2020/06/29 のログ
ご案内:「扶桑百貨店2F カードショップ『遊びゴコロ』」に戸田 燐さんが現れました。<補足:蒼い髪と瞳をした、セーラー服の一年女子。(乱入歓迎)>
戸田 燐 >  
キングオブゲーム。
それは。現代において広く愛されているトレーディングカードゲームである。

私は今日、ここで決戦する者たち(シュートアウターズ)になるのだ。

席を探してうろついている。
結構、幅広い年代に愛されているみたいで。
とにかく人が多く席が空いていない。

戸田 燐 >  
私のデッキはインフィニティ・ゼロデッキ。
手札がゼロ枚になった時に本領を発揮する。
ちょうどキーカードが揃ったので試運転したいのだけど。

ちょうど良い席が空いていた。
そこに座ると、周囲の視線が私に集中する。
え、何。ここ駄目だった?

困ったなぁ。私はただ、決戦(シュートアウト)したいだけなのに。

すると、対面に同い年くらいかな、そんな感じの人が座ってくれた。
ここ、使っていいのよね?

対戦相手 >  
「対戦お願いできますか?」

と言って、次の瞬間。目を見開く。

「決戦(シュートアウト!!)」

と、声を張り上げた。その声は店内に響く。

戸田 燐 >  
「え、いやちょっと声大きくないですか? 騒ぐの良くないですって」

それに決戦(シュートアウト)って叫ぶのは。
キングオブゲームのアニメのお約束なのだ。
アニメは大好きで見てはいるけど……ど、どうなのかしら。

周囲は神妙な顔つきで私達を見ている。
な、何? 何事?

対戦相手 >  
「あー、その……ここ、ロールプレイ席ですよ?」
「アニメみたいな喋り方で決戦(シュートアウト)する席です」

どうしよう。相手はよく知らずに座っていたのかな?
ここで相手がやめると言ったら、それはそれで。

戸田 燐 >  
「ロ、ロールプレイ席………?」

背後を振り向くと。確かにそういう張り紙がある。
役割を、演じる。そういう意味の言葉。
だったら……私もやらなければならないのか。
インフィニティ・ゼロの使い手、鬼律洋介のロールプレイを。

頭の中でぐるぐると情報が錯綜する。
どうしよう。相手を困らせるのはちょっと。でも恥ずかしいし。
ええい、メタリック・ラグナロクでそういうのは慣れてる。
やってやれ。

「ヒャーッハッハッハッハ!! シュートアウトだぁ!!」
「さぁ、早く私を満足させてくれよぉ!!」

そう、こんな感じのヒャッハーさんが鬼律洋介です。
言ってやったり。周囲がどよめいた。ちょっと拍手も混じってる。
とりあえず演劇部の助っ人に入っているので、その成果か。

対戦相手 >  
「お前は………なぜ変わってしまった!!」

ノリノリでレスポンスをして。
コインを親指で弾く。

「表が出る」

真上に弾いたコインは、そのままプレイテーブルに落ちてくる。

戸田 燐 >  
「裏が出るッ! まるで私たちみたいじゃないか、なぁ?」
「表と裏、相反するようで切り離せない……そういうことだァ!!」

コインはプレイテーブルの上を跳ねて。
表が出た。

「チッ、先攻はくれてやる……」

そのままササッとカードをシャッフルして。

「相互シャッフルお願いします」

と素になって相手にデッキを預けた。
しょうがないじゃん。不正防止にお互いのデッキをシャッフルするルールなんだから。

ご案内:「扶桑百貨店2F カードショップ『遊びゴコロ』」に槧樋木 コウキさんが現れました。<補足:赤茶髪の金と青のオッドアイの夏服制服の一年男子。>
槧樋木 コウキ > 百貨店を見に来ていたら、何か大きな声が聞こえて引き寄せられるようにしてその店、2F カードショップ『遊びゴコロ』に辿り着いた。

どうやら、声の発生源はあの女の子ともうひとりの方。
そのおふた方の近くまで寄って何やら紙束――確かデッキとか山札って呼ぶやつをシャッフルしているところで声をかけた。

「すみません!横で見ててもいいですか?!試合中は静かに見てますので!」

興味を持った。気になった。気がついたらそう言ってた。
知らないゲームだけど、惹かれた。

キラキラした目で二人へ問いかけた。

対戦相手 >  
少年がキラキラした目つきで見ている。

「構いませんよー」

と微笑んで頷いた。やっぱり好きなゲームは子供にも興味を持ってもらいたい。
コインを回収するとギリギリと強く握って。

「行こう、俺たちのラスト・シュートアウトだ!!」

と相手の目を見て叫んだ。

「あ、はい」

相手のデッキをシャッフルして返した。
律儀な人だなぁ。

「俺のターン、場にマジック・カードを一枚伏せる!」
「そしてトラッシュ・ウォリアーズを場に召喚するぜ!!」

「トラッシュ・ウォリアーの攻撃力は800!」
「だが……召喚された瞬間、ディフェンス表示でトラッシュ・トークンを一体場に出す!!」
「ターンエンドだ!!」

見得を切るように手を向けて手番を渡した。

槧樋木 コウキ > やった、と両手をぐーにして軽く上半身を揺らした。

余り近くで見過ぎても邪魔になるかも、と一歩引いた。
その位置が程よくカードゲームのフィールド全体を見るにはいい距離だったのは偶然だ。

戸田 燐 >  
オッドアイの少年がこちらを輝く瞳で見ている。
観戦希望、というわけで。
となれば笑顔でこう答える。

「私も構いません、どうぞー」

次の瞬間にはもう、キッと相手を睨んで。

「私のターン、ドロー!!」

手札を確認しながら相手の場を見る。
とにかく数を増やしてライフポイントを守りながら、合体モンスターを出すデッキかも。
だとしたら相手のトラッシュ・ウォリアーを放置すれば。
良くない結果になる。

「私はマジック・カードを二枚、場に伏せる……」
「そしてッ! 場にインフィニティ・ゼロ・ドワーフを召喚!!」

「アタックするぜぇ! 踊れ、死のダンスを!! ヒャハハハハハァ!!」

どうでもいいけど響いているのは私達の声だけだ。
周りはもう完全に私達を見るモード。恥ずかしい。

対戦相手 >  
「くっ! トラッシュ・トークンで受ける!!」

相手さんは鬼律ロールプレイかぁ。
声も響くし、発声練習とかしてるんだろうか。

「次は俺のターンだ、ドロー!!」

手札を見ながら考える。
相手は多分、インフィニティ・ゼロデッキ。
手札を減らしてからが強い。
なら、速攻あるのみ。

「場にモンスターを召喚!! トラッシュ・チューナーを場に出し…」

ぐぐ、と右拳を握る。

「二体のモンスターを合体!!」
「最果てに新たなる輝きが顕現する! 満ちる光よ、この旅路を祝福せよ!」
「いでよ、光輝龍シャイニング・ロード・ドラゴン!!」

口上を言い切って満足気に頷く。

「ターンエンドだ!!」

槧樋木 コウキ > 「おぉ……」

知らずと感嘆の声が漏れた。
この二人には真に迫るなにかがあった。

繰り出されるカード、紡がれる言葉、この二人の戦い――決戦(シュートアウト)は色を持って展開されているようだった。
空調とは違う風が吹き荒れてるようにさえ少年には感じた。

戸田 燐 >  
こ、口上!? 言えるの!? いや私も覚えてはいるけど!!
違うそうじゃない。
相手の場にドラゴンモンスターが一体出てしまった。
攻撃力も3000と非常に高く、特殊効果もモリモリのやつ。

こっちは手札を減らさないと本気が出せないのに、苦しい。
とにかく、その場しのぎを続けていくしかない。

「思い出すじゃないか……こうしていると、あの頃をなぁ!!」

どの頃だろう。初対面なんだけど。
いけない、ロールプレイロールプレイ。

「私のターン、ドロー!」
「インフィニティ・ゼロ・ガーディアンをディフェンス表示で召喚する!」

隣で感嘆の声を上げている少年。
ごめんね。これは普通じゃないの。ごめんね。

「攻めてこいよ、お前らしくなぁ!! ラスト・シュートアウトなんだろ!?」
「最後の最後……ライフがゼロになる瞬間まで、楽しもうぜぇ!!」

両手を広げて言い切った。

対戦相手 >  
「昔は良かったなんて言う気はない……」
「ただ、この瞬間に! 全てを賭けてお前を倒す!!」

右手を水平に振ってアタック宣言。

「俺のターン、ドロー!」
「シャイニング・ロード・ドラゴンでアタックだ!!」

手札は潤沢、でもこっちは場にカードを出しすぎないように気をつけなければ。

戸田 燐 >  
やばい。なんか知らないけど私達は過去に何かあったらしい。
なんか楽しくなってきたな……

「相手のアタック時に場に伏せたマジック・カードをオープン!!」
「亡者の群れだぁ!!」

「このカードは相手の攻撃ダメージをゼロにし」
「その代わり自分の手札を6面ダイスで振った枚数だけランダムで減らす…」

というわけなのです。
ダイスを転がすと、5と出た。
やたー!!

「おおっと、手札が空になっちまったなァ……!!」
「私のインフィニティ・ゼロは虚無のデッキ!!」
「その全てが手札がない時に効果を発揮するんだよォ!!」

ケヒャるの楽しいなぁ。
落第街にもこんな感じで悪行を楽しんでいる人がいたりするのかな。
周囲の観戦者からどよめきと拍手が起こった。
なんか注目されてるぅ!?

対戦相手 >  
「クッ、そんなカードを伏せていたのか!!」
「ターンエンドだ……!!」

相手さんノリノリで楽しいなぁ。

槧樋木 コウキ > これが、カードゲーム!これが、決戦(シュートアウト)!

震えているのは彼らの声で揺れる空気か、
否、震えてるのは、ワクワクしてニヤけているのは自分だとは気づかない。
自分もこの決戦をしたいという思いが体を前のめりにさせる。

戸田 燐 >  
なんか近くで見ているオッドアイの少年が喜んでいる、ような。
いいことだけど。やっぱり恥ずかしいよう。

無事、手札はゼロになりました。
さて、ここからです。
とにかく攻撃力でシャイニング・ロード・ドラゴンを上回らなければならない。

「私のターン、ドロー!」
「ククク………ヒャーハッハッハッハァ!!」
「インフィニティ・ゼロ・デーモンだァ!!」

「このカードは手札が0枚の時にドローした場合、無条件で場に特殊召喚できるぅぅぅ!!」

「さらに、このカードを特殊召喚した場合、デッキから一枚インフィニティ・ゼロとつくモンスターを一枚選んで引ける…」
「インフィニティ・ゼロ・ナイトメアアームを通常召喚!!」

ちょっと喋り過ぎで喉が痛くなってきた。

「場のカードを全て合体!!」
「黄昏に途切り、暗闇に舞い上がれ!!」
「今、闇に羽撃たく漆黒の翼が、真の終わりを告げる!!」
「終焉(とじ)ろ、ダークネス・ワンアイド・ドラゴン!!」

あ、あ、あ。
口上気持ちいい。これがロールプレイ席の醍醐味か~~~!!
とにかく攻撃力で互角、あとはいかにダメージを通すかの勝負!!

対戦相手 >  
「吐き出せ、闇の想念を! 全て!!」
「その上で俺は勝つ!!」

「俺のターン、ドロー!!」

引いたカードをチラ見する。
相手に攻撃を通せばワンチャン、という状況。
さて、どうなる。

「場にマジック・カードを一枚伏せて…」
「シャイニング・ロード・ドラゴンでアタックだ!!」

場に伏せていたカードを開く。

「そして攻撃時に宣言、輪廻を断つ刃をオープン!!」
「光属性モンスターの攻撃力を500ポイント上げ…」
「倒したモンスターをゲームから除外する効果を付与する!!」

槧樋木 コウキ > 光と闇の戦いなんだ……!
白と黒、対象的な白き輝きと漆黒の深淵……!

「すっげぇ……かっこいい……」

今、このフィールドをイメージする。
輝かしいドラゴンと漆黒のドラゴン。
ここが《異世界》…!

戸田 燐 >  
少年がますます目を輝かせている。
こういうのが大好きな時代……私にもありました。今もか。

「照らされざる闇に飲まれて果てろ!!」
「マジック・カードをオープン!!」
「打ち払いを宣言する!! そのマジック・カードの効果を打ち消す!!」

輪廻を断つ刃が通ったら怖いからね。
とにかく互角以上にやらないと。

「シャイニング・ロード・ドラゴンの攻撃をダークネス・ワンアイド・ドラゴンで防御!!」

攻撃力は互角。ならば、二体は共倒れになる。
ここだ!!

「リザレクション!!」

場のカードをオープン!!
死んだ瞬間に蘇生させる!!
これで勝ぁつ!!

対戦相手 >  
「リザレクション!!」

こちらも同じカードを伏せていた。
ドラゴンたちは再び蘇る。

「なぜだ! お前は昔、輝いていたぞ!!」
「それほどの腕を持ちながら、なぜ闇に堕ちた!?」
「なぜ踏み外したぁ!!」

ターン終了を宣言。後手に回るか、機先を制するか。

槧樋木 コウキ > 食い合う光ろ闇は倒れない/消えない。
譲らない/倒されない。

この二人のように、この二体は死力を尽くしているんだ……!

「……っ」

ごくりと喉を鳴らして魅入ってしまう。

戸田 燐 >  
あー。切り札一緒かぁ。噛み合うなぁ。

「私は堕ちてなどいない……一歩を踏み出したのだ!! それも強くなぁ!!」
「私のターン、ドロー!!」

カードを引いて。引いたカードを確認して、ニヤリと笑う。

「インフィニティ・エンドぉ…………」
「手札が0枚の時、このカードを引いた場合………」
「無条件で相手のモンスターを一体、破壊するぅぅぅぅ!!」

「永久の眠りを! 闇の安寧を! 受け入れるがいい!!」

高らかに笑う。
周囲の観戦者が息を呑む。
ゲームもいよいよ佳境だ。

対戦相手 >  
「手札から自動発動!!」
「天地開闢の祈り!!」

「相手がこちらのクリーチャーを破壊するカードを宣言した場合……」
「その効果を相手に返し!! 相手は……カードを2枚引く!!」

戸田 燐 >  
「へ?」

え、なにそのカード!! 2枚引いたら手札が0枚にならないじゃん!!

「すいません、そのカードのテキストを見せていただいてよろしいでしょうか……?」

槧樋木 コウキ > それは、全てを飲み込む闇―――
超重力の顕現……全てを飲み込む闇《ブラック・ホール》のようで違う。
全ての光り輝く命を消し去る一撃。

輝きが奪われ、朽ちて倒れる宿命(さだめ)が、今。

けれど、
けれども闇の中から―――光が溢れて……

対戦相手 >  
「闇を断つは創世の……あ、はい。どうぞ」

カードを見せる。
比較的新しいカードだからね。知らないのも無理はない。
お祈りで刺して見たけど。案外、アドバンテージがあるなぁとは思う。

戸田 燐 >  
あっこれ完全に打つ手なしだ!?

「バ、バカな……この私に虚無以外の輝きが残っていたなど…」
「認められない………! 認められるはずがない!!」

相手の攻撃が通ったらっていうか。
手札が中途半端、場にモンスターがゼロではドラゴン相手に手も足も出ない。

そのまま相手のドラゴンの攻撃が通り、私は……

「ぐうう! 負けたか………この、私が…」

苦悶の表情を見せて。

対戦相手 >  
「対戦ありがとうございました」

ペコリと頭を下げる。
見ていた人たちから拍手が。
なんだかんだで相手も手強かったし、良いゲームだったなー。

戸田 燐 >  
「あ、もうロールプレイ終わりなんですね……」
「対戦ありがとうございました」

こちらも頭を下げて自分のカードを回収する。
奥深し、ロールプレイ席。

オッドアイの少年となんとなく目が合う。
彼にこの決戦(シュートアウト)をなんと説明したらいいのか…

槧樋木 コウキ > 闇の世界に包まれた世界から光が生まれ、全てを包み返した。

ところで、意識は現実に足をつく。

気がついけば小さくだけれど拍手をしていた。
素晴らしかったと伝えたくて。

少女ともうひとり方に一度目を合わせて

「ボク、カードゲームやります!!」

感極まった声で宣言した。

戸田 燐 >  

「え……あ、うん…」

始まりはどうあれカードゲームを始めるなら。良いか!!
それはそれで!! 良いか!!

「ルールは難しいかも知れないけど、頑張ってね?」

と笑顔で言って。私はその場を去っていった。
(あとで自分のロールプレイを思い出してベッドでごろごろ転がって彩子に訝しがられた)

ご案内:「扶桑百貨店2F カードショップ『遊びゴコロ』」から戸田 燐さんが去りました。<補足:蒼い髪と瞳をした、セーラー服の一年女子。(乱入歓迎)>
槧樋木 コウキ > 「はい!」

興奮気味にレジまで言って、『初心者におすすめ構築済み』なんてポップを見かけてその商品の値段を見る。

「……うっ」

少年のお小遣いよりも少し高い。
少し手が出ない。

今すぐ買いたい気持ちはあるけれど、
少し我慢しよう。
そしてボクも自分のデッキを手にしてあんな決戦をしよう―――!!

そう決意して今はおとなしく少年はお店を後にした。

ご案内:「扶桑百貨店2F カードショップ『遊びゴコロ』」から槧樋木 コウキさんが去りました。<補足:赤茶髪の金と青のオッドアイの夏服制服の一年男子。>