2020/06/14 - 15:28~17:23 のログ
ご案内:「学生通り」にシュルヴェステルさんが現れました。<補足:人間初心者の異邦人。人型。黒いキャップにパーカーのフードを被っている。学生服。後入り歓迎してます。>
シュルヴェステル > 休日の学生通りは、普段の学生通りよりは少しばかし人が少ない……気がする。
商店街や歓楽街と、遊ぶ場所は常世島内でも少なくない。
というのに、学生通りにやってきては難しい顔をしている男がいる。

「……壊れたのか?」

学生通りの自動販売機の前に立ち。
真っ赤な「売り切れ」のランプが見えているのだかいないのだか。
そのボタンを何度も何度もしつこく押している青年がいる。
パーカーのフードを被って、キャップもその下に被っている根暗そうな男。

「…………」

ストトトトト、と何度も手際よくボタンを押す。
何度何度と押したとて、飲み物が出てくることはない。

ご案内:「学生通り」にアリソンさんが現れました。<補足:常世学園女子夏服を纏うサキュバス、オーバーニー、スニーカー>
シュルヴェステル > 自動販売機には、500円玉が投入されたことを示す表示。
そして、どうにもウンともスンともいわない売り切れボタン。
青年は、こめかみを軽くおさえてから呻き声に似た声を漏らす。

「……壊れたのであれば仕方ない、か」

やれやれ、といった調子でくるりと500円の入ったままの自販機に背を向け。

「――ッ!」

そのまま、自動販売機に勢いよく回し蹴りを入れる。
自動販売機は、未だ沈黙を貫いている。

「…………なんだと?」

アリソン > やっと届いた真新しい制服に袖を通して、長い髪の毛はポニテにしたものの長くて鬱陶しい。
休日の学生通りを散策するという学生らしいことを漸く出来るという喜びをしたくてあっちこっちと歩いていたら。

何かに向けて空気を切り裂く音、続けて自販機かごみ箱かに回し蹴りをぶちかました存在を音で捕捉。
音の主は何ですか、乗り物ですか、それとも違う何かですか、と
異能で改めて視……自販機に足を振り上げた男子学生????
え、なんですかそれ、と気になって近づく黒髪の女子生徒。

「……あの、どうかなさったのですか?器物損壊は如何なものかと…」

申し訳なさそうに伺う様な姿勢で男子学生へと声をかけて様子を。

シュルヴェステル > 「?」

掛けられた声にぴくりと指先を僅かに動かして反応する。
半身だけ引いてから、どうやら学生らしい女子生徒をちらりと見る。
そして、咎められたのが自分であることを悟れば。

「……ああいや、叩き直してやろうと」

根性を。自動販売機はそういう根性論で動いているものではないのだが。
目の前の青年は何やら、自動販売機のやる気が問題だと思っているらしい。

「既に損壊しているものだ。問題はなかろう。
 ……それに、見るに壊れているらしい。こういう時はどうすればいい?
 叩いてもびくともしない」

申し訳無さそうな少女に、いやにふてぶてしい青年が問いかける。

学園都市の自動販売機は強い。
異能、超常がありふれたここでは、蹴り程度で自動販売機はどうにもならない。
いまも、堂々と自動販売機は鎮座している。

アリソン > 一寸短い制服スカートをひらひらとさせながら、男子学生へと近づく女子生徒。
咎めるというか理由もなしにこの学生通りで物事を仕出かすと
公安やら風紀委員やらその他諸々がわんさか来るという非常に面倒な事案となりかけてしまう。

「叩き直せるほどそんな強固な作りは…寧ろ警報装置が鳴りあらぬ罪に重ねられる恐れが御座います」

(自動販売機の内部構造…を異能で視てみた。異常がない。どこに異常があると???
 損壊?は表面に一発あるかないかのへこみ具合がある位、ではこれが今目の前にいらっしゃる男子生徒の攻撃ですか。)
暫く眺めていたが 男子生徒へと体の向きと姿勢を正して見上げて

「恐れ多くも、損壊個所は見受けられません。
 叩いてもびくともしないのであられましたら
 …自販機の表面に貼られております自販機設置の会社の電話番号に連絡して頂くか、
 今一度コイン返却をして違う飲み物をご購入して頂く方がよろしいかと思われますが、
 わたくしで貴方様のお立場でいるとするのならば既に自販機にコインを入れていた場合ですが、
 返却ボタンをして戻すことを致しまする」

助言と解決策を一通り男子生徒へと伝え 「ご清聴感謝致します」、と軽く丁寧なお辞儀をしましょう。

シュルヴェステル > スカートの裾が目に入れば少しばかり眉根を寄せる。
自動販売機にまたすぐ視線を戻してから、「ふん」と短く鼻を鳴らす。

「見受けられない?」

訝しげな声色でそう言ってから、顎に手を当てて考え込む仕草。
自動販売機からしたらかすり傷にすらなっていないへこみを見て、唸る。

「ぱっと見てわかるものか?
 ……貴君はこの機械に詳しいのか。
 なれば、どこをどう見れば判断できるのかご教授頂きたいが――」

再び、売り切れのランプの灯っている自動販売機のボタンを押す。
ストトトト。何度押してもうんともスンとも言いやしない。

「損壊箇所が見当たらないなら、出ないのはなぜだ?
 金銭を投入し、そのままボタンを押せば出てくると教わったが。
 ……返却ボタンを押してもいいが、壊れていないのに出ないのか?」

アリソン > こちらの自販機、と手のひらを自販機の表面へとそっと触れつつ
アリソンは自販機に手を当てたまま男子生徒へと視線をそらさない。

「内部構造上、異常故障および不具合に至るまで御座いません」

異能での目撃観察ですが、とは言わないが、異能ではどう見ても異常はない。ないのだが…。
自販機のボタンを触っては眺めを暫し…あ。

「少し特殊なものが御座いまして。
 機械というより…………売り切れてません?その押されているボタンもしや。
 妙な音も聞こえますし、恐らく表示が売り切れでは?
 自販機内部にもその商品は補充されない限り押しても出ません。
 欲しいお気持ちは残念に思いますが、他の商品をご購入されては如何でしょう?」

男子生徒が押しているボタンの表示は分らないが、そんなに押しても出ないのは=売り切れ!
他の在庫ありの表示ランプを押せば解決はすぐそこに。

シュルヴェステル > 不審そうな視線をずっと向けたまま。
「壊れていない」と何度言われたとて、目の前の少女がすこし見ただけで、
中身が壊れていないと判断して断言できる理由がわからない。

「……そうか」

特殊なもの、と言われたら多少の納得はできる。
この島の学生だ。異能、もしくは魔術に準じる《なにか》だろう。
だから、そのどちらもに心当たりのない自分にはわからないが相手はわかる。
つまるところ、相手には目があるが自分にはそれがないだけ。
自動販売機を前に、難しそうな表情を浮かべたまま立ち尽くす。

「売り切れ? 中身はいつも入っているのではないのか?
 ……押せばいつでも出てくると教わったのだが……そういうのも、あるのか」

異邦人の青年には、難しいことはわからなかったが。
いま、自分が選んでいるものが手に入らないという部分だけはわかった。
故に、軽く頭を下げてから「感謝する」と告げる。

「……教示の礼だ。好きなものを」

自動販売機を示す。自分は既に怪しげな表示のドリンクを片手に持っている。

アリソン > 此方なり自販機に向けられる視線には気づかない素振りを。
特段不審に見られたとして真実が見えている限りは揺らぐ事がない。
そっと自販機に添えていた手を下ろせば要約視線を落として。

「いえ。」

敢えて見える風に装う位は慣れたもの、
目ではない眼で物事を見通し見抜く、応用も少しあるけど
視覚がない分他が鋭いだけ、解決するか否かは彼が決める事でしょう。

「この季節は冷たいものが早くも売り切れ、
 補充が追い付かない事が屡々起こりえます。
 この手の自販機は通常 売り切れれば補充される筈なのですが、
 まだのようですね…如何せん補充は人の手が大半であるが故」

元々異世界からやってきた異邦人だがもうそう名乗っていない。
人に早く溶け込めるように相当努力したが何かと難しい事はある。
感謝を、と耳にすれば 「どういたしまして」、と返す。

「…そうですね、此方を頂きます」

自販機のある部分を示しーそれは ぷるるんバナナナタデココとかいう謎のドリンクだった。
礼の対価にそれを押し 頂く。…冷たい…。

シュルヴェステル > 彼女のその装いは見事に成功している。
彼女がどうやって何を見ているかなど、青年にはわかっていない。
せいぜい、「普通の《地球》の異能者で、透視かなにか」をしているくらいの認識だ。

「こんなにも発展しているのに、人の手が入用か。
 すべからく自律駆動しているものかと勘違いしていた。
 人間は教わらなくとも、自然にそういうものを学ぶものなのか?」

ふと疑問を口に出し。
見えていないとも知らず、学園でちらほら散見される謎ドリンクが落ちてくる。
そして、慣れた様子で味わっているのを横目で見ながら。

「学年を問うても」

見えていないはずの少女よりも、よっぽど見えていない青年がそう、問う。

アリソン > 何を男子生徒は見ているのかは分からない。
向けられている視線の種類が分からないだけでそれが敵意でない限り気にしないのがアリソンのルール。

「社会は回っているのです、全てを無人 全てを機械に委ねると
 人は術からず怠けるイキモノに逆戻りです。完全自立駆動して
 いるのは時々見られる高難度駆動精密機器、いわゆるパトロール人型端末では。
 学ぶのは恥を忍んで学ぶと宜しいのでは。」

何を買ったかはちょっとわかっていない、表面の凹凸か刻まれている。
僅かに顔色が微妙になったが―飲んで益々複雑に。美味しいけれど…。

「2学年 アリソン、と申します。」

なんだかんだあっという間に飲み終えると、
一言名乗りを口にして深々とお辞儀を一回。

シュルヴェステル > 「……全てを無人、全てを機械に委ねると。
 人はすべからく怠ける生き物に逆戻り。……なるほど」

彼女の口にした言葉を復唱する。
つまり。彼女の中では、彼女曰く。
怠ける生き物は、それは人以下であるとも取れる。
青年は、彼女の言葉を「そう」認識したし、青年も同意見だ。

「ああ、そうだな。私もそう思う。
 ……どれだけ無為でも、非効率的でも、人の手を使うことは」

「大事である、と、私も考えている」

真剣そうな声色でそう呟いてから、自分の飲み干した空き缶をゴミ箱に放る。
彼女の表情を伺ったものの、どう声を掛けたものかと悩んで敢えて触れず。
そして、名を答えられれば少しだけ目を細めて。

「先達に謝辞を。1年、シュルヴェステルという。
 もし、またなにかあらば――教示頂けると、幸いである」

見えていないことも知らぬまま、視野の狭い青年は頭を下げ、踵を返す。
おつりは、まだ自動販売機に入ったままだった。

ご案内:「学生通り」からシュルヴェステルさんが去りました。<補足:人間初心者の異邦人。人型。黒いキャップにパーカーのフードを被っている。学生服。後入り歓迎してます。>
アリソン > 男子生徒を見送った後 ふと自販機のつり銭が残っている事に気づく。
そのまま置いていくのは誰かに使われるのもあの後輩に悪いと思う。
であるのならば また違う機会に逢える事を思いつつ、身を屈めて
自販機のつり銭出し口に手を突っ込み、数枚のコインを手に。

「1年のシュルヴェステル 様。記憶の中に刻みましょう。
 釣銭置いて行かれてますが 後程届けるようにしなければ…。」

程無くして見えぬ異能持ちの女子生徒も学園通りを後にしていく。

後日 後輩には人づてを経て釣銭を律義に届けたのは―。

ご案内:「学生通り」からアリソンさんが去りました。<補足:常世学園女子夏服を纏うサキュバス、オーバーニー、スニーカー>