2020/07/25 のログ
ご案内:「落第街大通り」に羽月 柊さんが現れました。<補足:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。黒のスーツに竜を模した仮面をつけている。小さな白い竜を2匹連れている。>
羽月 柊 >
「………っつつ……。」
落第街の一画。路地に無造作に置かれたゴミ箱の上に座る。
足が割れた瓶の欠片を蹴り、か細い音を立てた。
男は『トゥルーバイツ』のモノ達と"対話"を続けていた。
柊の相性はやはり想像の通り、最悪だった。
何度も平行線を辿り、時にぶつかり、時に戦闘にもなった。
戦闘も出来るとはいえ得意とは言い切れない男は、傷だらけだった。
道中の回復の言霊すら追いつかない。
まったく泥臭く、それでも彼らと話すと決めた男は、
幾度となく取り零し、喪い、それでも闇を駆けていた。
しかし流石に身体が悲鳴を上げる。
傷を一旦治してしまわないと動けない。
全く自分に若さが無いのが恨まれる。
そんな束の間の休憩の時間。
羽月 柊 >
彼ら『トゥルーバイツ』にとって、柊は辿って来た道筋そのもので、
男の話すことは"これからもその絶望を続けろ"と同義だった。
彼らの抱える哀しみを知っている。
彼らの声なき悲鳴を知っている。
けれど、それでも柊は生きる側だった。
『再び舞え桜、慈雨の口付け、数多なる祝いを手に…。』
血の滲む箇所に言霊を落とし、治し、己を鼓舞する。
蛍のような光が傷口で瞬く。
言葉は祝いと呪い、両方の意味を持っている。
言霊はまさにその意味合いを増幅させたものだ。
魔力を操る上で、自己暗示にも近い状態で音を紡ぐことが、
柊にとっての魔術を扱う術であった。
この治癒が終わるまではジッとしていよう。
終わればまた駆けよう。
羽月 柊 >
小竜の一匹を招き寄せ、手に留まらせる。
……自分は、1人ではなかった。
ならば、きっと、彼らにも、独りではないと…伝えられるだろうか。
これ以上抱えきれるのか? という問いをする自分は常にいる。
自問自答はいつだって繰り返している。
それでも、走ると決めたから。
不躾と分かっていても、無礼だと理解していても、
彼らの前に立つと、決めたのだ。
彼らのこれまでの道筋に新たに道を作ると決めたのだ。
彼らの道を塞ぐことで争うことを決めたのだ。
……自分が、そう在れると、今一度、想う。
己の喪失を見つめながら。
――傷は治った。行こう。
そうして男はまた、闇へ混ざっていく。
ご案内:「落第街大通り」から羽月 柊さんが去りました。<補足:後入歓迎:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。黒のスーツに竜を模した仮面をつけている。小さな白い竜を2匹連れている。>