「終わりが来るからこそ人は美しいのであれば、私は誰よりも醜悪なのかしら?」
*概要 その劇団には才覚ある演者が数多く所属していたが、彼女に並ぶ者は存在しなかった。 彼女はどのような役も演じきることができたからだ。 類稀なる演技の才能もあるが何より、彼女は死すらも演じることができた。 肉が千切れようが骨が断裂しようが、夥しい鮮血に肢体が沈もうが、である。 フェニーチェの作風上死者が後を絶たないが、どのようなクライマックスでも演じきる彼女の演技力に、誰もが夢中になった。 断頭台から零れ落ちた首が、壇上中央で客席をじろり一周見回したときなど半ば伝説と化している。 奇妙なことに、それだけの熱演をしたとしても、彼女の肉体は夢幻の如く修復されるのだ。 ただその一点のためだけに、彼女は団長から「永久に未完成」のレッテルを貼られ、寵愛を受けることが出来なかったとされる。 現在は舞台女優の道を自ら閉ざし、他の演者に演技指導をしている。 そう。暗がりに潜んでは、今は亡き団長の下へと届けるために。
*外見 スレンダーで長身の銀髪女性。 腰まで下げた一本下げの結髪が特徴的。 濃紺のコートに金の刺繍をあしらった、まるで貴族めいた派手な衣装。
*行動 演技指導と称して、島民に危害を加えます。 それは純粋な暴力であったり、精神的なショックを与え・驍烽フであったりします。 多くの物理的衝撃では消滅に至らないため、立ち向かったり逃げたりします。 また、なんかいい感じのところになったら消滅して死にます。
*異能 《比類なき大女優》(ミリオンダラー レディ) 彼女の演技力は彼女自身を再定義し、役柄どおりの能力を発揮する。 無頼の人斬りを演じれば、その技前が得られる……といったように、経験則という過程を無視し、結果だけを得る。 演技に没頭すればするだけ効力は高まり、集中力の強弱が大きく作用する。
*体質 不老不死。 厳密には生死という概念がない。 ただそこにあるのが彼女であり、現在も存在し続けている。 異界からの異邦人であることが理由のひとつだが、彼女の口からは明かされた事がない。 |
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