2020/06/28 のログ
ご案内:「スラム」にル・ルゥさんが現れました。<補足:白いワンピースを着た紫髪の少女、に見える>
ル・ルゥ > その日の『食事』を終えたル・ルゥは、久方ぶりにスラムの表路地へと顔を出した。
手には赤黒く染まったクシャクシャの紙を持っており、辛うじて読めるのは『風紀委...反部...運......申請...』という文字。
哀れな犠牲者が持っていたもので、ル・ルゥには何のことだかさっぱりであったが───
この用紙を見かけるようになってから、落第街とスラムの空気が少しだけ変わったように感じる。
「なにかが始まろうとしているのかしら。
食いっぱぐれるような事にならないなら、なんでもいいけれど」
汚れた紙は食べられない。
その辺の道端に放り投げて、何か面白いものがないか探し回ることにした。
ご案内:「スラム」にアーヴァリティさんが現れました。<補足:名簿通り>
アーヴァリティ > 「うーん...なんかへんな空気だよねえ」
雑に剥がされてボロボロになった張り紙の隣をすれ違いながら一言。
どうにも昨日から雰囲気が違う。
どことなく落ち着きがないというか、なんだろう。
ただ、流れが変わったように思える。
「やっぱりこれのせいなのかなあ...何なんだろ」
異空間より取り出したのは昨日拾ったチラシ。
捨てられていたため少し汚れているが、風紀のとある部隊へとの参加申請のような。
うーん、と首を傾げつつ道なりに進めば、曲がった先でル・ルゥのいる通りへと出るだろうか。
ル・ルゥ > 「……あら?」
曲がり角に差し掛かった辺りで、角を曲がってきたあなたと鉢合わせるような形になった。
あなたの対面に立つのは、肩まである紫色の髪で目元が隠れた白いワンピース姿の少女。
背丈はほぼ同じくらいだが……互いに年相応とは言えない雰囲気を感じ取るだろうか。
「危ない危ない、ぶつかるところだったわ」
くすくす、と笑いながらあなたに道を譲ろうとする。
アーヴァリティ > 「ああ、ごめんごめん。このチラシって何かなって夢中でね」
道を譲るのは今の自分と同じぐらいの身長の少女だけど...まあこんなところ歩いてる少女なんて怪しいんだけど...それでこんなにあっさりとしてるってことは、やっぱり人外かなあ、なんて思いつつ、その手に持ったチラシを少女に見せて。
一応危ない時のために対策だけは考えておかないとね、と魔力だけはいつでも使えるようにしておこう。
ル・ルゥ > 白銀色の少女が手に持っていたのは、先ほど放り捨てたものと同じ紙。
やはり広まっているんだな、と思いつつ。その出所に少し興味が湧いてきた。
「それなら、わたしもさっき見かけたわ。なんなんでしょうね?
大人のひとにも訊いてみたけれど、よく分からなかったの」
"釣り上げ"ついでに訊ねてみたが、この島を牛耳る組織が関わっていることしか判らなかった。
自分はなるべく彼らと関わらないようにしているので、そういった情報は耳に入りにくい。
表通りで目立たないよう、スカートの下で蠢くものたちは大人しくしている。
「きっと、わたしたちには関係のないことだわ。
そんなことより、向こうでわたしといっしょに遊ばない?」
───そう、表通りでは。
空腹を満たした後は"娯楽"が欲しくなるものだ。
アーヴァリティ > 「風紀が舞台増強しようとしてるのか、それか新しい部隊作ろうとしてるのかは知らないけど
まあ、ろくなことじゃなさそうだけどね」
これで集まる連中なんてどうせ烏合の衆になるだろうけど、と心の中で付け足して...
まあそのうち風紀の誰かに聞けば良いかな、なんて後回し。
情勢が不安定なら戦う機会も増えるだろうからね。
「ん?良いよ良いよ遊ぼ!」
ああやっぱり、何をして遊ぶのかは知らないけど、僕と同類かな。
興味あるし、行ってみようかな。
なんて、ル・ルゥのいく方へとホイホイついて行くだろう。
ル・ルゥ > 「わたし、この場所を出たことがないの。だからフウキっていうのもよく知らなくて」
興味が無いとも言える。
分かっているのは、下手に"食事"をしすぎると目を付けられて厄介ということくらい。
まぁ、その時の相手は既に腹の中なのだが。
「ええ、とっても愉しいコト。こっちよ、ついてきて」
快諾したあなたを先導して細い路地へと入っていく。
体躯の小さな二人がなんとか通れるような狭さで、踵を返すのにも苦労するだろう。
そんな路地をル・ルゥは足取り軽く歩いていく。
後戻りのできない、スラムの奥の奥深くまで進んでいく。
アーヴァリティ > 「この島の治安を守ってる...うーんなんだろ。
強い人たちみたいな感じかなあ」
そして僕の遊び相手。
まあ、言わないけどね。
せっかく僕と遊んでくれる相手なのに嫌われたくないよね。
なんて思いながらその後をついて行く怪異。
「それは楽しみだなあ」
なんて、わざとらしく後ろで手を組んで作り笑い。ただし見た目は普通の笑み。
怪しんでなんていませんよ、と言わんばかりの無警戒。
ル・ルゥ > この辺りでいいだろう。おもむろに足を止めた。
左右を高い壁に囲まれ、頭上には電気の通っていない電線が張り巡らされている。
万が一の下水道(だっしゅつけいろ)も把握済み。
表通りからはだいぶ離れており、叫んだところで届く声はないだろう。
「それじゃあ───遊びましょう?」
ゆっくりと振り返った少女の前髪の下で、人のそれとは異なる瞳が妖しく光った。
『幻惑』の魔術。この光を見た者は軽度の認識障害を受け、これから見るものを脅威と判断できなくなる。
……もっとも、受けたのがただの人間であればの話だが。
アーヴァリティ > 「良いね!遊ぼうよ!」
魔術の類かななんて、認識がわずかに揺らぐ。視界が揺らぐわけじゃないけど脳が少し揺れるような感じがする。
まあ、それだけ。
とりあえず、この少女が僕と同類、怪異か何かは知らないけどー
楽しみ
「眩しいなあ...なあに?今の」
なんて、白々しく言い放とうか。
ル・ルゥ > 「あら? あまり効果がなかったかしら」
紅い瞳のまま小首を傾げる。
しっかり効いていれば意識がぼんやりするものなのだが。
まぁいいか。多少の抵抗は力尽くで捩じ伏せればいいだけだ。
「今のはね、おまじない。わたしが愉しく"遊ぶ"ためのね」
クスクスと嗤いながらワンピースのスカートを持ち上げる。
布の下から覗くのは白く細い足……ではなく、脈動する悍ましい肉の塊。
明らかにその空間には収まり切らない量の触手が溢れ出し、地面や壁を這うようにしてあなたへと殺到する。
まず手足を掴み、腰を巻き取り、持ち上げて逃げられなくしてから再び幻惑の魔術をかけるのが常套手段。
視界を覆い尽くす無数の触手が迫るが───
アーヴァリティ > 「へえ、何したの?」
小首をかしげて笑う少女に、演技ががった笑みを向けて。
「そう、遊びなんだね」
目を細める。
持ち上がったスカートに警戒し、肉塊が視界に入れば口もとを三日月のように歪めて
「やっぱり!!!!僕と同じ怪異だ!!!」
なんて叫日ながら、こちらへと迫る触手を避けるのではなく、右手を引き絞り、跳戟を発動する。
少女の方、何もない空間に向けて、放たれた拳の先から放たれた衝撃波が触手を妨害するだろう。
ル・ルゥ > 「──────!!」
歓喜の声と共に触手が"止められた"。
否、不可視の衝撃波によって押し留められたのだ。
麻痺毒の滴る触腕が少女に触れることはなく、先の言葉から察するに───
「なんだ、お仲間だったのね」
どうりで幻惑の効きが鈍いわけだ。あれは魔族や怪異に容易く通じるものではない。
獲物としては"はずれ"の部類なわけだが、こちらも退屈していたところだ。
もう少しばかり遊びに付き合ってもらっても罰は当たらないだろう。
「面白い防ぎかたをするのね。けれど、いつまで耐えられるかしら?」
再び触手を差し向ける。数は先程の二倍。
予備動作のある防御行動には物量と手数で攻めるに限る。
上下左右から手足を掴もうとする傍ら、壁に突き出ている折れた水道管に一本の細い触手を潜り込ませた。
先端には針が付いていて、身体の機能を低下させる毒を注入できる仕組み。
パイプは少女の背後まで伸びている。奇襲を狙う腹積もりだ。
アーヴァリティ > 「そうだよ!僕は君の仲間だよ!
食べたら美味しいんじゃないかな!?」
今の僕よりもよっぽど怪異な少女。
スカートの中が肉塊だなんて、随分と怪異らしい。
それで知能があるだなんて、面白い相手だ。
「逆に君がいつまで攻めてられるかな!
防衛になってないようにしてね!」
何て言いながら左拳、そして左足で回し蹴り、跳ね返された触手を切断して。
背後から襲いかかる触手は小さなシールドで防ぐ。
その手段は自分が使うものと同じだ。
触手使いなら同じことをするとは思った。
なんて、右拳の根元、ボロ布に隠れた肩のあたりから触手が生え、そこに身体強化や跳戟の魔術をかけて攻撃の準備を進める。
ル・ルゥ > 「あら……それじゃ読めてしまうわよね」
同じ、というのは大カテゴリだけの話ではなかったらしい。
奇襲も防がれ、相手にも触手が生えてきたのを見て立ち回りを変えざるを得なくなる。
こちらの触手はいくら千切られたところで痛くも痒くもない。
薄汚い路地裏に肉片を撒き散らしつつ、切断面から新たな触手を伸ばす二段構え。
とはいえ、これも触手を使う者なら想定内だろう。
「あいにくと、攻撃的な魔術は持ちあわせていないの。
お仲間と遊ぶのははじめてだから」
幻惑、魅了、認識阻害。とにかく"惑わす"ことに特化した魔術適性。
それでも彼女がこれだけの知性を得るまで生き延びてこられたのは、引き際を心得ているからで。
「だからいいのよ、次はあなたの番。
どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみだわ」
既に手は打ってある。ゆえに、ル・ルゥは余裕を崩さない。
アーヴァリティ > 「そう?やっぱりわかっちゃうか!」
少女が読める、といえばまあそれはそうか、と。
だが、別にバレたところで、って感じはするけどね!
あちらが物量で押すならばこちらは少数精鋭。
両腕の付け根から生えた触手、左右合わせて4本。
且つて刃鬼に対して用いた手法。
ただ、即座に使うわけでもない。
「じゃあ!見せてあげるよ!」
なんて、指先に小さな、それでいて高出力の竜巻を生成し、少女と自分の間に撃ち込む。
地面に触れた竜巻がそのエネルギーを解放し、少女の触手を巻き込み乱す。
それすら突き抜けてくるようであれば跳戟で各個撃破してやろう。
そして、その竜巻の裏で触手を縮め、風を纏わせ、ばらついた触手の間と竜巻を抜けて触手が少女の肉塊へと突き刺さらんとー
ル・ルゥ > 二体の間に巻き起こった風の奔流。
地面に散乱していた肉片が壁際まで吹き払われる。
「うふふ、すごいすごい。あなたって色々できるのね。
わたしの肉体(からだ)ばらばらになっちゃった」
伸ばしていた触手たちが竜巻の中で捩じ切られていくのを見据えながら、ル・ルゥは"仕込み"を動かした。
竜巻の向こう側、あなたの足下に落ちた肉片が蠢き、肉の弾丸となって左右の二方向から挟撃を仕掛ける。
ル・ルゥの肉体は"魔核(コア)"から生み出される魔力によって構成された質量自在の細胞群。
本体から離れたところで、粉微塵にでもされない限りコントロールを失うわけではない。
これが策の一つ。
「わたしじゃ、とてもかなわないわ。だから───」
直後、竜巻を抜けたあなたの触手が白いワンピース姿に突き刺さる。
ぞぶり───肉の中に深く沈み込むような感触がして、幼い少女の躰が膨れ上がった。
"魔核"の場所は一定ではない。単なる"疑似餌"である少女はもちろん、それと繋がっていなければならない決まりもない。
辺りに散った肉片の内のどれかに潜み、下見しておいた下水道から地下へと逃れた。
『また今度、遊びましょう?』
いくつかのダミーの肉片に口だけが浮かび上がり、無邪気な声を狭い路地に響かせる。
残された少女だったモノは更に膨張すると、そのまま竜巻ごと飲み込まんとあなたへ覆い被さってきた。
アーヴァリティ > 「僕よりも随分と怪異らしいね!
僕よりも多彩なんじゃないかな!」
左右から襲いかかる細切れの肉弾を、両手を左右に振り下ろして地面に強い風圧とともに叩きつけ防ぐ。
次はもっと短期で決めよう。これは戦うほど、その場を散らかすほど強い。
叩きつけられた触手はまだコントロールは損なわれていないのだろうが、一時的にその動きを止めることはできるだろう。
「あ!逃げるな!くそ!
やっぱり僕より全然怪異してるよ!君は!」
手応えはあるけど、そうじゃない。
沼に刺さってるような...この感じは攻撃にならない。
竜巻はこちらの視界も防ぐ。よく見えない着弾場所。
一先ず触手を引っ込め、少女ではなくなった肉塊と口を持つ肉塊へと触手で順次攻撃するも芳しい反応は得られず。
ダミーしかないと判断すれば諦めて。
「無かったら怒るからね!!!!!!!」
自分を飲み込むにくる肉塊の波、随分とグロテスクな風景をみながら、やけくそ気味に。
両手で竜巻を合わせ、波の中心に打ち込めばその部分に穴を開けて、そこから波の反対側へと出て。
「あー逃げられちゃったなー
また会いたいなあ」
少し悔しげな表情を浮かべて。
戦いの意味でも、触手仲間の意味でもまた出会いたいな、なんて思いながら、肉塊で凄まじい状況を醸しているその場を飛行でさっていった。
ご案内:「スラム」からアーヴァリティさんが去りました。<補足:名簿通り>
ル・ルゥ > 肉塊のほとんどは竜巻によって消し飛んだ。
ぱしゃぱしゃと降り注ぐ肉片たちも、"魔核"が離れたことで塵に還っていく。
暴風の主がその場を去れば、後に残るのは静寂のみ。
そしてまた、どこかにル・ルゥは現れるのだろう。
無邪気な子供の姿で。
『ああ───おなかすいた』
ご案内:「スラム」からル・ルゥさんが去りました。<補足:白いワンピースを着た紫髪の少女、に見える。1時頃まで徘徊中>