2020/06/09 のログ
ご案内:「スラム2」にアーヴァリティさんが現れました。<補足:名簿どおりの姿で見えてない部分は先程までと同じく二級学生のもの。後入りはご遠慮下さい>
ご案内:「スラム2」に神代理央さんが現れました。<補足:軍服に似た黒い詰め襟の制服に風紀委員の腕章。腰には45口径の拳銃>
アーヴァリティ > 「風紀の嗜みっていうのは随分とレベルが高いんだね!見直したよ!」

今までこのライフルの直撃を受けて飛ばなかった部位は…そんなにない。
超現実的などというふざけた名を与えただけあってその威力は常識で測れるものではない。
しかし、流石にダメージは大きかったようで彼の右腕はしばらく動かすことはできないように見える。
もとより、彼を殺す気はない。
強者と出逢うということは、敗走してリベンジするものか、勝利してリベンジされるものだ。
こんな美味しい敵ー強者ーをここで殺すのはもったいない。
だからこそ肩口に照準を定めたのだがー
これなら頭にぶち込んでも死ぬことはないであろう。
タイミングを見計らい、ぶち込んでやってもいいだろう。
持ち上げた瓦礫はレーザーで粉砕され、粉塵を撒き散らした。

「状況判断能力を褒めてくれるなら僕がどうするかぐらい考えてみてよ!
僕が逃げると思うかい?!」

高破壊力の銃弾をブチ込んだ母機が即座に修復されていく様をみては、その回復力がどこから来ているか推測するのはそこまで難しくない。
彼は優秀だが、その態度ゆえ、舐めているわけでもない相手に対して舐めている相手に対する態度をとっている。
つまり彼の発言から彼の異能は何で回復しているか容易に判断できるわけでー
心許ない魔力の半分近くを消費して、レーザーを打ち込む球体や母機を激しく揺らし、その風は彼すらも踏ん張らなければ吹き飛ばすものである。
そして、銃の形態をマシンガンへと変化させれば瓦礫の山へと大量の銃弾を叩き込み、粉砕された鉄塊は風に乗りあたりを散り、風舞う中にある球体や母機へとわずかとは言え確かなダメージを与えていく。
先ほどから異能の反動か様子がすぐれない彼には堪えるであろうが、自分にとってもダメージは大きい。
鉄塊の山を9割方吹き飛ばせば、最低限の魔力を残し、とどめの為に銃の形態を変化させる。

神代理央 > 「見直すついでに、風紀委員の世話にならない様にひっそりと生きていて欲しいものなのだがな。戦闘欲を満たしたいのであれば、幾らでも方法はあるだろうに」

動かぬ右手を庇う事も無く、粉塵に汚れた姿の儘小さく肩を竦める。尤も、その仕草が可能だったのは左腕だけであったのだが。
その間にも、レーザーの雨垂れと砲撃の嵐は休む事無く少女を追いかける。尤も、それらの砲撃は少女が展開したシールドに阻まれている為、ダメージが入っている様には見えないのだが。

「…成程、確かに貴様の言う通りだな。貴様が、早々私に背を向けて逃げ出すとも思えぬ。であれば、精々抵抗してみることだ――っ!?」

傲慢を滲ませた言葉は少女の放った一手によって遮られる事になる。
突如発生した突風は空中、地上問わず異形達の姿勢を崩し、砲撃の精度は目に見えて落ちていく。そもそも、彼等の指揮官たる己が体勢を維持する事に精一杯であれば、異形達の行動は攻撃では無く召喚主の守護という最も重要な役割へとシフトしていくのだろう。
僅かに展開していた地上の異形は、瓦礫や鉄塊がその身にぶつかり、身体がひしゃげようとも主を守る様に周囲を固める。
空中に浮かぶ真円の球体は、子機の殆どが少年の防御に当たる一方で、母機が放つレーザーは攻撃では無くけん制と目くらましの用途へと切り替わるだろう。

そんな旋風の過ぎ去った後。残ったのは少年の周囲で動きを止めた異形の成れの果てと、軋み、歪み、金属の破片を零しながらも未だ宙に鎮座する球体の母機。
そして、荒く息を吐き出しながら腰から引き抜いた拳銃を慣れぬ左腕で構える少年の姿だっただろう。

アーヴァリティ > 「そこらへんのよくわからない奴らで満足しろなんて退屈で死んじゃうよ。それに、君たち全員それだけ硬いならむしろ戦いたくなるに決まってるじゃないか!」

竜巻が彼を包み込み、彼の異能による攻撃がこちらへの攻撃ではなくこちらの行動の制限へと動きを変える中、実に楽しそうな笑顔で竜巻を眺めながらライフルを構える。
しかし、塵や細切れになった鉄を多く含んだ竜巻と彼の異能による妨害は視界を塞ぐのには十分すぎた。
大体どこらへんにいるかどうかは移動していなければわかるがそれで適当に撃って変なところに当てたくはない。
邪魔な鉄塊共を一掃できたと判断するまで数十秒程経過しただろうか。
竜巻を解除すれば、かの真円の異形と明らかに弱々しい姿を晒す彼の姿。
銃を斜め下に構えて球体に警戒しつつ、レーザーへのシールドを解除して汎用型シールドに切り替えれば彼の方へと歩みを進め。

「ついさっきまで威勢よくしていた割には随分と情けない姿になったね。どうする?せいぜい抵抗してみる?」

彼の竜巻に巻き込まれる寸前の言葉を真似しながら歪に、愉快そうに笑う。
銃を構えている手を片方離し、懐からナイフを取り出して彼の5m程手前で足を止める。
勝利は目前だ、そう確信しつつも辺りの異形の成れの果てを警戒する。
宙に浮かぶ真円の再生に利用されることも考えられるしもし異形の生き残りがいれば袋叩きに会う可能性だってあるだろう。
しかし、それでもその場から動かずに彼の返事を待っており。

神代理央 > 「特段硬い事が取り柄な訳では無いのだがね。前衛を務めるものならば、貴様の攻撃なぞ一撃も当たらぬ様な者もいるだろうよ。彼等の能力も貴様の暇潰しの為にある訳では無いのだがね」

フン、と相も変わらず尊大な口調と高慢な態度を取っていても、傍から見て此方が満身創痍である事は否定出来ない事実。先ず何より、真円の異形を含めた大量の異形の同時展開は、酷い頭痛となって己に襲い掛かる。
それに耐えたところで、此方の攻撃が彼女に決定打を与えるに至らない以上、長期戦になれば不利になるのは此方の方だろう。
出来れば、前衛の援護が欲しいところだが、ないものねだりをしたところで何も始まらない。それに、他者に救いを請う事等、己の矜持が許さない。

「………闘争の果ての敗北は致し方ない。全力を出し切っても、成し得ぬ事は多々あるものだ。太陽に届かぬ蝋の翼を羽ばたかせるのは、愚者のする事だからな」

抵抗するのか、と問い掛ける少女に対して返す言葉は、先程迄とは打って変わった静かなもの。
淡々と、まるで独り言の様に言葉を発しつつ、構えていた拳銃をゆっくりと下ろす。
そして、下ろした掌から拳銃が零れ落ちて――

「それでも。降伏などするものかよ。俺は、諦めが悪い性質でな」

不敵に、獰猛に。しかし、堪え切れぬ痛みを隠しきれぬ儘。
少女に向けて身を浮かべると同時に、砲煙で濁る空が文字通り"割れる"
其処に現れたのは、破損した真円の異形と同型の異形。それが一つ、二つ、三つ。宛ら月が地上に堕ちたかの様な輝きと共に、数多の小型の球体を引き連れて、天空から顕現する。

最早、己に異形に指示を出す気力は残っていない。
1体を使役するだけでも未だ頭痛に苦しめられる中で、3体もの真円を呼び出せば、最早意識などあって無きが如し。
とさり、と軽い音と共に己が大地に倒れた音を合図にして、空中の異形達は光輝いた。
轟音すら聞こえてくるかの様な、エネルギーの奔流。薙ぎ払うかの様なレーザーの濁流が、全て少女に襲い掛かる。

アーヴァリティ > 「じゃあいつかその人とも戦ってみたいかな!敗北は大歓迎だよ!」

自分にとって風紀のみに限らず戦える相手は遊び相手に他ならない。
彼がお前では敵わない相手もいると言ったところで、自分にとってそれは子供が冒険の話を聞かされるような物。
ただただ楽しみに感じるだけだ。

「うーん逃げるしかなさそうかなあ」

彼女の発した言葉とは裏腹に、その表情はとても楽しそうだった。
彼の様子からして、これ以上戦うことは不可能に近いと思っていたし、ましてやさらにあの真円を呼び出すなぞ、一体どうして予想できるか。
彼は代償として苦痛の果てに意識を失い、倒れ伏したが、仮に自分が彼の命を狙っていたとしてもその命を取ることは出来ないだろう。
なんなら、離脱用の魔力を残していなければ、死んでいたのはこちらである。
それでも、この状況はとても楽しい。
何と楽しいことか。
やはり彼は私にただ勝たせるようなことはせず、最後まで勝ちにきた。
これだから戦いというものはやめられない。この絶望的な風景を目にできただけでも今日戦った価値はあった。
宙に浮かぶ3つの真円とそれを取り囲む無数の小型球体が放つ無数のレーザーが自身を焼き殺す寸前、「たのしかったよ」とだけ発せばテレポートによりその場を離脱する。

「今日は引き分けと行こうよ!次はちゃんと勝つからまた会おうね!」

先ほどまで自分がいた場所に、無数のレーザーが束ねられ一本の柱となり突き刺さる風景を離れたところから眺め、叫ぶ。
最早魔力は殆ど残っておらず、飛ぶことすら出来ないが、その状況と引き換えに得た時間は、忘れ難いものである。
次こそは勝つ、と宣言した彼女はとても楽しそうな表情を浮かべながら、スラムの闇へと姿を消して行った。

神代理央 > 少女の撤退を異形が追う事は無い。
召喚主たる少年から与えられた命令は『敵の殲滅』であって、敵がいなくなったのなら活動する理由が無い。
結果として、散々にスラムの廃墟を焼き払っただけで、金属の満月は停止するのだろう。

「……見逃された、と言うべきかな。随分と、無様な姿を晒したもの、だ」

途切れ途切れの意識を振り絞って、展開していた異形を全て消滅させる。
そのままよろよろと立ち上がれば、埃と硝煙に塗れ、未だ動かない右腕を眺めて溜息を一つ。
その溜息ですら、未だ続く頭痛に響いて顔を顰める事になる。

「……ああクソ。こんなことなら近接戦闘の魔術をもっと勉強しておくんだった、な。本当に、くそったれ、だ」

と、己らしからぬ罵詈雑言。その矛先は己自身なのだから、何とも救われない話である。
こうして、喜色満面にて立ち去った少女とは対照的に、苦虫を噛み潰した様な表情で少年も此の場から立ち去る事になる。

後に残されたスラムの住民は、最早バラックを立てる事も出来ない程に荒れ果てた戦闘の跡を見て嘆くばかりだったのだとか。

ご案内:「スラム2」からアーヴァリティさんが去りました。<補足:名簿どおりの姿で見えてない部分は先程までと同じく二級学生のもの。>
ご案内:「スラム2」から神代理央さんが去りました。<補足:軍服に似た黒い詰め襟の制服に風紀委員の腕章。腰には45口径の拳銃>