2020/08/27 のログ
ご案内:「常世公園」に日下 葵さんが現れました。
日下 葵 > 夜。少し小太りになってきた月が見上げるほどの高さにある時間。
街灯の灯りが照らす公園のベンチに一つ、影があった。

「暑っつ。明日は今日以上の気温ですか。
 巡回のシフトなんですけどねえ」

端末を開いて明日の天気予報に目を通すと、
最高気温の数字にがっくりと頭を落とした。

公園は土やレンガが中心だが、
それでも周囲をコンクリートやアスファルトに囲まれていると夜になっても暑い。
昼の刺すような暑さと違って、
身体全体を蒸し上げるような熱気は、しんどさよりも不快感を纏っていた>

ご案内:「常世公園」に神樹椎苗さんが現れました。
神樹椎苗 >  
 湿度が高く、息苦しい夜。
 『役目』を終えて帰る途中、大腿部からの出血が酷く、止血するために公園に寄った――のだが。

「――うわ」

 月を軽く見上げていた視線が目的だったベンチに移ると。
 心底会いたくない相手を見つけてしまった。
 うっかり声を漏らしてしまったが、気づかれる前に回れ右しよう。

 左の太ももの包帯を赤く濡らして、足元まで血を流しながらも。
 踵を返して去ろうとする。
 しかし、静かな夜であれば声は聞こえていたかもしれないし、足音も聞こえるかもしれないだろう。

日下 葵 > 一服しようとして、クシャクシャになったソフトケースを叩いて煙草を一本咥える。
すると声が聞こえた。

「おや?
 おやおやおや、奇遇ですねえ?」

声に聞き覚えがあった。
のと、その背格好にも見覚えがあった。
踵を返して帰ろうとする彼女が意図しているところを察すると、
ベンチから立ち上がって彼女の元へ。
特別は走ったわけでもないのにあっという間に追いつくだろう。

「人の顔見るなりいきなり回れ右とはなかなかいい度胸してますねえ?」

そう言って行先をふさぐように彼女の前に出ると、
彼女の足元に視線が止まった。

「……相変わらずひどい怪我のようで」

今日はオフだしどうやって遊んでやろうかとうきうきしていた表情が一転。
興覚めとでもいわんばかりに笑みが消えるとベンチに戻っていった。>

神樹椎苗 >  
「――チッ。
 会いたくない相手に会えば、当然帰りたくなるでしょーよ」

 行く手を塞ぐように動かれれば、あからさまな舌打ちをする。
 が、その表情が一変すると、怪訝そうにベンチに戻った相手を見た。

「なんですか、嫌がらせの一つでもしてくるかと思いましたが」

 珍妙なモノでも見るような顔をして。
 それから、手を出してこないならとベンチに座る。
 もちろん、最大限距離は離すが。

「隣失礼しますが、見ねー方がいいですよ」

 そして隣で包帯を外し、傷口を塞ぐフィルムを外す。
 手を赤くしながら、血のしみ込んだ包帯をごみ箱に向けて投げ込む。
 傷口を見れば、皮膚のぱっくりと裂けた傷痕から、血が溢れ出してるのが見えるだろう。