2020/07/07 のログ
ご案内:「常世博物館【特別展示あり】」に武楽夢 十架さんが現れました。<補足:黒髪赤目、足元が土に汚れた橙色のツナギを来た細身の青年>
武楽夢 十架 > 七夕祭り―――その当日ともなれば、こんな場所に来る人はよほどの物好きかと思う。
展示をはじめて少し経つし、この手のことに興味を持つ者は大体開催初日やら三日以内には足を運ぶ物好きばかりだろう、なんてそんな打算。
それでも極僅かには人がいる。
普通の学生ならそこまで興味は持たない。
あるとして一度はどんなところか見に行くか、はあるかという場所。
で、あるからして青年を知る者――共に学ぶ者や畑仕事をする者なら違和感を覚えただろう。
興味はそれほどないが、展示品を眺めているフリをする。
そうしていると数名の学生集団とくっ付くようにして一人の男子生徒がやや、青年に近寄った。
そして、タイミングよく動いた青年の手とぶつかる。
こんな広い通路で。
「ああ、すみません」なんて態とらしくお互い頭を下げて。
古典的、故にそれほどバレない情報の受け渡し。
こういう学生が夢中になる催し物がある時は、とても便利な場所だ。
武楽夢 十架 > 久しぶりに制服なんて引っ張り出して来たが、
確りとした格好っていうのはそういう気分にさせてくれる。
自分は学生だったなぁと思わせる。
なら学生らしく、少しここで考えることをするのは面白いかも知れない。
取り出した携帯端末に、指先サイズの小さなチップを挿入しながら。
そう「神」だとか「怪異」とかいう存在ついて考えるのはいいかも知れない。
きっと、碌でもない奴らばかりではないかと思っている。
―――きっと『僕』は奴らを憎悪しているから。
武楽夢 十架 > こういう歴史についてはそれほど詳しくない。
大昔の大雑把な出来事についてやら近代史については授業でやった覚えがある。
《大変容》により旧世紀は終末に向かう。世界厄災、異界大戦。収束と常世学園の設立。
大きな単語だけ抜き出せばそんなものだが、
落ち着いてきたとは言え、ここにある《大変容》前の歴史資料は何処か夢物語かと思えてしまう。
隠されて表の世界にない《魔術》。 ほぼ日常に存在しない《異能》。
「神」や「怪異」なんていうのは、歴史上の書物それも創作物扱いを受けたことすらあるという事。
すべては《大変容》を起因として変化したと読み取れる訳だが、
では―――南極大陸に出現した《第一の門/始原の門》とは、一体どうして出現したのか。
その答えはこの展示にもない。
「その辺はいずれ専門家が調べて公開してくれるのを待つしかないか……」
答えを得るためのアプローチなど、知りはしない。
無駄なことを考えたかとため息を吐いて肩の力を抜いた。
武楽夢 十架 > 一応、いつか歴史好きと話し合ってみたいと思うネタにはなったかと苦笑する。
退館に足を向け、携帯端末をいじれば
―――星座占い、最下位は蟹座。ラッキーアイテムも何をやってもダメかもしれない。
そんな絶望的な表示をスクロールする。
スクロールする。
スクロールする。
スクロールする。
スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。スクロールする。
スクロールした。
―――Report_F_0706
先程挿入したチップから風紀委員会が一般構成委員に出してる落第街や要警戒事項をまとめた情報
と、
―――Report_True_xx.xx.xx
過去の日付であるファイルが一つ無事に読み込まれていた。
それだけ確認すると携帯端末をしまって、この場を後にする。
ご案内:「常世博物館【特別展示あり】」から武楽夢 十架さんが去りました。<補足:黒髪赤目、学生服姿の青年>