「You see, George, you really have had a "Wonderful Life."」
□ 梧桐律(ごどうりつ)または『伴奏者』
故人。 かつて奇想の宮殿を彩った演者のひとり。違反部活『フェニーチェ』の音響担当。 即興演奏を得意とし、夜な夜な天衣無縫のカデンツァを奏でつづけたヴァイオリニスト。 多くのパトロンと浮名を流し、一座に隠然たる庇護をもたらしていた。 『フェニーチェ』に強制捜査が行われる前夜、熱狂的なファンの女子生徒に刺されて死亡。
没後しばらくのあいだ出所不明の音源が出回っていたが、当局が一斉削除。 今日では地下世界にのみ流通し、単純所持さえ禁じられている。 劇団残党の蠢動と前後して、風紀の『黒博物館』から遺品の1742年製グァルネリウスが紛失。 当局は遺品の行方を追うと共に、新たな音源の抹殺と生存説の打ち消しに躍起になっている。
□ 奇神萱(くしがみかや)
『伴奏者』のグァルネリウスを所持し、故人の代弁者のように振舞っていた女子生徒。 わずかな期間で目覚しい上達をみせ、傑出した奏者になりつつある。
梧桐律が『伴奏者』として活動した時期のパトロンの一人で、元は裕福な資産家令嬢。 熱烈な崇拝者でありながら、劇団『フェニーチェ』の崩壊前夜に梧桐律を殺害した張本人。 凶行の後は極度の心神耗弱に陥り、療養施設に送り込まれて生ける屍に成り果てていた。 ある時期から奇跡的な回復をみせ、実家の後援もあり見事に社会復帰を果たしている。
□ 異能『GHOST IN THE SHELL』
意識のない身体をジャックして成り代わる能力。 乗っ取っているあいだは異能も含め、あらゆる潜在能力が制限なく利用可能。 本人の死後に発現したと思われ、きわめて稀有な事例といえる。
□ 召喚術『悪魔のトリル』
彼方より響く異次元の音色と協奏し、異界存在を召喚する秘儀。 純粋な演奏技術で種族を問わず魅了し、演奏を妨げるものがいれば異界存在が排除に動く。 梧桐律に魔術の素養はなく、フェニーチェならではの悪夢的な演出を誤認したものとされる。
□ 方針
善悪の彼岸に生きていますが、奏者としての倫理と一貫した行動原理を持ちます。 一方的に殺害されたいきさつもあり、人の生命が奪われる事態を強く嫌悪します。 戦闘可。既知可。ご相談はささやきなどで随時受付。 |
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