが……仕掛けのたぐいには触るなよ? 試験とはいえトラップの威力やそれによる減点はバカにならなそうだしな」そう言って笑った。

ビアトリクスの纏う風の魔力は、恐らくある程度の危険察知に役立つに違いない。
となると、こちらは『人が仕掛けそうな罠』に対する警戒に集中するべきだ。自警団で身につけた細かな技術が役立ちそうな気がした。

「よし、進もうか」照明の準備をして、楓森の横を歩き出す。

楓森焔 > 「みんなよく考えてるよなあ……」
 本人は授業の内容を繰り返し思い出すぐらいしか思いつかなかった。二人の言葉を聞くと何度も頷いて、
「んー、ビアトリクスの体格なら、基礎二週間の後一週間ぐらいで水上1m疾走ってとこかなあ……」
 疑問符を重ねる相手に対しては、真剣に見立てをしながら、ウィリーの言葉には大口を開けて笑った。
「はっは! そうずばっと言ってくれたほうが気が楽だ。俺も頭使うのは苦手だし。試験だし、俺も俺なりにちゃんと考えるけどさ」
「そーいうわけで、上手くチームワーク合わせていこうぜ。な」
 誰も号令には乗ってこなかったことには少し肩を落としつつ、にっと笑って転移魔法陣に踏み込んでいくだろう。

日恵野ビアトリクス > 「マジで……?」
そもそも水の上って走れるものなの?
しかしあまりにも真剣なので実は本当にやれるのではないかという気分に一瞬だけ。
頭を振って、進んでいくと……
[1d15→15=15]
日恵野ビアトリクス > 15.
暗くしんみりした淀んだ空気が流れてくる……。ここは墓所を模した部屋らしい。
内部にはスケルトンたちが持ち場を守り巡回している。彼らは音に敏感だが、視界が狭い。
うまく墓石に隠れながら進むか、正面から突破するか。
ただし、戦闘が長引けば彼らはすぐに復活する。長期戦は不利だ!

日恵野ビアトリクス > 転移した先はスケルトンの巣窟だった。
「1、2、3、……けっこういるな」
一人であったなら隠れて進むことも容易かったかもしれないが、
三人で音を立てずにひっそりと潜り抜けるのは少し難しい。

正面突破でさっさと走り抜けたほうが早そうだ。
ちら、と二人に目配せする。

ウィリー > (アンデッドか、再生するタイプだと厄介だな)
薄暗い空間の中で一番大きな墓石に隠れると、二人に小声で話しかける。

(あの類の敵には光に炎が効くが、その場しのぎにふっ飛ばして即効で駆け抜けるほうがいいはずだ)
(どう思う?)

楓森焔 > 「よし、それじゃあ……」
 先ほどの彼らの動きを思い出し。
「俺が惹きつけるよ。俺なら壁走ればすぐには捕まらないからさ。
ウィリーとビアトリクスは先行ってくれ」
 万が一があっても、二人なら少数程度、簡単にさばけるだろう。
幸い、脚力には自信がある。吹き飛ばしも俺流のパターンの一つだ。
 この場を引き受けるのは十二分にありだろう、と判断した。

ウィリー > (わかった)楓森の言葉を受けて、出口までのルートを確認する。
薄暗さでいまいち把握しづらいところはあるが、ともかく提案通りに動くほうが得策だろう。

(楓森、これを)自警団の装備であるフラッシュバンを一つ手渡す。
(しんがりを任せるんだ、一応撹乱用に持っていけ。レバーを握ったままピンを抜いて、それを相手に投げる)

「いいな? いくぞ」姿勢を限りなく低くして、墓石の後ろから飛び出す。
砂利を蹴る音もできるだけ小さく、気づかれてもいいが距離を詰められないように。

日恵野ビアトリクス > (炎か、任せろ)
頷いて静かにスケッチブックを開く。
マーカーで、噴火する火山が描かれている頁が覗く。
いざとなればこれを使おう。

ウィリーに静かに続こうとするが、
音を立てない歩き方にさほど習熟してはいない。
うかつにも小石を蹴り飛ばす。スケルトンがカタリと音を鳴らしてこっちを向いた。
「げっ」

楓森焔 > 「――!」
 小石の音。スケルトンがこちらを振り向く。
その瞬間、一気に焔のスイッチが切り替わる。
「オォ、ォオオオッ!!」
 猛るような声。踏み込み。ずだん、と地を揺らすかのような勢いで疾走する。
ビアトリクスの音をかき消すかのように、全力で、部屋の端へ向かって踏み込んでいく。
「来やがれ、ガイコツども!」
 叫び、拳を突き出し、足を振り回し。近寄るものを片っ端から暴れて潰す。
 物量は圧倒的だ。押しつぶされてしまいそうだが、まだ壁に逃げることはしない。
 まだひきつけられる余地があると判断し、とにかく暴れまわっていた。

ウィリー > 「……ビアトリクス?」存外に、スケルトンは生体の反応に敏感である。
それが音であれなんであれ、こちらを確認すればじりじりと――そして続々と現れる。
土の下から、墓の下から、彼らは、迫りよる。

「走れ走れ! 楓森、援護任せるぞ!」ビアトリクスの腕を引きながら、火の呪文を詠唱する。
「『アグニ』!」扇状に拡散する炎が、スケルトンたちを仰け反らせる。初級呪文ではこの程度か……。

「全く、大人しく成仏してくれればいいものを!」

日恵野ビアトリクス > 「悪い!」
一瞬動揺してから、我に返って火山の頁を引きちぎる。
それで魔術は結ばれ、絵が輝いて数発の炎弾が飛び出し、
スケルトンの群れに殺到する。
激しい発光。墓石が破壊される。一体が炎に包まれ、崩れ落ちる。
さらに《ヴァルナ》の風を利用して、ウィリーの火を含めて向こうへと煽る。
それでさらに数体が火に巻かれる。

「焔! さっさと来い!」
ぜえぜえ言いながらウィリーに連れられて走る。

楓森焔 > 「ぐ、ぬぬぬぬ……!」
 今までやったことがあるのは精々十人組手。
実戦の数でいえば多人数は一回のみ。
 だが、それでも譲れぬ意地はある。
護るために作った俺流だ。
ならば、この場所で発揮できずになんとする!
 限界ギリギリまで相手をひきつけ、もうダメだ、というその瀬戸際まで。
幸い、援護もあってもう殆どがこちらに惹きつけられている。
 しかしそれは、焔から脱出の機会を奪っているのにも他ならず。
 ――今から"壁"を掴んでは勢いが足りない。
「最短ッ、最速!」
 そういって彼女が選んだ道。それはスケルトンの"頭の上"。
「お、おお、おおおおっ!」
 ただの骨よりは、彼女の足の方が早かった。
スケルトンの頭を踏み越え、そして。炎によって吹き上げられた風。
それを足場に更に疾走した。
「最後に、これっ!」
 追いすがろうとするスケルトンに投げつけたフラッシュバン。音と閃光が、最後の最後までスケルトンを釘付けにしてくれるはず。
 そのまま、飛び込むよう、転がるように二人のもとに着地するだろう。
「せ、セーフ……!」

ウィリー > ビアトリクスの頭の回転は存外に速い。こちらの魔術を巻き込んで強化するとは、さすがに魔術専攻は伊達ではないということか。

「よし、どうやら次の部屋に抜けられそうだ……」また墓石の裏に隠れて、囮となっている楓森の姿を覗きこむ。

「ああ、ああいうの映画で見たことがあるな」しょうもない感想を漏らしつつ、フラッシュバンが彼女の手にあるのを見て。
「目と耳をふさげ」ビアトリクスにそう告げて、自分もその通りにする。

「……おう、おつかれさん」アメリカンヒーローじゃあるまいし、などと思いつつ着地した楓森に手を差し出した。
「さっさと次に行こう、追いつかれる」

日恵野ビアトリクス > 「相変わらず住んでいる世界がずれてるな……」
焔の活劇を見てそう漏らす。アレでも一応彼女なりの理があるようだが。
バラバラになった骸骨共は早くも自分で自分の骨を拾い集めだしている。
長居はできないしする意味もない。
出口はすぐそこだ。

「おつかれ。なんとか切り抜けたな……」
発光が収まった頃に目を開く。
フラッシュバンに気を引かれているうちに……
三人で次の魔法陣を踏んだ。
[1d15→3=3]
日恵野ビアトリクス > 3.
真っ暗闇の部屋の中複雑な迷路が待ち構えている……。途中途中の分かれ道には真面目に考古学の講義を受けていたら正解がわかるような簡単なクイズが壁に書かれているぞ。正解を選ぶとどうやら出口へ近づけるようだ。
もちろん、そんなのとか無くてもルートがわかるようなら無視して進んでも良いぞ。出来ることなら灯りは用意していこう!

ウィリー > 「どうやら迷路みたいだが……暗すぎる。明かりつけるぞ」
懐中電灯で前を照らすが、ほこりっぽさがわかっただけで相変わらず情報量が少なすぎる。
さて、どうしたものか……?

「ビアトリクス、風の動きは読めるか」

楓森焔 > 「お、おお? あ、えーっと、なるほど……」
 懐中電灯でこちらも前を照らしつつ通路をじっと観察している。
「あ! ここ。ここ、なんか書いてあるぜ」
 壁に何かが書いてある。じっと見つめると、クイズであるようなことが分かって。
 真面目に授業を聞いていれば分かる簡単なクイズ。
頭を使うことは苦手だが、せめて暗記できる事項ぐらいはしっかり頭に叩き込んだ。
 焔も少し時間をかければ分かるだろうが……。
「そうか、風って手もあるのか」
 出口があるなら風も来る。そちらで突破するという手もあるだろう。

日恵野ビアトリクス > 「…………また陰気な場所に出たな」
いや、ダンジョンだから陰気な場所しかないのかもしれないが。
照明をウィリーに任せて、周囲の様子を伺う。
《ヴァルナ》に探知させては見たが……
いまひとつ風の流れが読めない。首を横に振る。

「普通の迷路ならともかく……
 ここは転移陣で隔離されてるからな。難しい」
どこかから空気は来ているので、酸欠になることはなさそうだ。

「……ん?」
焔の指し示した先を見ると、何か書いてあるのがわかる。

【CONTRA-DEXTRA AVENUE】
解読するとそう読めた。

「……左手に沿って進め、って書いてあるな」

ウィリー > 「……面倒な構造だな、仕方ない。インディアナおじさん先生の言うとおりにしておくこう」
考古学試験である以上、試験者の指示には従わなければ。

「ヒントがあったならそれに従って進むとしよう。……しかし、その文章は読む人間によって解釈変わるよな」
まさか引っ掛けではないだろうが、とりあえず指示の通りに進む。
相変わらず辛気臭い場所だ。

楓森焔 > 「暗い所は慣れてるぜ。夜目も効くし」
 一月に一週間分ぐらいは青垣山で過ごす彼女にとって、暗く陰気な場所は慣れたものだ。
 慣れた夜目で目敏くヒントを見つけるだろう。
「しかしはえーなあ、答えるの」
 ビアトリクスの回答速度には流石に舌を巻いた。
彼に遅れて正解には辿り着いたものの。
「それじゃあ、一応俺も分かったら言ったほうがいいかな?」
 ウィリーの呟きに答えつつ、お、あった。なんて次のヒントに。

日恵野ビアトリクス > 「まあ、一般的な意味と考えて間違いないだろう」
そんな性格の悪い出題者ではあるまいし。多分。

「CONTRAは“逆”、DEXTRAは“正しい方”すなわち“右”、
 AVENUEは“道”……つまり、右の逆……左に進めってことだな。
 まあ、ダンジョンの古典的なリドルだね」
左の道を進みながら、復習とばかりに解説。
教科書でもさんざん引用されている。

日恵野ビアトリクス > 「で、えーと……次のヒントは、と」

【2本を除けば、すべてマーガレットという花束があります。
 またこの花束は、2本を除けばすべてバラだと言えるし、
 2本を除けばすべてかすみ草だとも言えます。
 では、この花束は一体何本の花でできているでしょうか?】

何本もある分かれ道には、それぞれ数字が振られているのが見える。

日恵野ビアトリクス > 「…………?」
焔が再度見つけたヒントに頭を捻る。
頭の回転の速さを評価されたビアトリクスだが、
正解にたどり着くには少し時間がかかりそうだ。

楓森焔 > 「? 三本じゃないの?」
 花束といって三本しかないとは、いささか怪しいものだが、
二本除けば残った一本はバラか、マーガレットか、かすみ草。そのどれかになるだろう、と。
 バカなりの、シンプルな思考回路だった。

日恵野ビアトリクス > 「あ」
間抜けな声が出る。
「そうか3か」
すんなりと理解する。どうやら難しく考えすぎていたらしい。
確かに“簡単”なクイズだった。
少しいたたまれない表情に。

「ということはこっちだな……」
【3】と刻まれた数字の通路に歩を進め……
しばらく歩いたところで、“カチ”という音がした。足元から。

楓森焔 > 「お、おお!?」
 まるで大口を開けるかのように、床が開いた。
こんな時こそ俺流の力の発揮どころ! ビアトリクスを抱きかかえながら壁をけろうとする、が。
「あ」
 壁の側面は、凹凸もない美しい曲線を描き。
なおかつ魔術的処置の施されているであろう油が一面に塗りたくられていた。
 壁に書かれた『注意一秒怪我一生』の文字に、確かに、と納得した。
 ビアトリクスを抱えられたかどうかは分からないが、
少なくとも焔が下に回りこんで支えることは恐らく間違いないだろう。
 ウィリーが豆粒のように見えなくなっていく。
そしてそのまま、落とし穴の口が、閉まった。

日恵野ビアトリクス > 「うわああー!」
緊急時に人間というのは間抜けな声しか出せないらしい。
完全に油断していた。そりゃ罠ぐらいあるよな、迷宮なんだから。
油断したけど壁面には油たっぷりってやかましいわ。
というかこの落とし穴念入りすぎだろ! 心中で叫ぶ。

ヒュ~ン。
ドサッ。

「……ってて……」
身体をしたたかに打ち付ける。少ししびれたが、
大した怪我はしていないようだ。
「大丈夫か、焔……」
とりあえず体勢を整えて立ち上がろうとして、
なんか柔らかい感触が手に伝わった。

楓森焔 >  ビアトリクスをかばうために下に回った。分かる。
 ということは自然、焔はビアトリクスの下敷きになるわけである。
焔はなんとか着地の際に、俺流を駆使して衝撃を殺したのである。
 ビアトリクスも怪我をしていないのは恐らくそのせいだろうか――。
「お?」
 焔のよく発育した胸を何かが掴んでいた。罠か。罠だな?
「おおお?」

日恵野ビアトリクス > 「…………」
何を掴んでいるか悟り、数秒の硬直。
明かりが失われ、顔色はわからない。
シュッと手を戻し、自分でもびっくりするぐらい機敏な動作で立ち上がる。

「…………」
リュックからペンライトを取り出して、周囲を照らす。
似たような迷宮が続いているようだ。
閉じ込められた、というわけでもないらしい。
探索のある種のスパイスだろうか。

「……はぐれてしまったな。どうしたものか」
焔のほうを見ずに、努めて平然な様子でそう言う。
――“なかったこと”にできないかと思っているようだ。

楓森焔 > 「おお、おお! ああ、なんだ、ビアトリクスか。
いやあ、なんか出てきたのかと思ってびっくりしたぜ」
 予想以上にあっけらかんとした仕草。
身体の埃を払って笑う。
化粧っけもないし髪の手入れをしているようにも見えない。
口調からしても、驚くほど自分の性に頓着していないのだろう。
 流石に掴まれるのは少し照れはあったが――。
 ぱん、と両頬を叩いて。
「んー。携帯、は勿論つながんねえな。ここ、一応書き置きしとくよ。それで先に進もうぜ。上には登れそうもないし、ウィリーも来そうにない」
 落とし穴に落ちてはぐれたので先に行きます、方向はこっちです。みたいな紙を壁に貼り付けながら。
 "なかったこと"にすることは容易そうであるが。
「とりあえず前は任せろよな」
 なんて、改めて肩を叩いた

ウィリー > 「……落とし穴か、謎解きのペナルティにしてはやり過ぎな気もするが」
二人が選んだ通路の足元を照らして、スイッチらしきものを見つける。
試験だから仕方はないが、ダンジョンとして考えればもう少し警戒すべきだろう。足でそれを押し込むと、その足元にポッカリと穴が空く。

「よいしょ」毒を食らわば皿まで。間違った答えを選んだ友達のケツモチも最後まで。
異能で強化された左腕を上手く壁面に打ち込みながら、ゆっくりと降りてくる。

「二人とも無事か? 俺がいないうちにラブロマンスを展開したりはしてないだろうな」
何をか言わんや。ふてぶてしいにも程があった。

日恵野ビアトリクス > 「…………」
あれ?
「いや、その……助けてくれてありがとう」
気まずそうに背を向けたまま。肩を叩かれればよろめく。
(無頓着で助かった……)
“なかったこと”にするのはさすがに良識が咎めたが、
本人が気にしていないようだし大丈夫だろう。多分。
感触を思い出そうとするかのように二度手を握る。
「……改めてよろしく」
そして歩き出そう――として、背後からウィリーの気配が。

「してない、してない……」
振り向いて苦虫を噛み潰したような顔。

日恵野ビアトリクス > 少し歩き出せば、そう経たないうちに次のエリアへの出口が見つかるだろう。

「……ひょっとして、落とし穴に落ちるのが
 正解のルートだったのか……?」

楓森焔 > 「いいのいいの。お互い様ってな」
 と歯を見せながら笑っていると、背後から着地音。
「お」
 振り向くと、はぐれたはずの仲間が来た。
「おおー。きたか。わりいわりい。へへ、らぶろまんすってのは特になかったんじゃないか?」
 特にそう感じてはいないのである。気にした素振りもなく、例のアレは意識せず。
「ただまあ、アレは妙な感じだったな」
 胸をもまれたアレ。その感触に首を傾げながらも
「お、出口か! 辿り着くまでは遠足、正解選んでも油断はするなってことか」

ウィリー > 冗談に奇妙な反応が返ってきたのを訝しみもせず、話を続けた。

「そうだとしたら、あの教師に説教する必要がありそうだな……」
楓森の発言は興味を掻き立てるものがないではなかったが、深く突っ込んで聞くのも
憚られた。ビアトリクスの反応と合わせて考えると、尚更に。

日恵野ビアトリクス > 「アレ……」
肩身を縮こまらせる。出るところに出られたら困る。
「……事故だよ。事故」
なんとも言えない表情でそう弁解する。なおさら怪しく思えるかもしれない。

「ま、ともかくお互い無事合流出来て、
 出口にも辿りつけてよかったよ」

出口を一歩踏み出すと――
[1d15→3=3]
日恵野ビアトリクス > (もう一度) [1d15→9=9]
日恵野ビアトリクス > 9.
おやラッキー!碑文がぽつんと置かれた部屋に出た。どうやら碑文の古代文字をきちんと解読すれば壁一面のスイッチの中から正しいスイッチを選び次の部屋をスキップできるだろう。
この古代文字は授業で扱ったものしかでてないぞ。頑張り給え!(ダイスを振る回数を-1して下さい。)

日恵野ビアトリクス > 次の部屋は碑文と壁一面のスイッチ。
特に頑丈な扉が行く手を阻んでいるわけでもない。
正しいスイッチを押せば何かしらのボーナスがある、というところだろうか。
「……また謎解きかな」
手当たり次第に押せばどうにかなる――というものでもなさそうだが。

ウィリー > そこそこに広い部屋の中に、碑文が一つ。新しくしつらえた石に、文字がいくつか刻まれている。
「……ヒエログリフみたいだな。ちょっと待ってくれ」
いつだったか習った覚えがある。役立つとは全く思わなかったから、ほとんどうろ覚えなのだが。

楓森焔 > 「お、おお……おおお……?」
 ええと、この文字は光を表していて、この文字は過去……とか呟きながら、ウィリーの横から覗き込むように考えこんでいる。
 総当り式に今まで習っていたあれを思い出しながらブツブツと。

日恵野ビアトリクス > 「ヒエログリフか。結構長くて難解だな……
 手分けして解読しよう」
できないわけではないが、普段使い道がないだけにいきなりスマートに読み解くのは難しい。
三人で碑文の前で雁首合わせて解読していく。
「……どうやら座標を示しているみたいだな」

ウィリー > 「これは近づく足と数字……合わせて考えれば歩数だな。
 そして、空を示す文字に木の文字が幾つか。4つ」
見回すと、向かって左側の天井から四本の木の根が這い出ていた。

「スイッチはこっちのようだが、肝心のスイッチ自体を特定しなきゃな
 なにかわかりそうか?」

楓森焔 > 「あ、ここ、鏡になってんな……碑文と合わせると光が反射させろってことか?」
 軽く照らすと、室内に配置されたいくつかの鏡が光を反射して収束、部屋のどこかを照らすようだが――。
「決まった場所から光を当てろってことかな」
 と、首をひねった。

日恵野ビアトリクス > 「ん、よく気づいたな」
碑文から、示された歩数だけ進み、そこからペンライトで鏡に光を当てる。
すると光が反射を終えた後、碑文のうちの文字のひとつを照らした。
三本の縦棒。

「……三番目か」

木の根の左から三本目の先端近くに、スイッチがあるのがわかる。

「……それか?」

ウィリー > 「ああ、どうやらそうみたいだな! ご丁寧に『建物に足』……出るって刻んであるぞ」
これを押してまた落とし穴、などという意地悪もあるまい。

「押してみよう」ぐ、と押しこむ。
石と石が擦れて、何かの機械が動作する音がした。
音の方向から、光が差してくるのが見える。

楓森焔 >  緊張の一瞬。手をぐっと握りしめ扉を見つめて。
音を立てながら開いた扉を見るや、
「いよっしゃー! 友情、努力、勝利って奴だな!」
 とか、二人にハイタッチを求めつつ、
終わったなら意気揚々と進んでいこう

ウィリー > 「ハハハ、お疲れさま。助かったぜ」人見知りで仏頂面が常の彼には珍しく、相好を崩してハイタッチに応じる。

これでようやく、外に出れそうだ。

日恵野ビアトリクス > 「お、ビンゴだな。流石だ」
軽く笑んで、ハイタッチに応じてやる。
どうやら正解すればショートカットできるという仕掛けだったらしい。

「……これで終わりか?
 試験要項によるとたしか証明書を出す機会があるらしいが……」

開いた出口……その側面の壁を確認すると
ガチャガチャのような機械が取り付けられている。
ためしに記憶素子を入れてみると……
[1d7→2=2]
日恵野ビアトリクス > ゴロン、と二つの星が入ったボールが出てくる。
「……どっかで見たデザインだね」
まあそれはいい。これで問題なくクリアといえるだろう。
ふう、と息を吐く。

楓森焔 > 「これでクリアだっけ? いやあ、よかったよかった。
俺一人じゃどうなることか分かんなかったぜ。
さんきゅーな!」
 無邪気に笑顔を浮かべながこちらも記憶素子をいれてみる。
「さっがっそーうぜー、スターボール!」
 どこかで聞いたようなフレーズと共にガチャっとな。
[1d7→7=7]
ウィリー > 「……どこかで見たことのある球だな?」
証明書の概念を疑いたくなってくる、微妙なクエストアイテムめいたそれを見て苦笑する。

「複数人いたら全員素子を入れないといけなかったっけか、よし」
[1d7→7=7]
日恵野ビアトリクス > 「まあ、担当教師があんな感じだし……」
普段の講義風景を思い出す。
なかなかいないタイプのうっとおしいオッサンだった。

「なんだよ二人共七つ星か」
若干不満そうに。別に星の数に大した意味は無いんだろうけど。

「……ともかく、助けられたよ。ありがとう」
控えめに礼を言う。ウィリーの冷静な判断力、
焔の腕っ節と機転にはだいぶ助けられた。

リラックスして伸びをして、光の差すほうへと。

ウィリー > 「7か、被ったな……」別に全員バラバラでなくともいいのだろうが、
こういうものはなんというかコンプリート欲を掻き立てられるもの。

「なんだよ、みんな揃ってスリーセブンが良かったか?」笑いながら、
楓森とビアトリクスの間に入って二人の肩を抱く。
つかの間の戦友というところだろう。至って楽しげに。

「こちらこそ、助かった。ありがとうな」

楓森焔 > 「交換する? あ、試験なんだからダメか」
 気軽に提案しながらこちらも外に向かって歩く。
「へへ、いいよいいよ。友達だろ」
 なんてウィンクしてみた。明らかにもう片方の目も閉じ気味だ。
器用な方ではないらしい。
「確かに楽しい先生だからな。どっかで見たこともあるのはやむなし。……やむなし?」
 自分で言った言葉に首をかしげつつ、楽しそうに歩幅はステップ気味。
 肩を抱かれることに勿論拒否はない。
「こりゃあ、来学期も同じ試験だったらこの三人で楽勝だな」
 なんて得意げに二人を見た。

日恵野ビアトリクス > 「別にいいよ……」
苦笑する。

肩を抱かれるのは普段なら嫌がるところだが、
同じ苦難にともに挑んだ仲だからか、不思議とそうはならなかった。

「……友達、ね。
 まあ、似たような試験だったらまた手伝ってやるよ。
 次はもっと難しくなってるだろうし、こう簡単にはいかないだろうけどな」

遺跡を出れば、外は晴れ渡った青空。
遺跡の湿ってひんやりとした空気とは大違いだ。

「……それじゃ、またな。
 講義かなんかで顔を合わせることがあったら、よろしく」

二人からするりと離れると、ボールを片手に、どこかへと消えていく。

ご案内:「考古学試験会場」から日恵野ビアトリクスさんが去りました。<補足:上下ジャージ>
ウィリー > 「ああ、それじゃあまた。……楓森もさすがに疲れただろう?」
猫のように腕をすり抜けたビアトリクスに肩をすくめて。

「お前の格闘術にはかなり興味があるんだが、また今度にしておくよ
 よかったら連絡先を教えてくれるか?」

楓森焔 > 「んー、確かにちょっと気疲れしたな」
 頭を掻いて。実戦はまだまだ慣れないし、頭も使ったと苦笑して。
「いいぜいいぜ! 道場とかもあるから、よかったら顔出してくれよな」
 と、いいながら道場の場所や携帯電話の番号を伝えるだろう。
「へっへ、ビアトリクスも、またな!」
 笑顔で、歩き去るビアトリクスにはぶんぶんと手を振って見送った。

ウィリー > 「わかった、感謝する」連絡先を受け取って、自分のそれも伝えた。
一つ大きく伸びをして、ビアトリクスと同じように空を仰ぐ。

息苦しさはない。とても爽やかで、試験を終えた爽快感に満ちていた。

「それじゃあ俺もこれで。本当にありがとう」
笑って、踵を返して会場を後にした。

ご案内:「考古学試験会場」からウィリーさんが去りました。<補足:顔に傷のある長駆の青年、制服>
楓森焔 >  試験の中では、今日が一番楽しかったかもしれない。
浮足立ったステップで試験会場を歩いて行く。
手には勲章のごとくボールが輝いていて、誇らしげに胸を張った。
「さーって、今日はよく眠れそうだ! ま、その前に次の試験の勉強をしなきゃな」
 鼻歌まじりにスキップ。あまりにも浮足立ちすぎて、最後に全力でコケたのであった。

ご案内:「考古学試験会場」から楓森焔さんが去りました。<補足:どなたでも乱入歓迎。身長160cm未満で胸に俺の一字を刻んだ白い道着の少女>