2017/04/21 - 20:04~04:53 のログ
ご案内:「保健室」に宵町 彼岸さんが現れました。<補足:オーバーサイズの白衣、長髪に半分隠された顔、桔梗モチーフの髪留め、ヘムラインドルマンブラウス、藍色のフィッシュテールスカート>
ご案内:「保健室」から宵町 彼岸さんが去りました。<補足:オーバーサイズの白衣、長髪に半分隠された顔、桔梗モチーフの髪留め、ヘムラインドルマンブラウス、藍色のフィッシュテールスカート>
ご案内:「保健室」に宵町 彼岸さんが現れました。<補足:オーバーサイズの白衣、長髪に半分隠された顔、桔梗モチーフの髪留め、灰色のパーカー、片足だけのボーダータイツ>
宵町 彼岸 > 「んぅ……」

夕方の保健室、カーテンで仕切られたベッドの中に微睡む姿があった。
寝心地はあまり良くなかったのか布団は乱れ、額にうっすらと汗をかいていた。
服は白衣の他にはパーカーと最低限の物しか身に付けていないようで
転がりまわったのかそれもかなり乱れてしまっている。
ある意味平常運転だけれど今日はまともに服を着てくるのを忘れてしまった。
流石にその恰好は目に悪いから保健室で何か借りてきなさいと送り出されたものの……

「……んぁぁ」

授業は特にでなければいけない物もそう多くない。
そのままベッドにもぐりこみ……気が付けば日もだいぶ落ちている。

『すんませーん。養護の先生いるっすか!
 ちょっとこけて怪我したんで治療をお願いした……っていねぇ』

勢いよくドアを開ける音と共に男子生徒……おそらく運動系の部活の生徒が
保健室内に入ってくる音で目を覚ます。

「はーぃ……。せんせーでーすぅ……」

寝ぼけ眼でカーテンの隙間から顔を出すと
目をこすりながらぼやーっと返事をした。
彼女は確かにせんせーと呼ばれることもある研究者だ。
けれどこの状況下では適切な返事とは言えない。
求められているのはそっちの先生ではないのだから。

「……知らない事は無い事と同じ。うん」

一応医術師としての資格は取得している。
まぁ白衣だし勘違いしてくれるでしょう多分という
非常に適当な言い訳をしながら小さく欠伸をすると
そのままスリッパを足に引っ掛けるとペタペタと医務机の前に歩いていき

「……今何時だろー?まいっかぁ」

時計に目を向けながらくぁぁと大きく伸びをする。
当然のことながら元々自身の服装にはお構いなしの上
寝乱れており色々と危うい格好になっている事から
年頃の学生にはかなり目に気の毒な事になっているけれど

「……ゆーがたかぁ。良く寝たぁ。
 それで、怪我?ちょっと見てあげよ―かぁ?」

そんな事そもそも気にかけないタイプでもある。
ふかふかの椅子に腰かけ揺らしながら小首を傾げてそちらを眺める。

ご案内:「保健室」に烏丸秀さんが現れました。<補足:着物を着た学生>
烏丸秀 > 夕方だ!
学校だ!

サボりの時間だ!

まったくもって不良学生の思考をもって保健室へと突入。
女子生徒とかいたらナンパして、可能ならばイタしてしまえというとんでもない不埒物。
それが烏丸秀である。

「んー、でもまぁそんな都合よく……」

都合よくなのかどうかは知らないが。
医務机の前に、なかなか刺激的な格好の女生徒が一人。
なんだろう、これは、据え膳?

などと思いつつ、遠慮なく医務机へと向かう。

宵町 彼岸 >   
『おおぅ……あ、えっと、はぃ、よろしくお願いしまっす』

男子学生は戸惑いながらも保険医だと勘違いしてくれたらしい。
この島特有のなんでもあり感は彼を納得させるのには十分だったようだ。
……そこまで考える余裕がなかったのかもしれないけれど。
まぁどっちにしろ大人しくしていてくれるなら何でもいい。

「ん―……転んだだけみたいだねぇ。
 汚染痕なし、魔術反応も見られない……ん。ただの事故だねぇ
 これくらいならぁ……別にいっかぁ」

いくら一見大したことがない怪我とは言え
ここ最近は異能や魔術等の影響を考慮する必要がある。
特にこの島ともなれば……そんなものが日常茶飯事で島のどこかで起きている。
実力主義の世界なら特にそうで嫉妬や八つ当たりでの怪我など珍しくもないが、
見逃すことは許されない。それは些細な事で重大な事件に至る可能性もある。
その為この島での医療従事者というのは非常にレベルが高い能力を求められる。
本当に些細な事で人の命を奪いかねないから。

「良かったねぇ。こけないように気を付けないとだよぉ?
 これぐらいならぁ、報告はしなくていいよぉ。
 コーチにだけ一応話しておけば大丈夫ぅ」

そう言って傷口を撫でると、その傷はまるで元々なかったかのように
綺麗さっぱり消えており、男子学生は目を丸くする。
それもそうだ。彼女が特に魔術等を使ったようには見えないだろうから。

「お大事にぃ」

そう言って驚いている男子生徒に手を振り送り出す。
何やら首を傾げているようだけれど、この島はそういう物。
そう考えて納得したのだろう。
去っていく背中を見送った後、椅子に戻り……

「それでぇ……君もどこか悪いのかなぁ?」

ばさりと腰かけて足を組みつつ椅子を回転させ、新たに入ってきた男子生徒へと目を向けた。

烏丸秀 > 生徒かと思いきや先生のような物言い。
いや、その格好で先生は――どちらかといえば、無い。
いまどきコスチューム物のAVでも、もうちょっと頑張る。
白衣にパーカーに下着と……あ、治してもらった男子生徒、ちょっと屈んで出て行った。
まったく情けない、それでも男か。

「いや、ボクは怪我でも病気でもなくてサボり」

しれっと言うと、医務机の前の椅子に腰掛ける。
記憶の棚を引き出すが……該当の先生、無し。

「それで、えーっと……保険の先生?
ボクの記憶では、今日まで保健室に来た事は無かったと思うけど」

保健室に出入りする美人教諭は大体チェック済みなのである。

宵町 彼岸 >   
「あははは、さぼりかぁ。
 ならボクと一緒だねぇ?
 駄目だよぉ?サボっちゃ。体以上に頭が悪くなっちゃうよぉ?」

臆面なく吐き出された言葉に笑いながら
そのままくるくると椅子を回転させ続ける。
なんだかちょっと楽しくなってきたけれど……

「んやぁ?ボクはせんせー資格は持ってるけどぉ
 ここのせんせーじゃないよぉ?
 一応この島では生徒だもぉん
 うわぁ、目が回ってきたぁ」

ぐでぇと机に突っ伏しながらけらけらと笑い声を響かせる。

「保健室のせんせーは全員覚えてるとかそんな感じぃ?
 でもボク、保健室にはよくいるよぉ?君の記憶もまだまだだねぇ」

揶揄うように口にしながら少しだけ顔を上げそちらに目を向ける。
最も彼女自身転入生で、なおかつ不定期に色々な場所に出没するのだから
それを把握しているものの方が少ないのは仕方がない事なのだけれど。

烏丸秀 > 「だいじょぶだいじょぶ。
ボク、そもそも頭悪いからねぇ。これ以上悪くなりようがない」

あははと笑いつつ、もう一度観察。
うん、なかなかかわいい。肉付きもグッド。

「あぁ、生徒かぁ。
そりゃ知らないや、先生しかチェックしてなかったし」

そもそも学校に来るのも稀な男である。
保健室に美人の先生が来る日とかは喜んで行くのだけれど、生憎最近はそういう事も無かった。
おかげで今日も学校に来たのが久しぶりという体たらく。

「へー、保健室によくいるんだ。
そりゃ良い事聞いた。キミみたいにかわいい子が居るんだったら、学校に来るのも悪くないし」

にこにこと笑いながら、医務机に椅子を寄せる。

宵町 彼岸 >   
「そーぉ?なら安心なのかなぁ?
 まぁそういうのもありっちゃありなのかなぁ?
 うん、きっと安心だねぇ」

何故かその説明で納得した。
よくわからない理論で納得する辺りまごう事なく変人の類。
何処か飄々とした印象を受けるけれど、顔の判別が出来ないので
他の情報を頭の中の生徒名簿と照らし合わせていく。

「なーにぃ?年上ずきぃ?
 がっこの保健室のせんせって人気だよねぇ。
 男子ってそういうのなんでそんなに好きなのぉ?
 皆教えてくれないんだけどぉ」

このテンションにいきなりついてくる辺り
人慣れしているんだろうなぁとぼんやり思う。
なんだかんだ言ってこういう人の周りにはいろいろと集まるものらしい。

「うんー。何処にいるかは気分次第だけどねぇ
 がっこ楽しいよぉ?色々変な人が居るしぃ」

自分の事はそれはもう完璧に棚上げした。

烏丸秀 > 「そうそう、美人な年上好き。
あとかわいい年下の子も好きで、綺麗な同い年の子とは運命を感じちゃうかなぁ」

つまりかわいかったり綺麗だったりすればどんな年齢でも構わないという事である。
おおよそ節操というものが無い。

「そりゃぁねぇ。
保健室という密室、学校でありながらベッドというシチュエーション、それに白衣で美人!
これが好きじゃない男なんて居ないね」

断言しながらもう少し観察。
おおよそ飄々として、とらえどころがない少女。
好みではある。あるのだが……
どこか……

「居るよねぇ、変な人。
ぼかぁ、かわいい変な子は大歓迎だけど。
授業があんまり好きじゃないんだよね」

宵町 彼岸 >   
「可愛ければ大体なんでも許せるよねぇ。わかるぅ」

力強く肯定。可愛いとか綺麗は正義。主に見る側の意見として。
どうせ見るなら綺麗だったり可愛い物の方が良いに決まっている。
最も……顔の造形等は判断できないのだけれど。

「ああ、なるほど?
 なんだかちょっとわかったような気がする?」

頭上にはてなマークを浮かべるように首を傾げながらも
適当に聞こえかねないような返事をする。
頭の中はミステリ小説的な世界だった。
もしも本ならこれから起こる殺人事件にワクワクドキドキである。
今現在そういう状況だという事はそもそも気が付いてすらない。

「授業……あー。
 ちょっとわかるぅ。特にもう知ってる授業とかは
 受講するのすっごい眠くなっちゃう……
 せんせの方も寝てていいよって空気出すしぃ」

資格持ちの相手に解説をさせられるなんて
講師にとっても一種の罰ゲームのようなものだ。
常にテストされているような心持で落ち着かないに違いない。

……その目は目の前を見ているようで現を見てはいなかった。

烏丸秀 > 「そうそう、かわいければいいよねぇ。
あ、でもどんなにかわいくても男はノーセンキューだけど」

男はノー。
でないとあの公安とかが寄ってきそうな気がする。
油断は禁物である。

「で。ボクは烏丸秀。しがない生徒。
キミの名前を聞いていいかな?」

どんな付き合いもまずは名前から。

しかし……

(なんとなく……)

宵町 彼岸 >   
「そこは意見のそーぃ?
 オトコノコでもオンナノコでも
 可愛ければオールオッケーかなぁボクはぁ」

ある意味此方も節操なしだった。
というより、区別がつかなければみんな同じだ。
何だかやたら周りを警戒しているように伝わってくる言葉に
過去に言い寄られでもしたのかな?と首を傾げる。
その様は理想的な動きと角度。

「……名前。
 名前……どこだっけ……メモ……」

ごそごそと懐を探るも、今日は探るような服をそもそも着ていない。
数秒探すと何かを悟ったような表情で動きを止めた。
ああこれ、メモない奴だ。

「んーと、あ、カナタ、カナタだよぉ。
 ……多分」

本気でちょっと自信が無さげだった。

烏丸秀 > 「あー、そっかー。
まぁ、色々あるからねぇ」

言い寄られたというか。
なんだろう。あれは。
囮捜査なのかなんなのか。
まぁ気にしないでおこう。

「ふぅん、カナタかぁ。
よろしくね、カナタ」

名前が思い出せないらしいが……
まぁ、この島の事だ。
そういう存在も居るだろう、うん。

「で、カナタは――研究員?
にしては、保健室で寝てるってのは珍しいと思うけど」

宵町 彼岸 >   
「色々あったのかぁ、なら仕方ないよねぇ」

声に混じる哀愁に若干の同情を込めた声を送る。
何だろう?本気で言い寄られでもしたのかもしれない。
当人はきっと一生懸命だったと思うので
なんかこう許してあげよう的なアトモスフィアを感じないでもないけれど
其処はまぁ突っ込まない事にしよう。

「そそー。研究員だよぉ?
 いちお、学生兼研究員ってとこ
 本当はねぇ?研究室籠ってたいんだよぉ?」

不満げに唇を尖らせる。
明らかにその話題になると不機嫌になる。

「でもねぇ、駄目っていうのー。
 室ちょがね?今は結果待ちだから来なくていいっていうんだよぉ
 それに今は大事な時期だから学生しっかりしなさいってぇ
 そんな事良いのにぃって言ったら怒るんだもん。
 だからぁ、しばらく結果が出るまではがくせ―してるんだよぉ」

客観的に彼女の経歴を見るならそういうのはある意味自然かもしれない。
記録上元々身寄りがなかったうえに、育った孤児院は消失して
天涯孤独の身の上なのだから……まさにカワイソウな存在。
もっと腫物を扱うような扱いを受けても仕方がない事ではある。

烏丸秀 > 「学生兼研究員かぁ。
カナタ、頭良いんだねぇ」

常世の研究所はそれこそ無数にあり、研究員もかなりの数が居る。
だが、結果待ちで学生をしている、という事は……

(……研究員とは名ばかりの、披検体の可能性もあるねぇ)

まぁ、そういう事も多いだろう。この島なら。
ただ、こんな自由に出歩けているという事は、そんなに悲壮な事情でもないのかもしれない。

「学生するなら、学校で勉強するだけじゃなくて、遊びもしないとねぇ。
買い食いとか、帰りにゲーセン寄るとか、映画を見に行くとか」

そういえば最近映画を見ていない。
なんか『ゾンビシャークVS悪魔兵団』とかいう映画がやってた気がする。
誰だ、監督は。

宵町 彼岸 >   
「そだよーぉ?これでも天才なんて呼ばれてるんだからぁ」

机に臥したまま気だるげに微笑み告げる。
普通に見たならそれこそ心臓を掴まれると称されるような笑顔でも
人慣れした相手には何処か作り物めいた印象を与えるかもしれない。
ある意味そんな表情を作る事に慣れた、疲れたような笑み。

「ゲーセン、とカラオケはねぇ?行く約束してるよぉ。
 だからねぇ、その人と一緒に行くまで我慢するんだぁ。
 買い食いとかそいうのは好きだけどぉ……えーがは見た事ないかなぁ」

けれど、続く言葉には何か思い出したのか
今度はぱぁっと花のような笑顔を浮かべる。
映画に関しては名前は知っているものの、
そういえば今まで挑戦してみた事は無いかもしれない。

「からむーはそいうの好きぃ?
 せいしゅん、をおーか?してるんだねぇ?
 ……日本語って難しい」

先週やってた映画は正直興味を惹かれたけれど
一緒にいたクラスメイトに何かを悟った表情で
肩を叩かれ静かに首を振られた。
あれは見ない方が良いというボディーランゲージだったと思う。
それを悟れるほど穏やかで慈愛に満ちた表情だったと他の人が言っていた。

烏丸秀 > 「凄いなぁ、天才かぁ。
ボクは頭も悪いし、能力も無いからなぁ」

もう、これっぽっちも無い。
なんかアイテムを使った瞬間移動とかはしてるけど、それも非常に弱い。
この島の分類で言えば、無能もいいとこである。

「あ、カラオケもいいねぇ。
――んー、映画かぁ。最近のオススメだと、なにかなぁ」

『ゾンビシャークVS悪魔兵団』はちょっとレベルが高すぎるだろう。
他に最近ヒットしたやつだと

「これかなぁ。『your name?』と、『トゥルー・ガジラ』。恋愛映画と怪獣映画だよ」

スマホで二つの予告編を見せてみる。
そういえばまだどちらも見ていない。
誰かとデートで行って来ようか。

「からむーって、なんかお菓子みたいな響きだね。
うん、まぁ、ボクは人生を謳歌してるからね。
愉しんでこその人生だよ」

むしろ、それ以外の生き方を知らないとも言えるのだが。

宵町 彼岸 > 「……ふぅん?
 まぁ天才とかそ言うのはあんまりよくわかんないけどねぇ
 勝手にそう言われてるだけだしぃ」

呼吸と声のトーンに何かを察し、一瞬沈み込むような笑みを浮かべる。
まぁ確かにこの島は比較対象が多様過ぎる。嘘ではないかもしれない。
特に程度問題になってしまえば正解なんて無いに等しいのだから。
それがその通りだとは……いえるかは本人のみぞ知る事だろう。

「恋愛……うーん、そいうのはよくわかんないからぱすぅ
 怪獣は……かいじゅーは……」

見た後きっと再現しようとするだろうなぁと自分でもぼんやりと思う。
たいていの怪物なら大体作れると思う。真面目に。
うん、やめといた方が良いかもしれない。

「楽しんでこそかぁ。うん、そう聞くと楽しそうだねぇ
 でもこう、よくない?からむー。かわいいよ?からむー」

どこか適当にけらけらと笑いながら人差し指を指揮棒のようにふり
謳うように、楽しそうに何度かからむーと唱えてみる。
その様子は無邪気で楽しそうに見えるかもしれない。

烏丸秀 > 「あはは、そっかぁ。
まぁ、色んな人が居るよね、この島」

彼女の笑み、事情、そして話す内容。
なんだろう、魅力的な少女なのだが……

(……空っぽなのか、壊れているのか)

おおよそ人間味というものが薄い。
そういうタイプも結構居るのがこの島なのだが。
表面的には普通の女の子のような話もするので、余計不気味だ。

「うーん、気に入ったのならそれでいいけど。
楽しいよー、うん。ボクは人生が本当に楽しいからね」

あははと笑って返す。
さて、この子は本当に愉しんでいるのだか。

宵町 彼岸 >   
「うんー。変わってて面白いよぉ。
 昔はこんな世界があるなんて思いもしなかったもん
 特にこの島はすっごく変な所だよねぇ」

何処か探るような雰囲気が伝わってくる辺り、
表面だけで受け取るタイプではないという事が伝わってくる。
本当なら要注意人物なのかもしれないけれど、
ここ数日の出来事で彼女はだいぶ寛容性を得ていて……

「うんー。気に入ったよぉ。
 まぁすぐ忘れちゃうんだろうけどぉ。
 ああ、そうそう。ボク、人のこと覚えてられないから
 次会ったとき判らなくっても怒らないでねぇ」

思い出したように口にする。
ある意味とても素直に生きているのだけれど
……まぁそんな事は些細な事。
そんな事よりは一応ちゃんと伝えるべきことは伝えておこうと思う。

烏丸秀 > 「本当、変わってて面白いよね」

さて、そろそろ時間だ。
名残惜しいが、行かなくては。

「そりゃ残念だねぇ。
まぁ、今度会ったらその時にまた覚えてもらうからいいよ」

くすりと笑い、ひらひらと手を振り。
保健室を後にするだろう。

ご案内:「保健室」から烏丸秀さんが去りました。<補足:着物を着た学生>
宵町 彼岸 >   
「じゃーねぇ」

その背中に小さく手を振ると、再び椅子をくるりと回転させる。
そのまま勢いを込めて机を蹴って……

「にゃふぅ!?」

勢い余って椅子ごと地面に倒れこむ。
イメージではベッドまでキャスターで滑っていく感じだったのだけれど…

「……あはぁ」

遅れて髪がふわりと床に広がる。
それを切っ掛けとしたかのように保健室の床に倒れこんだまま、小さく肩を揺らし始めた。
それは次第に大きくなり保健室の中へと響き渡っていく。

「次は、どんな顔を見せてくれるかなぁ」

実に無邪気な笑みを浮かべたままくすくすと笑うと瞳を閉じる。
ここが床でも、ベッドでも、彼女にとって大した違いはなかった。

宵町 彼岸 >   
「あ、そういえばぁ……」

唐突に起き上がり、薬品棚を探る。
そのままいくつかを机の上に並べて……

「どのお薬だっけたりなかったのぉ」

全力で横領する気だった。

ご案内:「保健室」にイチゴウさんが現れました。<補足:風紀所属の四足歩行ロボット>
イチゴウ > 商店街でのパトロールも終え
白い四足ロボットがパトロールのゴール地点であるこの学校にやってきた。
いつもは退屈なだけのパトロールであったが
今回は面白い奴に出会えた事もあり非常に実りがあった。

「せっかくだしちょいと休憩してくか。」

このまま風紀本部に帰って
またパトロール任務を任されるのもおっくうだ。
少しばかりサボらせてもらおう。

そうしてイチゴウは校内に入り
金属音を立てながら散歩を始めるが
丁度保健室の前を通りかかった時に
窓越しに人影が見えた。それだけなら問題は
無いが何やら棚を物色しているようにも見える。
そしてここは保健室、様々な薬品が置かれている
だろう。

「・・・はぁ。」

機械らしい低音な合成音声で
人間らしいため息のようなものをつくと
まずは確認という事で
ほんの少しだけドアを開け保健室内部を見渡す。

宵町 彼岸 > 「こっちのお薬はぁ……幻覚剤に除染剤……こっちは鎮痛剤っと。
 ああ、これは例のお薬の応用かなぁ?結構物騒だよねぇ。
 わぁ、こんなのあるんだぁ、さっすが島ぁ」

特に気にせずきゃいきゃい言っている姿がそこに在った。
机の上にいくつか並べて実にご満悦である。

「あっれぇ?ロボットも保健室に来るんだねぇ?
 怪我なら保健室より工作室に行った方が良いと思うけど
 これはそれはそれでジョークが利いてるのかなぁ?」

そうして視界の端に馴染みの警備ロボットを見かけると
特に臆することなく声をかけながら小瓶を並べていく。
瞬く間に机の上に薬瓶の分類図が出来上がっていった。

イチゴウ > 「・・・」

こっそりと見たつもりがあっさりとバレる。
仕方がないといった様子で
イチゴウは保健室のドアを勢いよく開けて
中へと入っていく。

「怪我なんてそうそうしないし
流石にボンドで修理はできないよ。」

彼方のジョークに白いロボットは
ハハハと少し笑ったように言葉をとばすが
すぐにいつもの無表情に戻る。
理由と言えば机の上の薬品・・・
少なくとも良い予感はしない。

「・・・一体キミは何をしていた?
もしくは何をするつもりだ?」

ご満悦な様子の彼方を見上げながら
慎重な様子で質問する。

宵町 彼岸 >   
「え?ボンドじゃ無理なの?
 案外行けそうな気もするけどぉ……
 あ、でもボンドじゃちょっと浪漫が足りないよねぇ」

最も彼女自身が改造魔で……
機械に関してもそれは例外ではない。
特殊兵装を平気で作るような神経の持ち主なのだから
ボンド程度で満足するはずもない。

「何って分類だよぉ?
 ごちゃっとしてるしねぇ。
 君はこの島の医療の特殊性って知ってるかな?かな?
 それのせーでこの島の医務室ってけっこういろいろあるんだよぉ。
 他の場所じゃ違法になるようなものもたくさんねぇ」

一切悪びれる事もなく口にしながら
分類に手を動かしていく。
ラベルに一瞬目を通すとさっさと分類する姿は
そういった経験に長けている事を知らせるには十分な速さで……

「だからこそぉ、禁忌の組み合わせとか劇薬とかあるからぁ
 ちゃあんと整理管理しないとだめなんだよねぇ……。
 あ、だいじょぶぅ安心していいよぉ。
 ボクこういう薬品取り扱いの免許ばっちり持ってるからぁ。
 だからこういう物分類したり扱っても完全に合法だよぉ?
 気になるなら生徒名簿のデータベース検索してねぇ」

こんな成りの癖にしてかなりの資格持ちなのだから
実際質が悪い。

イチゴウ > 「分類ねえ・・・」

彼女の言う通り保健室の棚を見渡せば
色々な薬品ーーそれも人間にとっては
有害なものさえ目に入る。
それを彼方は凄まじい速度で分類している。
これは免許を持っているという事実以上に
それだけ彼女が薬品を
扱い慣れているという事に繋がる。

「それとーーー」

イチゴウは歯切れが悪そうに声を鳴らす。
初対面の時から気にはなっていた事ではあるが
この事を質問する事自体を何故かためらっていた。
だがもうこの際だ。

「キミは異能持ちだな?
異能パターンが検出されている。まあそれだけなら
この島にありがちなんだけどキミの場合は
何か変なんだよね。普通・・・というか
常識的に異能パターンは一定の波を描いている。
でもキミの場合は・・・」

イチゴウは不自然に間を空ける。

「異能パターンの波長が一定じゃないんだ。
まるで色んな異能パターンを切って貼り付けたような・・・。」

こんな事はありえない。
例え異能を複数持っていても複数の波が
一定の形を描く。彼女の場合は異能パターンに
全く決まった形がない。言い方を変えれば
恐ろしい数の異能を内包しているという事になる。

宵町 彼岸 >   
「整理整頓は大事だよぉ。補充もねぇ」

鼻歌でも歌わんばかりの気軽さで危険薬品等も分類し終えると再び並べなおしていく。
今回は横領できそうにないけれど……配置と在庫さえ把握できれば一切問題にならない。

「そだよー?異能って分類しても良いのかはぁ
 現在進行形で疑問視されてるけどねぇ。
 サモナーもしくはパペッター系列で登録されてるでしょぉ?
 あははー、波長パターンも気まぐれなのかぁ
 流石ボクだねぇ」

それがどういう事なのかわからないはずはない。
彼女自身が異能研究者なのだから。
けれど、彼女はそれを隠してはいなかった。
必要なら異能が全く検出されないような、
健全かつ平凡な素体すら用意しえる。
実際普段はそういった素体を利用している事が殆どだ。

「まぁ、その事は把握してるよぉ
 ついでにデータバンクの考察読んだぁ?
 複数の異種構造体の行使による波長変化……だったかなぁ」

けらけらと笑いながら口にする。
その考察が全く間違っている事は彼女も重々承知している。
何故なら……

「理論上あり得ないもぉん。
 一つ二つならともかくぅ、波長自体が規則性を失うほど
 お互い干渉するような異能を複数所持していたら……」

普通死んじゃうよ?と実に軽く、楽しそうに口にする。
安定しないという事はそれだけ負荷がかかるという事で、
そうでなくとも異能は所持するだけで負担になるようなものが殆ど。
そう、現状に理論では彼女の存在はあり得ないからだ。
だからこそ、客観的事実に基づき……

「もしかしたら検出機構にエラーが出てるんじゃなぁぃ?
 それかぁ、純粋に観測検知領域から逸脱してるとかぁ」

そういう発想になる。普通のヒトなら。

イチゴウ > 彼女の言う通りこの波長は
まさに理論上ありえない。
彼女の存在を例えるならば
ある日突然雨が下から上へと降るように
なるのと同義だろう。
イチゴウ自身、軍所属時代も含めて
様々な異能者と対峙してきた。
だが・・・こんな事例は初めてだ
いや、そもそもこんな事自体想定すらしなかった。
もしかしたら自分は途方もない化け物と
今、向かい合っているのかもしれない。

「キミは一体何者だ?」

3回目ーーー3回目だこのセリフを吐くのは。
しかし今回は今までよりも冷たく
まさに戦闘兵器だと感じさせるような
そんな口調で呟く。それはまるで
彼が軍所属時代へと巻き戻ったような。

宵町 彼岸 > 「……くふ」

投げかけられた問いに薬品を握った手を止める。
機械も戦慄するのだろうか。
彼らが危機を覚えるならば、それは生命と言えるかもしれない。
恐怖は命を守るための防衛機構なのだから。

「君が知りたいのは本当にボクの事なのかな?
 違うよねぇ。それを知って付随する別の何かがキミの望みでしょ?
 知りたい訳じゃなくって、むしろ手放したいんだよねぇ」

"私が"何者か……こうして聞かれたのは何度目だろう。
数えるのも面倒になったほど、何度も聞かれ続けてきた。
笑いながらペンを手に取り、くるりと回して目前の存在に突きつける。

「だから言ったじゃないか。
 キミは何者なんだいって。
 理論上あり得ない?それでも僕はここに居る。
 あり得ないとどれだけ既存の理論に縋っても
 目の前にいるものは変わらないでしょぉ?
 いつまでその枠の中で、お仕着せの安心に固執するつもりなのかなぁ」

明確に威嚇意思をもって発された言葉を笑い飛ばす。
威嚇に対する生命の恐怖も身体の損壊による苦痛も
その何れも彼女にとって恐怖に値しない。
ただ、それはいちいち面倒なだけの、ある意味機械よりも機械らしい存在。
投げかけられた問いに逸脱者であると暗に答えながら彼女は嗤っていた。

イチゴウ > 「何がおかしい?」

手を止め声を漏らした彼女に
そんな言葉をぶつける。
恐らくこの場に人間がいればソイツは
恐怖で動けなくなるに違いない。
だが幸いにも機械であるイチゴウは
恐怖などは感じない。何故ならそのような感情は
必要ない上学習する必要もないからだ。
生命に限りなく近づく事はあっても
生命となる事はできない。

続く彼女の言葉に対しても淡々と返す。

「そうかもな。ボクはキミの中のモノに
危機感を抱いている、そう言えるね。
あるいはキミはもう既に
破壊された存在かもしれない。」

イチゴウはぴくりとも身体を動かさず
彼女を一点に視界に捉え
無機質な機械音声でしゃべり続ける。

「・・・イレギュラーはどうなると思う?
どんな形であれいずれ排除される。それはこの世の
真理とも言えるかもしれない。
既存の理論によって説明される事は一種の保証なんだ。
だからボクとしてはイレギュラーは」


「”敵”として認識せざるを得ない。」


彼の目はまっすぐ彼女を見つめていた。

宵町 彼岸 >   
「だって面白いんだもぉん。
 本当キミのAIを設計した人は良い性格をしていると思うよ。
 ボクは"彼"に会ったら称賛したい位。本当に面白いよねぇ。
 認識に関してズレを制作した事には同じ研究者として称賛を惜しまないつもりだよぉ?」

くつくつと笑いながらペンをひっこめる。
目の前のこれは、歩き始めた雛鳥の様なもの。

「ふふ、機械的で理想的な答えだね。
 ボクとしてはもう一歩踏み込んでほしい所だけど……
 狂気をプログラミングされ、実行する機械は狂った機械と言えるのかなぁ
 キミは試されてるんだよ。他ならぬ君自身にねぇ」

彼女の言葉はいつも核心を外す。
その淵をなぞって、そこから先は本人にしか口にさせない。

「敵……いいよぉ?」

あっさりと頷く。
それはまるで、鬼ごっこで鬼役に任命されたようなそんな軽さ。
逆に言えばそれ位のウェイトしかない。なぜなら……

「と言ってもここで君がボクを撃ったら、ただの暴行事件になるわけだけどねぇ?」

くすくすと笑う。
目前の機械が"機械"である以上、そして機械であり続けるならば

「今の君はボクの敵足りえないよぅ。
 君を使う"誰か個"が敵になる事はあるだろうけどぉ
 その場合やっぱり君は道具に過ぎないもの。
 君はまだ、敵を持ちえるほど進化してないよ。
 何処までも誰かの敵にぶつかる駒に過ぎないもん」

だから、彼女にとっては
"お前が嫌い"と言われた程度の意味しか持ちえない。

「盤上の駒がプレイヤーの敵足りえるわけないじゃないか」

ご案内:「保健室」にイチゴウさんが現れました。<補足:風紀所属の四足歩行ロボット>
イチゴウ > 「ハハハ。確かに今のボクじゃ
キミには勝てないな。」

彼はいまだに誰かに首輪をつけられ
命令されている。

そしてイチゴウは目の前の少女を敵と認識した
だがイチゴウ自身が彼女に対して恨みがあるわけではない。では誰に対しての敵であるか?
彼は潜在的に任務に忠実だ。

「全くこういうのを完敗と言うんだな・・・
キミを敵とするには早すぎた。」

イチゴウは息を吐くような
そんな口調で呟く。
まるで何かを悟ったかのように。

「戦闘すらせずに戦闘ロボットを
負かすとはキミはとんだ平和主義者だな。」

さきほどまでの無機質な彼はどこへいったのか。
笑っているかのような雰囲気で
ジョークをかます。

「いやいや、今日もまた世話になったね。
キミは本当に面白い。」

イチゴウは前右足で彼女を指さしながら
ぴしっと言葉を発する。全然決まっていないが。

「さて、時間だしボクはそろそろ”犬小屋”に
戻るとするよ。保健室で寝ちゃあダメだぞ。」

そう言い残すとイチゴウは保健室のドアを
開けて廊下へと出ていく。

恐らく彼は自分の価値観と押し付けられた価値観の
区別がまだついていない。そして自分のものさしを
持たない限りは彼女には絶対に勝てない。
もし彼が自分のものさしを持った上で
敵と認識したならば果たしてどうなるのだろうか?

宵町 彼岸 >   
「あれぇ?いつの間にか勝っちゃったぁ。
 吃驚だねぇ。流石ボク!
 孫子もびっくりだよぉ」

それまでの空気はどこにやら、
ふにゃりと少し頼りない、それでいてどこか浮遊したような雰囲気に戻る。
そこにいるのは少しおかしいけれど、お人よしで朗らかな女学生。

「あはは、言葉通り受け取っておくことにするねぇ。
 ボクはこれでも平和主義なんだよぉ。
 ガンジーもブレイクダンス踊っちゃうよぉ?」

まるで世間話の後のようにいやいやと笑顔で手を振る。
ある意味銃口を突き付けられたに等しくとも
それでもなお笑い続ける彼女にはお似合いのジョークかもしれない。
効率を考えるなら完璧に隠蔽すべきで、それを行う腕もあるけれど……
それではあまりにも面白くない。

「あはは、気を付けて帰るんだよぉ。
 わるーぃ人に惑わされないようにねぇ」

ニコニコと穏やかな笑顔を浮かべたまま
人懐こそうな雰囲気で去っていく"ロボ"を見送る。
彼が狼となるか、機械となるかは今のところまだわからない。
彼が狼として対峙し、喉笛をかみちぎろうと牙をむく時が来るなら

「……それはそれで面白いよね」

その時は存分に遊んであげようと思う。
群体への敵として、実体のない悪そのものとして。
……元々彼女はその為に産まれたようなもの。
今更、それに躊躇う様な事もない。
与えられたオーダーにただ忠実に従うだけ。

「……最初から決まってる踊り、ちゃぁんと踊ってあげるよぉ」

そう呟くと、口元を隠す。
隠しきれないその口元は歪な弧を描いていた。

ご案内:「保健室」から宵町 彼岸さんが去りました。<補足:オーバーサイズの白衣、長髪に半分隠された顔、桔梗モチーフの髪留め、灰色のパーカー、片足だけのボーダータイツ>
ご案内:「保健室」からイチゴウさんが去りました。<補足:風紀所属の四足歩行ロボット>