2020/07/28 のログ
ご案内:「常世ビーチへようこそ」に山本 英治さんが現れました。
ご案内:「常世ビーチへようこそ」にマルレーネさんが現れました。
山本 英治 >  
「ねぇ、君一人? 俺と一緒にアバンチュール……」
「え? 彼氏が待ってるの? そっすか、ごめんなさい」

非番。常世ビーチにチャリで来た。
ビーチで一人でいてなんになる。
そんな気持ちでナンパ。
連敗。死。鬱。

ひょっとしたら俺って孤高のソリストなのでは?
いっそ歌でも歌おうか。
アフロだし、ひょっとして俺も歌が上手いのでは?

虚しい。

マルレーネ > 「……おや。」

海の家に座ってのんびりと冷たい麦茶を傾けていれば、見覚えのあるシルエットが視界に写り込んでくる。
何処にいても分かるな、なんて思いながら立ち上がれば、先ほど買った麦わら帽子を被って。

女性が男から離れていき、肩を落とすのがちょっと離れてみていてもよく分かる。
なるほどなるほど。 うんうん。
この手のことなら元居た世界でもよく見られた光景だ。
分かりやすく肩を落とすのを見れば、こほん、と一つ咳払いをして。

「お兄さんは今お一人です?」

背後から声をかけてみる。
にひひ、とちょっぴり意地悪に笑いながら、普段と全く違う格好の女。
ボーイレッグの赤いビキニに白パーカーに麦わら帽子。
シスター要素はどこにもなかった。 ザ・普通。
この島でできた学友には「誰だお前は」された。

山本 英治 >  
後ろから声をかけられる。
推定、美人………の声。

クビにされかけたキッチン猫獣人が引き止められて振り返った時のような満面の笑顔で。

「お一人様でーーーーす!! 孤高のソリストです!! ソロアフロです!!」

ああ、なんと!! 赤ビキニが眩しい夏☆しちゃってるレディー!!
ボーイレッグなのがこう、逆に良い! 逆じゃなく良い!!
Di molto bene!! とにかく良い!!

「実は今、お一人なんですよー!」

さっきも言ったな。さっきも言ったか!!
ウカレポンチZENKAIで身を捩る。

マルレーネ > 「えい。」

身を捩りながら迫ってきたので脛をぺちりと軽くローから入る。
全くもう! 全くもう!
修道服とフードが自分を構成している8割くらいだとは思っていたけれども!!

「孤高のソリストならお邪魔しない方がよかったですかね……?」

つーん、とちょっと不機嫌になりつつ。
………まあ、それはそれ。 ふー、っと吐息を吐き出して。

「で、そのお一人がお二人になったら何をするつもりだったんですかねー?」

つんつんつんつん、と腕を伸ばして額をつつく。額なら届く。
どうやら彼女は弟のように感じているらしく、うりうり、と距離感がちょっと近かった。

山本 英治 >  
「えっ、あっ」

脛を軽く蹴られた。
彼女の意図を図りきれなかった。そのことが心を痛めた。
こういう風に考えるの三度目だな。脛蹴られすぎ。
って………

「マリーさん!!?!?!!!?」

ゲェーッ!? 弱い部分全部知られてるお方のエントリーだ!!

てか。前々から考えて、考えて、考えて。邪念を道端に不法投棄してたけど。
ごっくんボディ(死語)だマリーさん!?

「何もしませんよ? だって健全アフロですから…」
「あー、お花畑でスキップしたぁい」

額を突かれながらダラダラダラダラ冷や汗をかく。
身内に等しい人にナンパしてる姿を見られてしまった。

マルレーネ > 「そうですよー、同じ服を着てないと気が付かれないくらいには無個性の私ですよー。」

拗ねた。唇を尖らせながらつーん、とする。
修道服7割フード2割金髪その他1割。

「なーにが健全アフロですか。
 お花畑でスキップしたいって顔では無かったような気がしますけどー?」

アフロの頬をぐにりと摘まんで引っ張りながら。
弟の思春期ムーブを弄る姉ムーブ。姉じゃないし言うなれば同い年だけど。

「そんな人がここまで多いとは思っていませんでしたけどね。」

腕を組む。 カップルがここまで多いとは思っていなかった。
やっぱり平和だわこの世界。

「………こっちの世界では、海ではどんな風に遊ぶんです?
 ……お二人になったら遊ぶつもりだったんでしょーぅ?」

普通に質問をしながら、ちょびーっと意地悪笑顔でまだ弄る。
修道服を着ていないと、ちょっとだけ意地悪だ。

山本 英治 >  
「それを言ったら俺なんてアフロじゃなかったら気が付かれませんて……!」

へへえ。諂いの笑みだった。
こういうことをするから大体の女子から白眼視されるのだが。

「あふぇふぇふぇ」
「だって、だってぇー……寂しかったんだものー」

頬を摘んで引っ張られてもう、トホホ。
何が常世ビーチだよ馬鹿馬鹿しい。ただの砂浜じゃないか。

「まぁ、海水浴に一人で来る人ってそんないないんじゃないすかね」

伸びた頬を(※伸びてません)手で押さえて半泣きになる。
周囲は家族連れとカップルとカップルと家族連ればかりだ。

「んん? マリーさん、海での遊びをご存じない?」
「これも知らないんですか?」

日焼け止めクリームを取り出す。べらぼうに強力な日焼け止めだ。

「これがないと良くないんですよ?」
「あー、良くないなぁ。今すぐ塗らないと。良くない」

大仰に顔に手を当てて仰け反る。

マルレーネ > 「引っこ抜いて気が付くかどうかやってみましょうか。」

修道服を着ていないと言動がアクティブでワイルドだった。
にひひ、と悪戯に笑ってやる。諂う相手をころりと蹴っ飛ばすような言葉を言いつつ。

「もー、仕方ないですね……。」

寂しいなんて言われれば、全くもう、と腕を組む。
放っておくことはできない性質だ。特に弟分ならばなおのこと。


「………そ、そうですよ。 知るわけないじゃないですか。
 海に来る時は大体怪物退治かゴミ拾いだったんですから。 ………むむ。」

相手が何かしらのクリームを取り出せば、ふふふん、っと腕を組んで、ちょっとだけ自信満々に笑う。

「日焼け止めですね!
 分かりますよー、昔はよく土と水を捏ねて肌に塗って抑えたものです。」

日焼け止めの概念がワイルドだった。
ディスカバリーな感じの日焼け止めの思い出を語りつつ。
物知りでしょう、みたいな顔でちょっと偉そうにする。

「……それはでも、こっちの世界の物ならもっと効きそうではありますね。
 あ、もう塗ってるんですか?」

興味を示した。顔をじーっと近づけてそのクリームを眺めて。
あっさり食いつく。

山本 英治 >  
「ヒッ!?」

俺の魂が引っこ抜かれる!?
夏は女を大胆にするし、水着はマリーさんを小悪魔にする。

「マリーさーん!!」

わぁ、と泣き出した。
というフリをして目の奥がギラついてた。

 
「それはお疲れ様でした、でも怪物退治もゴミ拾いもしなくていいなら…」
「これが何より大事ですよぉ」

身内が水着のまま肌が無残に赤く焼けるのなんて見たくない。
でも小麦色の肌のマリーさんか。逆転満塁ホムーランだな。ホムーラン。

「それ日焼け止め兼、皮膚に卵を産み付ける虫対策だよね?」

アマゾン川流域かな?
ワイルド通り越してきた。
これも貴重なタンパク源です。

「そりゃもう、俺も肌荒れ気にしてますからね」
「マリーさんもどうぞ、あ、でも背中側には手が届かないでしょう」

心の中の諸葛亮孔明がほくそ笑んだ。南国由来の計。

マルレーネ > 「よしよしよし。」

彼女は弟分をあやしているようにしか考えていない。
全く仕方ないなー、程度である。

「むむ、確かに日焼け対策は大事ですよね。
 輝さんにも強めのを使えと言われていましたけど………
 泥なんて塗ったら病気になるとか怒られましたけど………」

ハッ。
輝の名前を出したところで、何かに気が付いたかのような表情をするシスター。あ、今もうシスターらしさ無いけど。

「……それは塗るは塗りますけど。
 ちょっと待ってくださいね。」

掌をぐい、っと前に出して。
一度二人の距離を取る。

「………どうですか、ね?」

何を、とは言わない。 何が、とも言わない。
まあ水着は100%完璧に選んでもらったわけですしお墨付きももらったんですけど。
似合っているかどうかとか聞きたくなりませんか。
なりますよね、だから私悪くない。

こんな風に服が合っているかどうか聞くことが人生で数えるほどしかなかったからか、なんか頬が熱い。日光のせいだった。

山本 英治 >  
「え、輝さん知ってるのマリーさん」
「俺、この前、輝さんとアルキサボテン料理食べに行ったばかりなんだけど」

そして距離を取って、どうですか。
と聞いてくる彼女に。
何もわからないフリをするほど俺は罪深くない。

ニカッと笑って親指を立てて。

「もう、すっごい似合ってますマリーさん!!」
「最初どこの美人女優だって思いましたしね!!」
「赤ビキニってのがもう、最高!!」

あー。ひょっとして青春してない?
22歳から始める青春かぁ。悪くないなぁ。

「さて、こちらにマッハを超えたマッハで用意したビーチパラソルと」
「日焼け止めやサンオイルを使ってもよいとされる貸し出しマットがあります」

前髪(モコモコ)を指先で弾いて。

「どうぞ」

マルレーネ > 「え、この水着選んでもらったんですけど。
 ちょっといろいろあって知り合って、こう………ファッションとか詳しそうだったので。
 っていうか何ですかその料理。」

聞いたことの無い料理名にナニソレって顔で口以上にものを言う。


「……ぅ、や、やっぱり輝さんの見立てはしゃす……、流石ですね。」

人生初水着褒められである。耳まで赤くなった。
余裕ぶろうとして噛んだ。

「どうぞじゃないですよ全く。
 抜け目がないっていうかなんていうか。」

ジト目で見ながらも、褒められ慣れていないせいで気分が大きくなっているからか、よいしょ、っと貸し出しマットを確かめて。

座った。

彼女の想像の世界では、お年を召された方の背中を流すアレを想定していた。

山本 英治 >  
「そうですか………」
「輝さんありがとうございます」
「あ、宗教上の理由で神に祈っただけなのでお気になさらず」

サボテン料理ご存知ない? とか言いながら笑う。
最近、こういう笑顔をあんまりしてこなかったな。そんなことを思う。

「グレートですヨ、輝さんのセンスは」

噛んだ! でも指摘しない。アフロジェントルだから。
ニヤニヤ見ながら手に日焼け止めクリームを出す。

でも彼女は座った。

「そ、そっかァ~~~~~~~~~~~~」

そうきたかー。ですよねー。
まぁでもやることは変わらない。

「マリーさんもお手を拝借、前のほうには自分の手で塗ってくださいね」

彼女の手にも日焼け止めクリームを出して、それでは。
レッツビギン。

彼女の背中に優しく日焼け止めクリームを塗り始める。
心の中の孔明がなんかこう羽のウチワみたいなでっかいアレを手にほくそ笑んでる。

「日焼けしたら大変ですよ、常世は暑いですしね」

紳士ぶっているが最低のエロ野郎だ。ヘドが出る。
そう言ってのける心の善性をSATSUGAIして雨の山中に埋めた。

マルレーネ > 「知らないですね………いや、あー、でも、聞いたことがあるような………。」

腕を組んで、うーん、うーん、と思い出そうとする様子こそ見せるけれども、それよりも素早くマットを勧められたのでちょこんと座って。

「はーい、よろしくお願いしますね。
 あ、でも、あれですよ。 私くすぐったいの弱いんで、くすぐったら怒りますからね。
 後々まで尾を引く怒り方しますからね。

 ……んぃ、っ!」

でも他人に触られると妙な声が出た。

「ま、まあ………日焼けすると本当大変ですからね。
 元々、あの格好じゃないですか。 日焼けするときは顔だけなんですよ。
 すっごいこう………不格好っていうか。」

くすぐったさを紛らわすように早口でしゃべりながら、自分で自分の腕とか顔にぺたぺた。
これって厚めに塗るんですー? なんて聞きながら、割と寛容に触れさせる。
やっぱり弟扱い。

山本 英治 >  
「あ、はい。くすぐりません。くすぐらないことをアフロに誓います」

怒らせたら後が怖い気がする~~~!!
そして一時のイタズラ心でこの後をかなぐり捨てることになる気がする~~~!!

塗っていると彼女から変な声が出てドキッとする。

「すいません、もちょい声をトーンダウン…」

そろそろと背中側に塗っていく。
イケないことをしている気分だ。

「なるほど……それじゃ日焼け止めの残りはマリーさんにあげるんで常用してください」
「クリームが見えないくらい薄く塗る感じで、強力なブツなので」

ま、今は弟扱いでいいか。
俺に姉がいたらこんな感じなのかね。

そんなこんなで塗り終わった。
あ、自分の背中にも塗ってもらいました。

「さ、遊びましょうかマリーさん」

マルレーネ > 「くすぐったかったら引っこ抜きますからね!!」

指先の動きに魂を勝手に賭ける理不尽な姉ムーブを軽やかに決めて。
ぬりぬりぬり。

「あ、そうだったんですね、白いの残ってます?」

振り向いたら能面よろしく真っ白になっていたり。
ちょっとくすぐったくて変な声が出て、こぶしを握り締めたり。
背中に塗られながら鼻歌を歌って、本当に無警戒な雰囲気を出したり。

いろいろ紆余曲折。

「………あ、そうですね! 遊び方を教えてくれるんですよね。
 まあ、………いつも通り、負けませんけどね。」

バッチリ塗り終わって、ウィンク一つ。
海での遊びって遠くまで泳ぐとか釣りとか?

遊び方までずっとサバイバル。

山本 英治 >  
色々あって笑ってはいけない、興奮してはいけない、和んではいけないシリーズな展開を経て。

「遠泳と釣りは楽しいものですが…」
「もっと楽しいものを用意してあります」

ドジャアァァァン。と口で言いながら旗を一本。

「ビーチフラッグです」
「それと携帯デバイスのゲームアプリで10秒から30秒ランダムにアラームがなる設定にしてあります」

「まず旗を立てて20メートルくらい離れます」
「そしてフラッグとは反対側に頭を向けて二人で寝そべり」
「アラームが鳴ったら、立ち上がって全力ダッシュで旗を取ります」

旗を先に取ったほうが勝ち、OK?
と言って用意を始める。

男と女がビーチフラッグか。
ま、こういうのも楽しいかもな。

マルレーネ > ふんふん、とルール説明を真剣に聞く22歳。
どちらも世間を知っているようで世間知らず。経験が深いようでまだ子供っぽさが抜けきらない。
そんな彼女がルールを理解して、受けぬはずがない。

「なるほど、私に勝負というわけですね?
 いいでしょう、小指で勝ってもらわないと、と言った手前、勝負を挑まれて逃げるわけにはいきませんからね。」
「ルール的に、何してもいいんですか? 妨害とか襲撃とか。
 あ、逆に異能は無しですからね!」

本日は一貫してワイルド路線。明るい笑顔で相手を直接的に攻撃する気しかないシスター。
シスター要素はもう最初から無かったけど更に消えていった。

「この辺りでいいですかー?」

離れたところに旗を立てながら腕をぶんぶん振る。
なんだかんだでエンジョイできている女。

山本 英治 >  
「勝負というわけです。異能は使いませんよ! 怪我人が出ます!」
「そんなバーリ・トゥード格闘スタイルのビーチフラッグがあるかァ!!」

この人すげえな!?
シスターとか優しいとか前提全部ひっくり返して来たぞ!!
ワイルド通り越してるって何度心の中で叫んだら理解してくれるんだ!!

「オッケーデース」

サムズアップしてビーチに寝そべる。
ククク………はっきり言うが、俺は負けないぜ。
この山本英治!!
サイズは身長178cm!! 体重93kg!!
ベンチプレス270kgを差し!!
100mダッシュは裸足で11秒を切る超健脚だ!!!

寝そべったまま緊張の時間が流れた。
そして。
アラームが今ッ! 鳴った!!

マルレーネ > 「そういえばさっきのクリームですけど。ちょっとぬるぬ」

鳴る直前にいきなり喋りかけるシスター。
その上で、アラームが鳴り響いた瞬間に飛び跳ねるように走り始める。
元より体格的に、歩幅的に全く敵うわけ無いのだ。
ちょっとくらいのズルは正当なんですー。


しかし、器用に何でもこなす彼女にも欠点はある。
旅人生活でも、ずっしりとした鎧、鎖帷子、ハードレザーを着こむことはたくさんあった。
棍だけではなく、斧やメイスを使うことも多々あった。
うんつまり極めてタンクな前衛である。

脚はそこまで速くなかった。

本気で走れば、どれだけスタートが遅れていてもあっさり抜かれてしまうだろう。

山本 英治 >  
「え、はい。ぬるぬるします? その場合はアッずるい」

思わずそんなことを口にする。
盤外戦術だ!! そう、相手に語りかける分には一切禁止されていない!!
シスター!! ちょっと!! シスター・マルレーネさん!!

「フハハハハハハハ!!」

笑いながら追いすがる!!
どうだいマリーさん!! 俺はこんなサイズでも足が超速いぜぇー!!

あとは跳躍のタイミング、マリーさんに怪我をさせなければ何でも良い!!

マルレーネ > 並んで走るタイミングは僅か。
そこで、隣のシスターが砂浜を踏み切るのが見えるだろうか。
鍛え抜かれた筋肉を持つ山本であっても、まだ踏み切るには早い。
そんなタイミングで彼女が跳ぶ。


彼女は争いごとにはかかわらないようにしてきた………とは本人が言っているだけで、本質は負けず嫌いだ。
勝負とあらば、そして思う存分自分を出してもいい相手ならば、全力で勝つための手段を考えてしまう。
それで孤児院の子供を何度泣かせたことか分からない。賭博とかやらせたらダメなタイプ。

そんな彼女が地面を蹴ったのだから、当然無謀なジャンプではない。

マルレーネ > そう、ジャンプして相手に飛び掛かれるのは、この瞬間を失えばもう無いのだ。
マルレーネ > 遠ざかりかけた相手の背後にがっちりと飛び掛かれば、首に腕を回しての必殺スリーパーホールドッッ!!!
全身を密着させての、唐突な襲撃。

山賊でももうちょっとルールを守る空襲がアフロの無防備な背中と首と呼吸を襲う。

山本 英治 >  
跳躍、速い。タイミングも早い。
そうか、相手はまるきり初めてのゲーム。
こういうこともある。

と、思っていたらなんか飛びついてきた!!
なんか背中に柔らかいものが!!
なんか死ぬほど息が苦しいー!!

「が……ッ!!」

脳に血が行かない!!
呼吸が苦しい!!
背中がしあわせ!!

脳内でレフェリーが3カウント。
俺は口から魂を出しながら倒れ込んだ。
ノックアウト。

マルレーネ > 「勝ったーっ!!」

悠々とフラッグを手にして両腕を振り上げて勝利を喜ぶ女。
今日も勝利してしまった、敗北を知りたい。
根本的に勝てばよかろうなのだ人間。


………………

「………えーっと。」

ゆさゆさ、揺さぶって起こしてみる。
あれ、思ったより喉に入ってたかしら、冷や汗を一筋。 つんつん、ゆさゆさ。

山本 英治 >  
つんつんゆさゆさ。魂が口の中に戻っていく。
ガバァと起き上がって砂を吐く。

「勝ったーっ!! じゃないですよ!?」
「格闘士(グラップラー)でも見ないレベルのスリーパーホールドしないでくださいね!?」

わなわな震えながら彼女のフラッグを指差す。
周囲の見物人たちが微笑ましいものを見た、と笑いながら拍手をするけど。
死ぬかと思ったわ!?
死ぬかと思ったわ!?
良い子の皆さんは絶対に真似しないでくださいッ!!

あ、でも背中に当たる感触は至高だったな。
だからまぁ、いいや。

「あのですね………ビーチフラッグで絞め技は反則なんですよ…」
「もう一度やりますからね!! 絞め技は禁止ですからね!!」

と言ってもう一度やった。
次のゲームではスタートと同時に怪鳥蹴りを喰らった。
なぜ、シスターは執拗に俺に暴力を振るうのか。(ラノベタイトル)

その後は二人で感想(文句含む)を言いながら海の家でラムネを飲んで涼んだりした。
トータルではまぁ、楽しかったね。

マルレーネ > 「あ、あははは、絞め技はダメ、うんうん、分かりました、分かりましたから……」

拍手を受けながら流石にごめんなさいをできるシスター。
禁止されている技を使ったなら、流石に謝らなければなるまい。

しっかりちゃんと謝って、絞め技が禁止されてからの2度目で、スタートからジャンプしての蹴り。
以下略。
しっかりちゃんと謝って、打撃技が禁止されてからの3度目で、スタートからいきなり掴みに行っての投げ。

あまりにダーティーなので最終的にアフロが声援を貰うという衝撃のラストを経て。
極めて正当にそれについての文句を聞きながら、最後にはちゃんとごめんなさいをしました。てへ。

姉のように振舞いながらも、本質的にはただひたすら甘えて、振り回して。
まあ、時には。 時には………。

ご案内:「常世ビーチへようこそ」から山本 英治さんが去りました。
ご案内:「常世ビーチへようこそ」からマルレーネさんが去りました。