2020/07/13 のログ
ご案内:「大時計塔」に神樹椎苗さんが現れました。
神樹椎苗 >  
 時計塔の上、椎苗は一人縁に腰掛け、足を下ろし遠くを見つめていた。
 遠く落第街――さらにその先へと視線を向け、ソレを見ていた。

『――――――――――』

「そうですね。
 あの光の意味が分かる人間は、ろくにいねーんじゃないですか」

『――――――――』

「そもそも、誰も覚えてねーと思うのですよ。
 しいみたいなのが特殊なだけで――まあ他にも、覚えてる人間がいねーとまでは思いませんが」

 椎苗は一人で居ながら、『誰か』と話していた。
 しかし、『誰か』の声はどこにも響かず、誰にも聞こえない。

ご案内:「大時計塔」にアルヴィナ・コトフさんが現れました。
神樹椎苗 >  
 黄泉の穴の近くから立ち上った光。
 それが何か、そこに何があるのか、誰がやったのか。
 わかる者は極々稀な存在だろう。

 椎苗のように『忘れることができない』か、それとも、『彼女』に対して特別な存在か――。

『――――――』

「なんでしいがそんな事、しなくちゃならねーんですか」

『――――――――』

「それはそうかもしれねーですけど。
 それはお前が許せねーだけで、しいには――」

 無関係だと――言えるのだろうか。

「関係ない、とはいわねーですけど、ね。
 あいつは、それを望んじゃあいねーでしょう」

『――――』

「あー、うるせーうるせーです。
 そんなに気になるなら勝手にしやがれ、ってんですよ!」

 見えず聞こえない、知覚できない『誰か』と話す椎苗。
 はたから見れば、耳を押さえながら、一人で大きな声を上げているだけにしか見えなかった。

ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
アルヴィナ・コトフ > 「此方から、彷徨へと、彼方もまた、微睡の中。
 ……こんにちわ。 あなたはどなた?」

大きな声を発する少女の横に、白い少女はまろび出る。
くすくすと微笑むように、子供を覗く母の様に。

「どなたとお話、していたの……?」

その顔も剥がれて、表情のない少女に変わり出る。
隣に座り、表情をうかがう。

「何かに怒っているの?」

> 「しーなちゃーーん、しいなちゃんしーなちゃーん」

静寂を吹き飛ばすようにいつもの声が響いて、階段を駆け上がってくる

神樹椎苗 >  
 突然隣に現れた気配自体には、特別驚くことはなく。

「別にただの独り言で――」

 そして、娘を見た瞬間、珍しくぎょっとした表情を浮かべる。

「――怒ってますよ。
 しいが、じゃねーですけどね」

 ぞっとする悪寒を感じ、目をそらした。
 神木からは連続したエラーが返ってくる。
 この娘は『解析してはいけない』。

「お前こそ、こんなところに何しに来てんですか。
 ここは立ち入り禁止で――」

 そう言いながら、駆け上がってくる声を聞き留めて、眉間を押さえた。>アルヴィナ

「また来やがったのですか、違法ロリ……」

 ぼそりと呟きながら、少しの後に現れるだろう少女の事を予感した。>希

ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
アルヴィナ・コトフ > 「……ふふ。 怯えないで、貴女。 微睡は害さないわ。 微睡が犯されない限り。
退屈、していたので……おはなし、しようと……?」

物音と、子供の声に振り返る。
その目は変わらず、ここではないどこかを見つめながら。

「小さき此方、貴女へ逢いにいらしたの?
 おじゃま、したかしら。」

気遣うように、少しだけ距離を取る。
コツコツと靴音を響かせて、縁の外へと歩み出る。

「えぇ、ここで微睡んでいても、いいかしら。」

空中に立ったまま、少女はドアの方を覗く。

> 「しーなちゃ、あそ、おともだち?」

くきともう一人のいつも居ない誰かに目を向けて

「希、じゅっさい、はじめまして」
頭をぺこりと下げた、マイペース

ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にさんが現れました。
神樹椎苗 >  
「――誰も好き好んで寝た子は起こさねーですよ。
 未来永劫眠り続けていやがれってんです」

 空中に歩みだす姿を横目に見ながら、膝の上に肘をついた。

「話し相手なら、しいより適任がすぐにきやがりますよ。
 まどろんで居られるほど静かかはしらねーですがね」

 そう言っている間にも、少女があらわれるのだろう。>アルヴィナ

 現れた少女には、振り返りもしない。
 見なくても、いつものように無邪気な表情でやってくるのが目に浮かぶ。

「遊ばねーですし、お友達じゃねーです」

 そういつものように返し。

「でも、そこの白痴は、お話しできるお友達を募集してるみてーですよ」

 そう言って白い娘を示しながら、少女に言うだろう。 >希

アルヴィナ・コトフ > 「初めまして、小さき貴方。 私? 私は、アルヴィナ、アルヴィナ・コトフ。
えぇ、微睡の海から生まれたの。」

希に微笑んで見せて、そっとスカートの端をもって一礼を。>希

「小さき彼方は、貴女にご用事、あるのではないの?
 ふふ、いいの。 私は退屈を嫌っただけ。 此方達の逢瀬は、きっと楽し気ね。」

ゆったりと微笑むように、目を細め、椎苗と希を眺め視る。

「怒っていては、もったいないわ。 喧騒の心は、沈めて?」

<椎苗

> 「ぶー、ぶー、そだそだしーなちゃん、携帯持ってる?」

いつものペースで問いかけて>椎苗


「あるゔぃなちゃん、おともだちになって、くれる?」

こちらもぺこりと頭を下げて

アルヴィナ・コトフ > 「おとも、だち? えぇ、お友達、私達、お友達、ね?
 希ちゃん。」

少女は首をかしげるも、学んだように、納得したように頷いて、希に答えを返す。
それは何も知らない子供が、言葉を覚える様に。

> 「えへへ、にばんめのおともだち、あるちゃんはなんか、深くておおきいあなみたい?」

じー、と最近覚えた、魔力で見る視覚でアルヴィナを見て

神樹椎苗 >  
「別にしいには用事はねーですからね。
 それと『しいは』怒ってるわけでもねーから気にしなくていいですよ」

 そう答えながら、眉をしかめる。
 『誰か』の声はすっかり聞こえなくなっていた。

(人見知りのシャイやろーですか、ってんです)

 はあ、と疲れたようにため息。
 そうしながら、娘と少女、二人のやり取りを横目で見守る。

「よかったじゃねーですか、違法ロリ。
 さっそくお友達ができたみてーで」

 しかし、携帯と言われると再び遠くを見る。

「あー、持ってねえですね。
 興味もねーですし、必要もないですしね」

 欲しい情報があれば、頭の中を探れば大抵見つかるし、連絡を取りたい相手も特別いない。
 ゲーム機代わりに持てば暇つぶしにもなるだろうし、電子書籍には興味はあったが、常に誰かと繋がれてしまうようで煩わしそうだと敬遠していた。

アルヴィナ・コトフ > 「あら、良いの? 覗き見て。 私は微睡、えぇ、微睡の底には、彷徨の彼がいるの。 
 もっと、覘いてみる? あぁ、あなた、微睡へ一緒に還るかしら?」

魔力の渦、深い深い、微睡の底、誘うように、いざなうように、少女に手を伸ばす。

「微睡で一緒に遊びましょう?」

白痴の少女は微笑みながら、遊びに誘う子供の様に手を伸ばす。

>希

その姿は、あぁ。 微睡の向こうにいる、王の玉座に誘うが如く。

>椎苗

> 「んー、そっかー、ならそふぃあせんせにおねがいしよー」

このようぢょ、恐らく二個目の携帯のお願いをするつもりである。

「んー、これいじょーはみえないから、やめとくー」

深すぎて、初心者の希では見通せない、その深淵は、またようぢょには早いらしい

アルヴィナ・コトフ > 「そう、残念。」

少女は残念そうに、本当に残念そうに肩を落として、手を下げた。

「いつか見える様になったら、遊びましょう? 小さい貴方。」

今度の約束を取り付けて。

>希

「貴女、おびえているの? 失うことに。 煩わしいの? 繋がることが。 不思議、えぇ、この海は独特なのね。」

見透かしたように、二人の童女の周りを歩く。
猫のようにしなやかに、子供の様に朗らかに。

>椎苗

> 「うん、みえたらあそぼ?」

その少女は、無垢に笑った
ぐんぐん魔力が成長しているのがわかる、効率的なトレーニングにより、伸び盛りである

神樹椎苗 >  
 少女が娘を魔力視でのぞき込もうとすれば、少しだけ腰を浮かせかけたものの。
 さすがに深淵を覗き見るにはまだまだ足りないようで、安心した。

(――って、なにほっとしてるんですかね。
 一度くらい、踏み込みすぎて痛い目でもみりゃーいいってんですよ)

 などと思いつつ、何処か不機嫌そうに頬杖をついている。

「違法ロリによけーなモノ見せようとすんじゃねーですよ。
 お前みたいなやつをのぞき込んだら、まともで居られる方がすくねーんですから」

 相手の存在は理解できずとも、解析できずとも、それがどれほど深淵に潜み狂気をはらんだ存在なのかは感覚できる。
 とはいえ、娘にはおそらく悪意も善意もない。
 放っておいても、下手に刺激さえしなければどうという事もないだろうと結論づける。

「――ヒトのこと、のぞき込んでるんじゃねーですよ、白痴。
 しいは余計なものに縛られるのが面倒くせーだけです」

 そう言いながら、ふと視線はまた落第街の向こうへと向けられる。
 面倒と言いながら、椎苗にとって今、唯一、『友人』と思える『彼女』に縛られてはないだろうか。>アルヴィナ


 横目で少女と娘を見ながら、危機感も何も感じていないだろう無邪気な瞳に呆れた顔を見せた。

「何を頼むかしらねーですけど、変なもの押し付けてくるんじゃねーですよ」

 などと言ってもきっと、少女は椎苗の意見など聞かずに子供らしい強引さで迫ってくるのだろう。>希

「全く、お前ら自由すぎます。
 白痴も違法ロリも、話をするなら落ち着いてやりやがれ、です」

 そう言いながら、バッグの中から砂糖菓子(甘酸っぱい金平糖のようなもの)の袋を取り出して、二人の間に放った。

> 「へんなもじゃないよ?」
ただ心配したソフィア先生の配慮である、なお希は知らない

「んー、しーなちゃんはおっきなき!すごいやつ、あと黒いのがチラチラしてる」>椎苗


「あ、おやつ!」

アルヴィナ・コトフ > 「そうね、視えたら、遊びましょう? えぇ、貴女のお友達は、それを望んでは居ないようだけれど。
 希、友達の貴女、その鎖は残酷ね? 残酷だけど、えぇ、きっと、不機嫌なその子には、えぇ、友人という鎖がよく似合う。」

椎苗を覗きながら、希に教える様に。 諭すように、携帯を指さして。

>希

「覗くものを、拒否する理由はないわ? お友達、えぇ、お友達ですもの。 お友達は、共有するものなのでしょう?
 あぁ、でも安心して? あなたから小さい彼女を浚うつもりはないの。 ちょっと、えぇ、ちょっとだけ、遊んであげるだけよ?」

そこに、善も悪も存在はしない、ただ、興味と愉悦が混じりこむだけ。

「それはなぁに? 怯える貴女。 白い小さな星かしら。」

砂糖菓子を眺めて、少女は同じ地平に降り立った。

> 「ん、まだまだかべもはれないしー、がんばらないとー」

幼女なりに頑張っているらしく、最近は魔力循環もスムーズにいくようになっている

「しーなちゃんふきげん?のぞみのせい?」

視線を彷徨わせ

神樹椎苗 >  
 考えた通りの、純粋な狂気だ。
 娘はただ、静かに狂っているだけ――人間の感性に当てはめることがそもそも的外れなのだろうが。

「お前は遊んでるつもりかもしれねーですけど、悪ふざけが過ぎないようにしやがるんですね」

 白い娘には少なからず意識を割いているのだろう。
 その視線は少々厳しさを持ったまま、娘の挙動を追っている。>アルヴィナ


 自分の事を魔力視し、機嫌を伺って不安そうにする少女に、椎苗は再び息を吐く。

「不機嫌なのはしいじゃねーです――いや機嫌はよくもねーですけど。
 お前のせいじゃねーですから、余計な心配なんかしてんじゃねーですよ」

 そう答えながら、少女の魔力視の正確さに、短い期間で大したものだと感心した。
 子供の学習能力は高い。
 特に、余計なモノが入り込んでおらず、素直な性格をしていればなおさらだ。

「樹の方は見るなら好きにすればいーですけど、黒い方はあまり見るんじゃねーですよ。
 おっかないお化けが夢に出るかもしれねーですからね」

 そう少しばかり脅かして、なんでも見て良い訳じゃないのだと言外に示す。>希

 二人が砂糖菓子に興味を示せば、視線で好きにすればいいと示しつつ。

「異邦人街に行ったときに買ったんですよ。
 しいの分は部屋にいくらでもありますから、好きに食べればいーですよ」

 

> 「しーなちゃんとあるちゃん、けんかしてる?」

うろうろと視線を彷徨わせ、

「ん、おばけよりにんげんがこわいー、かな、ごめんねしーなちゃん」
見たら悪いかなと思って

「じゃあ、あるちゃんとはんぶんこ」

袋を持って

アルヴィナ・コトフ > 「そうね、怯える貴女、不機嫌ではないけれど、心配なのよね。 だって希はお友達ですもの。
貴女の大事なお友達、砕けて堕ちて、果実が腐るのが怖いだけ。」

小さなお菓子を一つ手に取り、口の中に放り込む。

「あぁ、あまぁい、甘い味がするのね。まるで小さい希の心の様。
 甘くて甘くて、まっさらな味がするわ。」

ご機嫌そうに、頬に手を当てて砂糖菓子を頬張るその姿は、年相応の少女にしか見えず、しかし言はそれを歪に歪めたようで。

「怯える貴女、小さな星をありがとう。 お礼にひとつ、お願いを叶えましょう?
あなたは何を望むかしら。
 解放? 自由? それとも守護? あはは、うふふ。」

楽しそうに、屋上の床を鳴らして踊る。
黒いドレスは風に舞い、妖艶に、不気味に少女は笑う。

アルヴィナ・コトフ > 「けんか? いいえ、喧嘩はしてないわ? 怯えるあの子、きっと私が怖いだけ。
 そうよね怯える貴女。 でも安心して? 私は微睡んでいるだけ。
 微睡のうちに、夢を見ているだけに過ぎないの。」

そっと、希の頭を撫でる。
その顔にひとつの曇りもなく、唯見つめるだけ。

「はんぶん? いいえ、希、貴女はお友達、私は十分楽しんだ。
 あとは、怯えるこの子と分けて?」

少女はスカートのポッケからシートを取り出すと、小さなお皿を並べ立て、何もない虚空から、マジックの様にティーセットを並べ立てる。

「お茶会しましょう? えぇ、楽しいお茶会ね?」

幸いにも、並んだものはまともな、椎苗の知る限り安全な紅茶の茶葉のティーセットの様だ。

> 「えへへ」

撫でられたらにこやかに笑い


「わ、すごい、これもまほー?」
キョロキョロと希の力量ではわからない領域で

神樹椎苗 >  
「喧嘩なんてしてねーですよ。
 ただ、そこの白痴が悪ふざけしすぎないように見てるだけです」

 少女が謝れば、なんでもなさそうに。

「謝る事じゃねーですよ。
 ただ、なんでもかんでも見ないように気を付けるのです」

 そう、念のために言葉でも注意しながら。>希


 白い娘が茶会の準備を始めるのを眺める。
 便利なものだと思いながら、仕方なさそうに足を上げて、二人の方へ向き直った。

「楽しいのはお前たちじゃねーですか。
 しいは仕方なく付き合ってやるだけですよ」

 そう言いながらも、二人を置いて立ち去る様子でもなく。
 邪気なく戯れる、対極の純粋さを見守っていた。

「他人に叶えてもらう願いなんてねーですよ。
 どうせ願いを叶えてやるのなら、そっちの『お友達』にしてやればいいです」

 そう、白い娘には撫でられて喜ぶ少女を示してそっけなく答えた。

アルヴィナ・コトフ > 「怯える貴女の願いなら、それもまた、叶えましょう?
 希、小さな私のお友達。 なにか、願いはあるかしら、何かお願い、あるかしら?」

3人分の紅茶を注いで、そっと砂糖を少量混ぜる。
角砂糖の入ったポッドを真ん中に置いて。
白い無垢は音頭を上げる。

「かんぱい。」

で、良いのよね、と小首を傾げた。

> 「けんかしてない?よかった」

「きをつけます!」
手を上げて

「ねがいごとはー、じぶんでかなえないと、いみがない、かなあって」

「のぞみは、そうおもうの」
目は真剣で

「かんぱーい」

アルヴィナ・コトフ > 「まぁ、二人とも、欲がないのね。」

すこし、何処かつまらそうに頷くと。

「えぇ。 なら、いつか願うその日まで待ちましょう、微睡の内に。」

紅茶を口に運び込んだ。

> 「よくってよくわかんないけどー、らくするにはたいへんなこともしないとってソフィアせんせがいってた」

恐らく仕事の事だろうなあと予想がつく

神樹椎苗 >  
「願い事ってほどじゃなくても、お菓子が欲しいくらいの事でも言えばいいんじゃねーですかね」

 意外とあっさり断る少女に、安心を覚えつつも促してみる。
 真面目な願い事はともかく、少女のような『ふつー』の子供が無欲なのもどこか健全ではないと。>希
 

 白い娘のティーカップを手に取りながら、紅茶の香りを確かめた。 

「望みはあっても、お前に叶えてもらうようなもんじゃねーですからね。
 それに――少しばかり気がかりも出来ちまいましたし」

 ここで出会い、ここで別れた『彼女』。
 その終わりを見届けない限り、たとえチャンスがあったとしても自分が『死ぬ』事はないだろうと。

「――なかなか悪くない茶ですね。
 このセンスは褒めてやらないでもねーです」

 と、満足そうに紅茶を飲んでいる。

> 「あまいおかしはおともだちと食べるからあまいんだよ?しーなちゃん?」

「きっと『希の願いは、希が悪い』からかなわないよ、たぶん」

子供のする顔ではない、どこか痛々しい笑みで

「こーちゃ、ん、おさとういれていい?」

子供舌である。

アルヴィナ・コトフ > 「怯える貴女も、小さな貴方も、えぇ、きっと素敵な輝きね。
 怯える貴女、鎖がいつか、貴女を蝕むとしても、えぇ、その輝きが失われずにいることを。
 私は楽しみにしているわ。」

紅茶を一口飲み干すと。

「えぇ、では、小さな星達、私はこれで、微睡に還りましょう。
 楽しい時間を、楽しい夢をありがとう。
 ふふふ、甘いお味は好きなだけ。
 あなた達には、楽しい微睡を、祈りましょう。」

「黒い影がまろび出ぬうちに。」

白い少女は最後に一礼すると、ティーセットを残して姿を消した。
まるで最初からそこにはなにも居なかったかのように。
二人の星を、微睡で覗きながら。

神樹椎苗 >  
「――そうですか」

 どれだけ子供らしく、『ふつー』に見えても、刻まれた傷痕は容易に癒えるものではない。
 願いは叶わないという少女に、椎苗は短く答えるだけだ。
 >希


 白い娘が挨拶をすると、観察していたのにも関わらず忽然と姿が消えてしまった。
 その様は、まさに神出鬼没――幽鬼のようだった。

「現れるときも突然なら、消えるときも唐突ですね。
 まったく、本当に勝手な奴です」

 のこされたありがたくティーセットは使わせてもらおう。
 使い終わったら、持ち帰って焼却処分にするだろうが。

「ほら、砂糖入れてやりますよ。
 幾つ欲しいですか」

 そうして、残された二人でお茶を続ける。

ご案内:「大時計塔」からアルヴィナ・コトフさんが去りました。
> 「わ、あるちゃん消えちゃった?凄いねえ」

ニコニコと笑いながら

「んー、ふた、みっつ!」

穏やかにお茶会を

神樹椎苗 >  
「お前も魔術勉強すれば、あれくらいはできるようになるかもしれねーですよ」

 そう屈託なく笑う少女に答えつつ、角砂糖を取り。
 
「はいはい、三つですね」

 そう言いながら、四つの角砂糖をぽとぽとと放り込んでいく。

「しかしお前、試験の方は大丈夫なんですか。
 初等科目は明日もあるはずですけどね」

 そう、一気に現実に引き戻そうとしていく。

> 「できるかなあ」

むむと悩みながら

「ありがと、しーなちゃん」
えへへと紅茶を、こくこく

「んーと、あしたはー、ん!こくごとかある、しーなちゃんおしえてー」

今気づいたらしく

神樹椎苗 >  
「できるんじゃねーですか。
 知らねーですけど」

 無責任に言いつつも、その程度の潜在能力はあるだろうと。

「――教えねーですよ。
 もう必要な事は十分教えましたし、後はお前がしっかりしいが教えたことを復習するだけです。
 ちゃんとできるんですし、自分の力で乗り越えるようにするべきですね」

 と、砂糖菓子を口に放り込みながら、少しばかり厳しい態度を見せた。

> 「んー、じぶんのみをまもらないと、まわりがしんぱい?するからー」

少女の今の行動基準はそれである

「じゃあそばにいて、ほんよんでていいからー」

砂糖菓子を食べながら縋るように

神樹椎苗 >  
「いい心がけじゃねーですか。
 そうです、お前が今自分の身を護るのにすべきことは、学ぶ事ですからね。
 勉強も魔術も、この島の事も、色々と学んでいくといいです」

 そうすれば、少女は誰かの庇護下でなくとも生きられるようになるだろうと。
 そして、そうするうちに自分の事を知り、離れていくだろうと考え――。

(――それで離れてくれるほど、冷めてねーんですよね)

 そうはならないのだろうと、少し肩を落とす。

「仕方ねーですね。
 居てやるだけですよ。
 わからないことがあったら、自分で調べて分かるようにするのです。
 わからない時にどうしたらいいかも、ちゃんと教えたこと忘れてねーですね?」

 そう言いながら、空の色を見て、店じまいにしようと三人分のティーセットを片付け始める。
 それなりに高級そうなものに見えなくもないが、原料が何かわかったものじゃない――いや安全な事は解析済みだけれど。
 なので、持ち帰ってやはり焼却炉行きである。

「ここでやってたら、今日は風邪ひきそうですからね。
 このくらいにして、お前の部屋にでも行きますか」

 そう言って、砂糖菓子の袋は少女へと押し付ける。

> 「しんばいかけなきゃ、しーなちゃんもあそんでくれる?」

くきりと首をひねりながら、無垢な願いを口にする。

「はい、わからなきゃしらべる!、あとはこたえをみてからしらべる!」

てをあげる

「ん?くれるの?」
砂糖菓子を受け取りながら椅子やテーブルをうんしょと運んで

神樹椎苗 >  
「それとこれとは話は別ですね。
 心配かけないくらいじゃ、まだまだ足りねーですよ」

 少なくとも――誰かの重荷を背負えるくらいにはなってもらわなくては。

「よくわかってるじゃねーですか。
 ああ、荷物はしいが持ちますよ。
 お前はドアを開けたりすれば十分です」

 そう言って荷物を引き受ける。

> 「むー、しーなちゃんはきびしい」

まだ小さな荷物も背負えない背中だけど

「んー、むー、わかったー」
自分の力が足りないのがわかったので、扉を開けにいく

神樹椎苗 >  
「厳しくしてるんですよ。
 甘やかしてばかりじゃ、成長しねーのです」

 そう小さな背中を見ながらも、どこか眩しそうに目を細め。

「いいんですよ、お前は一歩ずつ、ゆっくりでも確かに進んでいけば」

 そう呟きながら、振り返る。
 遠く落第街、スラムの果て、黄泉の穴、光の奥底。
 そこにいるのだろう『彼女』を、ただ一人の『友人』を想う。

『――――――――――』

「わかってますよ。
 その時はしいが――」

 ――『祝福』を届けにゆこう。

 独り言のように言って、椎苗は小さな背中を追いかけた。

ご案内:「大時計塔」から神樹椎苗さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に園刃 華霧さんが現れました。
園刃 華霧 >  
さて、復習をしよう
ちょうど今は試験期間だしな
勿論、勉強する気なんてサラサラ無い

「アタシには、何もなかった」

そう、何もなかった

家族も 仲間も 名前も
何もかも

「じゃあ、アタシの『願い』は?」

勿論、手に入れること
何もかもを

何故って?
他にすることが思いつかないからだ

いっそ、世界征服、とか世界壊滅、とかでも願えばいいんだろうか
それもなにか違う気がする

「で、だ」

さて、ここで振り返ってみよう
『トゥルーバイツ』で出会った連中とかだ

園刃 華霧 >  
「『死んだ妹』『失った恋人』
 『取り戻せぬ過去』『消えた無二の戦友』……」

指折り数えて思い出す
……うん
なんか、失った、とかそういう系のやつが多いな?

「わっかンねー……」

ぼそり、とつぶやく
人は、死ぬ
自分も、死ぬ
そして、元から持っていないものは
失う意味などよくわからない

「……あレ、アタシ、人でなしってヤツ?」

おお、となんか新発見な気がする
実際どうなのかはよくわからないけれど

園刃 華霧 >  
「んー……なるホど?」

いや、なんだろう
他人がそういう気持ちを抱く、ということは理解できる
できるし、かわいそうだね、とか感想をもつこともまあ、できる
ついでに、なんなら慰めてやることだってできるかな
できるんだけど……自分の実感としてはいまいちだ

想像しても、そこは補えない
妙な気分だ

そんなだから――

だれも、自分を止めないのかもしれない
ああ、そうなのかもな
失敗して、野垂れ死んだほうがいい、くらいに思われているのかもしれない

まあ、元々がそういう存在だ
そういうもの、なのかもしれない

園刃 華霧 >  
しかし、してみると

幌川先輩やら、レイチェルちゃんに話した時の謝罪は
なんだったんだろう

いや、アレは確かに悪い、とは思ってたんだけど……
心底、本気で謝るつもりはなかったのかな?

あれ、ちょっとわからなくなってきだぞ

「ンー……この辺、『真理』とやラなラ、わっかルんかネぇ……」

分かる前にくたバっちまう可能性もあるけどな
ま、わかるなら調べてみるのも一興かもしれない

園刃 華霧 >  
「……ウん」

ちょいちょいと、この先やることをいくつか思いついた。
ま、実行まであと2週間位だっけ?

まだまだ、遊んでおく余裕はありそうだ

ご案内:「大時計塔」から園刃 華霧さんが去りました。