2020/06/20 のログ
ご案内:「常世神社」にアーヴァリティさんが現れました。<補足:風紀の制服を着た黒髪の少女。腕章はつけていない。>
アーヴァリティ > 「あーー...疲れた
楽しすぎるのは...ダメだなあ」

境内の木陰に座り込んで気の抜けた表情で、そう呟く。
ここ1週間ほど。1日複数回の襲撃を何度も返り討ちにし、そのうちの二回はあの魔術師で大怪我を負ったり触覚を切らされたり、と。
まあ逆によくここまで持ったものだ。
3時間ほど前、ついに無尽蔵に思えた体力や気力が尽きたのか、襲撃にあっている途中で突然体が動かなくなった。
それでも、何とか撃退して幸いにも残っていた魔力で適当に飛行しながらその場を脱したのだが...

「うーん...
しばらくはホテルとかに泊まってみようかな...」

想像以上に体が重い。
今思い返せばどれほど無茶をして戦い続けていたのか...
重力に従って地面に寝転がる。

アーヴァリティ > 「うあー...ダメだ体が動かない」

元の姿のままではここでも襲撃される可能性があった為、最後の力を振り絞って擬態及び変装だけしたのだが...
もう気力が抜けてしまったのか、指先も動く気配がしない。
流石に、ここで寝てしまって捕縛、とかは嫌なので寝ようとしてみたりはしないが...
無いはずの睡眠欲求が起こっている。
このまま風の心地よい木陰で眠ってしまえば疲れもある程度飛ぶ気がする。
...何時間寝続けるかわからないが。

ご案内:「常世神社」に月神 詠さんが現れました。<補足:常世神社でお手伝い中の祭祀局員>
月神 詠 > 今日も今日とて常世神社のお手伝い。祭儀の予定が無い時は大抵こうしている。
社務所で巫女装束に着替え、まずは掃除からいたしましょうと竹箒を手に境内へ出てきた。

「……あら?」

その時、木陰に誰かいるのが目に留まる。
遠目では人相まで判別できないが、風紀委員の制服を着ていることは窺えた。
箒を持ったままそちらの方へ歩み寄っていく。

「こんにちは。どうされましたか?」

柔和な笑みを湛えながら、木陰を覗き込んでそこにいた人物に声をかけた。

アーヴァリティ > 「あ、こんにちは
あー...えっと...体が動かなくて...」


声をかけられた方をみて見れば、巫女服の少女。
顔を少し動かして入ってきた風景から、そうか、ここは神社なのかと、今更ながら気づいたようだ。
となればこの少女は巫女なのだろうか...なんて普段は考えるだろうが、今のこの怪異にはそんな余裕はない。

体を起こすのも、長文を考えるのも面倒に感じるし、こうやって短く返すのですら億劫に感じてしまう。
ただ、この少女がどう言った人なのかは知らないけど、面倒ごとだけは避けたい。
変なことは言わず、唯『疲れている』旨を伝えるだろう。

月神 詠 > 気怠げに答える少女からは疲労の色が感じられる。
視線だけこちらに投げるのがやっとといった具合だが、かと言って捨て置くわけにもいかない。

「まあ、それは大変な……しかし、こんな場所で寝ては体を痛めてしまいます。
 よろしければ、中でお休みになられませんか?」

そう言って社務所の方を手で示した。
巫女達の待機所なので、仮眠用の布団や座椅子なども一通り揃っているのだ。
他意はなく、完全に善意で言っているのが伝わってくる。

アーヴァリティ > 少女の言葉は随分と魅力的な内容だった。
普段の思考であれば、一応警戒するなり、警戒ゆえに断ったりするのだろうが...

「いいんですか?ありがとうございます...」

今はそんな事を言える余裕はなかった。
ここまで疲れたのは何時ぶりか。水底に沈んでいる記憶を呼び起こすのも億劫だ。
突然体を起こしたり、目が特別元気になったりするわけではないが、安堵したような表情を浮かべる。

少女の提案が善意でなかったらどうしたのだろうか...

月神 詠 > 「ええ、もちろん。
 ご自分で立てますか? お嫌でなければ、抱えていくこともできますが……」

にこりと微笑んで、動けないようならあなたを抱えようとするだろう。
人体の重心に理解があるのか、驚くほど軽い動作で持ち上げてしまう。
単純に力が強いだけかもしれないが。

アーヴァリティ > 「じゃあ...お願いします」

室内で休めるのは嬉しいが、自分で動きたくはないな、なんて思っていただけに、情けないことではあるが運んでくれ、と。
この少女が人一人を運べるのかなと、脳裏をよぎるが杞憂だったようで軽々と持ち上げられてしまった。
...擬態上手くできてなかったりしたかな。

そのまま大人しく運ばれていくだろう。

月神 詠 > 社務所の中にある小さな部屋にあなたを運び込むと、仮眠用に敷いてある布団の上にそっと寝かせた。
そのまま体が深く沈み込んでいってしまいそうなほど柔らかく、包み込むような羽毛の感触。
基本的に巫女が使うものなので、布団には女性特有の残り香が染み付いているかもしれない。

「何かお飲みになられますか? ええと……」

そういえば、まだ名前を聞いていなかったことを思い出す。

アーヴァリティ > 「ふあ...気持ちいい...」

寝かされたのは、何とも柔らかく、心地よい布団。
無い筈の睡眠欲まで湧いてくるような...
それに、少しどこかいい匂いがする。ああ...落ち着く。

普段でもその心地良さに喜ぶような布団は、数日戦いっぱなしだった怪異にとって最高なものだったらしく、その心地よさに、思いもよらない声が漏れ、表情が緩む。
その表情はとても幸せそうで、それこそ普段の彼女とか180°逆である。刃鬼あたりからは誰だテメエとでも言われるかもしれない。

「あ、お水ください」

飲み物は特に必要では無いが、いただけるのであればいただきたい。
あれはスッキリするものだ。素晴らしいものだ。
目の前の少女が言葉に詰まっている様子は...名前...なんて名乗ろうかなあなんて、ぼんやりと考えており。

月神 詠 > 「ふふ、お気に召していただけたようで何よりです。ただいまお持ちしますね」

布団の心地良さを堪能する様を微笑ましげに見守りつつ……
透明なグラスに水を注ぎ、氷をふた欠片ほど入れてあなたに差し出した。

「申し遅れました。私(わたくし)は祭祀局所属の月神 詠(つきがみ ありあ)と申します。
 失礼でなければ貴女のお名前もお伺いしてよろしいでしょうか?」

アーヴァリティ > 「ありがとう」

感謝を述べれば寝転んだまま両手で水を受け取るが、さてどう飲もうか。
特に何も考えずに水を欲しがったけど、飲み方までは考えていなかったようで、しばらく宙に止まったコップは一先ずお腹のあたりおろされるであろう。

「えっと...佐田晶って言います」

風紀委員会だったら、違う名前を考えなければと思っていたが、別の委員会のようだし、特に何も考えずに以前風紀委員会の前でも名乗った名前を名乗る。
その間も、頭は動かすがそれ以外は特に動かそうとしない。
布団で多少癒えたようだが、この蓄積した疲労は随分と深いようだ。

月神 詠 > 「あっ、申し訳ございません! 私としたことが……配慮が及びませんでした」

横たわったままの様子を見て、慌てて上体を起こす手伝いをする。
布団は壁際にあるので、そちらに背を預ければいくらか楽だろうか。

「晶様ですね。よろしくお願いいたします。
 それで、晶様は何故あのような場所でぐったりしておられたのですか?」

布団のそばに正座をして、心配そうにあなたの顔を見つめている。

アーヴァリティ > 「あ、いえいえい...ありがとうございます」

どうやって体を起こそうか悩んでいたため、なんともありがたい。
上体を起こしてもらって壁に背を預けて、両手で持ったコップの水をゆっくりと呷る。
冷たい...
...ただの水がここまで美味しく感じるなんて、どれだけ疲れていたのだか...
身体中に水が染み渡っていくようで、小さく安心の息を吐く。

「えっと...それは」

どう答えようか。
全てを語るとすれば毎日襲撃を受けて今日その疲れで体が限界に達して倒れた、と言うべきなのだろうが、そんなこと言えるわけもないし。
なんて言おうかな、と視線をしたの方にずらして悩んでおり。

月神 詠 > 返答を躊躇うような反応。何か言葉に詰まる事情でもあるのだろうか。
そうでなくとも、出会ったばかりの相手に気安く話せることではないかもしれないが。

「……言いにくい事であるならば、無理に話せとは言いません。
 ただ、晶様が何か事件に巻き込まれていたり、困っていることがあるのであれば、祭祀局……いえ、同じ生徒として力になって差し上げたいのです」

その言葉に強引さはなく、あくまであなたを心配してのことだと告げながら。
どちらにせよ、十分に休めるまでここに居ても良いですからね、と微笑んだ。

アーヴァリティ > 「気遣ってくれてありがとうございます
でも、秘密ということでお願いします」

すみません、と疲れた表情でだが、穏やかに微笑んで見せて。
先ほどからありがとうと言ってばかりだが、本人は心から感謝しているようだ。黒触姫とか大層な名で呼ばれる割には...
簡単な演技程度であれば、これ以上の面倒ごとを避けると言う事を考えると惜しんでいる場合ではないが、それ以上のことを考えるほど頭は回らないようだ。
コップに残った水を飲み干し、再び小さく息を吐く。

十分に休めるまでここにいていい、と言う言葉に安心したことでか、これまで寝てはいけない、と本来ない睡眠欲を抑えていた部分が決壊しかけているようで、眠たそうに目蓋が閉じそうになっている。

月神 詠 > 「そうですか……いえ、承知いたしました」

気遣わしげな様子のまま、されど秘密と言われればそれ以上の追及もしない。
これが目に見えて大怪我でもしていれば、もっと形振り構わなかった可能性はあるが。
飲み終えたことを確認すると、コップを受け取って流しに置きに行く。

「晶様は───あら……」

振り向くと布団の上で眠たげにしているのが見えたので口を噤んだ。
足音を立てないように布団の傍まで戻り、正座。
ほとんど無意識の内に、あなたの髪に触れようと手を伸ばす。

アーヴァリティ > 「...んぁ...」

僕が眠気を感じて...それに沈みそうになる...だなんて......いつの間にか大変容が終わっていたとき以来か......
ありあの手が僕の髪に触れる。何がしたいのかわからないけど...なんか...心地いいな...

少女のに髪に触れられた怪異は、それを区切りに、目蓋が落ち切って...
深い眠りへと落ちていった。
そのまま布団へと壁に沿って倒れれば、穏やかな表情で寝息をたて始めた。
なんとも無防備な、なんとも普通の人間らしい。
そして何よりも幼子のようであった。

月神 詠 > 慈愛に満ちた表情で、優しくあなたの髪を撫でる。
一定の間隔……人間の心音に合わせた、最も落ち着くリズムが心地良い眠りへと誘うだろう。

「ねーんねーん ころーりーよ...」

子守歌などを口ずさむ姿は、さながら赤子を見守る母親のようだ。
もっとも、詠にとっての母親はそんな優しいものではなかったのだが。
落ち着いた寝息が聞こえてくれば歌うのを止め、そっと肌掛け布団をかけた。
そのまま静かに立ち上がり、音を立てないように社務所を出て境内の掃除に戻っていく……

アーヴァリティ > 「ん...っんー...よく寝た
...寝たのなんていつぶりかなあ」

もう既に日は落ちて1時間ほど経っただろうか。
辺りが暗くなってしまった時間帯。
ゆっくりとまぶたを開いて上半身を起こして両手を上げて「ん〜」と伸びをする。

「あっ......月神さんはどこに行ったのでしょうか?」

布団や自分にかけられているかけ布団をみて寝てしまう前の事を思い出す。
危ない。ぐっすりと寝過ぎた。寝る前のフリを完全に忘却して素の自分で話してしまった。
あの巫女はもう帰ってしまっただろうか?見回してみれば室内にはいないようだが。
布団から出て境内に誰もいないかどうか確認する。

「誰もいない...みたいですね」

そして見える範囲に誰もいない事を室内から顔を覗かせて確認すればー

「ありがとうね、巫女さん」

介抱してもらったということに少し苦い、それでいて感謝の明るい笑顔で呟き、お礼代わりの小さな宝石を一つ、布団の上に置けば、見つかりにくそうなルートを通り、神社を去って行った。

ご案内:「常世神社」からアーヴァリティさんが去りました。<補足:風紀の制服を着た黒髪の少女。腕章はつけていない。>
月神 詠 > 少女が常世神社を立ち去ってから数分後。

「御夕飯の買い出しをしていたら、すっかり遅くなってしまいました。
 晶様、お一人にして申し訳ございません。よろしければ一緒に───」

買い物袋を提げて社務所に戻ってきたが、そこに晶と名乗った少女の姿はなく、綺麗な宝石が一つ置かれているのみ。

「帰ってしまわれたのですね……大丈夫でしょうか」

最近、祭祀局にも怪異の報告が相次いでいる。
中には見境無く人を襲うものや、校舎内にまで出没するものがいるらしい。
彼女のような生徒が被害に遭わないようにするためにも、怪異に相対する力を持った我々がしっかりしなくては。
そう決意を新たに、少し買い過ぎた食糧の処理に苦心しつつ夕餉の支度に取り掛かるのだった。

ご案内:「常世神社」から月神 詠さんが去りました。<補足:常世神社でお手伝い中の祭祀局員>