2016/06/25 - 15:28~17:36 のログ
ご案内:「委員会街・風紀委員神秘対策課」にメグミさんが現れました。<補足:風紀委員。黒のミディアムヘアに黒目。風紀委員の制服の上から魔術の意匠のある外套を羽織っている。>
メグミ >  
「ふぅ……」

 休日の昼下がり。
 がらんとした室内にはPCに向かう少女が一人。
 時折詰まった息を吐き出しながらひたすらキーボードを叩いている。

 ――風紀委員神秘対策課。
 
 風紀委員における神秘的・霊的な超常にまつわる問題を取り扱う課。
 神秘に対し、それに見合った神秘を用いて対処することにより、
 "異能や物理による力づく"により生じてしまう事態の解決以上の被害を齎す事を防ぐ役割を持つ。
 この少女もその役割を担う一人である。

「――漸く7割、ですか。
 仕方ないことですけれど、人手が足りませんね。」

 配属されるには神秘的・霊的知識を持つ事が条件となる為、
 どうしても人手が足りず負担が増える。
 この少女も昨夜から帰宅せずに仕事を続けている。
 携帯食や栄養剤だってがデスクの脇に転がっているだろう。
 
 

ご案内:「委員会街・風紀委員神秘対策課」にステーシーさんが現れました。<補足:帯刀した猫耳少女。>
ステーシー > 風紀委員神秘対策課を訪れる一人の少女。
以前、不良に絡まれている時にメグミに助けられたことがある種族:フェルパーだ。

何をしたいのかというと、お礼の機会をじっと伺っていた。
それだけの話だ。

意を決して、ドアを三回ノックする。

「えっと……」

ドアをノックした後ってどうすればいいのだっけ。
失礼しますと言って入る? それとも相手の出方を窺う?
それすらわからない。
怪異対策室三課に入る時はチィーッスくらいのノリだし、生活委員会の公的な場に出る時は友人の三枝あかりが主に喋ってくれていた。

途端に緊張して、ジュースが何本か入った袋を持ったままドアの前で固まってしまう。

メグミ >  
「はーい。」
 
 ノックの音に気付けば作業の手を止める。
 ……立ち上がって近付いた所で、すんと身体の臭いを嗅ぐ。
 言うほど匂う訳ではないものの、ボディーシートで身体を拭いておくべきだったか。
 とは言え今から拭く時間もない。手櫛で最低限髪を整えてからドアを開く。
 その先に居る人物を伺う事が出来れば、ぺこりと頭を下げただろうか。

「あ……こんにちは。ステーシーさん。」
 

ステーシー > 「ど、どうも……メグミ、元気にしていたかしら」

しかし相手にはどうにも疲れの色が見える。
気のせいだろうか?

「お仕事、忙しいのかしら。差し入れを持ってきたのだけれど」

ジュースの入った袋を見せて、息を吐く。

「私、知らない人といると緊張するからメグミが出てきてくれて助かったわ」
「仕事の邪魔かしら。少し見学していっても?」

借りてきた猫状態から脱したステーシーは、興味本位でそれを聞く。

メグミ > 「あはは。ちょっと仕事が溜まってまして。
 これ位なら平気な方ですけれど……。」

 表情や振る舞いは普段通りだが、少々よれた身なりから労働の色を感じるか。
 袋の中身を察してぺこりと頭を下げる。

「――ぁ、ありがとうございます。
 丁度ストックが切れた所ですので、助かりました。」

「ふふ。どうしても他の部署は緊張しますよね。
 ――えぇ。ほとんど人もいないですし、可愛くないですけれど……。」

 部屋の中に今時の御洒落さはなく、
 壁一面に並べられた書棚には資料や記録と思われるファイルと書物がぎっしりと並んでいる。
 時折伺える鍵付きの棚には何らかの道具と思わしき物品が丁寧に保管されている事も伺えるか。
 ネットワーク回線や複合機などのOA機器も一通り取り揃えられている。
 他にも冷蔵庫や電子レンジも用意されているあたり、設備そのものは悪くない。
 
 

ステーシー > 「仕事が………」
なんだか私たちと似ている。
生活委員会の仕事があり、それでいて怪異対策室三課の仕事も回ってくる私たちに。

「いいのよ、なんだか共感できる状況でもあるし」
「この前、不良から助けてもらったお礼よ」

周囲をきょろきょろと見渡す。
なんだか仕事をする場所と言う印象だ。
いや合っているのだけれど。

「あー……可愛い可愛くないはともかく、設備は揃っているのね」
「なんだか…オフィスという感じね、ちゃんと休めているのかしら」
「……私、メグミが心配なのだけれど」

メグミ >  
「ええ。霊的、神秘的な事態への対応となると、
 どうしても技術や知識を要する分出来る人は限られてしまいますから。
 ……ステーシーさんの怪異対策室三課もそんな感じだったりするんでしょうか。やっぱり。」

 どうしても人手が少なくなってしまうことに苦笑してみせつつも、
 口ぶりや仕草から共感めいたものを抱けば一つ尋ねた。

「あら、あの位お礼を言われる程でもありませんのに……
 ……でも嬉しいですから。頂いちゃいますね。
 ぁ、お茶菓子ならラムネもちがありますけれど、食べていきます?」

 柔らかく微笑んで、ジュースの類を受け取るだろうか。
 中身を改めた後、冷蔵庫へ。

「ええ。人が少ない分、効率化の為にと申請すれば予算だけは請求すれば回してくれますので。
 電子レンジは誰かの私物だった気もしますが……ちょっと大変ですけれど、休む時は休めますから大丈夫です。
 ありがとうございます。ステーシーさん。」

ステーシー > 「なるほど……私たちは霊的な現象となると湖城惣一という協力者に助けを求めているわ」
「でも、多分対処しきれない事件に関してはこちらに委託するのでしょうね…」
「スケルトンやゾンビは斬れるけれど、幽霊は斬れないもの」

梅雨時の曇り空を窓から見上げる。
雨が降ると尻尾が濡れるのでとっても嫌な季節だ。

「あ、それじゃお言葉に甘えておこうかしら」
「メグミも休憩時間ということにしておいて頂戴」

微笑んで一礼し、三人掛けの椅子に座らせてもらう。

「予算だけ…人員が回ってこないのが恐ろしいわね」
「私たちも亜人の王が異世界から転移荒野に来た事件で先輩を…佐原先輩を亡くしてから大分、人手が足りなくて」
「私物家電の持込……そういう手があったのね…」

考え込むと、猫耳が片方へにゃりと曲がった。

メグミ > 「……確か、嘱託委員の方、でしたか。」
 
 ぼんやりを記憶を手繰る。
 直接会った事はない為断片的なことにはなるが、その様に把握している。

「いえ。幽霊だって斬れますし、異能や力技でどうにかできる事は少なくありません。
 ですが――それによって生じる余波と被害は、得てして甚大なものになってしまいます。
 それを防ぎ、あわよくば同じ世界の住人として付き合っていくための仕事でもありますから。」

 俯いた上で小さく首を横に振り、"出来ない"訳ではないと否定する。
 気分転換にステーシーの視線の先を見遣れば曇り空。
 少々の憂鬱さを覚えてしまうか。

「っと、はい。ちょっと待ってくださいね――」

 フィンガースナップ一つを響かせる。
 するとどこからブラウニーや四大元素由来のフェアリーを呼び出せば、
 あれよあれよとお茶菓子や飲み物をセッティングし始める。
 
「投資すれば実績を出してくれると思われているのは有難い話なんですが――
 ――亜人の王、ですか?」

 ステーシーの様子が悲痛そうだと思うより先に尋ねてしまうだろうか。
 頭の中では、紐づけられるものががないかと思考を回しているが――。
 
 

ステーシー > 「ええ、そういう形で協力してもらっているわ」
「それにとても頼りになるヒトなのよ」

続いて相手の言葉を聞き、ううんと唸る。

「確かに、異能や力技で幽霊を倒しても周囲の被害が甚大では意味がないわね」
「う、ううん……立派な心がけだわ…」
軽く落ち込む。なんで斬ることしか考えなかった、自分。
「確かに、私たち生活委員会の仕事の一つに異邦人とのコンタクトがあるし、そういう考え方は大事よね」

腰の刀に手を置く。自分の刀でも、幽霊は斬れるだろうか。
仮に斬ったとして、幽霊はどこにいくのだろう。
消滅か、成仏か……どちらにしても、力とは否定のために振るえるものでもあるのだ。

メグミが呼び出した、ブラウニーやフェアリーたちを見て目を輝かせる。

「わぁ、可愛い。それに働き者だわ……」

その仕事っぷりを見ながら思わずにっこり笑ってしまう。

「……ええ、亜人王キサロガという敵対的怪異が転移荒野に現れたのよ」
「人間を滅ぼすための神を復活させる、ということを言っていたけれど彼を斬った今、真意はわからないまま」
「……私も亜人だったことでここに来る前の世界で苦労したことがあるけれど」
「人を滅ぼしたいほど憎んだことがなくて……今でも自分の中で整理できないのよ」
「キサロガは私の先輩を殺して、魔王の助けを借りて私がキサロガを殺した」
「……これじゃ怨念返しだわ、って…暗い話をしてしまったわね」
「食べてもいいかしら、とっても美味しそうね」

困ったように笑う。どうにも喋りすぎたようで。

メグミ >  
「羨ましいです。
 私の課にも来てくれないでしょうか……」
 
 頬に手を当てて遠くを見つめ、

「不死身の怪物を殺す為に、世界を滅ぼしてしまっては意味がありません。
 やっぱり穏便に済むなら、それに越したことはないですから――


「亜人王キサロガ……こちらには回ってきていませんね。
 そちらに回ってきた、その上で神を呼ぶ段階で神秘そのものではないからでしょうけれど……
 ……それは、なんとも言えませんね。どうして人間を滅ぼすのか――」

 強く
 人を滅ぼす。それを世界を滅ぼすと読み替えてしまったのだろう。
 そうしてしまえば 滅ぼされた自分の世界を思い浮かべて強く俯き、胸を抑える。

「――と、話までしめっぽくなっちゃいましたけれど、一旦食べちゃいましょう。」

 召喚した妖精に目を輝かせるステーシーにはちょっと得意げな表情を浮かべる。
 ラムネもちと差し入れのジュースを食べ始めれば、それに舌鼓を打つ。

「もちもちにシュワシュワ感が混じっていて美味しいんです。
 ちょっと小洒落た駄菓子みたいで……不思議とマッチしちゃってます。」

ステーシー > 「そうね、穏便に……話し合いで済むのであれば、平和に問題が解決するのであれば…」
「それが最上というものよね」

小さく溜息をつく。
憎悪を浴びせられた記憶、剣技で相手を殺害した記憶。
生々しく脳裏にこびりつく、負の遺産。

「自分のいた世界で、人間と戦争をしていたようだけれど。どうしてこの世界の人間まで憎むほどの憎悪を抱いたのか…」
胸を押さえる彼女を見て、耳を小さく振る。
悪いことを言っただろうか。
相手を不愉快にさせただろうか。
そんなことばかり気になる。それもこれも話題と季節が悪い。

「ええ、食べましょう」
手を合わせていただきます。
「えっ、これラムネ味というだけでなくてシュワシュワ感まで…」
「この世界の嗜好品というのは高度に発達しているのよね」
「この前、メグミと入った店もよかったけれど、これもなかなか…」
ラムネもち、恐るべし。饒舌になるステーシー。
「とっても美味しいわ、今度見かけたら買ってしまいそう」
そう言って笑う表情は、年相応で。

メグミ > 「ふふ、そうですね――」

 柔らかく笑って話題を断ち切り、食事を進める。
 甘いモノは心を豊かにする――昏いものもイチコロだ。

「ええ。科学的・技巧的・食材的にも発達しています。
 量産される食品も。職人の技で作られた食品も……んっ。
 ……ふふ。これはジュースが無かったらちょっと寂しかったですね。
 飲み物を持ってきてお茶が出来て嬉しいです。ステーシーさん。」

 "良かったら今度買ってみてくださいね。"
 無邪気に好きなものを勧める表情は年相応の少女らしい。
 委員に務め非日常に身を置く彼女達だって、根本的には少女なのである。
 

ステーシー > 「ううん、私こそ差し入れに持ってきたジュースを自分で飲んでお菓子までもらって」
「なんだか遊びに来たみたいね……遊びに来たも同然なのだけれど」
「もし、自分の世界に帰る日がきたら師匠に自慢しなくちゃ」
「つきましては売っていたお店を教えていただけると大変嬉しゅうございます」

冗談めかして、変な口調で喋りながら笑って。
それから、色んなことを二人で話した。
取り留めのないこと、くだらないこと、面白いこと、楽しかったこと。

「っと……お仕事がまだなのに、長話をしてしまったわね、ごめんなさい」
「それでは私はこれで失礼するわ、体調にはくれぐれも気をつけてねメグミ」

そう言って頭を下げ、上機嫌に去っていった。

ご案内:「委員会街・風紀委員神秘対策課」からステーシーさんが去りました。<補足:帯刀した猫耳少女。>
メグミ > 「ふふ。ステーシーさんなら何時でも歓迎です。
 ――ぁ、最近はコンビニ屋さんやスーパーで買えますよ。
 和菓子屋さんで売っている所もあるみたいなんですけれど、中々見つからなくて……」

「いえ、丁度良い息抜きになりました。
 体調を崩したらステーシーさんとも遊べなくなっちゃいますから気を付けないといけませんね。」

 妖精達と共に去りゆくステーシーを嬉しそうに見送る。
 片づけを妖精に任せ――PCの前に座り直す。

「さて、充電完了です。
 この勢いで残りを片づけちゃいましょうか――」
 

ご案内:「委員会街・風紀委員神秘対策課」からメグミさんが去りました。<補足:風紀委員。黒のミディアムヘアに黒目。風紀委員の制服の上から魔術の意匠のある外套を羽織っている。>