2020/06/12 - 20:18~23:54 のログ
ご案内:「風紀委員会本庁」に赤坂薫子さんが現れました。<補足:風紀委員本庁受付のお姉さん>
赤坂薫子 > 「はい、ありがとうございます。では、こちらの書類は3階の窓口にお願いしますね」

今日も今日とて陳情の相手をするお姉さん。
ナンパの類は適当にあしらいつつ、風紀委員会への陳情を的確に処理していく。
普段から大きな案件あんなど来るはずもなし。的確に、正確に書類を処理し、一息つき。

赤坂薫子 >  
「ん……」

陳情者がハケたところで、少し伸びをして。
風紀委員会への陳情が大量にあったら常世島が大変な事になってしまう。
多少暇な方が正しいのだ、と自分に言い訳をしつつ。
おやつに持って来たアイスクリームの蓋を開ける。

ご案内:「風紀委員会本庁」にヨキさんが現れました。<補足:29歳+α/191cm/黒髪、金砂の散る深い碧眼、黒スクエアフレームの伊達眼鏡、目尻に紅、手足に黒ネイル/拘束衣めいた細身の白ローブに黒革ハイヒールブーツ、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>
ヨキ > 長身の教師が、男子学生と並んで廊下の奥から歩いてくる。
学生はどこか浮かない顔で肩を落としており、どうやら教師に励まされているらしかった。

「うむ。うむ……そう気を落とすな。
君の力が暴走しても構わぬように、我々が居る。

現に、今日も怪我人を出さずに済んだではないか。
少しずつ君の制御が上達している証拠だ。
……ああ、判った。気を付けて帰りたまえ。……」

深々と頭を下げる学生を見送って、受付前には教師独りが残った。

「――ふう」

息をひとつ吐いて、手近な自動販売機で缶コーヒーを買い求める。
ふとした拍子に受付の薫子を見遣って、笑い掛ける。

「やあ、今日もお疲れ様」

薫子が彼を覚えているかどうかはさておき――今日“も”の言葉の通り、この教師は学生の付き添いやら身元の引き受けやらで、少なからずこの本庁を訪れる機会があった。

赤坂薫子 >  
「あら、ヨキ先生」

にっこりと笑いながら、会釈をする。
面倒見の良い彼は、風紀の間でも名の知れた存在だ。
私生活がだらしないとの評判もあるが、あいにく風紀は生徒教師の私生活面まで踏み込むことをしない。
様々な問題生徒の面倒を見て、また後見人となる彼の評価は高い。

「お疲れ様です。今日も付き添いですか?」

異能の制御が難しく、人を傷つけてしまうという案件は常世でもありふれている。そんな生徒達を見捨てる教師も多い中、ひとりひとりに親身になるヨキに、薫子は良い印象を持っていた。

ヨキ > 「ああ。教え子の一人が、学生街で喧嘩沙汰を起こしてしまってな。
決まった状況下で暴走しやすい性質が、今日はうっかりスイッチが入ってしまったようでね。
真面目に異能のリスクを提出していたこともあって、何とか大したお咎めは貰わずに済んだ。

君の方こそ、今日も今日とて人気があったようではないか。
美容師、看護師、受付嬢、にこやかなとかく気を惹きやすいようだな」

どうやら、訪問者の中に多少の下心を持って薫子に話し掛けていた人間をたまたま見かけたらしい。
眉を下げて、お互い大変だな、と笑いながら缶コーヒーを一口。
言葉の割には、大変がっているようにはあまり見えない。

赤坂薫子 >  
「皆さんがきちんと申請してくれれば、我々の仕事も随分減るんですけどね」

苦笑しながら男子学生のデータを打ち込む。
喧嘩沙汰との事だが、きちんと異能を申請しそのリスクも周知されている以上、事は管轄の教師の責任の範疇となり、風紀委員の出番は少ない。精々軽い注意程度で、あとは教師が指導をする事で決着となる。

「風紀の表看板ですので、からかう人が多いようです。もっとも、それも仕事のうちと理解していますから」

同じく眉を下げながら、軽く受け流す。
確かに人気はあるようだが、それを真に受けるほどでもない。所詮は受付嬢、風紀委員会の使いっぱしりに過ぎないのだから。

「最近は生徒の皆さんの動きが活発なようです。喜ぶべき事ですが、私達の仕事も増えました」

軽く言いながら再び苦笑して

ヨキ > 「己の異能について、悪意あって黙っているのは言語道断だがな。
逆に恥ずかしいから、や迷惑になるから、などと、善かれと思って口を噤む者も少なからず見たことがある。
我々教師も、学生らとのコミュニケーションを密にしてゆかねばなるまいな。
君ら風紀委員の負担を軽くできるように」

学生主体のこの島にあっては、ヨキのような一般教師は治安維持の主導権を風紀委員会に任せている。
だからといって、無論のこと指導の手を緩める訳にもゆかなかった。

「ああ、むしろ君のように揶揄いもどこ吹く風で受け流せる度量だからこそ、表看板を任されておるのだろうな。
まったく、風紀の手を煩わせるくらいなら、良き友人として連れ出すような活発さであって欲しいものだよ。

君は休み時間や休日には、きちんと息抜き出来ているかね? そればかりが心配だよ」

ナンパではなく世間話として尋ねるがね、と付け加えて笑った。

赤坂薫子 >  
「きちんと申請していただければ、いくらでも対処の方法はありますから。教師の皆様の負担を重くするのは本意ではありませんが、学生だけでは限度もあります」

やはり、同年代では対応にも限度がある。きちんと教師がいてくれるのはありがたい事なのだ。治安維持と指導は異なる分野なのだから。

「はい、休みは満喫させていただいてます。キャンプをしたり、美味しい物を食べに行ったり――」

にこやかに語るが、ひとつ言えない事がある。
友達と呼べる存在が、あまり居ないのだ。
風紀の表看板を背負う以上、必要以上に親密な存在は作れない。悩みの種であった。

ヨキ > 「そうだな。いくら常世島と言えども、学生と教師との連携あってのことだ。
ゆくゆくは風紀委員会という組織が、名ばかりとも言うべき暇になればいちばん良いが……。
ふふ、それは夢のまた夢であるな」

そうして薫子の休日の過ごし方について聞くと、ほう、と笑った。

「なるほど、君はなかなか活動的な休日が好きなようだね。
これだけ知り合いが多ければ、共に過ごす者も多かろう?

それとも既に『好い人』でも……ああ、いや。
それ以上は過分な問いであったな。
相手が委員となると、親しくなりたくとも二の足を踏んでしまっていけないね」

赤坂薫子 >  
「はい。教師の皆さまには色々とご迷惑をおかけしますが、やはり教師と生徒、双方が連携してこその常世島ですから。そうですね、風紀委員会が名ばかりの組織になれれば、私も仕事が楽で良いんですが」

ふふ、と軽く笑いながら、休日の過ごし方について言われると

「――いえ、一人で過ごす事が多いですよ。
やはり、風紀委員と一緒にいる事は、皆さん少し気負われるようでして」

苦笑しながら訂正する。
生徒達も先生と同じ、風紀委員となれば、親しくするのも二の足を踏むものだ。
ヨキ > 「もしも仕事が楽になれたら、君も他にやりたいことが増えるやもしれんな。
今は出来なくとも、いつか時間が出来たら、というような趣味もあるのではないかな」

にこやかに笑んで話す。
独りで過ごすことが多い、と素直に言い添えられると、その表情には少しの安堵が交じった。

「そうか、ヨキの他にも遠慮している者は居るのだな。
それならヨキが一緒にカフェテラスで食事でも、と誘いたいところだが、それでは『一般教師と風紀委員の癒着』と見なされてしまうかな」

薫子につられたように苦笑して。

「君と同じで、学生の中にはヨキと距離を置きたがる者も多い。
一緒に遊んでくれる者も多いがね……」

半眼になって――声のトーンを落とし、小さく笑む。

「風紀委員とは、よく会うものでな」

どこで、とは言わない。
薫子が聞き知っている評判を、ヨキ自身も自覚しているらしい。

赤坂薫子 >  
「そうですね。ですが……『みんなが安心して常世島の学生生活を送れる
手伝いをする事』。これが、今、私のやりたい事ですから」

その言葉に嘘はない。
なんでもない一日、けれどかけがえのない学生生活の一日。その一日を守る為に、風紀委員会は存在している。お題目かもしれないが、そのお題目を尊いと思うからこそ、彼女はこの委員会に在籍しているのだ。

「ふふ、私みたいな子にみんな興味が無いだけでしょう。それに……」

ヨキ先生が落第街に出没し、違法部活と関係があったり、複数の女性と関係をもっているかもしれない、という噂は聞いている。しかし、噂は噂だ。証拠があるわけではない。

「生徒ならともかく、教師とならただの『教師と生徒の交流』というお題目も立てられます。それに、ただの食事も出来ないようでは、あまりに堅苦しすぎますから」

ただし、と言って。『あくまで表向きの学園施設内なら』と付け加える。流石に歓楽街や落第街で男性と食事をするわけにもいかない。それ以外の、表向きの学園内でなら食事も喜んで、などと言って。

ヨキ > 「立派だな。その言葉が聞けて、君のことをより好ましいと思えるようになった。
……ふふ。もう一度『ナンパではない』と付け加えるのも野暮だな」

誘いに対する薫子の返答に、感心の意を込めてにやりとする。

「よかった。そう融通が利いてくれると、君と仲良くなれる余地があると知れて安心する。
もちろん、“裏通り”まで君を連れ出す訳にはゆくまいよ。
安心したまえ、カフェテラスや食堂で、美味しいオススメメニューの交換をし合おう。
ところ変われば、仕事から離れて気楽な趣味の話もしやすいだろうしね」

言いながら、スマートフォンを取り出して。

「それでは、君との連絡先の交換も必要あって、ということで」

いかがかね? と小首を傾ぐ。

赤坂薫子 >  
「安心してください。ナンパの対処には慣れていますから」

実際、ナンパまがいの陳情を受けた事は10や20ではきかない。
だが、あまりにつっけんどんに返しては「風紀委員の名前を盾に威圧した」ともとられかねない。あくまで穏便に、かつ後腐れないように御帰りいただくのも、技術というものだ。

「私たちは常世の治安維持を担っていますが、だからといって高圧的に『統治』をしようとは思っていません。あくまでも、教師、生徒こそがこの常世島の主役です。その生活の一助となる、というのが目的な以上、そこまで堅苦しくなるのもあまり好ましい態度ではありませんし」

ちなみに私は辛い物が大好きです、などと付け加えつつ。

「はい、あくまで『教師と生徒の連絡用』ですから」

言外にあまりに私的な、男女の間柄には使わない、と示しつつ、自分のスマホを取りだし

ヨキ > 「頼もしいな。単純に、共に仕事をする相手としてはとても信頼がおける。
だからこそヨキは君の真摯さに応えたいし、裏切ってはならぬとも思う。
教師で、男で、年上で――ともなると、なかなか安心も出来ぬだろうがね」

その言葉がつまり、薫子の懐へいたずらに飛び込むつもりはないというヨキの宣誓であった。

辛いもの、辛いものね、と復唱して、視線を上へやる。
どうやら店の見当をつけたようだ。

「ありがとう。無論、悪用するつもりはないとも。
この男は手が付けられぬ、と思ったら、すぐにブロックでも通報でもするがいいさ」

にこやかに笑む。
通信アプリの連絡先交換を手早く済ませると、さっそくスタンプが送られてくる。
“よろしく!”と書かれた、街中でも有名な“ゆるキャラ”のイラストだ。

赤坂薫子 >  
「いえ、安心はしていますよ? 安心できない状況にならないよう、自衛は心がけますから」

一般生徒ならともかく、風紀の看板を背負う以上、自衛はきちんとする。その覚悟もあってこの仕事をしているのだから。

そして、教師の宣誓はきちんと信じるの足るものだと、彼女は感じ取っていた。

ゆるキャラのイラストに対しては、『お願いします』とお辞儀をするタヌキのキャラを返し

ヨキ > 「それは嬉しいな。
君と同じように『教師と生徒の連絡用』という名目で連絡先を交換したはいいが、文字どおりのそっけない事務連絡しか返されぬときなどは、寂しくなりもする。
君とはそれよりももう少し、気さくな会話が出来るといい」

タヌキのスタンプが返ってくると、ふっと小さく吹き出して。
少し待っておれ、と口にして何事か操作すると、一軒、二軒、と飲食店のURLが送られてくる。
それぞれ中華料理にアジア料理と、趣向の異なる“辛口”の店だ。
言うまでもなく、立地はいずれも学生街や商店街――“表通り”の中にある。

「こんな風に……、『美味しいもの探し』はヨキも好むところだ。
辛い料理となると、得意な者も限られてしまうでな。
ぜひ、君のオススメも聞いてみたいところだね」

赤坂薫子 >  
「きちんと一線を引いて下さる方と分かっていますから」

にこやかに笑いながら、相手の言葉に頷く。
もちろん、会話は嫌いではない。嫌いだったらこんな部署を長く続けられるわけがない。

送られてきたURLにぱぁっと顔を輝かせ。

「あ、このアジア料理の店にしましょう。前から行きたかったんです!」

年相応の無邪気さなどを見せてしまい。彼女を知る他の人間からすれば、随分奇妙な仕草に見えるかもしれない。他の人間が居なかったのは幸いだ。ヨキ先生の「噂」の渦中の人物に数えられてしまったかもしれないから。

ヨキ > 薫子からの評に、嬉しげに微笑む。
ヨキの交友の幅広さは良くも悪くも知られたところだが、反面“そうでない”付き合いの多さも窺わせる。

「いいね、それではそこにしようか。スタンダードな料理のみならず、中には異世界の辛口料理もある。
異邦人の店主が、故郷に近い味付けを探し回った成果らしい。

ここなら昼の休憩時間や、早めの夕飯にも行きやすい。
どうしても何もすることがない、などという休日にヨキを誘ってくれても構わない」

彼女の朗らかな表情に、ふっと目を細める。
まるで本当の素顔でも目の当たりにしたみたいに。

赤坂薫子 >  
「――はい、楽しみにしていますね」

にっこりと笑いながら、約束を取り付ける。
彼女にしてみれば、風紀の看板を気にせずに楽しめる貴重な機会だ。一般生徒と共に遊べば癒着を疑われ、風紀内だと委員会内の人付き合いが面倒な事になる。

「ええ、是非ご一緒しましょうヨキ先生。辛い物も良いですけど、甘い物を食べに行くのも良いかもしれませんね」

そのうち守衛がやって来て、閉庁の時間を告げる。
名残惜しいながらも、薫子はヨキに退庁を促しながら締めの作業をはじめて

ヨキ > 「甘いもの、いいね。日常の疲れが取れるような、とっておきのメニューを見つけたいね。
どこか良いところがないか、いくつか見繕っておこう。

店のレパートリーには自信があるのさ。
教え子たちが勤めているところを、一軒一軒訪ね回るのが楽しくてね」

教え子との縁を、永く永く大事にすること。それはヨキの顔の広さの一因だった。

やってきた守衛に労いの言葉を返し、会釈する。
薫子へも笑って首肯し、軽く手を挙げて。

「それでは、随分と話し込んでしまって悪かった。
アジア料理、楽しみにしているよ」

別れの挨拶を告げ、軽やかな足取りでその場を後にする。

ご案内:「風紀委員会本庁」からヨキさんが去りました。<補足:29歳+α/191cm/黒髪、金砂の散る深い碧眼、黒スクエアフレームの伊達眼鏡、目尻に紅、手足に黒ネイル/拘束衣めいた細身の白ローブに黒革ハイヒールブーツ、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>
ご案内:「風紀委員会本庁」から赤坂薫子さんが去りました。<補足:風紀委員本庁受付のお姉さん>