2020/06/13 のログ
ご案内:「病院個室」に追影切人さんが現れました。<補足:左目に黒い眼帯、脇腹と左の手足に包帯、病院着>
追影切人 > 「―――んぁ?」
寝惚けた様な声が唐突に漏れた。ゆっくりと意識が浮上する感覚と共にぼんやりと右目を開く。
…無機質な白い天井…少なくとも、落第街やスラムという訳ではなさそうだ。
(……あーー何となくぼんやり思い出した。アーヴァの奴に負けたのか俺は…クソが)
白黒付ける為のドンパチだったが、結果は――自分の負けだ。こうしているのがその証拠だ。
悔しい、というよりも情けない。負けは負けとして素直にそこは受け入れるが、ヒトの感情はそんな単純なものではない。
ゆっくりと上半身だけベッドから起こ――と、思ったら左の手足と、特に左脇腹から凄い激痛が馬鹿を襲う!
「……つおぉぉ…っ!?くっそ、麻酔とっくに切れてやがった…っ!!」
病院だから既に処置はされているようだが、肝心の麻酔がばっちり時間切れだったようだ。
お蔭で結構目が覚めた模様。痛みに眉を顰めつつも、敢えて傷口付近を触って確かめてみる。
「…あの触手は取り除かれてるみてーだな…まぁ、そりゃいいとして」
ご案内:「病院個室」にアーヴァリティさんが現れました。<補足:風紀の腕章をつけ風紀の制服を着た黒髪の少女。>
ご案内:「病院個室」に伊都波 凛霞さんが現れました。<補足:焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳、制服姿、読書の時だけメガネ>
アーヴァリティ > 「やあ切人。具合はどうだい?」
病室のドアを開けながら声を掛ける。
風紀の制服と腕章。
側から見れば風紀委員が入院患者のお見舞い、事情をある程度知る者からすれば切人の監視、そして風紀委員会のものであれば死亡報告の出された風紀の学生。
先日の戦闘を終えたのち、流石にあれだけ負傷していれば病院行きだろうか、と思い風紀の格好で病院を訪れたのだが、見事に読みは当たっていたようで。
他の病院だったり風紀の施設にいた場合はお見舞いも諦めようかと思ったが、見事一発で何処にいるか当たったため、彼の様子を見にきたようだ。
「風紀の格好だとふつーにどの部屋にいるかとか教えてくれるから簡単だったよ。麻酔切れてるならかけてあげようか?」
麻酔はぶっかけるものではないが。
ちゃんと生きててよかった、と思いながら、ニヤニヤと笑いながら彼に近づいていく。
伊都波 凛霞 >
「えー…っと、病室はー…」
手に何やら下げ袋
制服姿の女子生徒は病院、入院棟の部屋番号とにらめっこしながら廊下を歩いている
「と、ここかな」
目的の部屋を見つけて、覗き込む──
追影切人 > 「……あぁ?誰だテメェ―――いや、何でここに来てるんだお前…馬鹿か?」
最初、現れた風紀委員会の制服姿の女を見て訝しげにそちらを見るが、直ぐに誰か気付いたようで半眼になる。
ついでに、その右手を鬱陶しそうにヒラヒラと振りながら。
「いらねーよ、そもそもテメェの麻酔なんてどうなるか分かったもんじゃね――ぁ?」
ふと、隻眼を風紀委員――に擬態したアーヴァから扉の方へと向ければ。
――見知らぬ長身の女とバッチリ目が合ったかもしれない。…え、誰アンタ?といった顔でぱちぱちと瞬きを数度。
あの時、遠くから自分を監視していてついでに回収してくれたのだが、本人は爆睡していたので当然記憶が無い。
「あーー…そこのアンタ、何か用か?部屋間違えてんじゃねーの?」
と、一応声を掛けてみる。問題はすぐ近くにコイツが居る事だが。一瞬アーヴァをちらり、と見遣り。
アーヴァリティ > 「大丈夫だとは思ったけど死んじゃってないかなーって思ってね!
どう?大丈夫そう?」
どうせ切人はすぐに擬態を見抜くから病室の扉を開けたときに演技はやめた。
揶揄うようにニヤニヤしながら、腰を折って彼の顔を下から覗き込むようにして。
「ん?どうしたの?あぁ、こんにちは!私風紀委員会の佐田って言います!」
切人が視線を逸らした先を目で追えばそこに居たのは、一時話題になっていたらしき少女だった。
ついでに言うと、風紀だっただろうか。
ここで戦うつもりは無いが、どうせ切人を揶揄いに来たのだから、彼女もついでに揶揄ってもいいかもしれない。
今姿を借りている風紀は、とっくに死んだ風紀だ。
伊都波 凛霞 >
「あれ?」
既に部屋に誰か、制服から見るに風紀委員…?がいる
該当の患者もいるわけだが……
「通達した上でお見舞いに来た風紀委員は私一人のはずだけど……佐田さん…?」
怪訝、というよりも真っ直ぐな瞳で、アーヴァリティを見据える少女
──なるほど、此処に入る手前、
案内を受ける際に学生証を提示したにも関わらず不思議な顔をされたのは、
既に風紀委員を名乗る生徒がこの病室への案内をされた、
その後だったからか──
名前に聞き覚えはありつつも、やや警戒する
「ううん。部屋はあってるよ追影切人クン。
体の調子はどうかな?
私のコト、覚えてるわけないか、寝てたもんね」
佐田と名乗る風紀委員に一応警戒をしつつ、投げかけられた声にはそう応えて薄く微笑みを向けた
追影切人 > 「ハッ、あれくらい3年前はしょっちゅうだったから今更だっつーの」
と、擬態したアーヴァに笑い飛ばすが、少なくとも普通に重傷だったのは間違いない。
まだこの時点で目を覚ましたばかりで通達すらされていないが…
触手が貫通した傷口から、怪異の因子らしきものが紛れ込んでいる可能性も出ている。
少なくとも、一朝一夕で退院できる状態ではないのだが、この時点ではこの馬鹿はそれを知らなかった。
「(佐田ぁ?…まぁ、いい。面倒だが話を合わせてやるか)…あぁ、お蔭様で死ぬほど痛ぇよチクショウ。
つーか、寝てた?覚え………んーー?」
新たに現れた二人目の人物。見覚えは全く無い…無いのだが、何か覚えがあるような?
「…あぁ、アンタの声は少し聞こえてた気がするぜ。つー事は…だ。
俺を回収してくれたのはアンタで――ついでに、誰かに見られてる感じがしてたがそれもアンタって事でいいのかよ?」
距離も離れており、正確な位置が分かっていたとは言い辛いが。それでも、持ち前の察知能力で誰かに見られているのは感じていたようで。
その答え合わせも兼ねて彼女に問い掛けてみようと。
アーヴァリティ > 「こんな怪我ばっかりしてたんですか?いけませんよー暴れすぎると触手の怪異が来ますよ」
確か切人は風紀とも殺し合いをしていたやばい生徒だった、と聞いた覚えがある。その時に彼のそばを付き纏っておけばもっと楽しい戦いも増えていたのだろうか...?
何処か惜しいが、ともかく軽口を叩けるようならすぐに退院できそうだし、よかった。最悪、そこらへんの点滴やら治療用魔術具でもパクって魔術で回復してあげてもいいかと思ったが、その必要もなさそうだ。
「報告忘れて来ちゃったので。私いつもそれで怒られるんですよね」
実際は報告を忘れたのではなく報告しようがないのだが。
死亡した生徒であることは意外にもバレなかったようだ。
一応こちらを気にしてはいるようだが、別に構わないだろう。
「切人君の回収担当だったの?どうだった?その怪異、ほらなんたら姫っていう怪異だったんでしょ?」
馴れ馴れしく、あくまでも風紀の仲間として話しかける。
もちろんその怪異とは自分のことだが。
昨日の見ていた野次馬やらの一人だとすれば、彼女も強いのだろうか?
それならその内襲ってみてもいいかもしれない。戦闘的な意味で。
伊都波 凛霞 >
「そ、スラムでね。わ、気づいてたんだ…気配は消してたつもりだったけど、流石」
妙に感心したような素振りをしつつ、部屋へと一歩踏み入る
こちらに運ぶ段階では酷い怪我に見えたものの、思いの外元気そうな今の様子に小さく笑って
「さて、そんなこんなの縁でキミの個別監視につくことになった伊都波凛霞です。
様子見と挨拶ついでにお見舞いにきた次第なんだけど…お邪魔だったかな?」
先客がいるとは思っていなかったのと、一応気を使ってはみる
なお、個別監視についた…といっても風紀委員に申し出ればいくらも監視につく人間を変えることはできるだろう
たまたま病院への搬送に付き合ったことで選ばれただけの人選である
「…で、佐田さんは報告のミス、と…。じゃ、こっちから報告あげておくね」
やや訝しげではあったものの、そういった言葉を聞けば手早くスマホを取り出して操作を始める
彼女も全ての風紀委員を把握しているわけではないが、名簿の照会などをすればその正体はすぐにわかる、そう踏んだのだろう
「うーん、私は遠目で見てただけだから、一応本部には多少の蓄積データがあったかな…?」
スマホを操作しなあら、問いかけにはそう応える
──まだ佐田と名乗る女生徒には疑いが残っている、あえてぼかした言い方をした、のかもしれない
追影切人 > 「…正確な位置と距離はわっかんねーけどな…気配を消してても、見られてるかどうかくらいは分かる」
肩を竦めるが、左腕の怪我の痛みでその仕草も中途半端というかぎこちない。
態度は元気そのものだが、肉体のダメージは思っていた以上には深刻だった。
そんな事より――個別監視?…怪我の無い右手の人差し指でこめかみをトントンと叩いて考えつつ。
「…ぁ?ああ、凛霞な。俺は自己紹介はいらねーだろ…って、個別監視ぃ!?つー事は一級に逆戻りかよ!?」
はぁ!?といった顔で彼女――凛霞を見遣る。一級からは風紀で個別監視が就く。
それは過去に経験済みだが、その後に準一級に格下げされて監視も多少緩和された筈だったのだが。
まぁ、でも自業自得の結果だろう。それは分かってはいるが。
「…で、まさか佐田…てめぇも監視あれこれって訳じゃねーだろうな?」
と、そちらにジト目を。尚、この場合擬態してる彼女の立場的な事を問い掛けており。
ともあれ、監視対象が昔と同等レベルに戻ったことに、呻く様な声を発して右手で髪の毛をくしゃくしゃと掻き毟るが。
「――くっそ、まぁ仕方ねぇ…!!」
昔なら暴れていたが、獣からヒトにはなれた今は我慢も覚えてようで、何とかそう納得してみる。
アーヴァリティ > 「切人君の個別監視なんて...頑張ってね」
わざとらしく、可哀想にとでも言っているような感じで凛霞の肩に手を置く。
にしても、聞いている限りでは切人の監視レベルが引き上げられたようだ。
どうせ再戦するにしてもそれなりに期間は開くと思っていたが、以前のようにスラムで出会って言葉を交わしたりするのも難しくなるのだろうかと思うと、残念だ。
「私はただお見舞いに来ただけだよ。ほら切人君と私の仲でしょ?」
殺し合う仲である。凛霞にとるよりもさらに馴れ馴れしく、まあ実際体を重ねたりしたわけだし別に構わないだろう。
監視レベルが上がったことは彼にとっても当然望ましくはなかったようで呻いている彼に哀れみの視線をわずかにだが送る。
「代わりにしてくれるの?ありがとうね!あとで報告するのも面倒だったんだ〜」
さて、報告してくれるらしいが、どうなるだろうか、などとワクワクしつつ、自分についてそこまでしらないと言われては、内心少し悲しかったり。
伊都波 凛霞 >
「あー…まあ、うん…異議申し立ては風紀委員本部にどうぞ…?って、異議はなさそうだね」
苦笑しながら彼を見やる
ショックを受けてはいるようだが、噛み付いてこないところを見ればまぁ…自業自得だということは自分でわかっているのだろう
意外なくらいに、物分りは良い子なのかなと内心で思って
「そういうわけでよろしくね、追影くん。あ、これお見舞い」
手提げ袋からドーナツの箱を取り出してベッドの脇へ
──ご覧の通りの制服姿で派手に前に屈むものだから視覚的にあまりよろしくない構図になるが本人はそこには余り頓着がないようだ──
甘いものを食べるかどうかはわからないけど、いらなければ看護師さん達にでもあげちゃってねー、と言葉を添えて
──ややして、名簿の照合が終了する
該当アリ、ただし…──その名簿の最後に記されているのは死亡記録だ
表情に露骨には出さず、僅かにその眼を細める
「──お仕事なんてどれもみんな大変だしね。ちゃんとやるだけ、だけど」
この場で正体を詰めるようなことはしない
少なくとも追影切人からは佐田と呼ばれ、親密な中を互いに演出する以上、此処で何かを追求するのは不適切だろう、と判断する
親しげに肩へと触れてくるその様子にも裏があるのかないのか──
「面倒がらないでちゃんとしようね。
でないと、誤解を招くことになるから」
言葉と声色に含む、僅かな警告
追影切人 > 「異議なんて申し立てても、状況が悪化すんのが目に見えてっからな…下手したら矯正施設か監視施設にぶちこまれて、自由の一つすらお釈迦になる」
苦々しい顔で呻いていたが、ややあってから、ふかーい溜息を零して凛霞を見遣る。
…と、ベッドの脇に置かれたのはドーナツの箱。え?お見舞い?貰った事無かったな、そういえば…。
「――つーか、オイ凛霞!アンタその服装で思いっきり屈むんじゃねえ!何かエロい構図になってんだろうが!!」
と、不意に気付いて思わず指摘する。顔を赤らめたりとかはしないが、突っ込みせざるを得なかった。
あと、甘い物は特に好きではないが貰った物は…ちゃんと食べる。これも学んだ事だ。
右手でドーナツの箱を乱暴に開けつつ、早速ドーナツを一つ取り出してムシャムシャする。
「なぁにが、私と切人君の仲だっての。誤解されるような事を言うんじゃねー」
ジト目で佐田を見遣るが、ドーナツをもぐもぐしながらなのでいまいち迫力が無い。
何だかんだ味わっているのか、二人が風紀のやり取りをしている間は無言で口を動かしていたが。
「まぁ、俺が一級監視対象に格上げされて、凛霞が俺の監視役、って事でいいんだな?」
と、諸々を端的に纏めたらつまりそういう事だろう、と確認するように二人を見遣り。
アーヴァリティ > 「あ、私にも一つ頂戴!」
凛霞が切人に差し入れたドーナツの箱に素早く手を突っ込み適当なドーナツを取り出し、口に押し込む。
うむ、中々に美味しいドーナツだ。箱に店名が書いてあるしその内いってみようか。
「ひょうだね...風紀のおひごとは大変だね...んぐ。"僕"も頑張らないと!」
凛霞の表情が僅かとはいえ変化したことを見逃すわけがない。
自分の正体が完全に露見したとしても、彼女が突然攻撃を行うようなことはないだろうが、変化を見逃すほどおめでたい脳みそが詰まった頭部を持ってはいない。
ドーナツを飲み込めば、「私も頑張る」と言わんばかりに宣言する。
「大丈夫大丈夫!迷惑をかけるつもりはないから!」
この場では。彼女は自分の正体が気になっているだろうし、なんならバレていてもおかしくはないだろう。
それでも敵意はない、と伝えて。
「あ、そうそう。切人君の監視ってことはほら、あいつとか来るかもしれないから気をつけてね?」
目を細め、口元を三日月のように歪め。
警告、とは少し違うだろうが、『僕が目をつけるかもね』と暗に伝えて。
「何も間違ってないでしょ?ほらあの日あの日!」
先ほの様子とはうって変わり、妙に馴れ馴れしい女へと戻り、重傷をおった切人の上半身に抱きつくであろう。
伊都波 凛霞 >
深く溜息をつく様子に小さく肩を竦めながら、根が悪い子ではない確信を深めてゆく
これだったらちょっとくらいは報告書に良い書き方のおまけをつkじぇても文句はでなさそう、なんて
「ん…?…あっ……あはは、あんまり気にしないで。前、留まんないんだ制服」
苦笑しつつ頬を掻いて誤魔化す、見なかったことにしてね、なんて笑っている
制服のサイズが合ってないのはたいへん自業自得なので、誤魔化すしかない
「そういうこと、正式な通達は後々風紀委員本庁から届くと思う。あんまり気を落とさないようにね?」
カラダにも障るよ、と元気づけるように微笑んだ
──一方で、遠慮することなくドーナツを頬張る少女
敵意のなさは、伝わってくる。あくまでもこの場では…だけれど
その正体をいくらか推察はできるものの、この場での追求に如何程の意味があるかといえば…微妙だろう
聡明な凛霞は言葉を飲み込み、いつもどおりの柔和な表情をつくる
「あはは、仲良しさんかな?
やっぱり私、お邪魔しちゃったかな」
抱き着く二人を見て、そう感想を述べる
無論本心に非ず、かといってこの二人の関係性を今の自分が知ったかぶりをするには、やや遠い──
ご案内:「病院個室」から伊都波 凛霞さんが去りました。<補足:焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳、制服姿、読書の時だけメガネ>
ご案内:「病院個室」に伊都波 凛霞さんが現れました。<補足:焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳、制服姿、読書の時だけメガネ>
追影切人 > 「――俺は気にしなくても、そこらの野郎とか一部女は気にすんじゃねーのか?
まぁ、そんだけスタイルが良いってこったろーし、サイズでかいと制服とかも特注なりそうだしな。」
気さくだがさりげない動作を見ていると、しっかり者のようで変な所で無防備さを感じてしょうがない。
やれやれ、また変な監視役が就いたもんだな…と、思うが無意識に苦笑を浮かべて。
あと、割とズバズバ言ってる気がするが、この馬鹿は特に悪気はない。
「――なったもんはしょうがねぇから、今更どうこうは言わねーよ。
…あと、テメェ結局ドーナツ食いやがったな…。」
食い物の恨みは恐ろしい、とこの場で思い知らせてやろうかこの女。
と、隻眼をめっちゃジト目にして佐田を見るがどうせ大して気にしてないだろうなコイツは、と思う。
しかし、なまじやりあった張本人が隣に居るので、このびみょーな空気感はどうにかしたい。
「――って、いてぇなオイ!!麻酔切れてんだからやめろっての!!」
上半身抱きつかれたが、左脇腹の傷口に響いて思わず顔を顰めつつ、右手で離れろ、とグイグイ押し返そうと。
「あと、そっちも誤解してんじゃねーよ!こういうノリは苦手なんだっての!!」
と、監視役な彼女にも隻眼を向けてそう念を押しておこう。
この怪異、次は絶対に切り刻んでやろうと思いつつ。
アーヴァリティ > 「そうだよ私たちは仲良しだよっ!」
抱きつき、それを押し返されれば、さらにそれに抵抗しながら仲の良さを凛霞に見せ付けるような。
さて、切人が無事なことはわかったし、あと彼のこの後ついでに聞けたことだし、そろそろ退散することにしようか。
「じゃあ私はそろそろ帰るね!ドーナツありがとうね!」
勝手に食っただけだが。
切人から離れる時についでにと言わんばかりにもう一つドーナツをいただけば、二人に笑顔を向けて病室の入り口へと足を進めて。
「凛霞ちゃんもまた会う時があったら会おうね!じゃあね!」
ー戦るときがあれば戦り合おうー
口元を小さく歪めてそう告げる。
切人の、ドーナツやら抱きつきやら仲がいい発言やらで恨みのこもったような視線と、凛霞の警戒のこもった視線を受けながら、その場を後にする。
病室を出て少し歩けば、スラムへとテレポートして姿を消した。
ご案内:「病院個室」からアーヴァリティさんが去りました。<補足:風紀の腕章をつけ風紀の制服を着た黒髪の少女。>
伊都波 凛霞 >
「そうかなー。常世の島だとみんな自分のことで一生懸命だから、他人の制服とか見てるヒマないかなーって」
なんかもっともらしいことを言っているようで完全な話題逸しである
「あー、ドーナツいっぱいあるから…」
どうどう、なんだか少年らしい一面を見せる追影くんに苦笑しつつも、フォローを残して
「わかってるわかってる。──普通の関係じゃ、ないみたいだけどね」
平和そうな笑みを表情に讃えたまま、意味深にそう言葉を向ける
二人ともが、それをどうとるのかはわからないが、
少なくとも凛霞という風紀委員の視点から、彼らが普通の健常な学生同士の関係でない、と判断されていることはわかるだろうか──
……
…
「──彼女のこと、よく知ってるの?」
佐田と名乗る少女が病室を出ていって一息、そう訪ねてみる
追影切人 > 「――いや、アンタのスタイルはむしろ他人を惹き付ける類だろーよ…。つーか、せめてそのボタンは閉めたほうがよくねーか?」
真顔で右手を左右に振ってバッサリ突っ込み。話題逸らしだと理解はしてるのか、それ以上何か言うつもりは無いが。
「仲良し扱いすんじゃねぇ!!あと、テメェどさくさ紛れにもう一個持っていくんじゃねーよ!!」
と、凛霞にフォローされながらも、ちゃっかり去り際にもう1個ドーナツをくすねていく佐田に恨み節。
ただ、微笑を浮かべながらの彼女の言葉に、改めてドーナツを頬張りながらちらり、と一瞥を返しつつ。
「――そうだな。ウザいくらいよく知ってるぜ。…ま、アンタも漠然とは気付いてんじゃねーの?」
ドーナツを頬張りつつ、佐田―否、アーヴァが出て行った扉を眺めて。
具体的には気付いていないとしても、引っ掛かるものは感じているような気がする。
何処までぶっちゃけるべきかは少し迷いはしたが…まぁ、このくらいが妥当だろうか?
どのみち、一級監視対象に格上げされた以上、下手な事もおいそれと言えないのでややぼかすしかない。
伊都波 凛霞 >
「む、そこまで言うなら…」
止まるかなー、と一旦後ろを向いて、振り返る
一応ボタンが止まっています、なんかすごく引っ張られて今にも弾け飛びそうで余計になんか視覚的に悪いような…
とはいえ真面目な話もしなければならない、こほんと一つ咳払いをして
「ん、あくまで推測の域を出ないからこの場では問い詰めなかったんだけど…敵意も殺意も感じなかったし、ね。
佐田さん、風紀委員のその子はどうも亡くなっているみたいだったから、名前を偽ってたのは確実だし」
となれば、わざわざお見舞いに来るような相手とは誰だろう、と推察することになり…
「切人クンがもし彼女のことについて風紀委員以上の情報を持ってるなら、今とは言わないけど身体が治ったら、話してもらってもいいかな?
…どうも彼女も、君の口を封じるために来たとかじゃなかったみたいだし…」
もしそうだったらどうしようかと思っていたところである
追影切人 > 「…つーか、もうちっとサイズが大きめの特注でも何でもした方がいいんじゃねーかなぁ、それ。」
何か今にも弾け飛びそうなそれをガン見するけど、嫌らしい視線ではなく物理的にヤバくねーかそれ、という感じで見ており。
異性に興味や関心がない、なんて事はないのだが生憎とまだまだ未熟者。
3年掛けて、漸く獣から人になりつつあるのにそこまでまだあれこれ意識はしないのだ。
ともあれ、こほん、と咳払いをする彼女に合わせてこちらも頬張っていたドーナツをごくん、と咀嚼して飲み込む。
「――あーーそうだな。取り敢えずあれは精巧な偽装…擬態っつーのが正しい。
俺は感覚的にそういうのは見抜けるから通用しねーけど、普通はまぁ騙されるか、もしくは言動や仕草から元の本人と違うっていう違和感を感じ取るか、だろうさ。」
凛霞の場合も言動か態度か…いや、さっきスマホで何か確認していたので情報照会もしていたのだろう。
ハッキリとした正体はこの時点では告げはしないが、擬態というある種の核心を述べておき。
「――ま、しゃーねぇか。あっちもそのくらい想定してわざわざこっち顔を出したんだろーしな。
いいぜ、怪我が治って退院したら風紀の本部にでも何でも出向いて説明してやるよ。」
と、肩を竦めてあっさりと了承。ライバルに近いものだが、仲良しこよしではないのだ。
だから、正体を話せ、というなら然るべき場所で知る限りを話してやろう。
伊都波 凛霞 >
「…それは恥ずかしいので却下」
凄く小声でそう返しました
どうやら制服のサイズを逆に鯖読んだ結果こうなっているようだ
実際のサイズを伝えることと、前が留まらないこと、どっちが恥ずかしいかを天秤にかけると微妙なところな気もするが──
と、こんなことを素直に返答してしまうのもなんだか、毒気のない少年の言葉のせいだろうか
「なりすましじゃなくて擬態、かぁ…」
怪異にはそれなりに慣れている
そういった姿をとって紛れ込む者もいるだろう、けれど
「ん!助かるよ」
快い返事に、にこっと笑顔を浮かべる
真面目そうな印象を与える割にどこか隙があったり、愛嬌や人懐っこさを感じる笑み
「さて、それじゃ要件も伝えたし、怪我に触るといけないからそろそろお暇するね」
また来るかも、と小さくその手をひらりひらり、振って、長いポニテを揺らして踵を返す──
最後の最後にちょっとしたお節介
患者の痛み止めが切れていることをナースステーションに一応言ってから、帰るだろう
追影切人 > 「……恥ずかしいのか。よくわかんねーな。」
女ってのはそういうもんなのか?と、本気で首を傾げるが…まぁ、そういうもんか、とアバウト納得。
女心というか乙女の複雑なあれこれがさっぱり分かってないせいでもある。
まぁ、言い換えるなら変な嫌らしさとか含みが一切無いので、言葉に裏表が無いというのはあるが。
「まぁ、擬態っつっても、幾つかあるみてーだけどな……へいへい、どういたしまして。」
3つめのドーナツに手を伸ばしつつ。何だかんだドーナツは気に入ったらしい。
よくよく考えたら、ドーナツを食べるのは人生初だったりする。悪くねぇなこれ、ともぐもぐ。
「―――おぅ。」
ん?今の笑顔は何かいいな、とよく分からんが漠然と思う。
それが具体的にどう良いのか、というのは残念ながら馬鹿には説明が難しいのだが。
まぁ、先ほどからこの監視役の笑顔は何度か見ているが、今の笑顔が一番良かった気がする。
「おぅ、お疲れさん――次も来るならまたドーナツ頼むわ」
と、ちゃっかり注文しながら、右手をヒラヒラと振って凛霞を見送ろうか。
「――なーんか、調子が狂うよなぁ」
と、二人がそれぞれ出て行った後に呟くが…意外と悪い気がしないのが謎だった。
ご案内:「病院個室」から伊都波 凛霞さんが去りました。<補足:焦茶の長いポニーテールに焦茶の瞳、制服姿、読書の時だけメガネ>