2016/07/02 2on2 インフラブラック入部
ご案内:「歓楽街」に鎖ヶ原アストラさんが現れました。<補足:乱入歓迎。キュっとしてスリム、三白眼。世界一孤独なギアドライバー>
ご案内:「歓楽街」に鬼灯 怜奈さんが現れました。<補足:赤髪ロングのヤンキー娘。黒赤ストライプのシャツに短パンニーソ。メンツ固定というわけでないのでどなたでもどうぞ>
鎖ヶ原アストラ > 土曜日の昼下がり。放課後も放課後、学生の本分は遊ぶこと。
部員と連れ立って来るのはやっぱり

「ゲームセンター・アラウンドティーン」
「ここは、そんなにガチじゃないギアドライバーが集まると聞いたからね!きっとアーケード初心者のボクでもほら、勝てるかなって!でもまずは見に徹しようかな…!」
家庭用勢ならではの小心さを見せつけるのは鎖ヶ原アストラ。
TG部の部長である。

鬼灯 怜奈 > 「延々ソロだけやってた変態の方が、ふつーはおっかねーよ……。」

常世の夏定番アイテム、≪ゴリゴリ君スイカ味≫を齧りながら後ろをついていく。
少しいけばギャラリー用の大型モニターに、現在の試合状況が映し出されていた。
遠目からでも激しい爆破エフェクトが目立つ。
「……おー。」
「やってるやってる。」

鎖ヶ原アストラ > 「いやーでもやっぱり生は違った。生のギアドライバーはすごい…」
レイナは道中でコンビニに寄った時にめざとくアイスを買っていたのか。確かにこの熱気なら欲しくなる。
置いてある。なんか丸い棒状の自販機でアイスが。
「…ちいさくない、これ…」まんまとミルク・バーを買って、戻ってきてから言った。
早速「見」がどこかへいっていた。

ご案内:「歓楽街」にインフラブラックさんが現れました。<補足:黒衣を身に纏ったミステリアスな雰囲気の学生。>
ご案内:「歓楽街」からインフラブラックさんが去りました。<補足:黒衣を身に纏ったミステリアスな雰囲気の学生。>
ご案内:「歓楽街」にインフラブラックさんが現れました。<補足:学生服を身に纏ったミステリアスな雰囲気の少年。>
鬼灯 怜奈 > 「うわー、その手のアイス買う奴はじめて見た。」

自分はと言えばしゃくしゃくと食べ進め、残った棒をゴミ箱に放り込む。

「ンなことよりもう始まってんぞって。ほら。」

鎖ヶ原アストラ > 「この期に及んでさらに1/3くらいプラスチックの…棒…!」
誇らしげに筐体に2/3アイスクリームと書かれていたのはこれのことか。
外の世界は怖い。
早速カモられた。

が、量が少ないとはいえアイスはアイス。甘さに立ち直る部長。
「落ち込んではいられない…そう、ボクは部長だから えっどれどれー」

インフラブラック > ゲームセンターに入ってくる、黒い衣に身を包んだ少年。
闇に歩を進めるかの如きゆったりとした足取りでタイタニックギアの筐体へと進んでいく。

「フッ……死と羽ば立つ闇…今日という日に、帳が落ちる前に…」

一人、そう呟く。
認証を済ませて、ゲームを始める。

画面に浮き上がる漆黒の機体。
少年の暗色の瞳がモニターの照り返しを受けて鈍く輝く。

鬼灯 怜奈 > 「もう終わったよ!」
「次の試合が始まるトコなんだけ……ど……。」

なんだアイツ? と不思議そうな顔で少年の背中を見送った。

「(あいつもギアドライバーなのか……?)」

ゲームスタートの合図を受けて、各機一斉にステージに躍り出した。
デザートフィールドの2on2。巻き上がる砂塵が、カメラの視界を荒に刻む。

鎖ヶ原アストラ > 「ふーん、1ゲームを短く切る設定もあるんだな…」
「なんだ怜奈君、男子を目で追ったりして 始まるぞ」
今度は気を取られた怜奈に言い返してやってどやっとした顔。インフラブラック
> ゲームが始まる前に機体の通信機を再現したマイクをONにする。
基本的にマナーさえ守っていれば何を言ってもいい場。
だが、彼は。

「新せり……墓標の輩(ともがら)よ、新たなる戦いの地平を前に君は何を成す」

これを言われた灰色の機体の友軍機、ディグミーノーグレイブのプレイヤーが声を上げる。

『は?』

そして出撃前のカウントが始まる。
10、9、8、

「我が名はインフラブラック、新たなる地平を前に、軍場の咆哮は途切り」
またしても不気味な低い声がゲームセンターに響く。

3、2、1……

弾かれるように前に出る少年の機体、画面に映し出される名前は『カレイドスコープ・シャドウ』。
梅雨時に詰襟を着ている彼同様、漆黒の軽量機。

戦場の中央まで、彼の機体だけがどんどん加速していく。

鎖ヶ原アストラ > そしてゲームの開幕。
真っ黒な機体が砂漠ステージにあまりにも目立つ。
だが。だがそんなことより。

「?」
何を言っているのだろう。全くわからない。外国語かな?
「インフラ…ブラック!」名前だけはわかる!わかるが!
部長はこんらんしている!

時間は止まらない。少年の対面の敵の片割れ、「修道源改」が突出したカレイドスコープシャドウにナパームショットガンを斉射。

インフラブラック > ナパームショットガンが破滅の暴風を放射状に放つ。
それをブーストを噴かせて回避、右腕の腕部装甲が展開して中から出てきたエネルギーランチャーを撃つ。
光状が伸びて修道源改に突き刺さる。

しかしライトボディの内臓武器、決して一撃で相手を撃破できる威力はない。

「砂原の地に災厄は待ち降りる。壊れた時……人…夢…」

バリトンの声がゲームセンターに鳴り響く。

そして着地の瞬間、ステージ中央にある数少ない障害物の巨岩の傍に降り立った。
敵の攻撃がしづらい位置を取る。

ようやく仲間であるディグミーノーグレイブが戦場となっているMAP中央にやってくる。

『援護します、あと先行しないでくださいね』

2on2である。唯一の仲間に冷静に窘められるが、インフラブラックを名乗る少年はこう返す。

「氷の心を前に闇に瞬く死神が……悔いる暇こそあれ」

重量級であるディグミーノーグレイブが、両肩のヘヴィーカノンを連射しながら仕方なく追従する。

鬼灯 怜奈 > 「あいつ劇団員か何かか……? 病気だぞ病気。きっと頭のだいぶ重いヤツだ。」

とは言うものの、動きに関しては目を見張るものがあった。
切り返しの挙動の巧さは、少なくともアストラや怜奈よりも上。
高速戦仕様のライトボディが、鮮やかに砂上を舞う。

「ごちゃごちゃ煩い。」
「壊れろ。」

フィールドが青光りに包まれたと思いきや、収束した粒子が一息に巨岩を消し炭にする。
シルバー基調のカラーリングに砲撃戦用のフルボディ。
修道源改の相棒、サラのアンドロメダが、背に負ったフォトンランチャーを撃ち出したのだ。
その威力凄まじく、画面の判定端までのオブジェクトが影響を受けたようだ。

「こちらアンドロメダ。リチャージまであと20秒。」

か細い女の声が静かに響く。
怜奈たちの傍にいたギャラリーもにわかに沸き立った。

「うわー……何あれ。あんな武器もあンの? ずるくない?」

大きく口を開けながら、怜奈はあっけにとられていた。

鎖ヶ原アストラ > 「…」修道源改のギアドライバー・道々修は寡黙な男。
フォトンランチャーの効果である「整地」技能が砲射線上の砂地をガラスのハーフパイプに変えたのだ。
即座にその足場を掴んで、ダッシュローラーを唸らせる。

「怜奈君、フフフあれはね、ver.4.87、5.66と二度の弱体化を受けてなおあれで…見た感じ、最新版でも同様のようだね」どうでも良い薀蓄が始まった!
「とにかくあの外国人?のひと? 結構ピンチじゃないか?」
機動力を上げた源改がナックルダスターでインフラブラックの間合いに入る!

インフラブラック > フォトンランチャーを寸前で回避する。
接地している時間は最小限に、という軽量機のセオリー通りでもあり、黒き獣の本能による回避でもある。

「忌むべき光子の奔流、だが漆黒たる私のカレイドスコープ・シャドウを塗り潰すには遠い」

その声に騒然となる店内。
なんだあれは。という意味合いを多分に含んで。

ディグミーノーグレイブが実弾砲撃を雨霰のようにアンドロメダに向けて射出するも、有効打は与えられずにいた。

『二機の攻撃がそちらに集中していますが、どうしますか?』
「フッ………祈りの奇があるままに」
『………はぁ…?』

困惑するディグミーノーグレイブのプレイヤーを置き去りにして、フォトンランチャーの射線状に着地する。
そして襲い掛かる修道源改に、折り畳み式のプラズマスピアを展開して迎撃にかかる。

整地された場所をダッシュローラーで走る修道源改と、同等の速度を見せるカレイドスコープ・シャドウ。
まともに斬りあいをすれば2合で撃墜される。
だから。

「……舞え、連ね鏡が抱く影よ」

相手の攻撃を完全に読んだヒット&アウェイ。
修道源改の攻撃を寸前で回避して、自分の攻撃だけ当てる影舞。
プラズマスピアが連続で相手を切り刻む。

『………!』

修道源改が撃破され、その場に蹲りながら小規模な爆発を繰り返す。

「砂原を舞い、影を踊り、闇を食み、光は潰える」

エネルギーランチャーを連射しながらアンドロメダを牽制、追い込まれた彼女の機体はディグミーノーグレイブの火砲にさらされて大破した。

ゲーム終了。
涼やかな顔で厚着の少年は筐体を降りる。

「フッ………月影よ、私の身を焦がせ…」

鬼灯 怜奈 > 「はー。アッサリ勝っちまいやがった。」
「部長、勧誘行け勧誘。変な奴相手には変な奴だよ。」

言外に「アタシはパス」と固辞してアストラの背中を押す。

鎖ヶ原アストラ > 「ええー?でもボク外国語は…」
だが、確かに凄いバトルであった。
勝手に突っ込んだとはいえ、ほぼ1VS2の状況からひっくり返す操縦技術。
抜群の反射神経。
ええい、やってみなければわからない。こないだはそれで負けてしまったけれど…などとぐるぐる考える内に、少年の前へ。

「に、にーはお ボクはTG部の部長、鎖ヶ原アストラ。キミ、良い身体…腕…をしているね、TG部には、はいらない?うぉんとゆー?」
といったことをボディランゲージを交えて。デカい。圧倒的にデカい部長が。

インフラブラック > 身振り手振りを交えたアストラの言葉。

「フッ………」

漆黒の髪をかきあげて、少年は笑う。

「いつかの声が遠く聞こえるかのようだ……私の名はインフラブラック」
「災禍の客人(まれびと)として、その誘いに応じよう」
「フッ……全ては夢にたゆたうままに」

黒衣の少年は梅雨時の雲の下へ、ゲームセンターから戻っていく。
後日、提出された入部手続きにはこう書いてあった。

常世学園2年 金田洋平……と。

ご案内:「歓楽街」からインフラブラックさんが去りました。<補足:学生服を身に纏ったミステリアスな雰囲気の少年。>
鎖ヶ原アストラ > (通じた!という確信を持って、浮かれ顔で怜奈のもとにもどっていったという。後日めっちゃ喜んだ。)
鬼灯 怜奈 > 「えっ……会話判定成功した……?」

一連の流れに引きながら、とりあえず部員が増えたことは喜ばしい。

入部後の初邂逅は戦々恐々だったものの、自分のひとつ下ということに気付いてからは、それはもう大きい顔で接するようになったという。

つづく。

ご案内:「歓楽街」から鬼灯 怜奈さんが去りました。<補足:赤髪ロングのヤンキー娘。黒赤ストライプのシャツに短パンニーソ。メンツ固定というわけでないのでどなたでもどうぞ>
ご案内:「歓楽街」から鎖ヶ原アストラさんが去りました。<補足:乱入歓迎。キュっとしてスリム、三白眼。世界一孤独なギアドライバー>