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2015年10月5日に、こちらの手違いで一度BBSを削除してしまいました。
現在は復活しておりますが、9月16日以降の記事が飛んでしまったようです。
ご利用いただいた方には心よりお詫び申し上げます。
まことに申し訳ございませんでした。
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ヨキ(No.414)
- 15/8/18(火) 23:14 -
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「次は、アリストロメリアくん。
初めまして、この度はご参加ありがとう。
彼女の絵は……おお、これはまた大したものだな。
デッサンというより……半ば『ヴァニタス』の趣さえあるな。
ヴァニタスというのは、かつてヨーロッパで多く描かれた静物画の一ジャンルだ。
人生の無為や空虚、儚さを取り入れた寓意画として知られている。
時計や頭蓋骨、果物……こういったデッサンと同じように配置されたモチーフが、
しかして物体の形を写し取るよりも大きな意味を与えられていた訳だ。
だが『寓意』とは、描かれたそのものに力がなければ成立し得んものだ。
アリストロメリア君はこと美術の鑑賞において素養のあるようだから……、
その意欲や情なりともが絵の上に表れたのやも知れんな。
そもそも人間にとって、絵を描くという作業はひどく能動的なものだ。
創作する意欲を刺激されたにしろ、ある種のひらめきによって筆を執るにしろ、
紙やキャンバスに向かって最初の一ストロークを描き込むことは、
それ自体にパワーを要する。
先に講評を行った中にも、デッサンをしたことがないという者は多かったが、
ことアリストロメリア君においては、それまで彼女自身が観てきた作品が
彼女が『紙と向き合うときの視線』に表れているように感じられるな。
『手で描いたもの』が『目で見たもの』『頭に思い浮かべたもの』の
形態と異なっているとき、ごく一般的な心理として『描くことを誤った』と躓き、
手を止めてしまうことがある。
なまじ手と目とが養われているときにぶつかりやすい壁のひとつだが、
彼女の場合、培われてきた『下地』がその迷いに克ったのだろう。
構図、質感、空間感、ともに初めてにしてはよく捉えられている。
描き込まれた絵画は、魔術書に勝るとも劣らない筆跡の集合体だ。
その経験と解釈が、アリストロメリア君の研鑽に繋がって欲しいと思う。
それでは、以上だ。
お疲れ様、アリストロメリア君」