2016/08/29 - 00:28~02:12 のログ
ご案内:「職員室」にヨキさんが現れました。<補足:人型/外見20代半ば/197cm/黒髪金目、黒縁眼鏡、目尻に紅、手足爪に黒ネイル/拘束衣めいた袖なしの白ローブ、二の腕~手首までの白い付け袖、黒ハイヒールサンダル、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>
ヨキ > 午前中の学園。
間もなく始まる新学期のため、ヨキは職員室を訪れていた。
一通りの事務仕事を終えたところで、一息。
「…………」
その顔は曇っていた。というのも、
「結局処女のまま一週間が終わってしまった……」
しょうもない悩みだった。
デーダインの魔術による、女性化の話である。
男であるヨキにおいそれと抱かれる気がなかったのは当然としても、
それにしたって何だか惜しいことをした気が付きまとっていた。
「……こんなことなら、おこんとやっておけば良かったな……!」
机に肘を突き、眉間を押さえた苦悩と後悔の表情。
ヨキ > 後悔先に立たず。
悔いても仕方ないんである。
次に女になったときには、絶対におこんと寝よう、という強い意志を秘め、顔を上げる。
しょうもない決意だ。
マグカップに注いだ氷入りの麦茶を飲んで、深い息をつく。
「そういえば……女物の浴衣も着なかったな」
洒落た服も下着も水着も着たが、浴衣は着ずじまいだった。
それを思い出したのは、昨晩の花火大会が脳裏を過ったからだ。
男に戻ったあとで、ヨキもあの花火を見物していた。
スマートフォンで撮りまくった写真は、我ながらなかなかの腕前だった。
ヨキ > 休憩がてら取り出したスマートフォンの、写真をつらつらとスクロールする。
そこには色鮮やかな花火の写真がたくさん保存されていた。
ヨキの目には、青や黄色や白色の、淡白な光ばかりにしか見えていないのだったが。
爆ぜる火のまぶしさと美しさは、犬の目にも同じように映るものだった。
一枚一枚拡大しながら、出来るだけ綺麗に撮れたのをピックアップする。
とっておきの一枚を、メールに添付しかけて――
「…………。やめた」
直接会って見せれば済むことだ、と、メールの下書きは削除した。
再び一口、(もう味を感じることもない)麦茶で口を潤し、書類の整理に戻る。
ヨキ > 待ちに待った個展も、気がつけば間もなく終わりを迎えようとしている。
九月が近付くとともに、新学期の準備も着々と整っていた。
正午まで仕事を続けたのち、腹ごしらえをして美術館へ向かう。
晒した首に絡みつく苛烈な湿気は、それでいて無性に心地よかった。
ご案内:「職員室」からヨキさんが去りました。<補足:人型/外見20代半ば/197cm/黒髪金目、黒縁眼鏡、目尻に紅、手足爪に黒ネイル/拘束衣めいた袖なしの白ローブ、二の腕~手首までの白い付け袖、黒ハイヒールサンダル、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>