その名の通り歓楽街である。常世学園の夜の街。
所謂若者の街とでもいうような繁華な場所で、特に授業後の夕方から夜はかなりの賑わいを見せる。そして学園都市の不夜城とも呼ばれる。
酒場やカジノなど、やや不健全な店が立ち並んでおり、時折風紀委員による手入れなどがある。
そのため治安は学生街に比べると悪い。非公認の部活なども多い場所である。
歓楽街はそんな歓楽施設が所狭しと並んでいる地区である。行儀のいい場所ではない。
いくつもの通りが交差しており、迷いやすい。
※選択性の部屋です。行きたい場所を選択した上でご入室ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:17:48:09 更新
ご案内:「歓楽街」からホロウさんが去りました。
■ホロウ > 「そろそろ次の観測ポイントに移動しましょうか」
呟きながら立ち上がれば、そのまま夜空へと飛び去って行った。
■ホロウ > 本当に、この半年程度は多くのモノを観測出来た時間となった。
同時に多くの変化を齎され、齎した年になった。
「振り返りには少し早い気がしますね。今年はまだ一日あるというのに」
そこはかとなく見上げた空は黒いが、地上の光でどこか明るく照らされている。
夜空によく目立つ赫耀が長く晒されるこの季節においても、人々に全く警戒されているように感じなくなった。
それは、己がこの世界の一部として認められたということなのか、馴染んだということなのか。
己の存在意義を見つける上で憶測ではあるとはいえ、それらは前進を感じた。
この世界で生きる存在として確かに形づくられてきているのだろう。
■ホロウ > 年末というイベントは、以前いた世界にもあった。
年末にかけて変わりゆく人々の様子を観測する分には、此方も彼方も大きな差異は無いように感じた。
世界が変わった程度では人間という生き物は大きく変わる事はないらしい。
歓楽街の適当な屋上に降り立ち、年末感に包まれているであろう人々を見下ろしながら適当な室外機に腰掛けエネルギー吸引を開始する。
「随分と多くの物を観測した一年でした。
…特に何か思う所がある訳ではない筈ですが、どこか感慨深いような気がします」
これは感情というものなのか、はたまた感化されているだけなのか。
白い息交じりに呟いた。
ご案内:「歓楽街」にホロウさんが現れました。
ご案内:「カジノ「蓬莱」-屋上-」からホロウさんが去りました。
ご案内:「カジノ「蓬莱」-屋上-」からエボルバーさんが去りました。
■ホロウ > 「そうですね、その姿では襲撃と間違われるでしょうね」
改めて確認したその姿は随分と危険というか、もし任務中に発見したのであれば即防衛局に報告する案件である。
違う出会いをしていて良かったなどと思っており。
「ありがとうございます、エボルバー
また会いましょう。良き進化を」
少女は微笑んで見せた。
随分と乱高下してばかりな表情を見せてばかりであったが、最後に穏やかな表情を見せる事が出来たのは、少女の安定を示すものか。
そして、笑顔を見せた直後には男は去って行ってしまった。
その姿を見届ければ、加速し学生街上空へと飛翔するだろう。
観測したい事象は沢山ある。
いい観測場所を探さねばならない。
■エボルバー > <よろしく、ホロウ。>
彼女の名を聞けば、その名を復唱する。
自らの記憶に刻み付けるように。
夜景の中を飛行する2体の人工的存在は
その構造は全く違えど何か似通っている所があったのかもしれない。
やがて夜明けが近づいてくる頃合い。
歓楽街の明かりは減っていき、やがて学生街が近くなってくる。
<ここから先は、学生街となっている。
ボクは、引き返そうと思う。
ここで、お別れだ。>
学生街上空は治安維持機構の警戒も強い。
人型の彼女ならともかく、完全に異質な飛翔体はまた撃ち落とされかねない。
学びはもっと別のところにある。
機械には持っていない感情を持つ彼女ーーホロウは
それによって一体どのような観測を行い、何を見つけるのか。
変化へのインスピレーションを機械は期待する。
<良い、観測を。>
並んで飛行していた飛翔体は急減速。
物理法則を感じさせない鋭利な角度で急旋回したかと思えば
一気に亜音速域まで加速。
そのまま島の暗部へと飛び去り消えてゆくだろう...
■ホロウ > 「私はホロウと言います。コードネームではありますが、そのまま名前とすることにしましょう
よろしくおねがいします、エボルバー様」
この時、少女は任務を捨てる決意をした。
与えられたコードネームを捨て、自分で名を付ける。
同じ名であるが、その意味は決定的に異なっていた。
「確かに、人間の可能性は無限であると考えられます。
ある種私もその可能性の産物です。
それらを考慮して考えれば、無限の可能性を持つ人により人を模倣して作られた私も無限の可能性を持つ可能性は十分にあります」
人の持つ科学と魔術の可能性の結晶。
人の可能性の一端を担う少女には可能性を持つ資格があるだろう。
「これまで任務のための存在していた身でありながら、任務とは異なる存在意義を見出すことには不安しかありませんが…
ここが別世界である以上、無意味に在るよりは何かしていた方が有意義な事は私でも分ります」
本来ならば、そんな決断はできないのだろう。
与えられた任務を坦々とこなす存在である少女が、感情をわずかながらに学習した直後であるからこそ下せた決断。
きっと後に反省するだろう、そんな決断である。
「それに、もし元の世界に帰る事が出来たなら、素晴らしい観測記録を報告出来る事になります」
しかし、きっと後悔はしないだろう。
少女の目に映るネオンライトが、好奇を映しているかのように輝いていた。
■エボルバー > <人間は、興味深い。ボクも、学んでいる。>
人そのものについてはソレにとってもよく分からない。
しかし、変わるために学ぶ価値が大きいものであると認識している。
<ボクも、人間よりキミの方を理解できるかもしれない。>
細かい違いはあれどおおまかなカテゴリー分けをすれば
ソレと彼女は非常に近い存在と言えるだろう。
彼女のように同型機は無いので仲間意識というのは理解できないが。
<可能性は、常に無限大だ。>
ソレは変化、進化への可能性を重視する。
自分に出来るのかという少女への問いかけについては
自身の考えも重ねてそう答えた。
彼女のこの世界での飛翔は始まったばかり。
<ボクはキミを、何と呼ぶべきだろうか?
君を、記憶しておきたい。>
そんな彼女を機械は非常に興味深く想う。
■ホロウ > 「存在意義を自分で見つける…ですか…
観測したことがない事象ですが、そうなのですね…
…私に可能なのでしょうか」
これまで数多の人間を観測してきたが、その観測の方向性はあくまでも島の秩序を守る為であった。
その為、島の人々がどのような生活をしているかまでは知っていても…
「人とは、どのような生き物なのでしょうか
そこから学ばなければいけませんね」
人そのものについては、よくわかっていなかった。
「エボルバー様のような、ロボットについての方が詳しいかもしれません。同僚の観測機も居ましたので」
なんて、困ったように眉をひそめてみせた。
■エボルバー > <興味深い。>
彼女は異世界の産物であるというのが事実であるようだ。
今までに前例の無い存在にソレはより一層関心を増す。
またこれが事実ならば彼女を運用する組織ももはや存在していない。
つまり、存在意義も存在しないということになる。
只の機械であったならば。
<...人間は、生まれてから自身で存在意義を見つけるようだ。
可能性。人間を模して造られたキミは”観測”を重ねることで
同様のアプローチを実行できるかもしれない。>
機械と人間の狭間で揺れ動いているような彼女は
正にソレにとって思考の懸け橋になり得る存在とも言える。
彼女とは対照的に機械は何か感情のようなものを見せるわけでもなく。
■ホロウ > 「確信しました!ここは別世界ですね!!」
蓄積されていたエラーのほとんどがこの瞬間解除された。
男の言葉を聞き終わる前にもうしゃべりだした少女はガッツポーズと共に口元を愉快そうにゆがめていた。
「道理でいろいろと変わりすぎている訳ですね!文明レベルもおかしいですし島に学園があることもおかしいですし上垣山に妙な気配があった理由も納得です!」
興奮のままに言葉を紡いでいく。
人、といってもおかしくなってしまっている人の様ではあるが…確かに人っぽいだろう。
感情の学習に変な影響が出そうだ。
「時計台の場所も海底遺跡も鳥居の年代も通信が接続できないこと…も」
そして、最後の言葉に詰まった様子だった
昂った感情のボルテージが一気に下がり、エラーや焦りとはまた違った沈み、というより困惑を見せていた。
「では私はこれからどうすればよいのでしょうか…?
私の観測は報告の為の行為…報告先が無くなってしまったのでは私の意義は…?」
エラーではなく、純粋に分からない。
全く新しい、矛盾も何もないただ単なる不安と、疑問を持っている様子だった。
■エボルバー > 「島の名は常世島。大変容は21世紀を中心として発生したとされている。」
ソレはただ事実を羅列する。
彼女の昂ぶりが何かを理解できぬまま。
目の動き、声の調子。
彼女には確かに人間と同じく感情が宿っている。