2020/06/11 - 20:58~23:47 のログ
ご案内:「落第街大通り」に戸田 燐さんが現れました。<補足:蒼い髪と瞳をした、セーラー服の一年女子。(待ち合わせ済み)>
戸田 燐 >  
あ、うん。
迷いましたね。

放課後にあちこち散策するのは好きだけど。
方向音痴が災いして時々こういうことがある。
周囲の人のこう……こう…視線が痛い!!
良くないところに来た予感がすごくする!!

財布はまだある。
携帯デバイスのナビゲーションは真っ白な地図を写している。
どこ。ここ。

ご案内:「落第街大通り」にエルピスさんが現れました。<補足:右腕が二本生えている義腕を備えている、少女のような少年。>
エルピス > 少女に突き刺さる視線がさらに増える。
腕が二本と目立つ義腕を備えた、少女のような少年の視線だ。

「ん……」

買い物帰り、青い髪がとても目立つ少女を見つけた。
この初々しさは一年生だろうか。

髪色も目立つが、整った衣服と仕草は更に目立つ。
それはもう、目を引く。

戸田 燐 >  
ヒィ!?
中性的な、整った顔立ちの…同年代かな? そんな非現実的な美しさを持った存在。
そんな感じのヒトがこっちを見ている。
義腕……それも異形のそれはどう見ても戦闘用に見えて。

「あ、あ、あのー……学生通りに戻りたいのですががが」

話しかけた。だって周りの人からして相当、マシに見えたんだもん。
腕もない人だっているし!!
でも私、声は震えてました。

エルピス >  
視線が合った。声を掛けられた。
やっぱりこの腕が目立つのかな?

一度自分の腕に視線を落としてから向き直り、少しだけ表情を緩めてみせる。
非現実的な風貌と相まって、どことなく陰のあるような、大人びたような、やさぐれたような雰囲気だ。

「……やっぱり、迷子さんだね。
 ここは落第街と言って、歓楽街の隣にある場所だから戻るなら──」

"あっち"の方に歩けば戻れるよ。
そう告げようとした瞬間だろうか、

ボロの学ランにモヒカン頭に鉄パイプと言ったいでたちの、
『いかにも』と言った風貌の生徒がエルピスの後頭部に目掛けて獲物を奮う姿が見えたことだろう。

このまま何もしないで見ていれば、エルピスの後頭部を直撃するが──

戸田 燐 >  
「ら、落第街ぃ!?」

噂に聞く、あの落第街だろうか。
二級学生や違反部活の温床ッ!!
詐欺に殺人喜んで!!
人権以外はなんでも売ってる、あの落第街!?

その時。

「失礼ッ!!」

右手を向けると掌から氷の蔦を作り出して後ろから襲い掛かる鉄パイプを止めにかかる。
少年?の顔のすぐ横をすり抜けてその蔦は。
凶器を氷に絡め取った上で。

「お友達かしら? だったら過激な挨拶ね」

ギリギリと力で拮抗させながら。
険しい表情でモヒカン頭を睨んだ。

エルピス >  
「──ッ」

幻想のような、透き通った氷の蔦が髪を掠めていった。視線で蔦の先を追う。
分を狙ったであろうモヒカンを目の前の彼女が止めてくれたらしい。

「お友達……じゃないかな。」

ここの住人同士、と言えばお友達のようなものかもしれないと思いながらも、
誤解されても嫌なので、変な言い回しはしないでおく。

抑え込込まれているモヒカン……不良を鉄の足で蹴り飛ばして、
埃を払ってから向き直った。

「ありがとう。助かったよ。
 えっと……キミは?」

戸田 燐 >  
「そう? なら遠慮はいらないわね」

靴で地面を強く蹴る。
すると、鋼の蹴足で蹴り飛ばされたモヒカンの足首辺りが氷の枷で地面に縫いとめられた。

「私は戸田よ、戸田燐。あなたは?」

凶器を持った男たちが物影から視線を向けているのに気付いて。

「名前を聞くついでにエスコートをお願いしても?」

エルピス >  
「"とだりん"さん、だね。
 僕のことは……えっと、そうだね。エルピスって呼んで欲しいな。
 一応、一年生だよ。」

「……姓が戸田で、名前が凛かな?」

女の子をりん付けで呼ぶのは恥ずかしい。
そんな気持ちからか、そう訊ね返したりもする。

「エスコート……
 そうだね。さっきの恩もあるし、僕で良かったら。
 でもこんな目立つ腕の人でいいのかな? 怖くない?」

どうにもさっきのやり取りが呼び水になってしまったらしい。
"数や不意を打てばやれる。"と思っているような輩の視線が全身に刺さる。

戸田 燐 >  
「エルピス……同級生ね」

軽く腕を振ると左手に防御用の氷のダガーを作り出す。
右手の学生鞄も振り回せばいざという時に使えなくもないか。

「ええ。初対面であだ名で呼んで、っていう感じのキャラ作りはしてないから」

諧謔を交えながら頷いて。

「確かに腕は怖いわ、でもあなたは私を騙して迷い込ませるほど怖くはなさそう」
「私の勘は当たるのよ」

片目を瞑ってそう言って。
眼鏡を学生鞄を持っているほうの手で位置を直す。

「まずはどっちかしら……?」

エルピス >  
「うん。一応、同級生になるね。」

軽く笑ってみせる。
少しだけ含みがあったかもしれない。

「そっか。
 さっきは怯えてた感じだったし、てっきり……」

"雰囲気がかなり違う。"
少なくとも見る限りでは、先程のような怯えている雰囲気はない。
そのまま怖くなさそう、とも、告げられたぐらいだ。

途中、会話中に火球が飛んできたので"二本の右腕"で打ち払う。

「………あはは、"ありがと"。
 それじゃあ今だけでも、その勘に応えなきゃね。」

こたえながら一歩進む。
……懐っこそうに声を弾ませた。

勘が当たっているのかもしれない。

戸田 燐 >  
「一応? 何か事情でも?」

言ってから、気安かったかな…と反省する。
でも口に出した言葉は引っ込んではくれない。

「今のまま怯えてたら死ぬでしょ」
「死ぬよりは腹をくくったほうがマシ」

歩きながら曲がり角に氷のダガーを投げる。
それは一瞬で建物の表面を凍りつかせ、待ち伏せしていた男たちを行動不能にした。

「あー。もう。どうしてこうなるかな…」
「私はただ、青春したいだけなのに」

人生も道半ばなのに髪色も変わっちゃって。
異能も戦闘能力ばっかりで。
でも。

「でも……死んで花実が咲くものかってやつ」

そうだ。まだ私は何者にもなってない。

エルピス >  
「あ、えっと、深くはないんだけど、ややこしくて。
 ダブりとか、やり直しみたいな……、っと」

迂闊だった。
どう説明しようか。

言い淀んでいる内に氷が張られて"制圧"が進む。

「あはは。大丈夫大丈夫。
 今は僕がいるから死ぬことはないし、
 僕がいなくても頼れる風紀委員さんが居るからね。」

彼女の不安を和らげようと言い切ってみせた。
……そのまま前を進み、歓楽街までの道のりを案内する。

先程は後れを取ったが二度はない。
"こっち"、と言いながら油断する事なく先に進む。

「風紀委員のレイチェル先輩とか、凄いよ。
 今は丸くなっちゃったって噂だけれどね。」

戸田 燐 >  
「ごめん、聞かれたくないなら聞かない」

的確なナビゲーションで次第に危険な場所から離れていく。
彼にとって、落第街はきっと箱庭なのだろう。
でも……エルピスと名乗る彼は。どうして。

「エルピスと出会ってなかったらワンチャン死んでたのヒドくない?」

引きつった笑顔でそう言いながら、彼と共に進む。
歓楽街だってここよりはマシ。
あとは風紀に連絡したい。

「レイチェル?」
「あの時空圧壊《バレットタイム》、コーラーオブブラック、ロイヤルハリヒア(ジャッカルハント)…」
「“黒鉄の戦塵”レイチェル・ラムレイのこと?」

噂は聞いている。
まさか知り合いなのだろうか……

エルピス >  
「今はやめとこう。危ないし。
 ……お話しするならお茶しながらが良いし。

"それでも、落第街なら時を操る吸血鬼からだって逃げ切れる自信はあるけれど。"
そんな冗句を交え、少しずつ目立たなくなるようなルートを選びながら進む。

「あっ、ごめん。そういうつもりじゃなくて。
 ……そうそう。そのレイチェルさん。多少話したことがあるぐらいだけれどね。
 あっでも、佐伯さんと三人でスイーツとか食べにいったっけ……」

うろ覚えの記憶を掘り返す。
最初はお互いに良い印象がなかったけれど、和解できたんだっけ。
そんなことがあった気がする。

「足元、気を付けてね。
 変なのが居なくても、足場悪い所の方が多いから。」

戸田 燐 >  
「そうね、今度お礼にスイーツでも奢るわ」
「良いカフェを知っているの、コーヒーも上質でね?」

“その吸血鬼から逃げ切れるなら安心ね。”
そんなことを言いながら追っ手の足音を感じながら歩く。

「ふぅん、有名人と知り合いなのね?」
「私たちの間じゃもう話題よ、話題」

話題の中心というのはどういう気分なのだろう。
少なくとも私が望む平穏と静寂はなさそうだけど。

「ありがとう」

足元に気をつけながら歩く。もうすぐ抜けられる、という矢先。

『オイ、エルピスぅ。独り占めは良かねぇや』

と、巨躯の禿頭が立ちはだかる。
私たちの脱出経路を予知できていたとは考え難い。
恐らく、偶然出くわした悪漢……なのだろう。

『よこせよ、分け前くれぇやるからよ』

怖気がする。どの部分を分けられるのか、想像もしたくない。

エルピス >  
「あ、それは嬉しいな。
 良いスイーツもコーヒーも滅多に食べれないからね。」

 食べれないこともないのだが、贅沢できるほどのお金はない。
 何だかんだで"落第街に居を構える"のはお金が要るのだ。

「あはは。一年生の間でも話題なんだ。
 ファンクラブとかあったりする?」

などと冗句交じりの質問をしながらさあ出口だ。
──と思えば、巨漢の禿頭。

("夜明け前が一番暗い"、とは言うけれど。)

「キミか。」

"楽しい会話を邪魔された。"
そう言わんばかりに禿頭を不機嫌そうに睨みつける。

落第街に生きるエルピスにとって、
他愛のない日常的な会話は貴重だったのだろう。

(自業自得、なんだけれどさ。
 ……よくないこともたくさんしてるし。)

「断る。これは取引じゃない。
 取引の気分でもない。落ち度のない一年を売る程困ってない。」

戸田 燐 >  
禿頭の大男は壁に唾を吐いて破顔一笑。

『じゃア手前ぇは死ねやぁ!!』

エルピスに対し、身体強化系の異能で力任せに拳を振り下ろしてきた。
暴力。それは何時いかなる時代においても存在してきたもの。
武の対極にして、人類の本能!!

「エルピス!!」

鞄を片手に持ったまま吼え、左手を相手に向ける。

「散華霧氷(コキュートス)!!」

異能認知学。
異能の名を口にしながら行使することで、異能の出力と精度が上がるという話。
利用しない手はない。

軽く左手を握ると、周囲から氷の蔦が伸びて相手の四肢を拘束する。

「楽しい会話を邪魔した代償は高くつくわよ!!」

あとは、エルピスが。

エルピス >  
力任せに奮われる『暴力』。自分と同じタイプの戦法だ。
まともに受け止めれば『泥臭く、血生臭いことになる』。


後ろには戸田が居るから見せたくない。
見せたくないが仕方ない。

意を決して暴力に暴力で応じようとしたその刹那。
異能の名と共に氷の蔦が禿頭の四肢を縛る。

身体強化系統を抑え込むのは容易くはないはずだが、
彼女はそれをやってのけたのだ。

「!……分かった!」

この機を逃すつもりはない。
地面を割る程に強く踏み込み、左手に渾身の力を込めて禿頭の顎を撃ち抜く。
まともに中れば真上に吹き飛ぶだろう。10mは軽く跳ぶ。

「んのぉ、らアッっ!」

戸田 燐 >  
禿頭の大男は真上に吹き飛ぶ。
そのまま慣性を失い、背中から地面にズドンと落ちて。
……気絶した。

「氷で関節を押さえたわ、他愛無い」

ふぅ、と溜息をつくと緊張から震える指先を後ろ手に隠して。

「エルピス、怪我はない? とはいっても、瞬殺だったけど」

そう言って笑う。
もうこんな場所に用はない。
騒ぎを聞きつけた誰かが来ても問題のない、歓楽街に抜けられる。

「あなた、強いのね?」

そんなことを話しながら、夕暮れの街へと抜けていった。
良い感じの知り合いが増えたのはいいけど、さすがに怖かった……

エルピス > 「怪我は大丈夫。……荒事も慣れてるからね。」

その割には奇襲を受けかけたり攻撃を躊躇ったりしている。
何にせよ、少しの間を置いてから。

「……とりあえず、ここをまっすぐいけば歓楽街に出ると思う。
 風紀委員に報告するなら『落第街』じゃなくて『歓楽街の端』って言った方がスムーズかもしれないね。
 落第街、ない事になってるから。」

道を譲る。
……少しだけ、言い淀むようにして……。

「僕があんま言っちゃいけないことかもしれないけれど……
 こんな所もあっても……常世学園は悪くない所で、青春だって送れるから。
 あんまり気を落とさないでね。それと……」

「……またね。戸田さん。」

エルピス > ……来た道を引き返し、落第街へと戻った。
ご案内:「落第街大通り」からエルピスさんが去りました。<補足:右腕が二本生えている義腕を備えている、少女のような少年。>
ご案内:「落第街大通り」から戸田 燐さんが去りました。<補足:蒼い髪と瞳をした、セーラー服の一年女子。(待ち合わせ済み)>