研究区内にある羽月 柊の個人研究所。

竜、龍、ドラゴンを専門に研究している。
建物の規模はさほど大きくなく、大型の竜がここに居る様子はない。

2020/07/01-2020/07/02 のログ
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に羽月 柊さんが現れました。<補足:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。くたびれた白衣。>
羽月 柊 >  
――羽月研究所。

正面玄関をくぐり、少し開けた庭を進むと、
植物園のようなちょっとしたドーム状の建物が見える。

建物に入るとシン…と静まりかえっている中、
ひとつの部屋に入ると壁に設置してある鏡の一つに男の手が触れる。

すると、鏡はするりと男の手を飲み込み、
男もまたそれに驚愕することは無く…鏡の中へと入って行った。


「ただい、ま゛……っ!?」

その男、羽月 柊が帰還の声を言おうとした瞬間、その声は床に吸い込まれていった。

羽月 柊 >  
何故床に吸い込まれたかと言うと、
大型犬ほどの大きさのもさもさした何かが柊に飛びついたからである。

とっさに腰を打たないように受け身を取る辺り慣れたことだ。
いや、彼の歳で腰に負荷がかかるとそろそろまずい年頃なのだが。

「ああわかったわかった…ただいま。
 ご飯はちゃんと食べたか?」

もさもさした何かは丸い羊のような角が生えていて、
二足で立ち上がり、小さな前足には先端が切られ丸くなった長い爪。
ビーバーの尾のような丸い尻尾をぶんぶんと振っている。

ありていに言えば、テリジノサウルスに角をつけて小さくしたような個体である。 

その個体が柊に飛びついたのを皮切りに、
施設の奥から彼の帰還を迎えようと
大型犬から小型犬、鳥サイズの竜達が羽月の周りにわらわらと集まって来た。

羽月 柊 >  
「こら重いぞ。」

飛びついている個体をなだめ、立ち上がると、
子猫の集団に纏わりつかれる飼い主のごとく小竜たちをぞろぞろと引き連れ、施設内を進む。

柊の研究所内はいつも賑やかだ。

普段は淡々とした受け答えをし、表情を余り動かすことのない柊だが、
この自宅兼研究所内ではよくよく優しい笑みを見せる。

非人道的な研究が行われていて、
実験室では非検体が怯えて待っている…なんていう
研究区の偏見じみたイメージとは裏腹に、ここでは非検体であろう竜たちは皆柊に懐いていた。

竜の小型化・ペット化が柊の主な研究内容である。

羽月 柊 >  
「カラスはどうした? ああ、今は風呂か。」

翼のあるモノ、強靭な二足のモノ、
四足や更に足の多いモノも居たりする。

かといえば、ナーガのように足のない個体も。

鳴声が雑多に柊に投げかけられているが、何を言っているかは分かるらしい。
とはいえ聖徳太子でも無いので、全部を聞き取っている訳ではないが。

まるで柊はハーメルンの笛吹のようだ。

羽月 柊 >  
柊が通り過ぎた一室は植物園のようなドーム状建物につながっており、
透けた扉からは大自然を切り取ったような内部で小竜たちが遊んでいるのが見える。
扉の近くには猫が出入りするような小窓があり、
施設内は割と自由に竜たちが闊歩していた。

入口を玄関口一つに絞ってはいるものの、こうして屋内を自由に動けるのは、
竜たちにある程度の知能を与えているからである。

姿が小さくなった分、脳の容量は確かに減り、
個体差は大きいが人間の子供程度のモノが多い。

ただし普段外に連れ出しているセイルとフェリアは、
人間の大人と同等の知能を持っている。それ故に連れて歩き、自分の補佐を任せているのだ。

羽月 柊 >  
何個か部屋を通り過ぎるが、さして部屋数は多く無かった。

ここは個人研究所。柊には部下と呼べるモノは現状おらず、
小竜たちにいくらかの知能を与えている分、自分でこなしてもらったり、
人間の手足を持つカラスが世話に加わったり、ある程度は魔法で自動化したりしている。

一室の扉を開ければ、そこは柊のような人間の姿を持つモノの居住スペースだった。

「俺もご飯を食べるから、遊んでおいで。」

そう優しく竜たちへ促し、大半は施設内へ再び散っていくものの、
何匹かは柊に纏わりついたままである。

やれやれと息を零しながらも特に強く言うことは無く、
冷蔵庫を開けては食料の残りを確かめていた。

羽月 柊 >  
ここの所出ずっぱりだからなとぼやきつつ、
鶏のもも肉を出してくると、鍋に投入。

コンロ代わりについている魔法石をコンコンと爪でつつき起動させると、
水とお酒、しょうゆとみりんに砂糖。
煮込みながら近くのまな板でしょうがを薄く切ってそれも鍋へポイ。
落し蓋をして、弱火で煮込む。

鍋の様子を見ながら米を出してくるとざっかざっかと洗う。
最初に浸す水はすぐに捨てるのがポイント。
洗った米を炊飯器にセットしてその間に付け合わせの野菜を切って皿に。

途中、竜たちにつつかれそうになるのを諫めたりしつつ。


米が炊き上がる頃には鍋から良い匂い。そう、鳥の甘辛煮です。

羽月 柊 >  
そんな飯テロをしつつ、ご飯を茶碗に盛る。
なんたってここは日本の一部。やはり炊き立てご飯に限る。

箸を出して飲み物を出して、セイルとフェリアの分も用意する。
割と彼ら2匹は柊の都合の良いように改造されている所があり雑食性が高い。
そんなこんなでいただきます。

なんたって成人男子。食べる時はしっかり食べる。
途中で鳥サイズの小竜たちがせがむのでご飯粒を与えたりしている。

賑やかだが遅めの夕食タイム。

ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に■■■■さんが現れました。<補足:輝ける金色の存在 今は血まみれ>
■■■■ > 「(世が来たぞ! シュウは何処じゃ?)」

研究所に侵入者……というより、傍若無人な乱入者が現れた。
しかもその全身は朱に彩られ、正直血なまぐさい。

研究所の住人たちも騒ぐことだろう。

羽月 柊 >  
セイルとフェリアが雑食に改造されたことは、本人たちは全く嫌がっていない。
むしろ柊が食べるモノ食べるモノに興味を示していたので、
同じモノを食べれるようになった時は喜んでいたとかなんとか。

そんなことはさておき――。

研究所の敷地内に金龍の娘が入り込むと、
ピピっという小さな警告音と共に、部屋の壁面に光の粒たちが広がる。
柊が普段使っている魔力生体感知の据え置き版である。

「来客……というには…時間が。」

そう呟きながら立ち上がる。なおまだ飯の最中。
立ち上がるついでに台所で筒状にしてあった布を掴むと食べかけのご飯へ放り投げた。
乱暴な動きのように見えるが、それは空で形を変え、食卓カバーへと変身。
すぽっと食事にかぶさるとセイルとフェリアに声をかける。

騒ぐ小竜たちをなだめすかして全員をドーム状の建物へやると、
玄関から再び鏡を通じ、そのまま建物を通って外の様子を見やる。

■■■■ > 「(むう……やはりこの大きさじゃと、いまいち場所を把握しづらいのじゃ。しかし、また戻るのも面倒じゃな……)」

龍語でぶつぶつと呟く
うっかり元に戻られれば、この場に突然数十mはある巨大生物が降臨することになる。
そうなれば、どうなるか……
皇は全く考えていない

「(シュウ、どこじゃ!)」

ずかずかと無遠慮に歩きながら、研究所の主を探そうとする

羽月 柊 >  
なお羽月研究所の敷地内に元のままの金龍皇の全身は入らない。ええ、入りません。
ここはそういう研究所ではないのだから。
はみ出た挙句公安やらが呼ばれてしまう事態になりかねない。

柊は扉から出ると、後ろ手に閉め、鍵穴を指でなぞり施錠。

血の匂い!血の匂い! とキューキュー鳴くセイルとフェリアに導かれるまま、
万一の時を考えて戦闘体勢状態で金龍の所へと歩いて――。

「―――……これ、は…?」

流石に柊も絶句である。
何の返り血かは分からないが、血まみれの少女がそこにいたのだ。

■■■■ > 一々人の居所の構造など覚えていないので、とりあえず適当に歩き回っていた。
まあそのうち見つかるだろう。最悪、多少の「近道」なども駆使すれば……などと壁を見ながら不穏なことを考えていると

「(おお、居たなシュウ!)」

以前贈られた服をまと……っている、はずなのだが……
その純白は見る影もなく真っ赤に染まっていた。

「(さっきじゃな、他の●●●とあったのじゃが……これがまあよく分からぬヤツだったのじゃ。それで、貴様に見解を聞きに来たのじゃが。あと、会話ができぬのも面倒でならぬ)」

皇は自分勝手に自分の都合を押し付けることをいってきた。

羽月 柊 >  
"近道"されたら阿鼻叫喚である。その前に逢う事が出来て良かった。

「あ、あぁ、はい。ヒメ様。」

何をしたのかと言いたい所であったが、
言葉を失っていた所に向こうから竜語が投げられれば、ハッとする。

「御身に何があったかは存じ上げませんが、
 見解の前にまずはその血まみれの御身体をどうにかした方が良いかと…。
 ここは研究区ですし、他のモノに見られると厄介です。」

幸い、柊は常に竜語の解読・翻訳機を装身具の一つとして持ち歩いている。
セイルとフェリアを護衛として連れているのもそうだが、
家の中ではそれが無いと他の子たちと会話が成り立たないからだ。

そう言い、柊は屋内に入るようにと金龍へ誘導する。

■■■■ > 「(ふむ……? そもそも、世の血ではないが……
 まあ良かろう。これもまた、貴様らの世界では都合が悪いのじゃな。
 貴様のような賢人を失うのは、世の本意ではない)」

一瞬首をかしげるものの、以前の邂逅で相手の知性はよくわかっている。
賢人の言うことを無下にするほど皇も狂ってははいない。
素直に従うことにする。

「(ああ一応、貴様のために言うておくが……これは●●●の血ではないのじゃ。この辺りの生き物か、世のように別の世から来たものかは知らぬが四足のモノじゃったな、あれは」

同胞を殺したのではない、とそこはとりあえず言っておく。
そういえば、同族殺しなどと思われてもよくないだろうと気づいたのだ。

羽月 柊 >  
金龍を屋内へ入れると、少々の溜息。
公安や風紀に見つかる前で良かった――いや、もしかしたら後で事情聴取されそうだな。
などという嫌な予感が頭を過るが、とりあえず目の前の問題を片付けてしまわねば。

むせかえるような血の匂いは、つい先ほど食べてモノをせりあがらせる。
咳払いひとつで誤魔化しつつ金龍に後をついてくるように促す。

(●●●…は、今までの竜言語に無いが、
 おおよその話し方を見る限り、彼女固有の人間を表す際の単語だろうな。)

「そうですね。私の敷地内とはいえ、公になると少々分が悪いです。
 この間のように子たちの所に行く前に、一旦身体を綺麗にしましょう。
 血の匂いをさせたままでは、あの子たちも騒ぎますので。」

鏡のある部屋へ行く前……その手前にある部屋は、来客など、
竜たちが接触出来ない一時的な場であった。

「ヒメ様は我々人間の使う機械や魔法はお分かりに…?
 ありていにいえば、シャワーを浴びていただきたいのですが。」

■■■■ > 「(久しぶりの肉は美味かったのじゃが……
 考えてみれば、この姿で肉を喰らうのははじめてじゃったわ。
 普段なら、一舐めで血くらい拭えたのじゃがな。)」

上機嫌で、おそらくは経緯らしきものを語る。
どうやら、食事の後だったらしい。
つまりこの血は、まあ、そういうことだ。

「ふむ……しゃわー? 貴様らの道具か、魔法か?
 流石に知らぬな。教えよ)」

尊大に、教えを請う龍
人煮物を教わる態度ではなかった

羽月 柊 >  
「ああ、生肉を召し上がりに……。
 すみませんが、その四足の獣はどのような姿でしたか。
 どこで食べたか等お聞かせいただければ良いのですが…。」

もし農業区画の畜産動物を無断で食べていたりすれば、
そちらのフォローを回さねばならない。

仮眠室へ行くとタオルを準備する。
着替えはどうしようか…流石に幼女用の着替えは無い。
カラスの服でも大きいしな…と考えつつ、とりあえず自分の着替えを出しておく。

「火山の熱い水が出る道具です。
 人間だと本来は雄である私が、貴方のような雌の幼体の姿をした子を脱がせたり洗ったりすると、
 大いに問題があるんですが…まぁ、緊急事態ということで済ませます。失礼しますよ。」

そう言いながらしゃがみこみ、真っ赤になったパレオの結び目に手をかける。

■■■■ > 「(うむ。茶の色をして、首辺りまで長めの毛があってな。
 そう、口になにやら紐のような物をくわえ、背中になにやら台座のようなものを背負っておったのじゃ。)」

いまいち要領がつかみ取りづらいが、彼女の身振り手振りも合わせてみれば、それが手綱だったり鞍だったりするものをつけた生き物であることを想像できるかもしれない。

「(そうじゃ、それで聞きたかったのが、じゃ。ちょうど喰い終わったくらいに、●●●がきて何やら騒いでおったのじゃ。
 そのあと、金属の……ああ、これじゃ。これを世の頭のあたりでなにかしておったのじゃが。その後すぐに何処かへ走り去ってしまったのじゃが……あれはなにがしたかったのじゃ?)」

取り出したのは、黒光りする銃、といわれるもの
これを頭に向かってなにかされたということは……
そして、平然とそれを話す彼女を見れば、何が起きたか想像できるかもしれない

「(●●●の雄と雌はややこしいのじゃな。妙なものじゃ。
 本当に、●●●は色々な決まりに縛られておるのう)」

非常識な龍が人間の常識に呆れていた

羽月 柊 >  
話を聞いて思わず真顔。
動物が何かはさておき、手綱や鞍を付けているならば十中八九飼われている個体だ。
ただ転移荒野で起きたことだと分かればほっと安堵する。

「…なるほど、転移荒野というのが功を奏しましたね…あそこでは何が起きても自己責任ですから、
 貴方様が召し上がられたその個体は、どうやらその人間が飼育…あー…育てている相棒…、
 私にとってのセイルとフェリアのようなモノだったのでしょう。」

ただ続く言葉に訝し気に桃眼を細める。
銃を受け取り一旦テーブルの上へ。

「少々失礼します…それは我々からは"銃"と呼ばれる武器ですが、
 何かしていたとして、貴方様に怪我などは?」

素っ裸になった彼女をシャワー室に入れつつ自分は白衣と靴下を脱いで、腕とズボンの裾を捲った。
金龍の髪をどかし、撃たれたであろう箇所を確かめる。

■■■■ > 「(む……相棒、か。とすれば、なるほど。あの時、アレは怒っていたのじゃな?
 いまいち、●●●の表情は分からぬ。それに、武器か。
 つまり、世は攻撃を受けたわけじゃな)」

無知は罪……なのか。
なんにしても皇は知らなかった事実を確認した。
そして、明らかなる認識の差も

「(怪我? なにやら音がしたのと、何かぶつかった感じはあったが、別にあの程度なんでもないのじゃ。所詮、下位金属程度で世に傷をつけようなどが愚かなのじゃ。やるなら魔力の一つも込めねばな)」

カラカラと笑う。
聞いている方は笑い事ではないかもしれないが。
なお、言葉通り頭には大した怪我もない。
なんとなれば、跡すらないかもしれない

羽月 柊 >  
「そうですね、その人間にとってその個体がそれほど大切だったのでしょう。
 貴方様を攻撃しなければ気が済まない程に。

 申し訳ないのですが、事故に近い状況で、私にはどちらを庇う事もできません。
 貴方様も知らず喰らってしまったのは悪かったですし、
 転移荒野でその個体から目を離していたその人間も悪かった。
 言葉が通じない故に、そうなったのでしょう。」

怪我が無いことを認めると安堵し、シャワーヘッドからお湯を出す。
一方でセイルとフェリアにお願いし、氷を出してから火で温めてお風呂に湯を張る。

(何も考えずに洗おう。絵面が犯罪的だ。)

そう脳内で独り言ちながら。

「なるほど、人間の御身体になったとはいえ、我々よりは丈夫なのですね。
 ただ己を過信はなさいませぬよう。
 さて、血を流します。髪も血が貼り付いていますので、眼を閉じていてください。」

普段小竜たちを風呂に入れる感覚で頭からざばーとシャワーをかけた。
男の大きな手指が髪を梳き、少々大雑把に洗う。

■■■■ > 「(かばう、じゃと。あぁ……貴様らの、「法」とやらに触れることもありうる、ということじゃな?
 よかろう、なんとなれば「法」などどうとでもなるじゃろう)」

のんきに答える龍皇
そういうところがダメなのだが……

「(ん、くすぐったいのじゃ。まあ、悪くはない感覚じゃから、許す、が……
 しかし、●●●は、このようなことをいつも、するの、か?)」

素直に流されるままになりながら、疑問を呈する
元々の姿のときなど、水浴びのたぐいをシたかどうか、くらいである

羽月 柊 >  
「そうです、我らの法ですね。
 この土地は大分無法地帯な場所もありますが、
 人間の多い場所では、竜の世界のように力が全てとはいかない故、法があります。
 ……貴方様にも出来る限り守ってもらわねば、私の立場も危うくなります。」

呑気な様子を見て、自分を人質にする言い方も良くないが、
最初に発見と報告を上げたのが自分である以上、こう言わなければいけない。
風紀委員に見られているとなれば、尚更だ。

「基本的には毎日しますよ。
 人間は綺麗好きなので、そうした方が他者と齟齬も起こしにくい。

 これで前と下肢の血の付いた箇所を擦ってください。背中と頭は綺麗にしましたので。
 それが終わったら泡を流して、そこのお湯に入ってください。気持ちが良いですよ。」

そう言って泡のついたタオルを渡す。

■■■■ > 「(まあ世らとて、「法」がなかったわけでもない。言いたいことはわかるのじゃ。
 しかしそうではあるが、●●●は「法」が多く、細かいのじゃ。疲れぬのか?)

基本的には意図を汲んではいる、
しかし、どこかがやはり違う

「(む…貴様がやればよかろうに……まあよい、経験、というのも新鮮なものじゃ。やってみるのじゃ)」

一瞬、自分でやる様に言われ不満そうだったが好奇心に負けたらしい
素直に自分を洗う

「(湯に? ……水は使ったことがあるが、湯、か……面白い発想じゃな。こういうところ、●●●は得意じゃな)」

うんうん、とまるで正規の大発明家相手のように感心する。

羽月 柊 >  
「法が多いからこそ、我々人間は強者のみでなく弱者が生きられる社会なのです。
 故にこの世界では最も数を増やし、数で知を産み、
 私のようなモノが貴方様の眷属を保護することにも
 法を遵守する限りは、一方的な搾取もなく、子を差し出せとも言われません。
 
 …疲れないかと言われれば嘘になりますがね。」

身体を洗わせ、少女をお風呂に入れれば血で汚れたタオルを手洗いしながら、
合間に質問に答えていく。

「さて、私は外の椅子に座っていますので、湯にじゅうぶんに浸かったらあがってください。
 濡れたまま動き回らず、すぐそこにタオルがありますので身体を拭いて、
 お声かけください。落ち着いたら話をさせていただきましょう。」

そう声をかけて、風呂から出ようとする。

■■■■ > 「(弱者が生きられる社会、じゃと。
 ふむ、弱者である●●●が生きていくとなれば、確かにそれは必要なのかもしれぬのじゃ。興味深い話じゃな。)」

なるほど、と興味を惹かれたようで何やら考え込んでいる。
考えつつも、促されるままに風呂に浸かる

「(ふむ……これは……なかなか……よいものじゃな……?
 ●●●は、これだけで、活かす価値が、あるのじゃ……)」

途端に、まったり状態に入る。
温かいお湯の見えない魔力は龍の防御を打ち破ったらしい。
微妙に物騒なことを言っているがきっと気のせいだろう
そのまま、ずいぶんゆっくりと浸かっていたようだ

ご案内:「研究施設群 羽月研究所」から羽月 柊さんが去りました。<補足:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。くたびれた白衣。>
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」から■■■■さんが去りました。<補足:輝ける金色の存在 今は血まみれ>

2020/07/03-2020/07/04 のログ
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に羽月 柊さんが現れました。<補足:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。くたびれた白衣。>
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に■■■■さんが現れました。<補足:輝く黄金の髪、血塗れの紅い瞳 10歳ほどの幼女姿>
羽月 柊 >  
柊は先に風呂から出ると裾捲りしていたのを下ろし、
裸足のままぺたぺたと部屋に戻ってソファに座る。

「……夕食、冷蔵庫にしまった方が良かったかもな。」

腕組をして天井を仰ぎ、
金龍がお風呂を楽しんでいる束の間、素に戻る。

しかし通常の人間と会話が通じないとなると、
今後今回のようなこと…それも、事故ではなく悪意と取られても仕方ないかもしれない。
最近出費がかさんでいるが、元の姿に戻らないのなら翻訳機も視野…
等と、頭の中でぐだぐだと考えていた。

■■■■ >  
「(湯に浸かる、などとくだらぬと思ったが……
  うむ、うむ……=■●に戻ったときには、取り入れるべきじゃな、これは……)」

龍が入れるサイズの風呂桶をどうする、などの巨大な問題は投げ捨てて皇は思った。
さて、いい加減あがるとするか……

「(そういえば、たおる、とやらで体を拭く、とかだったか。
 うむ、この布じゃな。おい、シュウ、出たのじゃ!)」

声を投げかけつつ、乱雑に体を拭き始めた。

羽月 柊 >  
うーむと考え込んでいたがぱっと答えは出ず、
聞こえた竜語に反応してソファから立ち上がり、着替えを持って風呂場へ。

「ああ、あがりましたか。
 しっかりと水気を落としていただけると助かります。
 貴方様用の服は流石にここには無いので、一旦私の部屋着を着ていてください。」

背中側から頭にタオルを被せ、髪を拭いてやる。
とりあえず前に回らないように気を付けつつ。

いや現状、セイルとフェリア以外別に誰も見ていないのだが。

粗方髪の水分を取り、大雑把とはいえ服が着れる程度に身体も拭けただろうと思えば、
かなりぶかぶかするであろう男性Tシャツを金龍に着せると、
布を出して腰に巻き付けてスカート状にして一先ず下半身を隠す。

「下着はまぁ……。生活委員に行って用意してもらうのが一番なんですが…。
 髪を乾かすのにドライヤーをかけますので、部屋の方へ。」

■■■■ > 「(うむむ……この、拭く、といのは、うむ、こそばゆい、のじゃ。
  むぐ、風呂はよいが、これはめんどくさい……)」

文句は言いつつも、それなりに素直にされるままになっている龍。
この辺りは信頼の証であろうか。

「(この間の布とは違うのじゃな? ふむ、これはシュウのものか。
 なるほど、大きさは確かにそれぐらいじゃな。ものは……いまのとは、やや違うようじゃな?)」

柊を上から下までしげしげと観察して考察する。
特に不快には思っていないようである。
どちらかというと好奇心のほうが強いようであり……

「(したぎ……どらいや? また、●●●の文化か?
 世の知らぬものが本当に多いのじゃ……一体、どれだけモノがあるのじゃ、貴様らは)」

やや呆れるように口にしながら、これまた素直に部屋までついていくだろう

羽月 柊 >  
「以前貴方様に着せていた布は血まみれでしたので、
 現状手持ちで肌を隠せるモノをご用意させていただきました。
 
 下着は人間の弱点部を隠す為の布です。
 個々人のモノですので、私のモノは渡せません。
 ドライヤーはその濡れた髪を乾かしますので…こちらに座っていただけますか。」

部屋の方へ戻ると、スツールを用意し、金龍を座らせる。
櫛とドライヤーでいざ髪を乾かそうと…

「音が少々慣れないかもしれませんが、我慢してください。
 髪は拭いても雫が落ちますので…。」

と、ぶおーと言う音と共にドライヤーの熱風をその髪へと。

■■■■ > 「(貴様らの工夫、というわけじゃな。
 まあ、案ぜずともよいのじゃ。
 弱点を隠す、というのであれば、したぎ、とやらは世には必要ないのじゃ。)」

なるほどと理解するが、致命的なズレが生じる。
龍は頑丈であった。

「(ん……熱風を出す魔道具……じゃ、な?
 しかし、さして熱も感じぬが……もう少し、火力を上げるべきではないのか?)」

素直に座ってドライヤーで乾かされる龍。
しかし、その尺度は何処までも龍だった。

羽月 柊 >  
「そういう訳にもいかないのですよヒメ様。
 我々と同じ人間に近い姿となった以上、隠さねば不埒な雄を呼び寄せる元です。
 そういった雌だと分かると強制的に交尾を迫る人間の雄がいます。
 
 そうして襲ってくる愚かな人間を押しのけた結果、貴方様の力では殺してしまいかねない。
 そういった事故を防ぐ為にも、身につけていただきたいのです。
 どんな相手であれ、人間にとって同族殺しは良くない印象になりますからね…自衛はともかく。」

人間としての感覚が煩わしいのはよくわかる。
自分だって他人との交流がそこまで得意という訳ではないし、
許されるのであれば研究に没頭していたい質の方だ。

「火力がありすぎると人間の髪は傷んでしまうのでこれで良いのですよ。」

そう話しながら、髪を粗方乾かし、一応肩にタオルをかけておく。
艶やかな髪は綺麗になれば一層輝くのを、眩しそうに桃眼を細めた。

■■■■ > 「(…………
  ふ、む……聞いておれば、なんじゃ。
  貴様ら●●●は、度し難く愚かじゃな。)」
  

沈思しながら聞いていた皇は、開口一番で切って捨てた。

「(いや、シュウやエイジを見るに、全てが愚かではなかろうが。
  やはり、世が導くべきじゃな)」)」

うむ、と謎の決意を新たにする

羽月 柊 >  
「人間は脆く愚かな定命のモノですとも。
 しかし、蟻とて集まれば動物を骨にするように、我々は意志無き集団ではない。
 愚考ではありますが、足元を掬われませぬよう…。」

まぁ、そのうちこの島の中でも強いモノと対立するやもしれないが、とは考えつつ。
金龍の身体を清め終わると、再びソファに座る。

「さて、ここからどういたしましょうか。
 奥の子達に挨拶されますか? 
 もしくは明日以降になりますが、生活委員の所へ行って貴方様の生活基盤の話等でも。」

■■■■ > 「(クハハハ! なに、案ずるな、なのじゃ。
  世は貴様らの愚かさも愛そう!
  愛した上で、正すのじゃ。
  支配者とはそういうものじゃからな)」

楽しそうに笑う。
笑って答える。

「(と、そうじゃったな。
  確かに、ここにおる眷属たちに会うもよいのじゃ。
  だが、それと同時に、世は、この世界を知りたいのじゃ。
  此処での生活など、あとじゃあと。まずはそこからじゃ)」

そして、ひどく真面目な顔をする。

羽月 柊 >  
「……世界ですか。」

尊大に、可愛らしい子供の姿で笑う少女にいささか苦笑じみた笑いを返したが、
続いた言葉を柊が反復する。

「どうお答えしましょうか…少々悩みますね。
 基礎の基礎から語るのであれば………。
 
 この世界…地球は、昔は地上をほぼ人間のみが征していたと聞きます。
 本来は貴方様のような龍などは御伽噺の世界の出来事でした。

 貴方様を攻撃した、このような鉄の塊で出来た武器で戦い、科学が真理を明かす。 
 我々のような魔法を扱うモノはその技術を隠匿し、日陰に隠れ、裏より世界を支えるだけの存在でした。

 ――後に我々人間にとっての節目、《大変容》と呼ばれる、その事態が起きるまでは。」

ソファから立ち上がり、部屋に備え付けてあるテレビへと歩を進める。
電源を入れ、操作をしてデータを呼び出してくる。

「《大変容》とは、貴方様がこちらに来た時と同じように、
 世界各地に門が現れ、同時に異世界よりの望む・望まずに限らず数多の異邦のモノが現れ、
 人々の間では"異能"と呼ばれる特異な能力を持つモノ達が出現しはじめました。

 天地は荒れ、異邦人とは疎通も出来ず、
 かつて神話・御伽噺とされていた事象が再現され、
 私のように何の特殊な力も持たぬ人間が、多く地上から天へ召されたと聞きます。」

言葉よりも映像の方が伝わりやすいだろうと、
テレビに映し出されたのは、大変容直後の再現映像だった。
インターネットで検索すれば、こういうのは大概出てくるモノだ。

「…私はこの時代より後に生まれたモノですが、
 歴史を紐解くと、そこから我々人間は異邦人と共存を始め、
 様々な戦、葛藤、摩擦、あるいは事故を繰り返しながら、
 現在のように時折開く門よりこの世界に流れ着く異邦人への対応も決まって来ました。」

■■■■ >  
「(そうじゃろうな。世のようなモノがおれば、●●●が地上を制するなど、無理なのじゃ。
それに、《大変容》……)」

子どもような、大人のような顔つき。
興味深げにTVをみつめ……

「(それにしても、なんじゃこれは。遠見の水晶とも違うようなのじゃ。なかなかに興味深……いや、いかんのじゃ。まずは、今の話じゃな)」

一気に子ども化した。

「(……イノウ、イホージン。
 なるほど、埒外の存在が現れたわけじゃな。
 存外、歪んだ世界を正すための世界防衛機能かもしれぬのじゃ。
 まあ、それはいずれわかるじゃろう。
 それより……イホージンへの対応、じゃな。
 貴様らは、どうすることにしたのじゃ?)」

羽月 柊 >  
「貴方様には窮屈でしょうが、法を制定しました。
 異能を扱う為の法、そうした機関。
 我々魔法を扱う人間は日陰より日向へ、裏より表のモノとなり、
 力の扱い方を広め、力の均衡を図りました」

テレビの説明は後で良いだろうと、そのまま映像を流している。

「共存を訴え、以前貴方様にもお伝えしたように、
 貴方様と同等、もしくはそれ以上の存在も安易に矛を振るわぬように。
 力と力で牽制しあい、我々は今こうして…仮初の平和を享受しています。」

もちろん全てが万事上手く行くとは限りませんが、と付け加えつつ。

「そしてここは常世島。
 その埒外のモノと共存し、共に歩むための学び舎である常世学園と、
 それを取り巻く学園を中心とした生活環境のある小さな島です。

 世界の話としては、これが基礎でありますでしょうか。

 ただ、私の話の全てが正しい訳でもないとは思います。
 これは羽月 柊という、一人の人間の雄が持つ知識でしかありませんので。」

■■■■ >  
「(法、か。
  今までの話から考えるに、随分と細かそうじゃな。
  せせこましい●●●らしい話じゃが……
  そこは、やむないこととも言えるのじゃ)」

ふむ、と考える。
脆弱な種が、世界を統べるともなれば細かい縛りがいるのは必定であろう。


「(よい。真偽や、認識のズレなぞはいずれわかるのじゃ。
  概ね合っていれば十分なのじゃ。
  それに、これだけ細ければ必然でもあるのじゃ。)」

相手の労をねぎらい……少し、考える。

「(と、なれば。世みずからの眼で見る必要があるのじゃ。
  それはこれからであろうが。
  まずは、シュウ。だいぶ世話になったのじゃ。
  褒美をとらす。何を望むのじゃ?)」

羽月 柊 >  
「褒美……ですか。
 特に考えておりませんでしたね…。

 ……落ちた鱗の一つでもあれば、貴方様の眷属を養う源にも出来ますが。
 少々お耳に入れるには嫌な話ではありますが、
 脱皮の落鱗や生え変わりの角、検査の時に取った血等を学園等に売って、
 そのお金で餌代や、新たな親のいない眷属の子を買ったりしているのですよ。」

褒美と聞かれてきょとんとした様子の柊であった。
相手は唯我独尊のような龍であると考えていたせいか、もたらされる恩恵を考えていなかった。
いやはや失礼な話ではあるが。

金龍ほどのモノの素材があれば、売り捌けば今後の資金としてはかなりのモノになる。
それこそ、おまけに竜語の翻訳機をつけても良いほどに。

■■■■ >  
「(何も考えておらぬ、とは無欲なことじゃな!
  世の威光ゆえに、ただ伏して従っただけかもしれぬが……まあどちらでもよいのじゃ。
  能あるもの、働くものには恩賞を下す。
  これは当然なのじゃ)」

きょとん、とした様子に呵々大笑する龍。
為政者たるもの、褒美を惜しんではならない。
特に、優秀なものであるならば。

「(ほう、鱗とな。考えたこともなかったのじゃが……そうか。
  そのようなもの程度でも、●●●には価値があるのじゃな。
  安いものじゃ。)」

龍鱗、龍水、龍黄……
いずれも龍自身にとっては当たり前で大したものではなくとも、人間には無限の価値があるものだ。
……正体を知らないほうがいいこともあるが。

「(よい。その程度、構わぬのじゃ。
  確か、何処かに……うむ)」

突然、中空をいじりだしたかと思えば、
何処かから、輝くばかりの薄い板を取り出す。
よく見ずともわかるであろう。
まさしく、金色に光る龍鱗であった。
ソレを目の前に差し出して……

「(褒美と入った。じゃが。
  貴様の話に時折上る、嫌な話。それを詳しく聞かせるのじゃ。
  貴様のやっていること、含めじゃ。
  案ずるな。貴様が何を言おうが手討ちなどはせぬのじゃ)」

羽月 柊 >  
(……空間収納? 次元すらも操るか、
 力のみと思っていたが存外器用な龍なのだな…
 いや、自力で人間に近い姿を取れると考えれば不自然でもないか)

空より出でた鱗。
目の前に出されたそれに思案を巡らせる。
続けられた話に、手を出すよりも前に、一旦それをテーブルへと置いてもらう。

「……そうですね。お怒りを買うかと思い、濁しておりました。
 
 私は…生来富のある人間でも、権力のある人間でもありません。
 ましてや先ほど話したような埒外の力を持つ訳でもない。
 本当にただの無力な人間です。
 魔法は扱えますが、それとて、セイルやフェリアがいなければ話になりません。

 そして竜・龍・ドラゴン…これらの身体の一部は、
 魔法を扱うモノにとって、これ以上ない素材なのです。

 私が食べていく為に、竜の子達を養っていく為に。
 子らの素材を彼ら魔術師やこの島の学園に卸しています。
 もちろん、無理に剥いだり、搾取はしておりません。

 そうして貯めた金で、親を失った幼体や卵を様々なルートから買い上げ、
 新たに子に加えております。

 また、私は竜の子達の身体を魔法で縮め、私が養える大きさにし、
 その竜を信頼できる方に"ペット"として提供しています。
 時折様子を見に行っては健康状態を管理し、対価に自然に出来る素材と料金を頂いています。」

ペット。そう、この部分が怒りを買う要因だと柊自身は思っている。
己が管理しきれない為というのもあるが…。

■■■■ >  
「(弱小なる者の知恵、じゃな。
  生きるために仕方なくする悪を、悪と断ずるかどうか、ということでもあるわけじゃが……)」

悪は悪である。
裁くのであれば、裁かれざるを得まい。
とくに、法のもとであれば罪は罪である。
しかし

「(……ぺっと、か。
  その定義と、貴様がそれをする理由を答えるのじゃ。
  そして、以前も似たことを問うた覚えはあるが……
  そうまでして龍を守りつづける――
  それが貴様にとって、どのような意味があるのかも、答えるのじゃ。)」

極めて普通の調子で。
いや、いつもの尊大な調子で、問を続けた

羽月 柊 >  
「ペットの定義…そうですね、
 愛玩を目的とした動物…愛玩は分かりますでしょうか。
 癒しや孤独感からの解放、鑑賞、共に遊んだり、そういった目的で飼われるモノです。

 本来貴方様の眷属はとても大きくなる種が多い。
 共に戦うような人間もおりますが、そういった種ばかりでは私も管理しきれない故です。」

セイルを肩に、フェリアを片腕に留まらせ、
そのフェリアの背を撫でる。

そう話す柊を2匹は見ているが、そこに憎悪や恨みの念は無い。
この2匹とて、元は親もおらず卵のまま野に打ち捨てられていたのを拾われたのだ。

「これは私のエゴ…利己の意識の元に行う行為ではあります。

 貴方様の眷属というどれほどに強い種であれ、
 親を失い卵や幼体のままでは生き延びる個体は僅かです。
 竜という種に魅せられた人間として、少しでもそういった個体を救えればと思いました。
 私がこの人間という短い生涯と、この矮小な身体で抱えきれるだけ多くを望み、
 そして至ったのが、小型化という道でした。」

■■■■ >  
「(利己、か……貴様、己の満足のために随分と無法をするのじゃな?
  世に連なる眷属を縮め、愛玩させ、かつ、売る、と)」

一つ一つ、あげながら確認していく。
それは罪状確認か

「が――」

「(回りくどいのじゃ。
  非才ゆえ、かもしれぬが。
  世に連なる眷属を縮めるなど、手間に対する対価が小さすぎるじゃろう。
  その愚直さは、評価するのじゃ。
  よい、許す。鱗をとらそう。あとは…血でもとるか?)」

法?
自身が法である、といわんばかりに裁を下す」

羽月 柊 >  
「…いえ、鱗だけで十分です。
 見たところ傷も全く無いですから…元々貴方様が容易に傷付かない故でしょうけども。
 これだけでしばらくはやっていけます。

 ……どれだけ愚かと言われようと、これが私の辿り着いた答えです。
 鱗のお礼といってはなんですが、ついてきていただけますか。」

テーブルの上の鱗を手に取ると白衣を羽織り、そのポケットへいれる。
立ち上がっては金龍を促し、鏡から小竜たちがいる自宅へと入った。

わらわらと、この間のおねーちゃんだーとか、
そんな小竜たちが鳴声と共に集まって来る。

■■■■ >  
「(……なんじゃ、やはり欲がないのじゃな。
  無欲もすぎれば毒じゃぞ?
  まあ、よい。貴様の覚悟は気に入ったのじゃ)」

からからと爽やかに笑う。
随分と気に入ったようだ。
ついてこい、と言われれば素直についていく

「(おお、貴様ら。壮健にしておったか?
  ははは、くすぐったいのじゃ)」

小龍たちにじゃれつかれ、楽しそうに笑う。
その様子は、見た目通りの子供のようにも映る

羽月 柊 >  
「搾取は趣味ではないんです。
 竜を扱う上でそういう場面は嫌というほど見ましたからね…。」

道中でちょっとすみませんと言いつつ、部屋の一室へ。
食べ損ねて部屋で哀しく冷たくなった鳥の甘辛煮を冷蔵庫にしまう。

そこから出てくると別の部屋へ入る。
中は少々散らかっていて、魔導書やらが乱雑に積まれていた。
その中の一冊を手にすると、隅の箱を漁り、キューブ状の金属を出してくる。

テーブルの上を軽く片付けて中央に金属を置き、
魔導書が積まれていた箇所の近くの壁をノックするように叩くと、隠し金庫が開く。
そこから血の入った小瓶をいくつか取り出して…準備を進めていく。

「少し待っていていただけますか。
 血の匂いがしますが気になさらないでくださいね。」

■■■■ > 「(搾取……ふむ、愚かな連中のことか。
  いっそ噛み砕いてやればよいじゃろうが……
  どうせ法が許さぬのじゃろうな)」

面倒なことだな、という顔をする。
しかし一方でもうなれた。わかるわー、という顔もする。
ドヤ顔すぎて、イラッとくる人は来るかもしれない

「(ほほう、なんじゃ魔法か?
  薬師か? 面白そうじゃな)」

素直に待ってはいるが、好奇心で柊の手元を覗いてくる

羽月 柊 >  
『…大樹の葉、菊の結び目、我らの音を紡いでおくれ。』
 
金龍が覗き込むのをそのまま、柊は言霊を紡ぐ。
取り出した一冊の魔導書が宙に浮き、
パラパラと勝手にページをめくる。

どこからともなく金色の切っ先を持つ羽根ペンが飛び出して来ては、
小瓶の蓋が開き、中の血をインク代わりに空に文字を綴っていく。

それは正に魔法。

それと同時に金属のキューブは熱にあてられたように溶け、
形を変え、シュルリと円を描き、小さな輪を形作る。

『現と夢の手助けを、それは祝いと呪いの環。
 この世界に芽を出す若葉に、世界からのささやかな贈り物を。』

セイルとフェリアの魔力を借り、それを精密に操る。
自分から捻出できないそれは酷く扱いが難しい。
しかし慣れた様子で、柊はこなす。

■■■■ > 「(ほう、ほうほう……ほほう……)」

魔導書が浮く
ページがめくられる

ペンが浮き 字を綴る

見方を変えれば、遊園地のような光景

否、そんなモノが龍の世界にあったかはわからない。
だが、確かにそれは、神秘とともにエンターテイメントを提供していた。

「(ふむ……セイルとフェリアが手伝っておるのじゃな……?
  この魔力量はそういうことじゃろうか……)」

羽月 柊 >  
男からは全く魔力が感じられなかった。
今男が操っている全ての魔力が、傍らの2匹の竜のモノだった。

小さな輪はちょうど、少女の指に納まる大きさだろう。

空中に描かれた字は小さく細くなり、
環を描き…その金属の環を一周するように重なり、
俗にいうルーン語等の文字そのものが力を持つ機構となって指輪と一体化する。

一切の破綻なく、文字は指輪の文様となる。

最後にふわりと浮いて柊の手に来たそれを持ち、金龍の方へとしゃがみこむ。

「ヒメ様。これを。先程の鱗のお礼です。
 つけたまま発語してみてください。」

そういって少女の左手を取ると、中指にはめようとする。

■■■■ > 「(金属の輪、じゃな……?
  ●●●がよくつけていたはずじゃが…指輪、じゃったか?)」

ほう、と出来上がったものを感心しながら眺める
どんな用途だったか……確か……

「(うん? ああ……うむ?)」

記憶を探っている間に手を取られ、指輪がつけられる

「ああ、そうじゃった!
 指輪とは、●●●の求愛行動じゃったな。
 ……そういうことじゃろうか?」

ああ、そういえば、と。口にしたのは
何故よりにもよってそこが共通なのかというような中身だった

羽月 柊 >  
「うーーーーーーん…うん……。」

よりよってようやく出た共通言語がそこだった。
いや、翻訳は完璧だったので自分の腕を褒めるべきなのだが。

「腕輪等では失くしやすいし首輪は貴方様にはと思って指輪にしたのですが…
 求愛したかった訳ではないんです………ええ…。

 とりあえず、翻訳はしっかり出来ているようですね。
 そのおそらく『人間』たる特殊言語を除いては。」

ちょっと素が出て頭を掻いた。

■■■■ >  
「翻訳……なるほど、そういうものじゃったか。
 それで、貴様の言葉も、少し違って聞こえるのじゃな?
 なんじゃ、その話し方のほうがよいぞ」

カラカラと、笑う。
実際は素の話し方が出ただけのちがいではあるのだが……

「これは助かるのじゃ。
 正直、●●●の言語を全て覚えるべきか考えたところじゃったからな。」

羽月 柊 >  
「いえ、先ほどは少々素が出ただけですよ…。
 本気で言葉を崩すと結構失礼になるとは思いますが。」

『人間』以外の言葉は全て順調に翻訳出来ているようだ。
竜語の辞書と自分の知識を元に作っているから、これは順当。

「貴方様の言う…あー……どうも発語できませんね。
 我々の種族を表す言葉が翻訳しきれていないようですが、
 それは『人間』と言います。
 少し調整させていただきますね。」

抵抗しないのであれば、指輪をはめた手を取り、
自分が同じくはめている指輪をかち合わせるようにするだろう。
そうすれば、●●●と発語した時、人間となるはずだ。

■■■■ > 「よい、素を出すことを許可するのじゃ。
 見下すようなモノは万死に値するが、かといって気安さの一つもないのでは為政者として足りぬのじゃ」

相変わらずカラカラと笑いながら、許可を出す
意外とそういうところには頓着がないらしい。

そして、調整はされるがままになる。

「ん……あー………ニンゲン? にんげん?」

あえていくつか言い直してみる
どうやら、成功のようである。

羽月 柊 >  
素を出せと言われると一つ呼吸。

「あー、ぁー…はぁ、まぁ、素に戻れというなら戻るが…。本当に良いのか…? 
 君のような竜ではない龍に対しては、礼儀を尽くすべきだとは思うのだが……。」

ガチの素に戻った。愛想笑いすらやめる。
ただし、ここが自分の家な分、外にいるよりは表情は柔らかいが。

「…翻訳はどうやら上手く行ったな。」

■■■■ > 「は、それでよい。その顔もじゃ
 あとは、そうじゃな……」

面白そうに笑う。
その視線の先には、空に遊ぶ龍たち

「すこし、こやつらと遊ぶくらいじゃな?」

くすり、と笑う姿は
威厳とはまた違うものがあった。

羽月 柊 >  
「良いのか……まぁ、ありがたいといえばありがたいが。
 正直、何年分かの敬語を使い尽くした気分だったからな。」

魔術を行った部屋から出る。
金龍のその言葉を聞けば、ついとドーム状の建物に繋がる扉を指差して。

「小竜たちは大半がそこの部屋だ。遊ぶなら遊んでやってくれ。
 何分、身体を小さくしたせいで子供のような子が多いんだ。

 明日になったら生活委員に下着やらなんやらを手配してもらいに行きたいが…。
 なにせ今日はもう遅い、俺も実を言うと夕食が途中だったからな…。」

■■■■ >  
「そもそも、じゃ。
 言葉だけの敬意なぞ塵のようなものじゃ。
 求むるべき本質は、そこではないじゃろう。
 肝心な部分さえあれば、それでよいのじゃ。
 しかし、なんじゃ。相当無理しておったか?」

呵々大笑。
意地悪いからかいの目線を向けるくらいには余裕を持って。

「はは、愛いやつらじゃ。
 よかろう、皇みずからが遊んでやるのじゃ」

ほれほれ、と小竜たちをなでかわいがる

羽月 柊 >  
「世の中そういうモノだけだと楽なんだがな…。
 上辺だけでも取り繕わないとやっていけないのが人間社会だ。

 …まぁ、無理してたのは認める。
 敬意を持っていない訳ではなかったが、ずっとだと肩が凝る……。
 普段こんなに言葉を正すのは学会に出る時ぐらいだからな…。」

首に手を当てて軽く傾げる。コキリと音が鳴った。
あまりやってはいけない。

「姿的にどちらの方が過ごしやすいのか分からないが、
 もし人間側で眠るのならこの部屋に戻って来るといい。
 俺は途中だった夕食を食べる。」

と、ドーム状の部屋の中で小竜達と遊ぶ金龍に声をかける。

「…あぁ、忘れていた。
 その指輪だが、装着したまま元の姿に戻るなよ。
 間違いなく壊れる。戻る時は外してくれ。いくつも用意は出来ない品だからな。」

何事もなければそのまま日は過ぎ、
翌日、生活委員に訝し気に見られながらも金龍の生活基盤を整えたり、
女性としての服等が与えられるはずだ。

ご案内:「研究施設群 羽月研究所」から羽月 柊さんが去りました。<補足:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。くたびれた白衣。>
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」から■■■■さんが去りました。<補足:輝く黄金の髪、血塗れの紅い瞳 10歳ほどの幼女姿>