2017/08/02 のログ
ご案内:「路地裏」に柊 真白さんが現れました。<補足:フリル山盛りの白ワンピース、白ニーソ、赤いロリータシューズ、長刀。>
柊 真白 >  
(操作していたスマホの画面を消し、ポケットに入れる。
 そうしてゆるりとあたりを見回した。
 いつもと変わらぬ、鬱々した夜の路地裏。
 それはいつもと何も変わらない。)

――。

(ひとつ息を吐く。
 この世界は変わらない。
 どこかで誰かが命を落としたとしても。
 どこかの国とどこかの国が戦争を始めたとしても。
 宇宙のどこかで星がひとつ寿命を終えたとしても。
 それがここからわかるわけではない。
 関係ない者にとって、世界はいつも通りだ。
 そんなことを考え、頭を振ってその雑念を追い払う。
 今は仕事中だ。
 最近新たな通り魔が現れたらしい。
 ここではそう珍しいことでもないが、とにかくその新参者の調査を依頼された。
 後ろ暗い仕事ではないので、面は付けていない。)

柊 真白 >  
(人が斬られたと言うこの場所。
 殺されたのかただ斬られただけなのかは噂が一人歩きしすぎていてよくわからなかった。
 それでもここで人が斬られたのは間違いらしい。
 しかし、綺麗過ぎる。
 血の流れた形跡がない。
 あるにはあるが、斬られたにしては少なすぎる。
 暗殺者と吸血種。
 両方の経験と勘が、不自然すぎるとはっきりと伝えてきた。)

同属か、同業者――じゃない。

(自身と同じ、血を摂取するものにしては、あまりにおざなりだ。
 若いモノにしては食べ方が綺麗過ぎるし、年寄りならば後処理がおざなりすぎる。
 同じ理由で同業者の線も薄い。
 ならば殺人鬼、と言う訳でもなさそうだ。
 そう言う手合い特有の「こだわり」が見えてこない。
 となると。)

柊 真白 >  
――殺すことじゃなく、斬ることが目的?

(殺し屋ではなく、殺人鬼でもなく。
 人斬り。
 人を斬るために人を斬る者。
 ただ、それにしたって違和感がある。
 血の跡が少なすぎるのもそうだし、人を斬ることが目的、と言うにもなんだか違う気がする。
 どうにもいまいちその姿が見えてこない。)

ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。<補足:血の匂いがする刀を持った制服姿の少女。>
刃々斬鈴音 > 「そこのアナタ?難しい顔してどうしたの?
 もしかして迷子かな?鈴音が危なくない方まで送ってあげようか?」

…特に気配を消すでもなく。
ただ、普通に一人の少女が通りかかる。

「鈴音は今日は優しい気分だからタダでいいよ。」

優しさからか或いは別の理由からか胸をポンと叩いてそんな事を言う。

…身に着けた刀が少し揺れた気がする。
…気のせいじゃないくらい強く古くなった血の匂いがそこからする。

「…どうしたの?来ないの?」

柊 真白 >  
(濃厚な血の臭い。
 声を掛けられる前にそれに気が付いた。
 そして。)

――そう。
あなたが。

(確信する。
 彼女がそうだと。
 理由は無い。
 あえて言うなら、暗殺者としての勘。)

あなた、名前は。

(彼女の問いかけを無視して、こちらから尋ねる。)

刃々斬鈴音 > 「鈴音は鈴音。刃々斬鈴音だよ。
 アナタのお名前は?」

年下の子供を相手にするように優しく声を掛ける。
相手を大分、年下の子供のように考えているらしい。

「迷子なんでしょ?歩きながらお話ししましょう?」

裏路地の奥から手招きをする。
こっちへ行こうと呼びかける。
…だが、この先の道にあるのはスラム裏の出口は反対の方向だ。

柊 真白 >  
刃々斬、鈴音。

(いかにもな名前。
 名は体を表すと言うのだろうか。
 ――今はそんなことはどうでも良い。)

そっちは逆だけど。

(生憎と迷子ではない。
 そもそもこの辺の地理には明るい方だ。
 動かずに彼女の方を見て、)

――あなた、人斬り?

(尋ねた。)

刃々斬鈴音 > 「えっ?あっホントだ!鈴音ちゃん間違えちゃった。
 ゴメンネ!」

わざとらしく自分の頭をコツンと叩いて言う。
…その反応を見るに恐らくわざとなんだろう。

「…何?アナタもしかして鈴音のファン?
 それともここ等辺で人を斬られたら困る人?」

【間違いなく後者だろうな。…少しばかり派手にやりすぎたか。】

腰に下げた刀が男性とも女性とも分からない無機質な声でしゃべる。
…この反応が人斬りか?に対する答え。とても分かりやすい。

「ていうか!鈴音は自分の名前教えたんだからアナタも言わないと不公平よ!!」

柊 真白 >  
――妖刀か。

(なるほど、合点がいった。
 恐らく彼?が血を吸うのだろう。
 鞘に収まった状態からでも濃密な血の香りがするのが、何よりの証拠だ。)

私は別に。
ただ、あなたが好き勝手に人を斬ると困る人が居る。
私はその人に調べて欲しいと頼まれた。

(落第街には縄張りというものがある。
 自分たちのシマで好き勝手をされると、面子に関わる。
 だから同じ殺しで生活しているもの――同業と思われるのは癪だが――である自分に仕事が回ってきたのだ。)

柊真白。
――一応聞くけど、人を斬るのを辞めるつもりは?

刃々斬鈴音 > 【妖刀血腐レ、己はそう呼ばれている。】

刀が喋る。

「へえ、お仕事なんだ大変だね。
 その人も自分から来たら良いのに…。
 …でも、暑いからねー来たくないわよね。お金持ちはずるいな。」

そんな事を言って一人納得するように首を縦に振るう。

「分かった!鈴音約束するよ!もう二度と人を斬らないよ!」

【無理だ。人を斬る事をやめる事は出来ない。己には耐えられても鈴音には耐えられない。】

刀と人とで意見が割れる。

「そんな事ないもん!鈴音我慢する!頑張るもん。」【出来ない約束はしない方が良い。】

「真白ちゃんは鈴音の事信じてくれるよね?」【鈴音に期待するな。鈴音に我慢する機能は備わっていない。】

一人と一本が同時に白い少女へと同意を求める。

柊 真白 >  
物騒な名前。

(妖刀――血腐レと言う名前に対し、素直な感想を述べる。
 依頼人が直接来てもきっと何もわからないだろう。
 血の臭いに敏感なものでなければ。
 ――まぁ、彼らが来ても、ここで餌食になっていただけだろうけれど。)

……そう。
じゃあ――

(出来の悪い漫才のようなやり取りに、呆れたようなため息。
 埒が明かないといったように一歩踏み出し、)

――しばらくおとなしくしていてもらう。

(彼我の距離を一瞬で詰め、一気に自身の間合いへ。
 左手に持った鞘から右手で刀を抜き放ち、首を狙って一閃。
 両断はしない。
 鞘から抜いて首へ到達する前に、くるりと刃を返して峰を彼女の首へと走らせた。)

刃々斬鈴音 > 斬りかかられる事は何となく分かっていたのだろう片手で抜いた刀で刀を防げば
にゅるり、ジュルリと湿った感触。
…その刀の峰に赤黒い液体が付着する。

「危ない!どうして!鈴音斬らないって言ったじゃん!」

【賢明な判断だ。信じても2秒で裏切られていただろう。】

刀を刀で防ぎつつ空いた片手で相手の服を掴もうとする。
…防いだ感触は早いが軽い。
動きを止めてしまえばなんとかなる!

柊 真白 >  
生憎狂人の言うことを真に受けるほど馬鹿ではない。
妖刀の言葉の方が信用出来る。

(斬った――正確には打った感触がおかしい。
 僅かに眉を顰めるも、動きを止めることはしない。
 伸ばされる手から逃げるように後ろへと足を送る。
 同時に抜き放った長刀をくるりと返し、そのまま伸ばされた手を打つ用に振り下ろす。)

刃々斬鈴音 > 「狂人って!別に鈴音は普通だよ!
 普通に可愛い女の子だよ!」

腕に振り下ろされた刀に咄嗟に刀を割り込ませる。
勢いを殺すことは出来ずに左手に強い衝撃が走る。
苦痛に顔を歪ませるもそれと同時に不敵に笑う。

…更に相手の刀に赤黒い液体が付いた。
少しずつ確実に相手の攻撃の手段を奪えている。
この手にある痺れも痛みもそれに比べたら些細なものだ。

柊 真白 >  
(距離を取る。
 刀を見れば、血のような液体がべったりと付いている。)

――これは、血?

(刀から彼女の妖刀へ視線を移して問う。
 彼女よりも刀に聞いた方が早いと判断。
 見た目は血に見えるし、臭いも完全に血のそれだ。
 それを払うことも拭うこともせず、ただ問う。)

刃々斬鈴音 > 【己の力、血腐レ─ナマクラ。
 確かにそれは血だ。ただし、普通のものではない。】

払おうとしても払えないだろうし。
拭おうとしても広がるだけだ。
…ここで手入れしても取れはしないだろう。

「その血がついたら切れなくなっちゃうんだよ!」

鈴音の足元で爆発が起きる。魔力による小爆発。
それにより一気に距離を詰めて爆発の勢いそのままに真っすぐ喉元へと突きを放つ。

柊 真白 >  
そう。
なら、よかった。

(その答えに満足そうにしながら、べろりと血を舐め、嚥下。
 その瞬間から、自身は一時的にかの妖刀の能力と、その耐性を得ることになる。
 半身になって繰り出された突きを回避、同時にその刀身を左手で掴む。
 当然掌がざっくり切れて、)

返す。

(自身の血が血腐レにどろりとまとわり付いた。
 払おうとしても払えず、拭おうとしても広がるだけ。
 相手から自身の刀に付けられたものと全く同じ赤黒い液体。)

刃々斬鈴音 > 「…えっそんなの舐めてたらお腹壊しちゃうよ!」

急な相手の行動に明らかに引いた視線を向ける。

【…血を啜る怪物か。鈴音相手は人ではない。
 どちらかと言えば己に近いものだ。】

…狂人はどちらだ…素手で刀を受け止められた。
にゅるりとした感覚と共に引き抜くも刀に張り付いた赤黒いもの。
見慣れたそれが自らの刀にまとわりついていた。

「で、でも…ちーちゃんの第三の力があるから斬った相手は…。」

第三の力それは仕組まれた麻痺毒。
だが、傷つけたのにも関わらず相手の動きが鈍るそぶりさえ見えない。

「嘘…何で!」

どんどん相手を弱らせて弱ったところで打ち倒す。
その戦い方が使えない。

「何で!何で!何で!!」

がむしゃらに刀を振るう。
赤黒いそれに塗れたその刀はもし相手に当たっても同じようにそれを汚すだけ。
例え、髪の毛一本さえ断ち切る事も叶わない。

柊 真白 >  
相手の身体の自由と攻撃手段を奪って、自分は相手の血を吸う。
なんて悪趣味。

(己の刀に己の血を塗りつける。
 満遍なく。
 かの妖刀は、武器を弱体化させるしか能力は無いらしい。
 ならばその意味は、当然ひとつ。)

安心して。
殺すつもりは無い。

(誤って殺してしまわぬようにするためだけの行動。
 自身の血が滴る掌に舌を這わせ、)

暗殺者を舐めるな、狂人。

(その姿が消える。
 一瞬で彼女の後ろを取り、その足首へと刀――もはやただの堅い棒切れと化したそれを振るう。
 先ほどまでとは違う重い一撃。
 自身の血を摂取することで身体能力を高める、切り札。)

刃々斬鈴音 > 「そんなのズルいよ!
 何で鈴音の攻撃が効かないの!何でちーちゃんの力が効かないの!
 大人しく鈴音に倒されてよ!何で倒されてくれないのよ!」

鈴音は叫ぶ。完全にただの我儘な子供だ。
自分の思うようにいかなくてゴネるどうしようもない子供。

【…その言葉信じるぞ。】

「何勝手に諦めてんのよ!鈴音は鈴音はまだ負けてない!!
 もう怒ったこれでお仕舞いよ!血なんてどうでもいい吹き飛んで死んじゃえ!!」

ポケットからガラス玉を握れるだけ取り出してそれに一気に魔力を込める。
高まる魔力はどんどん膨張して爆発の臨界点は間近…というところで
後ろからそれが振り下ろされた。

爆発寸前まで高められた魔力は一気に引いていく。
妖刀血腐レその血に含まれた痛みを抑える麻痺毒。
そして後ろからの衝撃それに気を失いその場に倒れ伏した。

柊 真白 >  
――当然、刀だけじゃない、か。

(気を失った彼女を見下ろし、自身の刀に舌を這わせる。
 刀の表面に付いた血が自身の口内へと移動していき、刀は元の輝きと切れ味を取り戻した。
 それを鞘へと収めたところでふらついた。)

――っ、血腐レ。

(この切り札を使うと血が足りなくなる。
 それでもガラス玉に篭められた魔力を見れば、判断は間違いではなかったことがわかった。
 めまいをこらえ、妖刀の名を呼ぶ。)

血が欲しいのなら、仕事を回す。
辻斬りの真似事はやめさせろ。
――安全な場所まで運んであげるから、考えておいて。

(好き勝手に暴れればただの人斬りだが、依頼の元で人を殺せばそれは立派な仕事だ。
 自身は彼女をどうにかしろとは言われていない。
 使えるとわかれば使うやつも出てくるだろう。
 そうして彼女を背負い、歩き出す。
 体格差のある彼女を苦労して運びながら、その場を後にした。)

ご案内:「路地裏」から柊 真白さんが去りました。<補足:フリル山盛りの白ワンピース、白ニーソ、赤いロリータシューズ、長刀。>
刃々斬鈴音 > 【…】

妖刀は答えない。
否、答える手段を有しない。
だが、了解したように濡れて光る。

鈴音が目を醒ました後。
どういう風に行動するのかは未だ分からない。

ただ、彼女の中のいつか殺すリストに新しく一人の名前は書き込まれた。

ご案内:「路地裏」から刃々斬鈴音さんが去りました。<補足:血の匂いがする刀を持った制服姿の少女。>