2020/06/21 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」に山本 英治さんが現れました。<補足:風紀委員/学ランのアフロ。(待ち合わせ済み)>
ご案内:「落第街 路地裏」にアーヴァリティさんが現れました。<補足:学生服の黒髪のいい肉付きの女生徒。身長低め>
山本 英治 >  
ここは路地裏。公には存在しない街。
空は曇天。日曜も昼から薄暗い。
こんな時にこそ、警邏を重視しなければならない。

「Come on,Come on,My love~♪ 好きとキスの謎を解いて~♪」

上機嫌にアイドルソングを口ずさみながら歩く。
緊張感がないわけではない。
誰もが風紀の存在に気付いて、気を引き締めてくれればよい。
そう考えている。

「眩しい瞳~触れ合う瞬間にスパークする恋心~♪」

雨が、来そうだった。

アーヴァリティ > 「うーん...そろそろ大人しく吐いてくれないかな...僕もそろそろ迷惑してるんだよね」

先日、1週間戦い通した弊害からか、ぶっ倒れた僕。
襲撃者を返り討ちにするのにも飽きがやってきて、そろそろ本当にどうにかしないといけないなーなんて、今日も飽きずにやってくる襲撃者の首を片手で締め上げて尋問する。
襲撃者の四肢は変な方向を向いており、その顔には生気がない。まさに瀕死といった様子だがまだ生きてはいるみたいだ。
さっきからずっと知らないって言ってるし本当に知らないのかなあ、なんて思いながら壁に押し付けて。

「誰の依頼か教えてくれたら楽に死ぬか生きるか、選ばせてあげるけど。ほら早く決めて?」

面倒で、早く吐いて欲しい。その表情に愉快そうな様子などなく、純粋なただの尋問が行われている。
なんか歌声が近づいてくるけどどうせこの様子を見たら逃げ出すだろう、なんて思っていたり。

山本 英治 >  
その時、小さな影が見えた。
それは男性を……首を締め上げている。
傷害───いや、違う。

拷問と蹂躙だ………一方的な暴力。

飛び出していって構える。
少女の姿をした存在に声を張り上げる。

「何をしているッ!?」

距離にして一足飛びというわけにもいかない。
かなり距離はあるが、迂闊に近づくにも危険。

正体不明。いや、違う。報告書にあった……

「黒蝕姫、アーヴァリティ………!!」

アーヴァリティ > 「あれ?すぐに逃げ出すと思ったんだけど勇気ある...
あ!風紀だ!こんにちは!」

てっきり逃げ出すと思い込んでいた歌声は逃げ出さず、大声で僕を止めにきた。
どんな相手かと思ったら風紀じゃないか!
締め上げていた首から手を離し、それと同時に意識を失った男がその場に倒れる。

「ねえねえなんで僕の名前知ってるの?もしかして風紀の間で僕のこと話題になってたりする?」

そんなことを話しかけながら風紀の男へと近づいていく。アフロなんて面白い髪型だな、なんて思いつつ。
僕の名前を知っているなんて、風紀の間で僕の情報が出回ってたりするのかな?かなかな?
とっても楽しそう。

「武器は持ってないみたいだけど。楽しませてくれるよね?こいつみたいに弱くないよね?」

なんて、にこやかに、楽しそうに、気絶している襲撃者を指差して。

山本 英治 >  
「……こんにちは」

辟易した様子で挨拶を返す。
どんな相手とも対話を心がけてきた。
しかし、あまりにも異質な精神構造と凶悪な行動を伴う少女に。

心火が燃えていた。

「もちろんだ、有名人だよ……お前は」
「風紀公開一級指名手配犯、アーヴァリティ」

罪状にして発見次第の発砲が認められている。
しかし、しかし。

「どうしてそいつを壊した? 冬の枝みたいに手足を折りやがって」
「生きてるんだぞ! 命なんだぞ!?」

信じられない、という風に表情を歪めて叫ぶ。

アーヴァリティ > 「へえ!風紀で指名手配!
ってことはこれから...」

うへへ、と狂気じみた笑みを浮かべる。戦闘狂である彼女にとって最上の喜びである強者との戦いの機会が増えるということはなんと嬉しいことか。
風紀には強者が多い!いっぱい戦えるなんて夢のようだ!

なんて、目の前で怒っている風紀委員会なんて知らずに。

「生きてる?知らないなあ。そいつは弱っちいのに僕を殺しに来たんだよ?
僕はそんな面白くないそいつと戦わされて、なんなら命を狙われたんだよ?
生かしているだけマシじゃないかなあ?」

やれやれ、と言ったふうに。
目の前の彼の怒りに、仕返しでしかない、と答える。
それに別に僕は人をもの扱いしたりはしないからそんなに酷くはないと思うんだけどなあ、なんて思っていたり。

山本 英治 >  
なんて物言いをするのだろう。
どれだけ話し合っても、分かり合えない存在はいるのか。
すまない、遠山未来………俺は…

拳を握り、構える。

「構えろ」

怒りに燃える心を、呼法で強引に押さえつける。

「お前も────生きているだけマシな姿にしてやる……」

師父。未来。すまない。
俺はやはり、こういう道しか選べない。

アーヴァリティ > 「いいねいいね!僕はそれが見たかった!」

構えろ、それは最高な言葉だ!言われなくたって構えるさ!
やっと戦える!お楽しみの時間だ!

「やれるものならやってみればいいよ!君こそそのアフロなくならないといいね!」

彼の心情なぞ知らない。ただ戦えればいいのだ。
さあ、戦いの時間だ。
楽しい楽しい戦いの時間だ。
両の袖から銀色の触手が出て二の腕にまとわり付く。
そして、その一本がまるで人さじ指のように立ったかと思えば、その先端を振って怒り狂うアフロを挑発した。

山本 英治 >  
いいだろう。その挑発に乗ってやる。
駆ける。
踏み足に地面が少しヘコんだ。

短いストロークで駆けながら突き出した右腕は物差し。
本命は左拳の突きだ。

馬歩弓捶。
踏み足から腰、肩、肘までを捻りながら打つ螺旋の拳。
小さな少女に似た怪物に向ける以上、打ち下ろしに近くなるが。

コークスクリューブロー、という概念がある。
拳を回転させながら打つことでインパクトが強まる、というものだ。
それは現代において否定されているが。

それは拳法に置いて、幾千の時を超えて信じられてきた。
波ではなく、押し出す力。それに螺旋が加わることで。

人は、骨を砕く一撃を放てるのだ、と。

アーヴァリティ > 随分と速い。その巨大な体格と違い随分と速い。
そして随分と力が乗った走りだ。ろくに整備されていないとはいえ地面を凹ませるパワー!
体当たりされただけでも結構吹っ飛びそうだ。

挑戦的な笑みを浮かべながらも、その表情には真面目さが読み取れるだろう。
この戦いにすでに楽しみを見出したということだ。
さて、指標となる右腕ではなく、突き出された左拳は身長差からどうしても打ち下ろす形になる。
ならば、避けるのであれば左右か上か。
ならば、本来体勢を変えることができなくなり不利とされる上を選んでやろうか!
強く地面を蹴り、その場から跳躍して彼の拳をさければ、両手の触手をそれぞれ左右の地面にアンカーのように突き刺してアフロのさらに上から彼を見下すだろうか。

山本 英治 >  
形意拳・馬歩から構えを変える。
開門八極拳、両儀式だ。

呼吸。重心。解放の力。
そこから熊が威嚇するように両腕を振り上げると。

「破ッ!!」

断破。銀の触手に対し、何本かを両手の掌の打ち下ろしで“切断”しにかかる。

武器術を習った際に教わったこと。
本来、これらの殺傷は無手にて代用できるのだ、と。

アーヴァリティ > 「いいね!力が強いだけじゃなくて武術も使えるってのはいいね!」

少し前にもパワータイプの相手とも戦ったが、あちらは喧嘩といった感じだった。
武術ではなく喧嘩である。
喧嘩には喧嘩の面白さがあるが、武術にはまた面白さと力強さがある。
パワーと技術を備えた彼は僕をどこまで楽しませてくれるだろうか、ああ楽しみだ。

彼の打ち下ろしは鋼鉄並みの硬度を誇る触手を切断するのにも十分な威力を持っているようだ。
しかし、たった数本切られたところで揺るがないその位置。
なんなら切断された触手も即座に再生させ、突き刺すのではなく彼の両腕を捕まえようと絡ませにいくだろう。

一方突き刺さった触手は、それぞれが地面へと潜り続け、彼の足元から襲い掛からんとしている。
腕を絡めとる方よりもこちらが本命と言えるだろう。

山本 英治 >  
「俺は暴力を憎むッ!! 己の力を嫌うッ!!」
「武術は暴力の対極だから学んだ……だが!!」

頭頂藍天(頭頂を天に向け)。
脚踏清泉(足は清泉を踏む)。
懐抱嬰児(懐に嬰児を抱く)。
両肘頂山(両肘で山を支え)。

天然理心、その流れのままに両腕を動かし。
捕まえようとする触手を払う。

足元から襲い掛かる銀の触手。
それは計3本、腹部に突き刺さる。

「墳ッ!!」

腹筋に力を入れて内臓までの到達をコンマ数秒遅らせると。
手刀で刺さった触手を切り払った。

刺さったままの銀を無造作に引き抜くと放り捨てて。

「だが……今、武にて………悪意を断つッ!!」

絶招歩法、箭疾歩!!
一気呵成に距離を詰め、突き出したままの拳を当てにかかる。
それは全身の関節を硬く硬直させる剛の体術により!!

砲撃のように全体重を右拳に乗せる!!

アーヴァリティ > 「お、いいねいいね!普通じゃないか!
普通だからこそいい!」

あくまでも普通の肉体。
そこに技術が合わさり普通を脱している。
なんと素晴らしいことか。
魔術でも異能でも何か特殊な技術を使うでもなく。
ただただ技能。だからこそ、ただただ触手を止めたというだけで素晴らしく感じる。

さて、高いところに居て一方的に嬲れば勝ててしまう敵だが、それでは「面白くない」
少し体の位置を下げれば、そこに彼は拳を打ち込んでくる。
見るからに威力の乗ったそれを強力な身体強化の乗った蹴りで受けてみる。
武術とは違い、ただの暴力でありただの力だが、その威力は基よりある身体能力に身体強化が合わさり、ただの人間相手であればその骨を木っ端微塵に粉砕するような一撃だ。

山本 英治 >  
「その“普通”に殴られてみるか!? 死ぬほど痛いぞ!!」

拳を当てる体当たり、絶招は蹴りで迎撃される。
拳に伝わるは、陰の気。
丹田に貯めた陽の気が打ち消されるほどの、無造作。

だが如何に一撃必倒を標榜する拳法であろうと。
コンビネーションが存在しない拳術など存在しない。

刮地風。地面を削るように吹く風、という意味の技だ。
相手に拳を防御された瞬間に左脚で相手の脛を蹴りつける。
硬打の応用技。

相手は蹴り足を出している以上、逆の足を蹴るのは自然の理。

アーヴァリティ > 「褒めてるんだよ!」

普通なのにすごいといった意味だったのだが、まあ言葉足らずだったのだろう。

さて、流石にこれまでの人生?怪異生?怪生?
なんでもいいがとてつもなく長い時間のなかで最上級の魔力を込めた身体強化は彼の拳を迎え撃った...が

(押し返すぐらいのつもりだったんだけどな。思った以上だ。)

 なんて、思っている間に追撃がその足に襲いかかる。恐ろしい威力だ。身体強化なしでは足が千切れ飛んでいたかもしれないし、そうじゃなくてもミシっと、嫌な音がする。
痛みに表情を歪ませつつ、スカートの中から現れた触手が彼の足を絡めとろうとし、自分は蹴られた威力を少しでも流すために全身で横に回転しながら体勢を整えて少し背後に着地するだろう。
触手が足を絡めとれれば、そのまま彼の体ごと高く持ち上げて、即座に地面へと強く叩きつけるであろう。

山本 英治 >  
「お前に褒められて喜ぶ風紀が、いるかぁ!!」

その時、足を触手が絡め取る。

「!!」

持ち上げられた瞬間、硬気功を練る。が。
そのまま地面に強烈に叩きつけられ、地面をバウンドして転がる。

肺から全ての空気が逃げていく気がした。
だが負けてはいられない。
風紀は、この街の正義だ。
正義を背負っている人間が。痛いから。苦しいから。

逃げていいはずがないのだ。
よろめきながら立ち上がる。

「形意拳は……動物の動きにヒントを得た十二の型がある…」
「形意拳十二形……その存在しないはずの十三階梯………」

「我流十三形、銃砲拳(マグナムアーツ)……」

「人間が作り出した殺意の力…」
「今、見せる時!!」

翻身、強烈に踏み込むと左に……いや! 路地裏の壁に向かって跳んだ!!
左、地面、右、左、地面!!
壁と地面を蹴りながら多角的に相手に接近すること、跳弾の如し!!

そして相手の胴体に向け、拳を打ち抜く。いや、撃ち貫く!!
27関節全ての駆動を加速させ、音速を超える拳を“撃つ”!!

アーヴァリティ > 「大人しく褒められておいた方がいいと思うよ?
ほら、そうやって転がってるわけだし?」

なんて、地面に叩きつけられた彼に向けてワザとらしくやれやれと首を竦める。

「まだ動けるよね?そうそう、そうじゃなきゃつまらないよね!」

なんて、立ち上がった彼の向けて称賛の拍手を送る。
さぁその普通の体から繰り出される武術を僕に見せて!

「すごい!スーパーボールみたいだ!面白い動きをするじゃないか!」

彼の繰り出したその動きは、なんとも人外たる動き。凄まじい動きだった。
身体強化を伴わない目では到底追えず、なんならその上でも追うのに難儀する動き。
その動きに称賛の意を称して、と言う訳ではないが...

「なら僕も本気を見せてあげるよ!」

と、言えば先ほどの身体強化より更に、それこそ全魔力の殆どをつぎ込んだ拳を構えて、彼の拳へと合わせ、更にその上から跳戟を放ち、彼の本体へダメージを与え吹き飛ばすことを試みる。

山本 英治 >  
音速を超える拳を、迎撃された!?
撃ち殺すくらいの強度で撃った拳を!!
相殺と共に身体強化を伴う跳戟を受け、吹き飛ばされる。

「ぐっ!!」

電線も通っていない電信柱の残骸に背中から叩きつけられ。
アフロから……いや、切れた頭から血が流れて顔を汚す。

折り悪く、空から雨が降り始めた。

雨が降りしきる中、立ち上がる。
鏡で見てはいないが、俺の瞳には。

野獣の殺意が満ちていたはずだ。

「細切れに……………」

放たれた殺気に、周囲一円から烏が飛び立って逃げる。
無造作に跳びかかる。
その振り下ろされる右拳に、なんの技もない。功もない。正義もない。

至純の暴力。複合合金を紙のように引きちぎる、ただの力任せが振るわれた。

山本 英治 > 「してやらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アーヴァリティ > 「ッ.....いたタタタタ...今ので僕の魔力ほぼ空っぽなんだけどなあ」

なんて威力だ、拳が砕けている。
さっきの拳なんかと比べ物にならない威力だったみたいで、まともに撃ち合った拳は粉砕されたようだった。身体強化ありなんだけどなあ。
潰れてしまい、かなり痛む右拳に、つい左手で抑えてしまう。
もうこの戦いでは使い物にならない右拳の痛みに堪えながら吹っ飛んで行った彼に目をやろうとすれば...

「...そんな怒らなくなっていいじゃないか。ほら僕の拳だってこんなんになっちゃったし」

ブチギレて襲いかかってくる彼に、怖いなあ、と戯け半分本気半分の声を掛ける。
おっそろしい目をしている。切人の見えない斬撃ぐらい威圧感あるよ...
でも、技がないなあ。
なんて、思いながらその拳を軽く横にずれて避ける。
拳があたりの空気を巻き込み、局所的な暴風が吹き荒れるが、涼しい顔をしており。

「そんなんじゃ当たらないよほら」

なんて言いながら彼の足を後ろから触手で引っ張ってこかしてやろうとするだろう。

山本 英治 >  
振り下ろされる拳を避けられ、それでも叫びながら拳を振るう。
そのことごとくを回避され、それでも。
獣性は止まることを知らない。

拳が空隙を貫く。捕まえようとした手が虚空を掴む。

そして後ろから足を引っ張られて倒れれば。

「がああああぁ!!」

と咆哮しながら、バターのように足元を掬って散弾のように投げつける。
赤く染まっていく頭。冷静な思考はもうできない。
このまま赤に塗り潰されたら、どんなに楽だろう。

何が理合だ、くだらない。
暴力を振るっている時の世界は、こんなにも輝いているじゃないか。

アーヴァリティ > 「うーん...どうしようかなこのアフロ」

ブチギレて理性を失っているのか、簡単に転けたこのアフロ。
このまま気絶させて離れてしまおうかと思ったが、気絶させる術が思いつかないし近寄りたくない。
投げられた石や土を触手を盾に弾きつつ、考えて。

「あ、そうだ」

手をぽん、と叩けば...普段はあまり取らない手段ではあるが、さっきの四肢が変な方向いた男を触手で自分の目の前へと吊り下げて盾にしてみる。
随分と最初怒っていたし、これで正気に戻ってくれないだろうか。

山本 英治 >  
足元の触手を引きちぎる。
拳を構え、前方に突進する。

アーヴァリティは男を盾にしている。
いいぞ。
その隙だらけの体に、“盾”を貫いて一撃を叩き込め!!

貫いて?

俺は、今、何を………?
拳が人質に当たる寸前で正気に戻る。

「あ、あ………」

ダメだ。してはならない。
そのようなこと、赦されるはずがない!!
未来に永遠に会えなくなる蛮行だぞ!!

そのまま全身から力が抜けて、片膝をついた。
できない。俺には。倦んだ感情が心を蝕んでいた。

アーヴァリティ > 「お?落ち着いたかな?」

やばいかな、と思いつつなけなしの魔力でシールドを展開する直前。
動きを止めた彼をぶら下げた男の影から覗き込む。
そして、動きを止めた彼を見て。

「まあまあ、そう落ち込まない落ち込まない。
ほら、次は勝ちにおいでよ」

なんて、少し後退りながら冗談めかしてどうどうと、声を掛ける。
そして、再び彼の足を触手で吊り上げようと、足元から這わせていく。

山本 英治 >  
足を吊り上げられると、逆さまになる。
雨が降りしきる中、彼女は“次”を口にしていた。

「……俺をどうしようと」
「これ以上そいつには手を出すな」

残った気力で、そう口にするのが限界だった。

拳理はこの手に宿ってはいなかった。
結局、暴力に頼り、その上で敗北した俺は風紀を背負う資格もない。
逆さまになった体を伝って、雨垂れがアフロから落ちた。

アーヴァリティ > 「わかったよ。こいつにはもう何もしなことにするよ」

楽しませてくれたしね、と付け加えて、仕方ないな、と言わんばかりに一息ついて。
彼を吊り上げた触手を左右に揺らして...
揺れるアフロについ吹き出しそうになりながら...

「楽しかったよ!またやろうね!
それじゃ...じゃあね!」

最後にそう声をかけ、触手を大きく斜め上に振れば、遠くへと彼を投げ飛ばした。
其の声は、彼の心情とは真逆で、非常に楽しそうな、とても、そうとても楽しそうだった。

「さて...この手は治るまでおいておこうかな...いいなあ武術。僕も習得したいね」

なんていいながら、男を放置してその場を満足げに去っていった。
其の足取りは非常に浮いてるものだった。

「あ、名前聞き忘れた」

山本 英治 >  
拳理と剣理が存在するように。
人外には人外の理がある。
そう、桁外れの力を無造作に振るっていい。
そういう理が。

俺は放り投げられ、どこかの屋根に落ちた。
風紀の仲間がやってきて救助されるまで、一歩だって動けなかった。

俺は……負け犬だ。

ご案内:「落第街 路地裏」からアーヴァリティさんが去りました。<補足:学生服の黒髪のいい肉付きの女生徒。身長低め>
ご案内:「落第街 路地裏」から山本 英治さんが去りました。<補足:風紀委員の腕章/規定制服の夏服アフロ。(待ち合わせ済み)>