2020/07/11 のログ
ご案内:「歓楽街 廃屋だった修道院」にマルレーネさんが現れました。<補足:165cm/金髪碧眼修道服/乱入歓迎>
マルレーネ > 歓楽街の更に奥まったその場所に、小さな修道院があった。
飲み歩いて入り組んだ街を歩いていると、不意に存在する不思議な建物。そんなイメージ。
廃墟となっていた修道院をコツコツ掃除して、また使えるようにしたわけで。
人がいる際は「誰でも 懺悔・相談・愚痴・不平不満 なんでもお聞きします」という看板が掲げられ、中に入れば金髪のシスターが一人。


「……ええーっと……」
少しだけ困った様子で、やってきた男3人を前に頬をぽりぽり。

男たち3人の主張はとてもある意味分かりやすく、分かりやすすぎるが故に困っているのだ。
シスターの目の前には小さな袋に入った錠剤が2つ、これを飲んでほしい、と。

マルレーネ > 「相談でも愚痴でも何でもないですよね?」

真っ当にツッコミを入れるが、男3人に囲まれて、思わずおおぅ、と声が漏れる。
なんていうか、とってもわかりやすい方々でして。
視線がへばりつくようにこっちを見てくるわけですね。
つまるところ、これに抵抗をしたらどうなるか分からない上に、この薬を飲んでもどうなるかわからない。
これはあれですね、対応を間違えたら痛い目を見るというか、間違えなくてもほぼほぼやべー奴ですね。

「……………えー、っと、そうですね。 水がいりますかね………?」

あはは、と誤魔化すように笑いながら、よいしょ、と懺悔室から立ち上がって。
視線が修道服の上から全身を這いまわるのを感じる。

ご案内:「歓楽街 廃屋だった修道院」に高坂 綾さんが現れました。<補足:口布/忍装束/赤いリボン>
高坂 綾 >  
「女性(にょしょう)に一服盛るとは関心しない」

入り口から声をかける。
逆光でわからないだろうが、顔の下半分は口布で覆われている。

「如何だろう、まずはその薬を自分たちが飲んで安全性を証明するというのは」

一歩、修道院に足を踏み入れる。
乱入者の姿は、忍装束。

「ここは神聖な場所だ………邪なる考えなど、存在する余地がないと知れ」

男たちに白刃を思わせる鋭い視線を向けた。

> 「何だ手前……?」

男は振り向きざまににらみつける。口布で覆われ、忍装束を身に纏ったその姿を見咎めれば、………大勢の空気が無いことを知りつつ、じり、っと2人が近づいてくる。

「女専用の『イイ』薬だからシスターに分けに来たんだよ、それともお前が飲むかー?」

下卑た声で、手を伸ばしてくる男。

マルレーネ > 「………え、ええーっと、………あ、危ないですよー?」

やってきた女性に声をかけるシスター。
何とかここを切り抜ける方法………男たちを物理的に分からせるのではなく、意味がないと気が付かせる方法を考えていたのだけれども、他の人が来るなら内容は変わる。
こちら側に残った一人をちら、と見て。 拳をきゅ、っと握り締める。

高坂 綾 >  
「賢しらな振る舞いくらいして見せろ」

自分の肢体に手をかけようとした男たちに。

「蛇(ジャ)ッ!」

その場で回転しながら蹴足。
ローリングソバット、という動きが近いか。
とにかく男性二人をまとめて蹴りかかる。

「お前たちにはまるで知性が感じられん」

着地と同時に影からクナイを取り出す。
いつでも殺れると刃を見せつけているのだ。

> 「なぐっ……」

一人は、その蹴り脚が見事に顎を捉えて、がくん、っと首が揺さぶられ。
そのまま前に突っ伏すように顔から落ちていき。

「ぎゃ……っ!?」

もう一人は、その顔面を横薙ぎに蹴られて吹っ飛んで、長椅子を蹴散らしながら倒れ伏す。


そして残る一人は、その光景に思わず息をのんで前に一歩出たところで。

マルレーネ > 「では。」

ひょい、と背後から最後の男に組み付いて、腕を喉に回してチョークに入っていく。
男の背中に柔らかいものを押し付けてしまいつつ。

シスターの細腕ではあれど、男がその腕を掴んでも全く動く気配は見せず、呼吸を静かに奪って、意識を切り離させ。


「………ふう。 ありがとうございます。」

汗をぐい、っとぬぐいながら、3人分の男が失神している中、にっこりと微笑みかけるシスター。

高坂 綾 >  
「……助けは要らなかったかしら」

口布を下ろす。口調も変わる。
要は使い分けですね。

「良い腕前ね、簡単に男一人を絞め落とした」

クナイを手放すと、私の影の中に沈んで消えた。

「シスターをかどかわ……かど…………」

噛んだ。

「コホン。かどわかそうなんてロクでもない連中ね」

ああ、かっこつかない。

マルレーネ > 「いえいえ、………1対1ならともかく、3人だとちょっと。
 順番に3人がそれぞれ来てくれるならいいんですけどねー………。

 一人が動かなくなるまでに他二人に思い切り叩かれるのが目に見えていたので、少し困ってました。」

頬をぽりぽり。対単体ならいいんですけど。

「あはは、………ここだとよくあると言えばよくあるんです。
 元々、ここは修道院ですけど、そういった手合いのたまり場になっておりまして。
 それを修繕したばかりなんですね。

 ですから、そういった興味があるんだろう、みたいなことをよく言われまして。」

とほー、と悲しそうな顔をしながら遠い目をする。
ビッチシスターとか言われた。ひどい。


「ありがとうございました。 おかげで助かりました。
 今日は御用などがあります? なかったとしても、お茶の一つでもどうでしょう。

 ……あ、大丈夫ですよ、アレは入れませんから。」

ぺろ、と舌を出してウィンク一つ。冗談がお好き。

高坂 綾 >  
「それは困るわね……小悪党ほどよく群れるから」
「一対一を三回繰り返せるほど狭い路地に逃げたら逆に危ないしね」

クス、と顎に細い指を当てて笑って。

「……言いがかりじゃない」
「やっぱこいつら連行するわ……風紀にこってり絞ってもらう」

影からロープを取り出して全員、後ろ手で結ぶ。
女性の敵は世界の敵に等しいのだ。

「全くもう、さっきまで襲われてた人の言うジョークとは思えないわね?」
「それじゃ一杯いただこうかしら……」

三人並べて『天誅』としたためられた書を貼り付けて携帯デバイスで写真を取る。
現代忍ゆえに。

マルレーネ > 「そうなんですよね、まあ、多少の怪我を覚悟すれば何とかなるといえばなりますけど。」

会話の割に言葉の響きはゆるい。
本当に危険だと、生命の危機だと感じていないようにも感じられるくらいに穏やかな言葉を漏らしながら。


「そうなんですよ、言いがかりですからね。
 いや本当、よくよく考えたらそういう場所に毎日入り浸っていると考えたら言われてしまうのも分からなくはないんですがねー。

 だから、ここの管理も面倒らしくて。」


ぎゅ、っと縛っている姿ものんびりと眺めつつ。

「ええ、ではお礼としてぜひぜひ。
 あ、私はマルレーネ、と申します。
 他の世界からやってきたので、こちらの世界の宗教の人間ではないのですが………。
 それでも、相談などを受け付けていますから、何かあれば。」

飲み物、お茶か紅茶かコーヒーかジュース、何がいいですー?
なんて、奥から声をかける。

高坂 綾 >  
「綺麗な女性が怪我なんてしてはいけないわ」
「それが暴漢に危害を加えられて、なんてもってのほかだわ」

そう言うと縛り上げられた三人の前で腕組みをして。胸が邪魔。

「それで管理を押し付けられた、って感じかしら」
「お人好しね……」

自らの影を引っ張ると、影がカーテン状に伸びて。
それを下ろすと制服姿に変わっていた。忍法、早着替えの術。

「私は高坂 綾。最近、常世島にやってきた一年生よ」
「異邦人というわけね………よろしく、マルレーネ」

緑茶がいいわ、と声をかけて。

「相談があるとしたら……一学期の単位が転入生には絶望的なくらいかしら」

マルレーネ > 「綺麗とか。」

もー、っと声を漏らしながら、頬がぽっと赤くなる。
えへへ、と照れたように笑いながら、二人分の緑茶を持ってきて。


「よくよく考えてもらえれば、あとからやってきた余所者に、これをしてほしい、っていうこと自体がありがたい話なんですよね。
 私、前の世界でもいろいろなところを転々としていたので。

 特に、この手の世界では、余所者にはいい顔をされないことが多くて。
 そう考えれば、恵まれているんです。」

綾さん。
名前を繰り返して、向かいの椅子に腰かける。

「マリーでいいですよ。 異邦人……というには、見た目も文化も似すぎていて。」

少しばかり目を伏せて苦笑する。
異邦人側にも「お前はこっちの世界の人間だろう」と詰られ。
こちらの世界の人間からも「異邦人だろう」とレッテルを貼られる。
どっちつかずか、それとも幸運か。

「……私はこの世界のことをゆっくりと知る期間だと考えられますけれど、もともとこっちにいた方からしたら、ただここに居続けるわけにもいかないですよね。
 ……実際、テスト難しかったですし………。

 美術とか生物とか赤点でしたし………」

唸る。今度補習行かなきゃ。

高坂 綾 >  
「事実でしょ?」

フフフ。もっと自分の価値を知って自分を大事にするといい。
緑茶を手に取る。少しぬるく、量が多めなのがありがたい。
……石田三成って異邦人に通じるかしら。

「恵まれてる、か………」
「でももっと自分を大切にしてほしいわ……マリーね、わかった」

美術と生物…………
だ、大丈夫かなぁ。勉強。ついていけるかなぁ。

「立派なニンジャになるために……座学は避けて通れないのだけど…」
「本当は、自信を持って勉強に取り組みたいわね…」

緑茶同様に言葉を濁した。
ああ……明日の朝、起きたら天才になってないかな。

マルレーネ > 「え、なんですか、褒め殺しですか。
 ニンジャってそんなこともできるんですか。」

照れる。照れ過ぎて手で顔を隠した。
もーもー。


「大切ですよ、私が元気ではないと、他の人のお仕事をこなせませんし。
 何より、こちらの世界のことをもっと知らないと。

 幸運か不運かはともかく、……もう、来てしまいました。
 ですから、私からもっと歩み寄らないといけないと思うんです。
 こっちの世界をよく分かっていけば、力の抜きどころも分かるのかな、って。」

あはは、と笑いながら目を伏せる。
緑茶を少し口にして、目を閉じて。

「………時間がかかるのは、仕方ないと思っています!
 文字をかけるようになったの最近ですし!
 私に追いつかれないように気を付けてください!」

ぱっ、と目を見開いて、自信満々にそう答えた。
恥ずかしいのか、頬をちょっと赤らめながらだけれど。

高坂 綾 >  
「バレた? 忍法褒め殺しの術よ」

ああ、なんていうこと。リアクションがあまりにもかわいい。
助けられて良かった。高坂流の名に恥じない振る舞いが、できたかも。

「……それまで力が入りっぱなし、と聞こえるのだけど?」
「疲れたら、相談してね。私にできることは、あんまり多くないけど」
「不思議な忍法、なんでも使っちゃうわよ」

柔和に笑ってお茶を飲む。
これで後ろに気絶した男たちがいなかったら惚れてたわ。
廃墟みたいな修道院ってシチュエーションがまた良い。

「努力しているのね……私も負けてられないわ」

そう言って立ち上がる。
スカートのまま跳躍して、高所の窓に手をかける。

「後片付け、任せていい? お茶、ごちそうさま」
「また会いましょう、マリー?」

そう言って窓から屋根へ。屋根へ。
軽やかに跳び上がって行った。

マルレーネ > 「ニンジャおそるべし………。
 綾さんもとっても綺麗なのに。」

むうう、と唸る。こっちばかり照れさせられている。ズルい。

「ふふ、大丈夫ですよ。
 疲れたらしっかり休んで、また頑張るだけですから。
 忍法、………いやまあ、忍法は見てみたいですけど。」


「ひゃっ!?」

跳躍が信じられないほど高くて、思わずびっくり。
スカートの中が見えた気がするけど、その速度に目を白黒させながら。

「……はい、今日はありがとうございました!」

手を振りながら見送るシスター。
不思議なニンジャに助けられた。……とても不思議な経験に、しばらくの間、ぼーっと見送ってしまって。

「………あ。」

男三人の後片付けに、うーん、と唸るシスター。とりあえず外に出しておきましょうか。

高坂 綾 >  
後で通報を受けた風紀が男三人を連れていきました。

ご案内:「歓楽街 廃屋だった修道院」から高坂 綾さんが去りました。<補足:制服/ローファー/赤いリボン>
マルレーネ > ………………。

「あら………。」

机の上に錠剤が2つ。風紀が持って行かなかったそれを、少しだけ困った顔で手に取って、後で持って行こうと棚に入れ。

ご案内:「歓楽街 廃屋だった修道院」からマルレーネさんが去りました。<補足:165cm/金髪碧眼修道服/乱入歓迎>