学生街のメインストリート。
学生・教員居住区から続いており、常世学園校舎までまっすぐ続いている大きな道。
学生達の通学路であり、学園行きの路面電車なども走っている。
道に併設されるようにして様々なカフェや飲食店など、商店が並んでいる。
居住するためのマンションや家もあるが、学園も近いこともあり家賃は高く、高級住宅街である。
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Time:06:00:18 更新
ご案内:「学生通り」から魔女さんが去りました。
■魔女 >
帰り道。向かう先は、歓楽街と呼ばれる場所。
人混みに紛れたこの魔女は、つい先日も"やらかした"犯罪者だ。
今年もまたハロウィンが。HELLOWEENが。#02が。
お騒がせの不法占拠が。大規模なライブが。ブラックマーケットが、お祭りが。
同時多発で起こったばかりの、渦中の人、いつものこと。
まるでハロウィンの精霊のように、それは騒ぎを起こしては島の喧騒に紛れゆく。
顔見知り。顔なき音楽家。ノーフェイス。
ワインとパイで武装して、鼻歌交じりに歩くそれは。
さて、今宵も悪を許さぬ者との"決闘"が控えているものだから。
軽やかに、密やかに。次の賑やかしまで、黄金の魔女は闇に溶ける。
また会いましょう。
■魔女 >
「みっつちょうだい。
ひとつはすぐ食べるから」
静かながらに異常なほどよく通る声に、顔を上げた店員の学生は。
鍔元に覗くその瞳にはたと目を見開き慌てたような色を見せた。
「――ちゃんと払うよ。アリガトウ。ハッピーハロウィン」
パックにふたつ、そして紙包みにひとつ。
そしてまた、魔女はするりと人混みのなかに紛れた。
背に視線を追いすがらせたが、すぐに見えなくなろう。
「ぁむ」
白い歯を立てる。
さくりとした生地の奥に、暖かな甘みがあった。
よく潰されたパンプキンクリームは、かぼちゃの割合が随分と多めで、
おそらく今年の農業科がずいぶんと張り切ったのだろうと笑えた。
ご機嫌なカボチャパイの滋味に、鼻歌を歌う。
「ふたりで食べよう、なんて言ったらあいつも喜ぶかな」
■魔女 >
赤道近く、十月の暮れ。
それでも身体を温めるホットドリンクは有り難く、頬の火照りが心地よい。
「――――ん」
足を止めて顔の向きを動かす。
認めたのは嗅覚だ。そちらに足を向けて、屋台のまえに近づいた。
「……おっ」
列の最後尾に立ち、身体をななめに傾ける。
何目当てに並んでいるのか、肩越しに覗き見た。
そこにあるのは、ほくほくのパイだ。
「イイね」
好物の予感がして、しばらく魔女はそこに、とんがり帽をとどめていた。
■魔女 >
祭りの由縁などわからずともよい。
知っていればより楽しめる程度で。
トリック・オア・トリート!トリック・オア・トリート!
ハッピー・ハロウィン!
知識という財産が、秘密という資産が、大きく内実と相場を変じたこの時代でも、未だ残る万霊節。
魔女祭り―――だなどと嘯く街もある。海を超えた遠い果てに。
それもまた、今は関係のないこと。
菓子を求める精霊たちの間を縫う黒衣は、幅広い帽子の下、白い細顎を覗かせていた。
紅い唇は上機嫌に緩み、足取りはこれまた精霊のように、人混みをすりぬける軽やかさだ。
「ありがとう」
サービスで配布しているホットワインを受け取り、口をつける。
どこかスパイシーな風味を添加されたそれを、視線の高さまで翳して矯めつ眇めつ。
「アルコールは?」
白い布をかぶった幽霊は、布越しに浮かぶ肩を竦めてみせた。
ぶどうジュースだ。まあ、学生の島、公に配るともなればそうなる。
微笑みを返してグラスを掲げ、湯気をたなびかせながら足を進めた。
ご案内:「学生通り」に魔女さんが現れました。
ご案内:「学生通り」から纏さんが去りました。
■纏 > 「い……痛い」
「全く、最初がこれとは……頑張るしかないよね。うん……」
意気込みとは裏腹に少しおっちょこちょいな子だった。さて、この子の道筋は一体どうなるのか……
それは、これから分かること。
■纏 > 「ふーん、こんな通りにも色々あるんですね」
学園都市、島を丸ごと異能者の学園にしてしまおうと何と酔狂な試みだ。
しかし、異能者を放っておくリスクの方が社会にとっては不安なのだろう。それに異能等というわかりやすい力を持つ以上、悪さをしない、使いこなす専用の教育が居るのもまた然りだろう。
周りをキョロキョロと初めてという雰囲気で見つつ歩を進めると。
「あっ……」
足を絡ませてそのまま勢いをつけて前にドチャリと音を鳴らし顔面から転んでしまう。
■纏 > 暖かくなり木々が青々しくなってきた季節、この常世学園に新入生が1人。己の目的の為にここに訪れた。
「……ここが、常世学園。数多の異能者がいる場所。
確かに、ここなら普通の場所じゃ得られない情報も手に入りそう……
兄さん、必ず見つけてみせるからね」
そうこの学び屋で自分の成すべき事の覚悟決めた───。
ご案内:「学生通り」に纏さんが現れました。
ご案内:「学生通り」からセレネさんが去りました。
ご案内:「学生通り」からアリシアさんが去りました。
■セレネ > 『そうね…きっと貴女のお姉様はもっと素敵な友人が居るのかもしれないわ。
その人達も、もしかしたら貴女に力を貸してくれたり、
貴女の友人になってくれる人も居るかもね。』
独りで生きてはいけないのは、人も神族も恐らく同じ。
彼女と連絡先を交換すれば、立ち去る彼女の小さな背を見送った。
『えぇ、またねアリシア。気をつけて帰るのよ。』
膝を伸ばせば小さく手を振って。
さて己も行くかと、買い物をしに逆の方向へと歩き出すのだった。
■アリシア >
綺麗な人がここまで優しいとは。
世の中には不思議なことがたくさんある。
その神秘の一つに私は触れているのかも知れない。
「重ね重ねありがとう、セレネ」
「トウ姉様はとても素敵な友人関係を構築していたようだ」
オレンジを抱えたまま何度も頷いて。
「それでは……」
おっかなびっくり携帯デバイスを操作して連絡先を交換。
これでよし。
「それでは時間が許せばまた会ってくれ、セレネ」
「では私はこれで」
嬉しそうにその場を後にした。