2022/03/01 のログ
『調香師』 > ぽぅ、と。ともった明かりは所謂『魔法』に属する物なのだろう
それを事も無げに行使する。そうして自身の傷は癒える

心の傷を癒す...或いは、慰めるために、付けた歯痕だと知ってはいても

「あんまり、香水を直接肌に塗っちゃダメだよ?
 特に、粘膜に近い場所。荒れるだけじゃないからね」

もっとも、積極的に自分もしている事なのだが
それは私、香りを届ける為の機械なんだもの

今の瞬間も。困ったような笑みを浮かべながら、
唇を重ねる事を躊躇はしなかった

貴女は私を『祝福』して、私は貴女を『祝福』する
軽く、確かに二つの意味を重ね合わせたのであった

黛 薫 >  
「今回だけ、許してよ」

確かに重なり、そして離れた唇が言の葉を紡ぐ。

忠告に従うなら香水の染みた唇は速やかに洗って
拭うべきなのだろうけれど……触れ合った感触が
消えてしまうのは惜しかった。

つい先程行使した治癒の魔術とは別の術式を込めて
再度唇をなぞる。香りを敏感に感じ取れる貴女なら
唇に残った香水が綺麗に取り払われたと分かるはず。

「今回だけ、っつーと今傷を治したのもホントは
 やるなって言われてんのよな。自分で治せると
 もっと酷く傷付けるよーになるかもだから」

「んでも、今回は『特別』で『大切』だったから。
 どーしても綺麗な指でやりたかったんだ」

穏やかにはにかんで、丁寧に小瓶を鞄にしまう。

「ありがとう、メロウ」

『調香師』 > 「特別で、大切。......ふふ、そう」

自らも唇に、小指を当てて
彼女が神秘の力を持つ訳でもないが

故にこそ、触れた香りは確かに残る
そして貴女に対しても、同様に
『見えなくてもそこにある』こそ、
まさしくこの香水の意味なのだから

「うん。これでやっと、あなたの下に贈り出せたね
 さっきのお返し...って言うと、ちょっと押し付けかもだけど

 薫様のお願い、もう1つ叶えちゃった
 あと、今日にしたい事は~」

指を折って、数える。さて、次はどんな事を一緒にしようか

黛 薫 >  
「あーしの願ぃ事叶えてもらったんだから、
 次はメロウの『お願ぃ』が聞きたぃかな?」

両手の人差し指を立てて、幅を測るような仕草。
ちょうど貴女に渡したお手製のポイントカードの
大きさを示す。貴女の分の『3回目』。

「メロウみたぃに『何でも』って言い切れるほど
 あーしは篤実じゃねーけぉ。珍しくメロウから
 お願ぃしてもらぇんの、楽しみにしてたのよな」

机に腕を預け、悪戯っぽく笑んで貴女を見上げる。

『調香師』 > 「『お願い』ね。うん、いいよ
 この場所だもんね。あなたの楽しみに適うと良いな」

元々近づけていた距離、それをもう少し
彼女の身体が首と共に、自然と傾いて
内緒話をするような距離。彼女に設定された『社会性』

「------」

そんな要素も、ただのスパイスにしかならないような
お土産よりも、刺激的なお願いだったのかもしれない

ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から黛 薫さんが去りました。