2020/07/07 のログ
ご案内:「常世公園」に227番さんが現れました。<補足:白い髪、青い瞳。白の袖なしワンピースに麦わら帽子。帽子のリボンに227と書かれたバッジ。[乱入OK]>
227番 > 池をじっと眺めている。

落第街の何が混ざってるわからない水と違い、比較すれば綺麗な水には見える。

227番 > 別に掬って飲もうだとか、水に入ろうだとは思わない。
ちゃんとした水は持たされているし、227は泳ぎ方を知らない。

ただ、大きな水たまりがあり、そこで何かが動いた。
それが気になって、しゃがみこんで、じっと眺めている。
何か居るのだろうか?

空はすでに暗くなっており、水面は街灯を映しているが、なお少女は動く様子はない。

227番 > 水面は変わる気配はない。風が吹いてたまに揺れる程度だ。
それでも少女はじっと見つめている。

落第街でも、水に潜む生き物がいるのは知っている。
泳げないので近寄ったりなどはできず、何か居る、ぐらいの認識だが。

その正体が少しでも知れたらという、好奇心だ。
まんまるな青い瞳は、水面に反射した光を映している。

ご案内:「常世公園」にヨキさんが現れました。<補足:29歳+α/191cm/黒髪、金砂の散る深い碧眼、黒スクエアフレームの伊達眼鏡、目尻に紅、手足に黒ネイル/黒七分袖カットソー、細身の濃灰デニムジーンズ、黒革ハイヒールサンダル、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>
ヨキ > 子どもが池の前にしゃがんでいる。
平和な光景だ。池の中に何か居るのかと気になって、そちらへ足を向けた。

「こんにち――……」

挨拶をしようとして、帽子のバッジが目に入った。

「……227君か?」

つい先日、彼女が落第街を出たという話を聞いたばかりだった。
目をまん丸くして、少女の隣に同じようにしゃがみ込む。
帽子のつばの下から、その横顔を覗き込むように。

227番 > 「……?」

聞いたことのある声がする。ようやく意識が水面から離れる。
それから、横でしゃがんだその人に顔を向けると、青い瞳は一瞬驚いたかのように見開かれる。

「先生……」

少女は嬉しそうに、笑みを浮かべた。

ヨキ > 目が合う。
顔中が明るんで、笑顔でいっぱいになる。

「ああ。こんにちは、227君。この前会った以来だね。
すっかり綺麗な格好になって、見違えたよ」

顔にも、声にも、喜びが滲んでいる。

「“こわい”気持ちは、もうなくなった?
君を見ている人は、どこにも居なくなったかね?」

227番 > 「えっと、こん、にちわ。
 きれい……ありがとう?」

ぎこちなく挨拶を返す。最近教えてもらったものだ。
……どれくらい前だったかな。すっかり思い出せない。
日付感覚は未だ身についていない。

「……見てる、なにかは、あの時だけ、みたい……」

不思議そうに首を傾ける。
違う日に勇気を出して踏み出してみれば、その時は何も起こらなかった。

「だから、今は、大丈、夫」

ヨキ > たどたどしい挨拶に、うんうんと頷きを返した。

「よかった。
今はもう、怖い思いはしなくて済んでいるのだね。
本当に良かった……」

へたり込みそうなほどに安堵する。
眉を下げて、いっそ泣きそうな笑顔で。

「227君。こっちの街はとても広いだろう。
山本君という……頭のモコモコした(モコモコするジェスチャ)彼から……君がこっちへ出てきたという話を聞いてね。
君のことがずっと気になっていたんだ。

これでもっとたくさん、君の“先生”が出来ると思うと、ヨキも嬉しいよ」

227番 > とはいえ、解決したわけではない。
いつか来るかも知れない、というのはあるだろう。

「……先生?大丈夫?」

227は言葉のコミュニケーションは未だ苦手なので、
相手の表情の動きには敏感である。

「うん……おととい?迷子、になった……。
 やまもと……(ジェスチャを見る)……あ、エイジ。

 わたしも、また、会えて、うれしい」

ヨキ > 「いや、済まない。大丈夫だ。
あのとき、怖い思いをしていた君のことが、とても心配だったから。
今だけでも、怖い気持ちがなくなったのが嬉しいんだよ」

息を吐く。気を取り直して、少女へ向き直る。

「あはは、迷子になったか。
それでも帰れるようになって……いろんな人に助けてもらえているんだな。
ふふ、そうそう。エイジのことだよ」

笑いながら、地面に腰を下ろして緩い体育座り。

「学園には行ってみたかね?
ヨキはいつもあの高い建物の中で、勉強を教えているんだよ。
そのうち227君も、ヨキと一緒にお勉強をする日が来るかもね」

227番 > 「そっか……えっと、ありがとう」

大丈夫だと言われれば、こちらも安堵の表情。
それから、心配してくれる人にはお礼を言うようにしている。

「その時は、ソラに、こうあん?に連れてってもらった」

実際、落第街に比べると、かなり広い。
迷子として見つけてもらった時もかなりの距離を一人で歩いていたらしい。

「がくえん?
 あれのとこには、行ったけど……」

時計塔を指差す。降りれなくなっていた、というのは聞いているかも知れない。

「教える……先生、の、しごと……?」

ヨキ > どういたしまして、と頷く。
少女から他人の名前が出るのは嬉しいものだった。

「公安か。公安はね、この街のことをよく知っている人たちだよ。
その人たちに助けてもらえたなら、君はこれからもきっとホッと出来る」

時計塔を見上げて。

「ああ、そういえば、山本君が“あれのとこ”で君を助けたと言っていたっけ」

つい先日、アフロヘアの彼から聞いたことの顛末だ。

「うん。そうだよ。
字が書けるようになるとか、絵が描けるようになるとか。
空に浮かんでいるのが雲だとか、そこの池を泳いでいるのが魚だとか……。

君が知らないことを、いっぱい話して、覚えてもらうことだ。
それがヨキの、先生の“しごと”なんだ。

それで、知らないことを覚える人たちを“生徒”という。
もしも生徒になったら、君も今よりもっとずっと、いろんなことが覚えられるよ」

227番 > 「街を、よく知ってる……。人、探せる?」

227は会いたい人がいる。しかし、手がかりは何もない。
尋ねる相手が違うかもしれないし、
なんなら保護者も公安の一員だったりするのだが。

「高いとこ、ちょっと、怖い…かも」

腕を抱える。あれから、一人では登らないと決めている。

「字、絵…くも……?あ、さっきの、さかな?」

じっとしゃがんで追っていたものは魚だったようだ。
魚自体は、落第街でも見たことは有る。大半は生ゴミの状態だが。

「勉強……わたしも、いろんなこと、知りたい。
 わたしの、ことも、みんなの、ことも。
 わたしも、せいと。なれる……?」

ヨキ > 「もしかすると、一緒に捜してくれるかも知れないね。
もしも“公安”をやっている人が近くに居たら、人を捜していますって相談してごらん。

あはは……。そうか、登っちゃったか。
高いところ、すごく怖かったろう?
だから本当は、あすこへは入ってはいけなかったんだよ。
次からは、あまり高いところへは行かないようにな」

苦笑する。
彼女が立入禁止の看板が読めなかったことをすぐに察して、言葉遣いは優しい。

「うん。いろんなことを知ると、いろんなことを考えられるようになる。
怖いものが怖くなくなったり、楽しいことがもっと楽しくなったりするよ。

君が今、誰と一緒に居るのかヨキは判らないが……。
その人にも、相談してみるといい。
すぐには生徒にはなれないかも知れないけれど、きっと前向きに考えてくれるよ」

両手を広げてみせる。
まるで生徒になった先の、華やぐ夢を見せるように。

227番 > 「……わかった、聞いてみる……」

知らない人に話しかけるのは、まだ苦手なので、知っている人を当たるのだろう。

「入ったら、ダメ…そう、なんだ。気を付ける」

ダメと言われたら、認識を改める。
素直に言いつけを守るだろう。

「……怖いものが、怖く、なくなる……、

 "ほご"して、くれたのは、ゆーり。歌、教えて、くれた。
 そうだん……うん、聞いて、みる」

伺うように見ていた表情は一転、笑顔になった。

ヨキ > 素直な少女の様子に、ヨキは満足げに笑った。

「ああ。それが気を付けられるなら、もう大丈夫。
怖い思いもしなくなるよ」

ゆーり。その名を聞いて、ほう、と頷いた。
彼女を助けてくれた者の名を、しっかりと覚えるように。

「ああ。ヨキはいつでも、新しく生徒になってくれる子を待っている。
だから227君、君も。
エイジや他の友達と一緒に、いっぱいいっぱい“お勉強”が出来るといいね」

はたと気付いて、鞄を探る。

「……そうだ。君にこれを渡しておこう。
もしも学園の人の助けが必要なときには、これを人に見せて。
これがあれば、君はヨキを知っていることが判るから」

少女へ差し出したのは、一枚の名刺。
彼女には読めない、難しい文字がたくさん書かれている――何ということはない、ヨキの肩書や連絡先だ。

「ああ、そろそろヨキは“お仕事”に戻らなくてはいけないな」

227番 > 「うん。わたしも、勉強、したい」

期待…というよりは、希望か。そんな眼差し。

「……カード?……わかった」

それから、差し出されたものを受け取って、見てみる。
裏返したり、違う角度で見てみたり。
当然ながら、全く読めない。
それを小さなポーチに丁寧にしまう。

「……おしごと、わかった。」

ちょっとだけ寂しそうな表情を見せるが、すぐに笑顔に戻る。

「帰り、気を付けて」

ヨキ > 少女のきらきらとした眼差しを受け止めて。
名刺を興味深そうに眺める様子を見つめる。

「ああ、君とはもっともっとお話がしていたかったが……。
だがね、“生徒”になれば、人とお話する時間もいっぱい増えるんだ。
それもまた、ヨキは楽しみにしているよ」

立ち上がって、尻の土埃を軽く払う。

「ありがとう。君も気を付けたまえよ。
暗くなると、街はどこも怖くなってしまうからね。
周りが真っ暗になる前に、君もお帰りよ」

帽子を被った少女の頭を、軽くぽんぽんと撫ぜて。
手を振りながら、“高い建物”の方へ帰っていく。

ご案内:「常世公園」からヨキさんが去りました。<補足:29歳+α/191cm/黒髪、金砂の散る深い碧眼、黒スクエアフレームの伊達眼鏡、目尻に紅、手足に黒ネイル/黒七分袖カットソー、細身の濃灰デニムジーンズ、黒革ハイヒールサンダル、右手人差し指に魔力触媒の金属製リング>
227番 > 人と話をするのは苦手だが、楽しいのも事実。
勉強すれば、人と話す機会が増えれば、苦手もなくなるだろうか?
そうだったら、自分もとても楽しみだ。

「うん、夜はあぶないって、ソラ、言ってたから、
 もうちょっと、したら、帰る」

去っていく姿に手を大きく振って見送っていると、
ぱしゃんと水面で水がはねる。

そちらに目をやるが、その正体が魚だとしったから、今日はもう十分。
すっと立ち上がり、小走りで帰路につく。

ご案内:「常世公園」から227番さんが去りました。<補足:白い髪、青い瞳。白の袖なしワンピースに麦わら帽子。帽子のリボンに227と書かれたバッジ。[乱入OK]>