2022/02/05 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟」にメロウさんが現れました。
ご案内:「第一教室棟」からメロウさんが去りました。
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黛 薫 >  
常世学園、第一教室棟のロビーにて。

訪れた2人は車椅子の少女とその付き添い……に
見えるが、実際はその逆。車椅子の少女、黛薫が
調香師メロウの学園見学に付き添っている形。

「ココが教室棟。正確には第一教室棟って言ぅ。
 第三まであって、ココで授業受けたりとか……
 学生としての活動は大体その辺で出来る」

常世島は実験都市であり、島自体が学園の所有物。
従ってこの島に住む人々の大半は『学生』である。
学生証を持っていないのは異世界からの来訪者や
違反によって剥奪された者などごく一部。

だから、まあ。違反学生の黛薫が「知り合いに
学校を見学させたい」などと口にすれば色々と
勘繰られるのも無理のない話ではある。

話せない、話したくない事情を伏せつつも真摯に
頼み込んだ結果、無理を通して聞き入れてくれた
風紀委員には感謝しかない。

お陰で今日は違反学生の身分でありながら監視は
緩めてもらえている。学園に迷惑をかけないよう
少しばかり肩に力が入っているのはご愛嬌。

メロウ > 「ふーん?ここがそう。『学園』、その中
 噂でしか聞いた事無かったけど」

ロビーの中央、踊る様に一回転
真白いゴスロリ調の衣装、タイツの黒
薫の知り合いがただの少女の形をしていれば、
事情を知らぬ生徒らの目線も、自然と流れていこう

ぴたりと、独楽は止まり。踵合わせ貴女に向いて、首を傾く

「街と同じくらい、香りの行き交いがあるかも?」

『これ』が学園を知らぬ物。落ちた訳でもなく、初めから資格を得られなかった物
ただの交わりであれば、この島の『明るい方』に干渉する事も無かった筈の存在

興味があって、踏み入れられる。その幸運と裏の努力も知らない笑みだった

黛 薫 >  
「そりゃな。この島にいるのは殆ど『学生』だし。
 逆に言や、この島で暮らしてるヤツらの大半が
 ココに集まるんだから。おんなじ時間に一同に
 会するなんてこたねーけぉ、密度で言や街よか
 上かもしんねーな?」

割合で言えば人間の見た目をした者は多いだろう。
だが人外種は勿論、怪異に魑魅魍魎、機械生命体、
果ては神や悪魔さえ受け入れる学園、その中でも
人の集まりやすいロビーとくれば踊るかのような
足取りも奇怪には映らない。

知らぬが故の無垢な笑み、それが見られたのなら
裏で必死に頭を下げた甲斐もあろうもいうもの。

「よっぽどはぐれたりはしねーだろーけぉ、
 念のためあんまし離れんなよ。広いから
 一回道を見失うと今何処にいんのかさえ
 分かんなくなっから」

黛薫、ド田舎の出身。迷子は入学時点で経験済み。

メロウ > 「私は迷わないよ。薫さまの香り、覚えてるもん」

今日も私が作った香りなら。或いは水で流した後の香りも
両方きちんと、知る機会はあったもんね

また漏れ出た笑う声にはそんな意図
しかし、進むにしても進みすぎる事は無い
少女でありながら、彼女は子供ではなし
少女でありながら、貴女は主というもの

「でも。ちょっと『興味あるな』って相談してみたら、薫さますぐ準備しちゃって
 あなたも学園の人だったんだ。そう言う事、実は知らなかったかも

 お客様にも。風紀委員以外の人にも、思ったより沢山居たのかな?」

黛 薫 >  
「そりゃ、メロウなら合流は出来るだろーけぉ。
 その間1人でふらふらしてんのが心配ってだけ」

主でありながら首輪は程々に緩く、しかし手綱は
握りしめて離さない。本人の言葉を借りるなら
心には従って欲しいけれど独り占めもしたい、と
いうことなのだろう。

車椅子の車輪の動きはややふらつきがち。
人の多い空間では集中が乱れがちなのもあるが、
メロウに目を惹かれた生徒の視線に割り込んで
視線を切っているからでもある。独占欲。

「多分だけぉ、あーたの客も学生のが多いと思ぅ。
 学生も含めて関係者っつーなら、この島にいる
 大半の住民がそーだもん」

もっとも学生が得られる『権利』の話をするなら
黛薫は限りなく底辺に近い方。復学支援の対象に
なっていなかったら、それこそ『関係者』とすら
名乗れなくなっていたところ。

「ひとまずココがロビー。次の授業まで半端に
 時間あるけぉ、帰るほどではないときとかに
 宿題やったり。そーゆーの無くても友だちと
 駄弁ったりとか、のんびり出来るスペース?
 って言やイィのかな」

メロウ > 目線を切っても香りが残る
すると彼女の靡く髪がある

上機嫌に歩けば歩くほど、
セミロング程度でもよく揺れる

独占したい側からすれば、
何とも自由で、御しがたいものか

「ロビー。ここが
 お店の入口の...ううん。お店の中よりもずっとずっと広いんだね

 ここ全部に香りを広げるには、とっても大変そうかも」

彼女なりの完成か。空間があると、すぐに匂いを届ける事を考えがち
顔を向けて、指を口元に。考え事

「そういうのってどんな感じかな?
 そういうのって実際やってみる?
 私と薫さま。どうなるかなって」

空いた机があれば、そちらの方に流れていく

黛 薫 >  
「テナントのお店なら、中は空っぽで目的に沿って
 満たしてくコトになるんだろーけぉ。この建物は
 目的ありきで出来てっからな。ロビーにしたって
 大勢の学生が流れてきても混雑しねーくらぃには
 広くなるのも当然なのかな」

軽く貴女の袖を引く。引き止めるほど強くなく、
伝えたいことがあると示す程度の軽い主張。

「休むでも時間を潰すでもイィけぉ、体験すんなら
 先にそこ寄ってこ。宿題にせよ何にせよ、目的が
 あったって手ぶらじゃ味気ねーかんな」

指差したのはロビーに備え付けられた自動販売機。
正規の学生証があれば無料でドリンクが提供される。
流石にホットスナックまで無料とはいかないが。

「右下のヤツ以外なら好きなの買ってイィよ。
 あーしが通ってたときは順番に違ぅ飲み物
 買ってたっけな」

除外された右下は徹夜御用達のハイカフェイン
コーヒーである。尋常じゃなく濃くて苦い。

メロウ > 「ん?アレは自動販売機」

軽い注意でも簡単に留められ
方向には四角い機械。お仲間

「場所は目的にそぐうように
 だから、休憩は休憩に
 なるほど、一理あるかな?」

傾いた首につられる形で反転。並んだ目線に目を向けます
ほぼノータイム。選ばれたのは、ミルクティーでした

「薫さまは順番に。今はどの辺り?」

人差し指は伸びたまま。時間が経って提供されるまでの待ち時間

黛 薫 >  
「どーだったかな。あーしが最後に買ったの、
 もーずっと前だから。覚ぇてねーや。

 順番に買ってても、たまーにどこまで飲んだか
 分かんなくなるときあってさ。確かまだ飲んで
 まだ飲んで無かったよなってヤツ買ってみたら
 最近飲んだなって味がしたり。

 順番に買ぅワケだからスキなのもキライなのも
 何となく記憶に残っててさ。どこまで飲んだか
 忘れたのを言い訳に、飲んだの覚えてるスキな
 飲み物まで戻ってみたり。そーゆーコトしてた」

学生証を電子パネルに押し付けて支払いを代行。
正規の学生ではないので料金は引き落とされる。

「こっちの自販機はコーヒーだけぉ、あーしは
 豆の種類とか分かんなぃし。だからいっつも
 その辺で分かんなくなって、コーヒーだけは
 全部の種類まとめて1回分って決めたりとか。

 だからコーヒーはどれでも良かったんだけぉ、
 どれでもイィって思ぅと逆に決めらんなくて
 目ぇ瞑って押したりもしてたっけ」

正規学生の頃の想い出なんて碌に残っていないと
勝手に思い込んでいたのに、するすると記憶から
引き上げられる。黛薫が購入したのは1番下の段、
銘柄もよく知らないホットコーヒー。

メロウ > 「そういえば、お店での香りを思い出すよね
 うん。スリープしちゃった日の事だけど

 私も色々な香りに包まれて。でも『欲しい香り』は選べるんだよね
 豆の名前も知らなくて、その配合だけ分析出来て

 そのコーヒーの中のどれよりも、私はきっと香り高く淹れられるよ?」

自動販売機の前でする会話としては適切かどうか疑わしい
でも香りの話題は気を惹くものだし、香りの話題で負けたくはない

彼女の誇りの、ちょっと捻じ曲がった部分

「薫さまって、お友達少ないの?」

戻る歩み、唐突に
最初の紹介では、『宿題をしたり』『お友達と過ごしたり』
貴女が勤勉な様子は知っていよう。長く、落第街で過ごした事も

それでも直接、その部分に触れた事は無かったか
学園の話題と同じように。当り前になり過ぎて、見過ごしてしまう部分

黛 薫 >  
「それはメロウの買った紅茶の方もおんなじだろ。
 うん、まー自販機でメロウの店よりイィ香りが
 得られるとはあーしも思っちゃいねーよ。

 んでも、好きな食べ物好きな飲み物、勉強しに
 来んのに常に持ち歩ぃてるワケでもねーんだし。
 だから此処にあるモノの中から好みに近いのを
 探して買う。学生って割とそんな感じ」

図らずも対抗する貴女の表情。愉快さが半分と
もう半分は選択を失敗したかもと焦る気持ちに
虚を突かれた戸惑いか。

「……」「…………」

「……いなくはねーですよ、同じ寮の女の子とか」

たっぷりと空いた間がそのまま問いの答え。
しかも出てきた答えが学園での知り合いより
更に狭い括りの中にいるという有り様。

メロウ > 「もちろん。分かってて買ったよ
 この香りを知って。もっと、良い物を作れるように
 最近、まだ温かい格好をした人が増えてるからね

 ホットミルク、提供継続中」

固まって、考えて
私の事を見てくれる、ここ最近では逆に珍しくなった表情かもしれない
戸惑いを見ると、なんだかくすりとしたくなる。メロウはその名前の通り

「薫さまって寮暮らしなの?」

続いての会話。貴女の履歴を答え合わせするような発言
私の所には来てくれる。でも『何処から来てるのか』、意外とそこは知らないまま

どんな遠出を申し込んでも、貴女は来てくれちゃうんだもの
始点というのは。気合を入れる程、意外と隠れてしまう物である

黛 薫 >  
「今の時期、寒ぃ日ばっかなのに春の先取りでも
 したのかってくらぃ急に日差し強くなる日とか
 あんのよな。そーゆー日に限って着込んでたり
 あったかぃモノ飲んでから出てきたり」

貴女の瞳が自分の表情を捉えたことに気付いて
素知らぬ顔を装ってみる。しかし拗ねたような
声音が滲むのは隠せない。それとなくズラした
話題が愚痴混じりなのも素直でないからか。

「そ、寮住まぃ。つっても女子寮の方じゃなくて
 堅磐寮……って伝わるかな。性別とか無関係で
 提供されてる寮があんのよな。

 多分、本来無性別の種族とかが使ぅんだろーけぉ、
 そーじゃなぃからって入れねーワケでもねーから
 用立ててもらってる。女子寮よか人が少なぃから
 人目も少なくて済むんだわ」

紙コップ入りのコーヒーを太腿の間に挟みながら
目を伏せる。熱い飲み物を手に持ったまま零さず
机まで運ぶ自信は今の黛薫にはない。

メロウ > 「ふぅん。なるほどね
 私だと、その『トキワ寮』って所なのかな?
 私の形は女の子だけれども、引き取り手つかず

 敢えて言うならば、『相手』に合わせた提供品」

相手によって態度は変えるものの、
それが『自称』に至れるものかは別の問題
彼女達にとっては、そういうものらしい

「人目が大変なあなただよね
 でも私の事に遠慮する必要はないんだよ?」

ほら。両手で丁寧に持っていた紙カップを片手に変えて、
貴女の腿の間に空っぽの手を伸ばす。私って便利な道具でしょう?

道具と見るかは兎も角、二足歩行の形からすれば二人分運ぶ位楽な事

黛 薫 >  
「その辺どーなんだろな。んでも安全とか色々
 考ぇんなら堅磐寮で合ってるかも。見た目で
 決まるもんじゃねーかんな、性別って。

 ちゃんと男女の性があんのに姿だけ見ると
 全員男っぽぃとか女っぽぃとか、そーゆー
 種族もいるし、外見と内面の性別が別々で
 噛み合ってねー人だっている。

 あーただって、多分『お願ぃ』されちまったら
 見た目相応の振る舞ぃじゃなくなんだろし」

すっと伸びてくる貴女の手に意識が向いて、
反射的に足回りが緊張する様子が見えた。
意図は分かっているし、やましいところも
何もないのだけれど。

「持ってもらぅくらぃなら、友だちでも道具でも
 別に構わなかったんだろーけぉ。そーゆーのに
 慣れてなぃから、咄嗟に思い付かねーんだわ。

 誰にも頼れなぃから自分でやんなきゃ、って
 意識っつーか……卑屈な根性が染み付ぃてて
 なかなか抜けねーのよな」

身体が動かなくなっても、ふとしたきっかけで
痛み出す心の傷。包帯も絆創膏も取れた手には
浅くも真新しい噛み跡が残っている。

メロウ > 「振る舞いは確かに変える。でも帰ってくる場所はあるよ
 ふふ。私は薫さまのものだからね?」

珍しく、声は正しい笑い声に適合する
浅く、痛んだ手指を認め。言葉を聞いて、思う事

「そういう心に寄り添える、それが香りと考えたいけどね
 うん。だって『出来る事』だから

 そうじゃなくても、私はここに居るんだし
 だったら先回りしてみるのも悪くないのかも」

マスターの為、そんな気持ちもあるけれど
友達の為とその考えを代入してみても。きちんと、嬉しいと出力される

「それはそれとして。薫さまは色々頑張ってるんだろうけど
 香りでのリハビリのお手伝い、マッサージも最近してないなぁ

 どこかまた、予約でも考えておこうかなって」

手頃な机、向かい合うように二人の飲み物
お店での距離感。癖のように、当然の様に

黛 薫 >  
「それは、うん。そう。ってか、そーじゃなきゃ
 あーしが、こう、伝えた甲斐とか、ねーですし」

しっかり顔を見て言いたいのに揺れ動く視線。
平常を装おうと必要以上に平坦になった声には
それでもなお隠せない動揺があった。

『自分のモノ』。

それを願い、望み、実際に貴女を受け入れて。
叶ったからこそ、逆に平静でいるのが難しい。
恥じらいと喜悦に声が微かに震えている。

「ん……それも、お願ぃはするよ。する、けぉ。
 それと別にちゃんとあーたのお店に行きたぃ
 理由もあんのよな。節目ってか区切りってか。
 ほら、取り置いてもらってんのがあるから」

向かい合う貴女に見えるよう、左目の瞼を軽く
指で押さえた。黛薫が纏うのはその日見つけた
美しいモノを想う香り。それとは別、もう1つ
『自分のための』香りがある。