2020/06/22 のログ
ご案内:「農業区」に山本 英治さんが現れました。<補足:タンクトップ/ツナギ/アフロ(乱入歓迎)>
山本 英治 >  
梅雨の晴れ間は開拓日和。
今日は新しく作る畑の警備に来ている。
最近、門があって物騒だから。風紀に依頼が来た、みたいな形だ。

これで俺が呼ばれたのは理由がある。

「よっこいしょぉ!!」

切り株を引っこ抜いて一箇所に集める。
俺なら警備をしながら、怪力で開墾の手伝いができる、というわけだ。
まぁ、地味な仕事だし新入りの俺の出番でもある。
風紀としても、パワー型異能としても役に立つのなら文句はない。

「岩が埋まってるけど、どっか持っていきます?」

汗をかいていると、嫌なことを考える暇がなくなる。
ああ、なんて晴れやかな一日なのだろう。

山本 英治 >  
ここで作られた野菜が、常世の台所に来るというわけだ。
となれば、俄然手を抜けない。
タオルで汗を拭う。

どこまでも広がる青空と、照り付ける太陽が見えた。

道教によれば、天の三宝は日、月、星。
こんなにも大きな太陽に照らされれば、素晴らしい野菜ができるだろう。

護衛対象の農業部に呼ばれて、お次は水撒きだ。
ここも機械化されるまでは、人の手で水が撒かれているのだなぁ。
牧歌的で、落ち着く。

ご案内:「農業区」に紫陽花 剱菊さんが現れました。<補足:紺色のコートに黒髪一本結び。紫陽花を彩った竹刀入れを携えた男性。>
紫陽花 剱菊 > 快晴天道。健やかな陽光を浴びながら、男は静かに農業区を歩いていた。
公安への許可を承り、その後土地勘を慣らすために西へ東へ。
一異邦人の身、とある少女の推薦もあってこその今の立ち位置だ。
戦の下準備として、下準備は当然の事。
今や、表舞台なり影なりと、何処で剣を抜くかは分からない。

「…………。」

それでも、此の自然穏やかな空気は好きだった。
男は平穏を好む。だから、此処の空気は気に入った。
さて、そうこう歩いていると作業中の男性が目についた。
農作業……今は水撒きの最中か。
静かな足取りで、男は近づいていく。

「……精が出ておられるようですね。些か、油照りのような熱気だが……、……。」

自然と、彼の頭に視線がいった。
何と見事なアフロ。
だが、男は異邦人。
自分の知識にこんな髪型はなかった。なので

「……卒爾乍ら……其の頭部、焼き討ちにでも合われたか……?」

めっちゃ正直に思った事を尋ねた。

山本 英治 >  
声をかけられて振り返る。
ホースの水を止めてから、笑顔を見せた。
艶やかな長い黒髪が陽光を吸い込んでいる。
鋭い視線。だが緊張や不快を思わせるものではない。

「はい、暑いですね。こういう太陽が野菜を美味しく作るんですよ」
「とはいえ、熱中症には気をつけなければなりませんね」

視線が頭部に向く。

「ああ、いえ……ファッションです………男の、魂…」
「こう……パーマとか…………わかるかな、機械で熱して…」

嗚呼、疑問もわかる。
俺も初対面でアフロを見たらアフロに目が行くし、
知らなかったらアフロについて聞いてしまうかも知れない。

「この髪型はアフロヘアー、俺は山本英治と申します」

紫陽花 剱菊 > 「私には、一つとして農業はわからない……が、穏やかな土と野菜の瑞々しさ。薫風漂えば、如何様なものかは理解出来る。……人々の生活を支える基盤。立派な志と思えば、ただ感謝するばかりだ。」

まさに命を育む慈愛の業。
自らの宿業とは対極的な行いには、一種の憧憬を持っていた。
世辞を含まぬ赤裸々な感謝の言葉を述べ
男は静かに、相手へと一礼する。
表情はあまり変わらない、不愛想な仏頂面だが
その人間性は穏やかで真面目ものが伺える。

「……魂……。」

成る程、あれは即ち彼の"宿業"(?)と言う訳だ。

「(……確かに魂は燃えるものなので)……男子たるもの、行く先は其の"あふろ"と言う事か……。」

彼はとてもまじめでした。
なので、絶妙な勘違いから変な事言い始めたぞ!

「此れは、ご丁寧に……私は、紫陽花 剱菊(あじばな こんぎく)。如くも無い男ではあるが、どうか、ご容赦を……。」

名乗りの後、再び静かに一礼。

山本 英治 >  
「ええ……俺も風紀なので、細かいことはわからないのですが」
「それでも。良い野菜ができる土壌作りを手伝えるのは、嬉しいです」

掌を見る。
壊すことしかできない、そう勝手に思い込んでいた手も。
意外とできることがあるじゃないか。

「あ、いえ」

どうしよう、誤解させてしまった!?
アフロヘアーは俺にとっての魂ではあるんだけれども!!

「……この髪型は一般的に見れば、ヘンな髪型で」
「このヘアースタイルにするのは男でも稀です」
「誤解、誤解なきよう……俺個人の魂であり…」

自分の身を否定しても、紡ぐ言葉。
届け。アフロから。

「俺個人の趣味であって真の漢かどうかは髪型に左右されません!!」

血の涙が出るかと思った。
髪はストレスで白くなってないだろうな!?

「それはそうと紫陽花さんはどうしてこんなところを?」
「野菜とか欲しい感じなら直売所があちらに」

紫陽花 剱菊 > 「…………。」

黒い双眸が、真っ直ぐ相手を見据えていた。

「……"適材適所"。其方が如何様な生を辿ってきたかは皆目見当は付かない。
 然れど、手は拳に非ず。武は人に非ず。自らを"人"と定めんとすれば
 其方の手は、肝胆を砕く思いで在れば空へと届き、雲すら掴めよう。
 ……太平の世を、平穏を望む同士よ。その嬉しさを識ったのであれば、其方は"人"で在らねばならない。……余計なお世話で在れば、其れで良い。」

武に通ずる人間だからこそ、彼の目線。
己の手への一瞥を理解した、してしまった。
其れはただ聞こえの良いだけの理想論かもしれない。
同時に、其の言葉は"反面教師"だ。
既に男は、自身を"人"ではなく"刃"と定めた。
今更遅いかもしれないし、余計な言葉をかけたかもしれない。
だが、戻れるのであれば、どれだけ鍛錬を積もうと
彼には"人"であってほしかった。
土壌を広げ、命を育み、世を賑やかす、"人"の一人に。

「…………。」

しかし、まぁ、なんだ。
それはそれとして、彼には悪い事をしてしまったらしい。
まさに勇気(?)を振り絞ったような言葉。
然れど、彼個人の宿業とあれば、どの様な言葉を選んだものか。

「…………。」

「済まなんだ……私は"あふろ"、良いと思うぞ。」

言うに事欠いてそれか???

「……否、野菜が欲しいのもあるが、公安へと腰を据えた身。
 私は、此の島に来て日は浅い。土地勘慣らしの為に、当て所無く彷徨っていた次第だ。」

山本 英治 >  
彼の黒い瞳は、太陽を映して。
俺を射抜くように、真っ直ぐ見ていた。

「俺ね……結構、叱られますよ」
「失敗ばっかりだ、単独行動すれば失敗、始末書を書けば記入ミス」
「でも、わかってなけりゃダメだとか」
「完璧じゃなければ無駄だとは思わない」

目を瞑る。言え。言うんだ。
自分は獣ではないと。何かを殺すだけの拳ではないと。

「俺は人だから。どんなに遠回りをしても、目的地を目指します」

レイヴン先生。建悟。叱ってくれてありがとうな。
そして紫陽花さん。今、俺に言ってくれた言葉を忘れない。

「……野菜を作るのを手伝って喜んでる風紀がいてもいい…そうじゃないか」

あと気を使わせてしまった。
ごめんねー!! アフロヘアー気に入ってるけど!!
こんな言葉を言わせるために毎回4時間かけてアフロにして、
毎日シャワーを浴びるたびにシャンプー3分の1使ってるわけじゃないんだけど!!

「あざす」

シンプルに死んだ目。

「公安ですか……じゃあ、風紀と足並み揃える存在ってわけだ」

髪を漁るとアフロから塩分タブレットを取り出して、個包装を破って口に放り込む。
グレープフルーツの香りが、鼻腔をくすぐった。

「いいでしょ、農業区。牧歌的で、自然が残ってて」

紫陽花 剱菊 > 「……鉄は、打たれて響き、やがて形を成す。自らを若葉と思うのであれば、先に描いたものを見据えて打たれると良い。」

「見据えた目標に近道は無い。然れど、其の目で見据えていれば、心配はいらんな。」

どれだけ遠回りしてもいい。
それが言えるのであれば
目的地がその目で見えてるのであれば
彼は大丈夫だ。
夢幻ではあるが、その背中には彼を支える人影が
夏の陽気の陽炎のように少しだけ見えた気がした。
男の一文字の口元が、僅かに緩む。

「良き関係を持ったようだ。"人"であるなら、忘れぬようにな。」

人とは成り立ち通り、互いに支え合う者。
脆弱と誹る輩もいるが、その支え合いこそが人を人足らしめんとする強さ。
そして、其れを護るのが"刃"たる己の役目。
────此の島にも、身を賭して護る"人"がいると再認識出来た事に、より一層身が引き締まる。


「…………。」

しかし、彼の目から光が消えてしまった。
何と言う事だ。何やら、良くない事をしてしまったようだ。
(※あんまり悪いことした自覚は無い。)
かくも、謝罪を口にしようとした時…。

「…………!?」

今、アフロから何か取り出した。

「あ、嗚呼……私のいた世界でも、民草が農具を掴む姿は逞しくて好きだった……。」

若干上の空気味の返答。
そんな事よりも、やはりあのアフロが気になってしょうがない。
なんだ、あれは。あの中に何があるのだ?
まさに、それは頭部を包み隠す黒の積乱雲。
男の鋭い視線が、一身にアフロへと突き刺さる──!

山本 英治 >  
「わかりました、紫陽花さん。いつか、痛みが削り出す俺自身の形ができたら」
「紫陽花さんも見てくださいね」

足元の石をサッカーのリフティングの要領で蹴り上げる。

「石ころを削るのは、川の流れだけじゃない」

空中にある小石を拳で三度打ち、角を取る。

「それもまた、摂理か………」

今まで出会った人は。
きっと俺に色んなことを示してくれてたはずだから。

そして彼の視線がアフロにまた大集合している。

「え、あ、あの」

ポケットから塩分タブレットを取り出して。

「い、いりますか? 髪に入っているのは自分用なので…心理的に嫌でしょうし」

どうしよう。
不快な思いをさせてしまっただろうか。
自分にはこう、ポケットと同じ気分でアフロにモノを突っ込む悪癖がある。

「便利なんですよね、意外と」

紫陽花 剱菊 > 「────私で良ければ、其方の行く末を見届けよう。」

強く、頷いた。
其の行く先が如何様なものであれ
自らが影響を出したなら見届ける義務はある。
だが、もしその行く先が"見るに堪えるもの"であれば
男は自らの意義を証明するつもりではあった。
それらを一つに含めた返答。覚悟には覚悟で返す、重みの言葉。
打ちあがり、丸くなった石を一瞥した。

「千々に乱れようも、流れのままに……然れど、川を選べるのも人の選択だ。」

人は流れには逆らえない。
其れは、この身が良く知っている。
だが、如何様な川で流れつくかは
"人"なら選べる。その角を研磨するに相応しい川
……其ればかりは自身で見つけるしかないが、それ以上口添えする必要ないと、男は思った。
そう、人は流れに逆らえない。

「…………。」

この、"アフロに対する絶え間ない好奇心"もまた流れ。

「……否、不快とは思わない。が、其れ以上に……」

「……卒爾ではあるが……"あふろ"に手を突っ込んで良いかな?」

そりゃもう滅茶苦茶アフロ見ながら言っている。
両手をワキワキさせながら、何だかキラキラした眼差しをしている24歳男性。
そりゃもう許可を取ったが、状況が状況なら黙って手を突っ込むレベル。
アフロを覗く時、アフロをまた覗いているという(いわない)が
人は好奇心には、流れには勝てないのだ……。

山本 英治 >  
ニカッと歯を見せて笑って。

「あなた……良い人っすね」

天然理心、その心を問うが太極。
拳法の理論は全ての源が自然にある。
俺は、なんとなくだけど。
人の理論は、人の流れの中にある。
そんな気がしていた。

そしてアフロに手を突っ込みたいといえば。

「あー……いいっすよ」

と快諾した。減るもんじゃないし。

「ちょっと汗かいてるんで、申し訳ないすけど」

彼に近寄って、頭を下げた。
受けろ、直径40cmアフロの洗礼を。

「中にペンとか入ってても気にしないでくださいね」

思えば、アフロに触りたいという人はあまりいない。こちらも好奇心だ。

紫陽花 剱菊 > 相手の言葉に、男は静かに首を横に振った。
寂れた雰囲気だ。照れ隠し、と言う訳ではなさそうだ。
何かを返そうとはしなかった。彼の心に水を差すのを良しとしなかったからだ。
だが、其れだけは否定しておいた。
決して自分は、貴方のような"善人"ではない、と。

「……真か……!?」

滅茶苦茶嬉しそうに驚いてる。
なんやかんやアフロの誘惑には勝てない男。
両手を合わせ、静かに一礼。
アフロに対する礼儀さえも忘れない。

「……では、失礼……。」

早速そのアフロ目掛けて……
────ヒュッ。
抜き手の如き勢いで、両手をアフロの中へとねじ込んだ!
其れこそ勢い余って貫通しそうなほどに!
加減と言う言葉をご存じかな?
知らないからこうなった。

山本 英治 >  
「マジっす」

相手が一礼をすると、こちらも慌てて左掌に右拳を合わせて頭を下げた。
ここまでアフロに礼節を尽くしてくれればアフロも本望。
アフロ甲斐があるというもの。

「どうぞ!」

頭を下げたままの俺の頭に……勢いよく手が突っ込まれた!!

「も、もうちょい穏当にできませんかねッ!?」

その時、アフロからコオロギが一匹這い出してきた。
さっきの切り株を引き抜いた時に紛れ込んだのかな?
アフロの中で死んでなくてよかった。

アフロの手触りは、柔らかく。適度に弾力がある。
もっさもさのふっかふかだ。

紫陽花 剱菊 > ズボッ!
勢いよく両手がねじ込まれた。
包まれた諸手を包む何とも言えない感覚。
此の謎の黒い物体Xの外身からは計り知れない
程よいもふもふ感と手触りふかふかもさもさ感。
この感じ、さながら……。

「────けだま……。」

黒の毛玉。
そう形容するに限る。
仏頂面ながらも、男はじんわりと感動しているようで
手を突っ込んだまま微動だにしない。
これは、人をダメにするタイプのアフロ……!!

「…………。」

ふと、アフロから這い出てきた虫一匹。

「……一つの集落か。確かに、此の質量、合点が行く。腰を据えるには丁度良き"あふろ"だ。」

お前は真顔で何を言ってるんや?

山本 英治 >  
「あ、はい。けだまです」

マリモと言われなくてよかった。
いや自分でも何がいいのかわからんけど。
なんか喜んでるみたいだし、いいのかな?

「集落ではありません……虫も普段はあんまりいません…」

時々いる。
仕方のないことなのだ。
アフロを維持する上でのコラテラル・ダメージ(仕方のない犠牲)と言える。

それにしてもさっきから周囲の農業部の視線が痛い!!
男が男のアフロに手を突っ込んだまま会話してるからだ!!
俺がこの光景見たら携帯デバイスで撮影(と)ってSNSに流してるわ!!

っていうか横目で見たらめっちゃ撮影されとるわ!!
チックショオォォォォォォォォォォォッ!!

紫陽花 剱菊 > 滅茶苦茶中をもさもさもふもふ中を手でかき回すように弄っている。
この新感覚。いかけない、正直ハマりそう。
というか、既にハマった。文字通りずっぼし。
正直(絵面と腕が)死ぬほどむさ苦しいのが欠点だが
此れは此れは……此の島にもこのような物があったのか。

「…………。」

「所感ではあるが……此の手触り。三十は命がある。」

男から発せられる衝撃の言葉──!
直系40cmのラ〇タを包み隠す秘密の砦は
本人の素知らぬ生態系が築かれていたようだ……!

さて、そうこうしているうちに何やら聞きなれない音がする。
横目で見やれば、何やら写真を撮られているようだ。

「…………。」

ズボッ。片手をアフロで抜くと
あろう事か、カメラに向かってピースをした!
(※真顔で)

山本 英治 >  
「さんじゅう!?」

知らなかった!!
俺のアフロには既に生態系が発生していた!?
生態系/俺のアフロに/生態系。
今のは関係ない。

そして片手をアフロに突っ込んだままピースサインで撮影される紫陽花さん。

「いやちょっとなんでピースしてるんスか!?」
「ちょっとバズりそうなオモシロ写真が量産されてるっスよ!!」
「ちくしょう、農業を手伝ってほっこりしてたのに!!」

「謀りたもうたかーッッ」

 
数刻して。
 

俺は周りを農業部の人たちに囲まれ、手を好き放題アフロに突っ込まれていた。
死んだ目でなされるがままにアフロを弄られている。

どうしてこうなった。

色々あったけど、紫陽花さんと知り合えたし……まぁいいか!!
そう言って自分を誤魔化す弱い22歳の姿がそこにあった。

紫陽花 剱菊 > 「…………?」

「……いけないのか?人が笑顔になるのは、良き事だ。」

男は真面目でした。
だからきっと楽しい農業区の人々の為になると思ってました。
笑いものって言葉知ってる?
知らないんだろうなぁ……。


────……程なくして、男は遠目で彼を見ていた。
しれっと農業部の野菜を購入し、紙袋を抱えながらアイスクリームをなめながら、玩具にされるアフロを見ている。

「…………。」

「……うむ。」

うむ、じゃないが?
元凶はとても満足げに笑っていました。
悪意のない善意って怖いね。
今日も農業地区は平和そのものでしたとさ……。

ご案内:「農業区」から山本 英治さんが去りました。<補足:タンクトップ/ツナギ/アフロ(乱入歓迎)>
ご案内:「農業区」から紫陽花 剱菊さんが去りました。<補足:紺色のコートに黒髪一本結び。紫陽花を彩った竹刀入れを携えた男性。>