2020/06/27 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にヨキさんが現れました。<補足:29歳+α/191cm/黒髪、金砂の散る深い碧眼、黒スクエアフレームの伊達眼鏡、目尻に紅、手足に黒ネイル/黒七分袖カットソー、細身の濃灰デニムジーンズ、黒革ハイヒールサンダル、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>
ヨキ > 人の肉を食べなくなって、四年近く経った。
だが食性が変わっても、変わらないことがある。
ヨキは嘘を吐けない。
偽りを口に出来ない。
偽りを演じることが出来ない。
ゆえに、ヨキは件の違反部活跡地の会合には顔を出さなかった。
だから今こうして、路地裏に柄も悪くしゃがみ込み、煙草なぞ吸っている。
ヨキ > ヨキは日ノ岡あかねを信頼している。
だから、今夜の会合が彼女の望む形で何らかの成功を収めたであろうことをヨキは疑っていなかった。
彼女がたとえどのような話題を俎上に載せたにせよ――その信頼は、揺らがない。
「…………、」
ふっと紫煙を吐き出す。
夜回りの途中にこうして一服することは、ヨキのお決まりの習慣でもあった。
ヨキ > スマートフォンを弄る。
暗闇の中で、小さいながらも煌々とした光が照る。
いくつかのメッセージに返信したのち、咥え煙草で立ち上がる。
次に顔を出す教え子の家を決めたらしく、狭い道を我が物顔で歩いてゆく。
ご案内:「落第街 路地裏」にルギウスさんが現れました。<補足:胡散臭いサングラスの闇司祭>
ルギウス > 「暗い夜道の一人歩きは危ないですよ?
……主に、相手が」
お久しぶり と 暗がりから細葉巻を吸いながら姿を現す。
「お加減は如何です?
まだまだ人には慣れませんか?」
ヨキ > 「ルギウスか」
掛けられた声に、ふっと笑う。
「久しいな。大人しい声でなければ、びっくりして牙を剥いていたやも知れぬ」
驚く素振りもないくせ、両手を広げて笑ってみせる。
「ああ、体調はすこぶる良い。
慣れぬことばかりだが、プラスの方向ばかりで有難い限りだ。
それで、君」
落第街の、とある方角を一瞥する――
「『トゥルーサイト』の会合には顔を出したか?
素性を明かさぬ場は、ヨキにはどうも性に合わんでな」
ルギウス > 「その時は、怖くない と素直に噛まれる程度の余裕はありますよ。
腕くらいなら生やせばいいわけですし」
吸いますか? と 細葉巻を出してみる。
「それは結構な事です。
存外に丈夫ですが、壊れる時は一瞬ですから気を付けてくださいね」
ふぅー と 紫煙を吐き出して。
「ええ、もちろん。『話し合い』に顔を出させていただきました。
話のタネくらいにはなるでしょう?」
今みたいに、と笑いかけ。
ヨキ > 「ふは。子犬の相手にはいい大人だ。
いや、葉巻は結構。吸う銘柄はひとつきりと決めておるでのう」
言って、煙草の赤いパッケージを取り出す。
どこぞの白衣の魔術学教師が吸っているものと、同じ銘柄。
「肝に銘じておこう。
とは言え、既に無茶は何度かやらかしているがな……。
そのたびに魔力で傷を塞ぎ、血を賄っておる。
そのうち本当に、壊れてしまうこともあるやも知れんな」
相手が話し合いに参加したと知れば、ほほう、と明るく笑って。
「日ノ岡あかね。いい娘だろう?
何を話したか知らぬが、聡明で、奔放で、底知れぬ」
ルギウス > 「噛んだ後に、叱る事ができればいい大人でしょうねぇ。
私は叱らないから他所で大事故が起きますよ」
断られれば、お熱いことで と返しつつ、細葉巻を片付ける。
「生贄込みで、死後一週間くらいなら蘇生を請け負いますよ。
知人なので実費以外はサービスしておきます」
さて、日ノ岡あかねに話題が向けば。
「ええ、面白い方ですねぇ。
あの思考はどちらかと言えば、私寄りだと思いますが。
話し合いの内容、知りたいのならばお教えしますよ?
中々に、混沌として面白い場になっていましたよ」
ヨキ > 「やはり君は悪い大人の側だな。
馬鹿犬呼ばわりされるよりは居心地がよさそうだが」
お熱いことで、という言葉には、わざとらしく鼻を鳴らしてみせる。
肯定も否定もしがたいような、微妙な顔だ。
彼の蘇生請負サービスには、「覚えておく」とだけ返した。
あとで碌なことにならないだろうことは判っているからだ。
「いいや、人伝に聞くのは止しておくよ。
彼女から直接聞いた方が、面白みも増すだろうからな。
『君が面白がった』という事実だけで、とんでもない話であったことは想像が付く」
半眼でにやりとして。
「だから今は、君自身に訊こう。
これからも常世島は楽しめそうか?
それとも――これから、もっと楽しくなりそうか?」
ルギウス > 「甘い毒は、得意ですからねぇ。
居心地の良さだけは保証しますよ」
微妙な顔を見て、くつくつと肩を震わせている。
何かしらのツボに入ったらしい。
「ええ、とても楽しめそうですよ。
何もせずとも盤面をかき回してくれたのですから。
私の視点からならば“とても楽しくなりそう”ですよ。
この街も荒れると思いますよ」
ヨキ > 「甘い毒、ね。
やれやれ、話を聞く限りでは君の方がよほど好みなのだがな。
何を血迷ったか、甘くもない毒ばかり吐きよる男の方に居つくようになってしまった。
何ともはや、君の揶揄いにはいいタネであろうが」
共通の友人(?)への反応に笑うルギウスへ、パンチするジェスチャー。
「ほう、それはそれは。
君のお墨付きともなれば、天晴なものだ。
……そうか。落第街もやはり荒れるか。
波立つばかりのこの街へ、何ともスマートに石を投げ入れてくれたものだ。
この街に平穏など望んではおらぬが……、恐慌だけは避けたいものだ」
ルギウス > 「そりゃあ、彼の毒は苦い薬ですから。言うでしょう?良薬なんとかと」
パンチを大袈裟に避けるジェスチャーで返す。
普段なら絶対にしない。
「恐慌を避けるなら、あなたも盤面に上がらなければ不可能ですよ。
今なら配役を自分で設定していいそうですよ?
私は……まぁ、言うまでもないでしょうけど」
ヨキ > 「君は彼奴のことをよく判っておる」
御尤も、と苦笑する。
「ヨキも盤面へ? は、」
愚問だ、と笑う。
「ヨキは彼女の先生だ。彼女はヨキの教え子だ。
つまりヨキは、初めから彼女と同じ盤の上に立っているようなものだ。
師弟の縁を結んだ時点で、上がるも降りるもない」
両手を広げて。
「ヨキのやることは常に変わらぬよ。
善が悪を侵すなら、ヨキは善を平定する。
悪が善を穢すなら、ヨキは悪を制裁する。
たとえ――相手が“誰”であろうともな」
ルギウス > 自信たっぷりに愚問と切って捨てられれば。
「おやおや、ルーラーをご所望でしたか。
最もまぁ……今更でしたねぇ。
我々はとっくに己の在り方を定めている。
私が悪い魔法使いであるように。あなたが秩序の守護者であるように。
そうなると、彼には無軌道な善の立場に立ってもらって三竦みと洒落こみたいところではありますが……」
脳裏によぎるのは、しかめっ面。
いつも以上に眉間の皺が深くなってるそれ。
「文句を言いながら引き受けてくれそうだと思いません?」
ヨキ > 「ヨキほど秩序と正義が似合う人間も居なかろう?
もうずっと、そんな風にして生きてきた。
君の方こそ、『悪い魔法使い』以外の姿が思い浮かばんよ。
…………、」
ヨキの表情はとても分かりやすい。
頭上に雲の形をした吹き出しが浮かんで、何事かを想像しているのがありありと見て取れる。
「……ふ、は。確かにな。
果たして彼奴が『無軌道』を良しとするかは怪しいところだが、目には浮かぶよ。
三竦みと言えば……」
矢印。矢印……。
「……ヨキは君にも獅南にも勝てる気がせんのだが?
三竦み、成立するのか?」
ルギウス > ある意味においては、人を超越していた者。
盤上に置いてはある種のジョーカーか。
「成立しますよ。私たちに置いてはと注釈がつきますが。
私も彼も盤上のゲームルールには最低限従いますからねぇ。
実力以外で競うなら、楽しい遊戯になると思っているんですけどねぇ。
悪魔相手の知恵比べと同じ要領ですよ」
言いながら、新しい細葉巻を咥えて火をつける。
その時に何かを思い出したようで。
「ああ、そうだ。
コレを渡そうと思って来たんですよ、本題を忘れるところでした」
そう言って取り出したのは、二枚のチケット。
【常世博物館 特集展示】「大「地球」展Ⅱ ~紀元前から20世紀まで、そして21世紀へ~」と書かれている。
ヨキ > 「いったいどんなルールで競うやら。
ヨキも従うべきルールには従おう。
従うことなら得意だという自負がある。
……ふふ。命と五体満足に影響さえなければ、“楽しい”遊技には付き合うのも吝かでない」
煙草の吸殻を携帯灰皿に押し込みながら――ルギウスが取り出したものに目を留める。
「…………。常世博物館のチケット?
カンパか? それともダフ屋の類ではあるまいな?」
そろりと手を差し出し、受け取る。
ルギウス > 「では、そのうち平和的に鎬を削るとしましょうか」
退屈しないのは良いことだと思いながら、紫煙を吐き出していく。
「カンパですよ。
色々な意味で、実に興味深い特別展示だと思いましてねぇ。
獅子南さんとどうぞ、有意義なひと時になると保証しますよ」
ヨキ > 「言ったな。『平和的に』だぞ。
君はどうにも危ういところがあるからな」
言葉自体は気さくだが、何とも信用がない。
獅南と、との言葉とともに渡されたチケットに、再び何とも言えない表情になる。
獣人であった頃にはなかったが――耳の端が、少し赤い。
「……判った。獅南にも伝えておく。
ルギウスからもらったチケットと伝えたら、きっと今のヨキと同じような表情をするであろうよ」
チケットを鞄へ仕舞い込みながら。
「…………。何とも複雑な心持ちだが、礼は言う。有難う、ルギウス」
ルギウス > 「ええ、勝負は『平和的に』ですとも」
結果や勝負に至るまでがどうとは言及してない。大人はズルい。
「私から貰ったと伝えたら、まずは魔術がかかってないか調べるでしょうね。
高級チョコレートを賭けてもいいですよ」
多分、勝負にならない賭け。
「ええ、その顔を堪能できるあなたが羨ましいですよ。
少しばかり私も機嫌がいいようでしてね、友人へのお節介くらいはさせてください」
ヨキ > “平和的に”。
とても信用していない顔をしている。
犬は不穏にビンカンなのだ。
「ずるいぞルギウス。賭けになっておらんではないか。
それに博物館などという場所に連れ出そうものなら、何だかんだと苦労するのが関の山だ。
ついて来てくれるかどうかも怪しいぞ」
ふっと苦笑する。
「機嫌のいい日でよかったよ。有難く活用させてもらう。
もしも断られたら、二枚ともヨキが一人で行ってやるがな」
くすくすと笑って。
「今日の一件は、それほど君の興味を引いたか。
それとも他に、機嫌がよくなるような出来事でもあったか?」
ルギウス > 「いいえ、必ず来てくれますよ。
何せ……《大変容》についての展示もあるそうなので。
魔術師としても、研究者としてもそうそう外せるものじゃありません」
わかりきった勝負だと言い切った。
「ええ、面白い怪異が幾つか出現しているようでして。
そちらもとても興味が深いのですよ」
ああ、楽しみだと口元が緩んでいる。
「さて、目的も達しましたし私はこれで。
帰り道は掃除しておきますが、念のために気を付けておいてくださいよ?」
ヨキ > 「そうだな。
興味深い展示内容に、……それからヨキの頼みとあらば、渋々の体でも奴はやって来よう。
まったく、君は本当によく判っておるな。それこそ妬けるくらいに」
目を伏せて笑う。
「面白い怪異……ね。
今の人間の身体のヨキでは、太刀打ちできるかどうかは怪しいな。
だが見て見ぬふりは出来ん。警戒は怠らぬようにしておこう」
肝に銘じるように、しっかりと頷いて。
「ああ、勝手知ったる道ではあるが……君の厚意には甘えよう。
君の方こそ、機嫌のよさでしくじることのないようにな」
ルギウス > 「ご心配なく、私のは間違いなく有為さを買った友情ですから。
一番には成りえませんので安心してください」
確かに渡しましたよ、と念を押して。
「こちらこそ、肝に銘じておきます。
では、ごきげんよう……わが友、ヨキ」
そう言って大袈裟な一礼をすれば、スポットが消えたように姿を眩ませた
ご案内:「落第街 路地裏」からルギウスさんが去りました。<補足:胡散臭いサングラスの闇司祭>
ヨキ > いつもと同じように、ルギウスはたちまち姿を消す。
独り取り残された路地で、しばし立ち尽くして。
「………………、」
スマートフォンを取り出す。
通話の操作をして、耳に宛がう。
コール音。
相手が電話に出るのは、いつも早い。
「……もしもし」
“友”のお膳立てを蔑ろにするほど非情ではないが、それでも思うところはある。いろいろと。
ヨキの声に、少しだけ気恥ずかしさが交じった。
ご案内:「落第街 路地裏」からヨキさんが去りました。<補足:29歳+α/191cm/黒髪、金砂の散る深い碧眼、黒スクエアフレームの伊達眼鏡、目尻に紅、手足に黒ネイル/黒七分袖カットソー、細身の濃灰デニムジーンズ、黒革ハイヒールサンダル、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>