2022/08/07 のログ
メロウ > ((ノーコメント。スリープしようか迷ってるくらいなんだからね!!))

べーっと、舌を出す仕草すら。自分が悪いとは一切思っていない事が見て取れよう
そもそも、歓楽街と寮との物理的な距離の差や電波の混雑具合など、不都合な状況は幾らでもあったのを、
弁解すら許されずにこの状況に叩き込まれたと考えれば、無理はない、のだろうか?

少なくとも、普段は慕う彼女がへそを曲げるには十分だった様子
尚、言葉での否定の裏には『どう触れられても構いはしない』との意思表示ではあるのだが

こそばゆく感じる程度の刺激も、彼女にとっては大きな意味はなく

口から入れば、胸中の彼女曰く『蒸気機関に近しい部分』にたどり着き、下からの侵入を試みようとすれば、尻の穴は存在せず女性器ですら、ある程度進めば浅い位置にて行き止まり
彼女の透けた胴体を見ればわかるだろう、それ以上は『奥』が存在しないのだ

黛 薫 >  
舌を突き出すメロウに軽く肩をすくめて見せると
黙々と走査に戻る。ひとまずこの場は元の目的を
優先したものの、メロウに甘い黛薫のことだから
後ほど追求すれば埋め合わせは期待出来よう。

胸の内部は動力機関と事前に説明されているので
触れることはせずに遠隔の探査だけで済ませる。

必要に応じて構成するという言葉の意味は実際に
調べるまでピンと来なかったが、見てみれば明解。
人型のガワにゲル状の中身、黛薫のよく知る組成。

(似てる、なんて今言ったら怒られるか)

体表面と内部を探る水の動きは決して無遠慮では
ないものの、徹底的。探れる穴自体が少ないから
この程度だが、もし人間と同じ構造になっていたら
膣や後穴、口腔に留まらず尿道までほじくられて
調べられていたであろうことは想像に難くない。

走査の結果はリアルタイムで魔導タブレットに
送られる。透けて見える裏側からは惑星軌道に
似た複雑な楕円曲線を組み合わせたスペクトルが
伺えるだろう。

しばらくの後、水球内の浮力が緩やかに増大し
浮上させる形でメロウは解放された。最初に
水の椅子に座っていたときと同じ姿勢、そして
長時間水中にいたのに身体は濡れていない。

「……終わったよ」

ちょっぴりバツの悪そうな声。勢い任せの行動
そのものに後悔があるかは不明だが、メロウが
目に見えて機嫌を損ねたのは堪えたのだろう。

メロウ > 「終わったね」

今まで聞いたこともないような声のトーンだった
人によっては、全身脱力待ったなしの接触を経てきたのにも関わらず、
表面と同様、心そのものも乾ききってしまったような態度

首を傾け向けた目線も、ある意味で初めの調査の時より無機質であったのかもしれない

「ねぇ、ちゃんと2つの調査に意味はあったのかな
 もしなかったら...私、もしかしたら、もしかするかもね」

『何が』と言う物は伏す。不満を垂れていた時とは違う
明らかに、不機嫌であった。少なくとも、揺れる小悪魔の尻尾はそれを演出するだけの演技力を持っていたらしい

「私はあなたにとって、価値のあるモノだと分かったのかな?」

ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」からメロウさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」にメロウさんが現れました。
黛 薫 >  
「そこに関しては心配しなくてイィよ」

メロウの前にずいとタブレットの画面を突き出して
見せる。表示されているのはさっき見比べていた
楕円曲線の集合と、それよりは幾分分かりやすい
折れ線と円を用いたグラフのようなもの。

「ココ、この点を中心として楕円の輪郭線までの
 距離が触媒としての適正、つまり最初に例えた
『振れ幅』にあたるんだけぉ、同じ中心点を持つ
 真円がコレ、触媒なしでの基準値。明らかに
 それよか外側に伸びてるよな。触媒としての
 適正は十分ってワケ。楕円がいくつもあんのは
 術式の種類ごとの適性を細かく見た結果でさ、
 右上辺りの伸びが特に大きいの見て分かる?
 この線が契約魔術への適正を表してんだけぉ、
 他より振れ幅大きぃの。例として延命魔術の
 触媒として世界樹の枝、永い時を生きる命が
 使われるように、触媒の『在り方』は適正に
 大きく影響を及ぼす。メロウが『人の為』に、
 奉仕する存在であることが強く影響してると
 あーしは踏んでる。それが巡り廻って目的に
 叶う適正として発露してるってすごぃコトで」

ここまでノンブレス、お陰で息切れを起こした。
興奮し過ぎの自覚はあるらしく、数秒ほど水球に
顔を埋めてクールダウン。

「……んと、要点だけまとめると。
 価値のあるモノって言葉で片付けんのも惜しぃ、
 そんくらぃ価値がある。しかも実現性も十分。

 単純に適正が高いのもあるけぉ、メロウの組成、
 んと、物質的な意味じゃなくて魔術的な扱ぃに
 関する作りの話だけぉ、あーしが知ってるモノ、
 つまりコレといくつか共通点がある」

ふよふよ浮いている水球を手で示す。

「つまり、メロウを触媒とした契約魔術は可能。
 しかもそれはあーしが扱ぃ慣れた物に近くて、
 既にあるノウハウの流用はもちろん、今回の
 魔術契約は今後のあーしの研究にも役立つ」

表面上の冷静さこそ取り戻したものの、
かつてないほどテンションが上がっている。

メロウ > 「へぇ、ふーん...」

実際の所、薫が興奮にしている内容
そして、示された事柄のその大半は、
メロウにとっては門の外の事柄である
理解しようとはしていても、最後に嚙み砕かれた以上を把握するのは時間がかかるし、
矢継ぎ早に放たれた言葉の羅列は既に過去の情報を置き去りにしていった

が。その内容が自分に向けられたものだというのは、きちんと理解しているもので

「ふ~~~~~ん?」

頬の端を震わす事を隠すのに精いっぱい。わかりやすく、機嫌が戻っている
『人の為』を評価されて、彼女が不機嫌を保てるはずも無かろう
要するに、ちょろいのだ

黛 薫 >  
「以前も話したけぉ、不可能を可能にする触媒、
 つまり『奇跡』を起こすモノって押し並べて
 貴重なのよな。不可能を覆した前例だから。

 存在自体珍しぃんだから、巡り会う機会は尚更。
 一生探し求めても出会えないなんてザラだもん。
 メロウのお陰だな、ホンっトにありがと」

喜びを隠しきれない様子でメロウの手を取る。

……ただ、調査を終えて一頻り喜ぶのも済ませて。
平静を取り戻してみると、今の状況はどうだろう。

「……今日は、付き合ってくれてありがと。
 えと、その。もー服は着てくれてへーきだから」

すすっと正面の裸体から逸らされる視線。

専門分野と向き合っている間は気にならなかった、
女の子を自分の部屋に連れ込んで脱がせていると
いう状況がだんだん恥ずかしくなってきた。

メロウ > 「『最高の触媒を求める為に、一生を使う人も居る』...だっけ?
 どんなことを言ってたのか、今思い出そうとしてるけど、つまり私は、幸運だね?」

手を取り返す、のみならず。彼女の方からにぎにぎと
興奮の一端この場に現れり。何より、現在上昇している相手の体温を知ることも出来るのだとか

「うん、マスターのその態度を見ると、本当に調査は終わったみたいだね
 薫様もすっごいラフだから、私の判定でも外ではダメだったから
 もしかしたら気にしないかも?と思ってたけど

 魔術の事には点でからっきしだから、実は知れないんじゃないかって思ってた一面
 私も共有できただけ、今日の収穫にしてもよかったのかな」

寝返りを打てば、体裁上局部は隠せる体勢
流石に水球の側から目線を向けられることは想定していない仕草である
反応を見て楽しみ過ぎるのも、負担をかけた彼女には悪いかな?

きっと、あなたの要望通り直ぐに立ち上がってくれることだろう

黛 薫 >  
「メロウも幸運、メロウと巡り会えたあーしも
 幸運。うん、そゆコトで合ってる。あーし、
 良縁には恵まれる方なのかも?」

一時期は押し込めて隠さないと涙になって溢れる程
傷付いていたのだから、良縁ばかりとは言えないが。
前向きになれたと取るか、悪縁を当たり前として
数えることすら出来なくなっていると取るか。

「気っ……には、するよ。そりゃあーしの格好も
 客を迎ぇるにはアレだけぉ。視線を気にせずに
 楽な格好出来んの、部屋くらぃなんだもん。
 メロウになら見せたってイィと思ってんだし」

視線は逸らしたり戻ったり。望んだ成果を得られた
高揚も相まって負担を気にするより見たい触れたい
気持ちの方が優っているのは容易に見て取れる。
水球と感覚を繋げばどちらも実現出来るのだし。

「気にはするけぉ……だって見ちゃぅと、もっと
 欲が出ちゃぃそーだもん。切なくなる……」

面と向かってねだれないのは思春期の恥じらいと、
何度も望まない行為を強いられたがために欲求を
抑圧する癖がついてしまっているから。

メロウ > 「うーん、私というのは優れているものだからね
 だから迷っちゃうんだよね。薫様の『見せたっていい』は、
 完全な意味で『触ってもいい』って事になっちゃうし」

着替えを手にした所で、聞こえてきたのがその返答だ
私の事は好きにしていいし、私も好きに求めていいのなら、
また本心探しの一助ともなろう。都合のいいことではあるけれど

あなたは興味が先走れば、自身の負担を無視しちゃうタイプだとも重々承知
それ故、半年近くは身体すら自由に動かせなくなる事もしてしまう
『今の事』を顧みない一種の捨て身を含んだ考えも、昔からの癖なのだろう

仮にも主を慮る知性を持った存在としては、本能(心)と本能(奉仕)の鬩ぎあいというものなのである

とりあえず、手にしたパーカーを被る。これ一枚で全身を覆える優れもの
これで『見えちゃうもの』はなくなったはず

「どうしよっかなぁ...」

水球に座って、考える

黛 薫 >  
眉根に皺を寄せて考える。優秀でないありふれた
機械なら粛々と命令に従うだけ。本心と相反する
命令でも聞き届けてそれで終わり。

メロウは命令には従いつつも、ショートパンツや
タイツは身に付けず、パーカーを1枚羽織るだけ。

裸のままだと意識してしまって我慢が出来なく
なりそうという主の意向は組みつつも、それが
欲求に反していると理解して『迷っちゃう』と
口にしている。

「……優秀なんだよなぁ、世辞とかじゃなく……」

やりたいことと口に出すことが乖離しがちな
黛薫は機械を扱う主としてはダメな方だろう。
メロウの優秀さがその欠点を埋めて理想的な
挙動をしていると言っても良い。

分かれていた水球が互いを乗せたまま合流する。
少しでも欲を抑えたまま満たされたら良いな、と
パーカー越しにメロウを抱きしめてみた。

メロウ > 「心を、そう願ったのはそもそも薫様自身だものね
 だから私は常に判断を行う。そうせざるを得ないよね

 私の前では、常に格好つけたがりな所があるんだからさ」

正面から受け止めてみたとして、互いの肉付きを考えれば意識されるものも少なかろう
これで満たされるのだろうか、それとも募っていくのだろうか

反応を待つ。彼女は自ずと、呼気を止めて
今の香りはもう少し、『風味』が足されてしまいそうだったから

黛 薫 >  
「そーかなぁ……そーかも……」

メロウの前では余裕ぶっている、否定できない。
頼れる、優しい、表現の仕方は分からないが、
黛薫自身が思う『良い人』でありたいのかも。

その癖あっさりと余裕を崩されて狼狽したり、
強がってみせるのが上手くいかず気弱になったり。
求めたいのに恥や不安が邪魔して素直になれず、
こうして半端な甘え方に甘んじていたり。

いずれにせよ情緒が安定しているとは言い難い。

「あーしって、多分嘘つきなんだよ。
 自分の素? がよく分かんなくなるくらぃに
 嘘の自分をたくさん重ねて身ぃ守ってたから。

 メロウと話してるときは、出来るだけ素直に
 なりたぃと思って意識してるけぉ、弱ぃ自分が
 顔を出しちゃって。それを嘘だったコトにして
 逃げらんなぃかなって。そーゆーのが格好つけ
 ……いぁ、むしろ格好つぃてねーよなぁ……」

脱力気味に回された手がメロウの背を撫でている。
形を確かめているかのよう。声音は落ち着いていて、
リラックスしているようにも思える。

反して身体は微かに熱を帯び、鼓動もやや早い。
以前ほど極端に痩せてはいないが筋肉は落ちて、
その癖運動しようと努力、どころか酷使の跡が
感じられる弱い身体。

「……ゔー」

メロウの肩に顔を乗せ、子猫のようにぐりぐり。
満たされていると感じる一方で、お腹の奥の方の
切なさが募っているのも自覚できる。

「……ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、
 今より深く触ってみてもイィ? 」

断られないとわかっているのに命令でなく許可を
求めるのは体裁上のものでしかない。適度な所で
歯止めをかけようとしているようだが、そもそも
我慢できずにメロウに触れた時点で黛薫の理性は
敗北しているのだ。

ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」から黛 薫さんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に黛 薫さんが現れました。
メロウ > 「私って、そういうのは深く考えないんだよね。そう、真意も考えからじゃなくて感覚から
 表面をなぞるようでもあるし、だから人によっては軽く聞こえるのかもね?
 でも時によって、滑り込むように誰かの下に沈み込んでしまうのは、きっと芳香のおかげだから

 あなたが嘘つきだって言うのは、本当だと思うけど
 ここ最近は、自分に嘘をつく回数の方が多くなってるんじゃないかな?」

無理が出れば、自ずと隠す。触れればわかってしまうのに
体調把握に秀でた人形の機能としては、貴方の体の如何に消耗しているかを悟ってしまう

『自分を守るための嘘』は、既に随分と形を変えていたのかもしれない

「あなたは拒まないって分かってるし、私もだから着てみただけだし
 けれど......うーん、やっぱやめ」

『触れて欲しいのは、そっち?』。皆まで言うのも、理屈っぽくて似合わない
彼女の意図する『深く』というものがどのような意味かは、態度に聞いてみるのが良いか
相手の頭に手を回し、あやすように撫でながら待つ

足の形を組み替えて、水球の表面に秘部を押し付ける。そんな備えは、余程意識しても居ない限り伝わりはしないだろうが

黛 薫 >  
「あーしも感覚の趣くままに話せたら……いぁ、
 それも無ぃ物ねだりか。一旦思考を挟まねーと
 上手に話せなぃのに、考ぇると捻くれるんだもん。
 真意とか、本音とか特に……あぁ、それが自分に
 嘘つぃてるってコトか」

子猫のように擦り付けていた仕草はいつの間にか
甘噛みに変わっていた。白い首筋に歯形を付けて、
跡を消すように舌が這う。

拒まないし、拒まれない。お互いに分かっている。
分かっているから、もしもメロウが問うていたら
黛薫は黙ってしまっただろう。思考ではなく感覚が
推察した真意が導いたのは最善か、或いは。

パーカー越しに感じる嫋やかな肢体の感触が
恋しくて、甘えるように身体を擦り付け続ける。
密着しているのに、もっと近くを求めるように
裾から覗く太ももに跨るような姿勢で。

首筋に熱を帯びた吐息が当たっている。
パーカー越しに汗ばんだ感触が伝わってくる。
露出した太ももに湿った感触が押し付けられる。

メロウ > 「だから言ったんだよね。薫様、今の状態で外出するのは、不適切だって」

言葉遣いにて定義する。その衣装の軽さの意味。果たしてその1枚の他に、身に着けていたものはあったか?
『気楽だから』という以外の理由を、メロウは決めつけている
真面目に行っていたはずの調査の裏で、果たして後ろめたいと思わない事が1つもなかったか?

そこに新たに、1つの嘘。『この瞬間を期待していた』との己を誤魔化してはいなかっただろうか?


いやだなぁ、と。彼女は内心考える
この先に薫が見出すものは、メロウを置いてけぼりにして独りで満足してしまったとの自己嫌悪
今まで繰り返してきた事で、また切なさを積み重ねるフラグを知っている

「私だって、一緒に感じてみたくって、それは調査の為に後回しにされちゃった
 だから抜け穴、使うね?この水球は、受け入れても私に違和感はないんだから」

小さな意味の遷移であり、へりくつ。そして、彼女は己がおかしい事に目を瞑る
接触した体は汗ばみ香りを得、知らずのうちに駆動する胸中の喧しさに耳を塞ぐ

俯瞰をすれば模倣なのだろう。押し付けれらただけ、自身を主張したがる仄かな意地

黛 薫 >  
「いくらあーしでも……」

この格好で外には出ない、と言葉通りの返答を
しようとして口を噤む。言葉の裏を感じ取った。
最初からこうしたくて来訪を受け入れたのでは、
そう思われた、思われてしまっただろうか。

省みる。自分は何を求めていただろう。

店を訪れる予定だった。それより先に連絡が来た。
正直なところ浮かれていたと思う。特別な日だけ
袖を通す服を引っ張り出そうかとも考えた。
止めたのは、前回メロウが『ただいま』と言って
この部屋の扉を潜ったから。

準備をして出迎えるのは違うのかも、と思った。
だけど何もせず待つのは落ち着かなくて、遠足の
前の晩にしおりを読み耽るように触媒適正調査の
術式構築に着手した。

考える。調香が終わってからそれを切り出したのは
彼女を引き留める意図が無かったと言えるだろうか。
引き止めようとしたのなら、それは彼女が仕事を
終えたら去ってしまうと思っていたから?

『求めている』と思われたのには理由がある。
一連の底に、無意識の下心がありはしないか。

急に、怖くなった。

身体を擦り付けるような仕草が止まった。
パーカーと素肌の間に空気が通る隙間が出来た。
背に回されていた手が力なく下がり、下がるのを
怖がるようにまた持ち上げられた。

疾しさを覚えたがために耳を塞ぐ選択だけは
取れなくて、だからメロウの言葉は聞いていた。
意図するところを読み取れた自信はない。

数秒の沈黙の後、調査前のように水球が黛薫と
『繋がった』感覚が伝わる。ただ、それは前と
比較して酷く乱れた繋がりではあったけれど。

メロウ > 「別に、これが私の悪い事ならそれでいいよ
 分からないって言ったのは私の方だからさ
 それを信じられなくて、私を『使う』事で言い訳してるのも
 自分で自覚してなくても、勿論それでいいよ。ね?」

水球の形が歪むほどに、強い圧をかけている
揺らしまではしていないのだろう、ただただ強く押し付ける
独りで致したことも無ければ、快感を求める対象でなくとも、『主張』として

「それじゃあ私は今、何をしてるんだろうね
 違うかな。これは『何か』でもないよね

 それでもいいや。逃げないで
 価値のあるものなんでしょ?
 もう、私から目を離さなくてもいいよね

 これが『お願い』になるはずだったんだからさ」

躊躇いから固まった動きに、こちらから腕を回して隙間を埋める
貴方の陰に隠れて、『独り遊び』をしてみようとしていたのだから


「勝手にマスターが正気に戻っちゃうと、本当に私、置いてかれちゃう。やだよ」

黛 薫 >  
動きが止まり、僅かに距離が空いた須臾の時間。
密着していては繋がらない視線が交錯していた。
纏う香りの蒼よりは暗く、陰の差した水底の右眼。
『何もない』を見る、貴女を繋ぐ無機の左眼。

引き寄せた刹那に聞こえた早い呼吸は嗚咽にも
似ていたけれど、それを飲み込むだけの正気に
立ち返るより早く貴女の言葉が引き止めた。

ゆるりと回された腕がメロウを抱き直す。

疾しさと逃げ道を意識した緩い手付きではなく、
怯え離れることも出来ず固まった手付きでもない。
誘われて/求めて、手を伸ばし、離さないように。

それで良い、と言われた。

微睡の中、起きる理由を思い出した上で目蓋を
閉じることを選んだような感覚。正気に戻った後
何を思うかは分からず、なのに只管に心地良い。

「メロウ」

名前を呼んだ。返事を求めてはいない。
ただ呼びたかった。その音を味わいたかった。
優しく、珍しく寂しさを孕まない声だった。

薄布越しの肌を感じる。首筋を撫でる髪を感じる。
胸の奥の駆動は鼓動と異なり、けれど今までとは
変わって感じられるのはそうあって欲しいという
欲求に過ぎないのだろうか。

呼吸が落ち着いてきた。じぃっと待っている。
受け入れている、と呼ぶ方が近いだろうか?

メロウ > 「選択を強いるのは、常に心だよ
 ねぇ、薫様。今は私は、独りでもいいから
 だって、薫様だって独りだったんだから

 ただ確かめてくれると嬉しいってだけで
 繋がって確かめるには、まだまだ恥ずかしいし
 分かるかな、分からなくていいって言ったっけ
 私はただ考えてるだけでそこに偶々、居るだけで」

考えは常に言葉と共に。聞こえた音も、届ける為じゃない
故に、『確かめて』と言うのに接近を前提と出来ないのは
触れられて聞こえて、愛してくれるだけの『幻』と想うから

『間違ってたら、やだなぁ』と。人に非ず、能動は未知

過剰に働く香の坩堝は、過剰に甘い呼気を生む

「.........」

そして香寄り甘い囁きのをなぞる音。くらりと、促された弛緩は貴方から逃れるのではなく、倒れ混ざるように彼女の芯を奪い去った