2016/02/12 - 23:36~01:06 のログ
ご案内:「ロビー」にヨキさんが現れました。<補足:人型。黒髪金目、スクエアフレームの黒縁眼鏡。197cm。鋼の首輪、拘束衣めいた白ローブ、ベルト付の白ロンググローブ、白ストッキング、黒ハイヒールブーツ>
ヨキ > 土日は休みだという女子学生から貰った義理丸出しのトリュフチョコレートを、
世にも珍しい宝石のように摘み上げる。
「いただきます……」
きらきらと輝く目から金色のハートを飛ばしながら、今にも涎を垂らしそうな口を開ける。
小さな一口をぱくりと放り入れると、顔が梅干しのようにクッシャクシャになった。
別に酸っぱい訳ではない。
「……うまいッ!」
自分で買う菓子も、自分で拵える菓子も無論のこと美味い(手前味噌)が、
『人から馳走になる菓子』ほど美味なものはない。
ヨキ > ヨキ先生チョコ食べてるー、という別の学生の声に、やらんぞ、これはやらん、と箱を退ける。
もむもむと口を動かして転がしたチョコレートを口中に溶かしながら、喜色満面の笑みでデレデレしていた。
「ヨキはいつでもチョコレートフリーであるぞ。
ホワイトデーはやっても単位はやらんが」
教師の戯言を軽く流して去ってゆく女子学生の顔は、これでもかというほど明るい。
見るからに週末、何か予定がある。
「良いことだ。存分に謳歌するがよい……」
しみじみとしながら、二つ目のトリュフを食べる。悶絶。
ヨキ > 次いでやって来た女子学生が、先生、そんな大っぴらに食べてると、
みんな遠慮してくれなくなるかもですよ、と助言する。
「え?」
青褪める脳天に稲妻が落ちたかのようだった。
「そうなのか」
去年もそんなこと言われてませんでしたっけ、と言う彼女に、
後味の残る舌をもぐもぐしながら箱をそっと閉じる。
学習しない上に、義理でも欲しいらしい。
ヨキ > 「せんべいなら食べてても良かろう……、む。
おにぎりがあった」
小脇の鞄を膝に載せて漁ると、いろんな食べ物が出てくる。
チョコレート、おかき、おにぎり、キャンディー、かりんとうその他。
そうこうしているうちにも、腹はどんどん減ってくる。
炊き込みごはんの残りで作ったおにぎりを見つめていると、いよいよ腹が鳴った。
「………………」
おにぎりのラップを剥がす。昼食どきのように見えるが、時刻は夕方である。
また口の内外には、先ほどのチョコレートの香りや味がこれでもかと濃く残っている。
最悪の食い合わせだ。
「んまい」
うまいらしい。
ヨキ > おにぎりをすっかり食べ終えてしまうと、手持ち無沙汰な様子で腹を擦った。
「…………、年々燃費が悪くなっておるような気がするな」
パンも、うどんも、米も、芋も、肉も、ありとある重い食材を入れて、なお薄い腹。
壁の時計を見遣って、一息つく。
「もう一仕事だ」
ベンチから立ち上がって、伸びをする。
荷物を抱え直し、金工室へ戻ってゆく。
ご案内:「ロビー」からヨキさんが去りました。<補足:人型。黒髪金目、スクエアフレームの黒縁眼鏡。197cm。鋼の首輪、拘束衣めいた白ローブ、ベルト付の白ロンググローブ、白ストッキング、黒ハイヒールブーツ>