2016/07/27 - 23:15~00:57 のログ
ご案内:「大時計塔」に化野千尋さんが現れました。<補足:だぼっとしたセーラー服。後入り歓迎です>
化野千尋 > 本土もこの常世学園も、変わることなく世間は夏休みだった。
夏休みだろうが学校には生徒がいるし、部活で汗を流す少年少女だっている。
勿論当番なのだろう先生もいて、職員室もある。
だから当然、転入生が訪れても対応は問題なく行われて、生徒手帳を手渡される。
そしてありきたりな「転入生?」「よろしくねー!」なんて会話もある訳で。
それでも、違うことは勿論ある。
部活で汗を流す少年少女の中に、少なくとも人間に見えないシルエットの人がいて。
当番の先生の机には翼を生やした人間とのツーショット写真が挟まっていて。
その生徒手帳には「異能詳細」「魔術詳細」なんて項目があって。
そしてさっきすれ違った生徒たちは振り向いた瞬間、その姿は虚空に溶けて。
そんなに違うように見えないのに、丸きり違う場所だった。
「はい、あだしのはここまででだいじょーぶですよ。
ありがとうございました! はい。もし、なにかあれば、ですねえ」
最後は、そんな言葉だけを落としてそのままここに来た。
化野千尋 > 立ち入り禁止! なんてところに入りたくなってしまうのは本土と同じ。
それでも、ここは本土とはまるきり違う場所であることは事実である。
「……ついに、ここにきちゃいましたねえ」
上手くやれていると思っていた学校生活は上手くいくことはなく。
残念ながら、「普通」ではなかった彼女の居場所というのは存在しなかった。
彼女は、「普通」になるためにこの島に来た。
「みいんな、あだしのの仲間なんですよ。
見えます? これ、みいんな普通じゃない――これが、普通なんですよ」
携帯端末に自分を写して、そのあとすぐにぐるりと常世島を見渡せるように
左右にゆっくりと動かした。
さながらパノラマ写真の撮影中である。
「と、ゆーわけで。あだしのはがんばりますからね!
みなさまさまも、ゆっくりゆっくり頑張ってくださいねえ!」
楽しげに画面に語りかけて、そのまま端末をスリープモードにする。
遠くまでよく見渡せる、綺麗な夕景だった。
ご案内:「大時計塔」に龍宮 銀さんが現れました。<補足:風紀委員の制服>
龍宮 銀 > そこで何をしているんですか。
(そんな希望に溢れる転入生の背中に投げられる無慈悲な声。
立ち入り禁止に指定されていても、見晴らしが良いとか風が気持ちいいとか、煙じゃないほうとか、色々な輩がやってくる。
ならば当然、風紀委員の見回りコース内にそこは指定されているわけで、風紀委員である自身はやはり当然、見回りの途中で規則違反をやらかしている生徒を見つけたのだ。)
ここは立ち入り禁止です。
逮捕されたくなければ、すぐに立ち去ってください。
(新生活に胸を躍らせている転入生にとって、この風紀委員に出会ってしまったのは不幸と言えるかもしれない。
指示に従わなければ即刻逮捕・拘束も辞さないと言うような目で彼女を睨みつける。
ちなみに自身も立ち入り禁止区域に立ち入っているわけだが、それはそれ。
まずは違反者を取り締まる事が最優先事項であるので、彼女を此処から追い出した後にその罰は受ける覚悟である。
黙っていればわからないのに。)
化野千尋 > ……ええとですね。いーわけは認められますでしょうか。
(たはは、と苦い表情を浮かべる。
彼女の言っていることに間違いはひとつもないのだから、苦笑いくらいしか出来ることはない。
きっと睨まれれば、ううんと視線を宙に泳がせた。)
逮捕。たいほですかあ。
ちょっとだけ見逃してくれるとか、あだしのが実はおばけだったーとかだと、
もしかして許されたりとかってしないでしょうか。
(思いつく限りの屁理屈だった。
そういえば聞き流していた説明で、教師がそんなことを言っていた気がする。
生徒が自治をしているのだー、とか、なんとか。)
(それにしても生徒を生徒が逮捕とは、本土であれば冗談のような台詞だ。
これもまた、常世島の流儀……と、内心ほんの僅かに思うのだった。)
龍宮 銀 > 一切認められません。
違反者には然るべき罰を。
それがこの世の摂理です。
(自身の摂理である。
いや大まかには間違ってはいないのだが、違反即罰則ではいくらなんでもあんまりすぎる。
しかし堅物の校則絶対主義者たるこの風紀委員が相手ではそんな理屈は通用しない。)
見逃すなど。
しかしなるほど、おばけですか。
おばけであれば確かに生徒とは言いがたいですが、この常世島ではおばけも立派な住人の一人です。
正規の住人であれば学生証もしくはそれに類する身分証を持っているはずですね。
お持ちでないと言うのであれば、不法入島者として拘束します。
(屁理屈を正論で返し、身分証の提示を求めて手を差し出す。
慈悲はない。)
化野千尋 > ちょちょちょちょーっとまってください。
ええと、おねえさん? でよいのでしょうか。
(慈悲も何一つない裁量にさすがの脳天気少女も大慌てである。
ばたばたと持ち物を鞄に詰め込んで、改めて彼女に向き合った。)
まってください、まちましょう。
ちょっとあだしののおはなしも聞いてやもらえませんか。
おばけ……おばけなので学生証は持ってないんですよ。
おねえさん、ちょっと疲れているのかもしれませんねえ。
おばけのあだしのは、ゆっくりおやすみをとることをおすすめしますよお。
(さすがの常世学園といえど、お化けに学生証や身分証の類を渡すことはないだろう。
――というよりも、どうやって身分を証明するのか逆に気になってしまう。
そろりそろりと足音を消しつつ、階段のほうへとじわじわ歩んでいく。)
龍宮 銀 > 風紀委員生活指導課の龍宮銀です。
――なにか、言い残す事があるのなら聞いておきますが。
(何か話したいことがあるならば聞くぐらいはするつもりである。
が、規則は規則。
あくまで聞くだけであって、それが処罰に関係するかどうかはまた別の話だ。
と言うか全くしない。)
ほう、学生証を持っていない。
あだしのさん、と言いましたか。
奇遇ですね、本日付けで一学年へ転入してきた生徒も確か化野、と言う名前だったと記憶しています。
――ああ、これはまた奇遇です。
今名簿を検索したのですが、その転入生の「化野さん」の顔写真があなたと良く似ているではないですか。
(スマホをついついと検索しながら、じわじわと包囲網を狭めていく。
そしてトドメとばかりに突きつけるは、学園の名簿に載っている彼女の顔写真。)
他人の空似とはよく言ったものですね。
さて、それでは「不法入島者」の「あだしの」さん。
風紀委員としてあなたを拘束します。
(わざとらしい口調でそう告げる。
階段の近くには自分が立っているので、きっと回りこむように移動しているのだろう。
彼女の動きに合わせて、階段への道を塞ぐように移動。)
化野千尋 > あーーーー!! あーーー!!
はい! あだしのです! あだしのはあだしのです!
「立ち入り禁止場所に思わず入ってしまった」「学園の生徒」のあだしのです!
(観念した、と言わんばかりに頭を下げて学生証を差し出した。
営業慣れしていないサラリーマンでもこんなに頭は下げないだろう。
綺麗に、文句のつけようがないほどしっかりと頭をさげた。)
よくご存知ですねえ……はい。あだしのは偶然には勝てないです。
早速初日にこんな捕まっちゃったら、あだしのどうなっちゃうんでしょうか。
(うう……、と涙を拭うようなジェスチャー。
不運にはそこそこ自信があったがここまで初日から綺麗に決まると流石に
悲しくなってくる。ああ、悲しきかな。)
ちょっとチョップくらいで、許してもらえませんかねえ。
(両手を挙げて降参のポーズ。
煮るなり焼くなりどうだこうだ、と垂れ流す恨み言。)
龍宮 銀 > 嘘を吐いても違反は違反です。
正直なほうがよろしい。
(差し出された学生証を受け取り、学生番号やら何やらを控えていく。
それが終われば頭を下げ続けている彼女へ頭を上げるように声をかけ、学生証を返そう。)
風紀委員ですからね。
二級学生や不法入島者も多いですから、あなたのような転入生や新入生は、出来る限りチェックしているんです。
(不法入島者はともかく、二級学生は偽造の学生証を持っている。
粗末なものならすぐにわかるのだが、精巧なものになるとぱっと見ただけでは分からない。
なので出来る限り生徒の顔と名前を覚えようと努力しているのだ。)
ダメです。
規則を破っているのですから、それ相応の罰を受けてもらいます。
――しかしそうですね。
初犯ですし、重大な違反と言うわけでもないので、反省文ぐらいが妥当な罰でしょうか。
(違反に例外はないとは言え、全ての違反に一律で罰が設定されているわけではない。
違反は違反であるが、軽微な違反ならば軽い罰のものも多い。
勿論自分も書くつもりである。)
化野千尋 > だめですか。なるほど反省文。
……ちょっとあだしのからご提案があるんですけどね。
(鞄の中にぐったりしながら学生証をしまい込む。
開き直ったのか、がっと顔を持ち上げて意気揚々と彼女に語りかける。)
それなら風紀委員のええと、たつみやさん。
たつみやさんはあだしのから感謝されます。
あだしのはたつみやさんから見逃してもらいます。
どうでしょう、これかなりアリではないでしょうか!
(ふっふーんとドヤ顔で胸を張る。
間違いなくこれはうまくいくと理解しきったときの表情である。)
しょはん、初犯ってこの学校、そんなに規則がきびしーんですねえ。
自由な校風だーってあだしのは聞いていたので、案外驚いていますよ。
……あっ、そうですね。そうだ。
規則といっても、ここの立ち入り禁止ってもしかしてそういう設定だったりしませんか。
実は夜な夜なカップルさんがあんなことやこんなこと、していたりしないんでしょうか。
(閃いた、と言わんばかりにつらつら並び立てる。
なんとしてでも転入初日に違反で反省文なんていうのは回避しなければならない。
というよりも、本土では反省文も違反も言われたことがないので驚きも混じっているのだ。)
龍宮 銀 > (腕を組んで提案を聞く。
ドヤ顔の彼女をじい、と無言でたっぷり十秒間、じっくり眺めてから大きな溜息。)
――宜しいですか、化野さん。
規則と言うのは守るためにあるんです。
当然破られるためにあるわけではありませんし規則違反したものを見逃すためにあるものではありませんそもそも規則を破ったり規則違反をしても見逃されると言うのであればその規則が定められている必要がなくなってしまいますつまり規則違反を見逃すと言う事は規則の放棄にあたるのですそれになんらかの規則違反を見逃したのであればそれ以下の軽微な規則この場合の軽微と言うのはあくまで罰則の軽重であって決して規則違反をして良いということではありません話を戻しますそれ以下の軽微な規則違反を取り締まることが難しくなりますそれを繰り返せば規則は規則として成り立たなくなり引いては学園の秩序の崩壊に繋がりますので見逃すと言う事は絶対にありえませんわかりましたか?
(此処まで一息である。
目は完全に据わっており、喋りながらつかつかと彼女へ歩み寄る。
最終的には鼻息が額と額がぶつかりそうなぐらい至近距離まで間を詰めた。)
自由ですよ、規則を守る限りは。
それにほかの人が違反をしているからと言って私があなたの違反を見逃す理由にはなりませんしあなたが違反して良い理由にもなりません。
見付け次第同じように取り締まり罰則を受けてもらいます。
(そしてやっぱり慈悲はない。)
化野千尋 > ようくわかりましたよ。あだしのは学びました。
(悲しい。見つかったのが彼女だった時点で諦めるのが正解だったかもしれない。
つらつらと般若心経のごとく紡がれる言の葉に関しては1割弱は聞いていた。)
(簡単に言えば、見逃すと言う事は絶対にありえません――の部分だけ。)
よろしいですよ。
あだしのは反省文を書いてさし上げましょう。
……はい、わかりましたよ。かきます。反省文。
あだしのは、自由でも規則でキチキチにされちゃうと自由に思えませんねえ。
これもむずかしーいおはなしです。
というわけでですね、ささっと反省を終わらせてたつみやさんのシフトをおしえてください。
その時間をきちっと狙いますので。
(ふふ、と微笑む。
見つけられなければこの素敵な景色が楽しめるのだ、と顔にしっかり書いてある。)
龍宮 銀 > 分かればいいんです。
(諦めた彼女に対し、満足そうに頷く。
そしてその手をがっしりと掴む。)
私も一緒に書きますから。
あなたを取り締まるのに、立ち入り禁止区域に立ち入ってますからね。
そもそも自由と言うのは自分の行動に責任を持つと言う事です。
責任を取れない行動をするのは自由ではなく無責任です。
それは教えられません。
どうしても知りたければ、風紀委員へ入ってください。
(さあ行きますよと告げ、歩き出す。
そして彼女の最後の言葉に、時計塔周辺の見回りを個人的に強化しよう、と心に決めた。
そのまま彼女の手を引いて階段を下りる。)
ご案内:「大時計塔」から龍宮 銀さんが去りました。<補足:風紀委員の制服>
化野千尋 > 風紀委員さんなのに、たつみやさんまで書くんですかあ。
……パトロールって言えば、書かなくていいものでないんですかねえ。
(あれー、と手を引かれながらトコトコとついていく。
なんだかんだと謎の多い風紀委員のシステムに首を傾げながら、
楽しげにものがたくさん詰まった鞄を揺らす。)
責任がとれれば、学生でも赤ちゃん産みますものねえ。
自分の行動にせきにんを持つ。……ふうむ、なるほど。
……あはは、あだしのは風紀委員さんとかしませんよ。
誰かに「それは間違ってるー」って言えませんからね。
そのひとがしたいのなら、したらいいのにとおもいますから。
後悔しちゃうよりはずーっとよろしいです。
(コツコツとローファーの踵が鳴く音。
化野千尋の学園生活は、人生初の反省文から始まった。)
(――あまりに、幸先のよろしくない船出である。)
ご案内:「大時計塔」から化野千尋さんが去りました。<補足:だぼっとしたセーラー服。雑に結い上げられた黒髪。後入り歓迎ですなにとぞ!>