2020/07/06 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」に神樹椎苗さんが現れました。<補足:黒基調の衣服、スカート。怪我だらけの自殺癖。後入歓迎 ~6:00までRP可>
神樹椎苗 >  
 つい最近オープンしたという扶桑百貨店。
 様々な店が軒を連ねる百貨店は、自殺するのにとても適しているとは言えない。
 が、その九階の書店に足を踏み入れた椎苗は、その普段無気力な瞳をわずかに輝かせていた。

「……なるほど、久延毘古を名乗るだけはあるじゃねーですか」

 大量の本がずらりと並び、迷路のように書棚がひしめいている。
 その光景には、さすがの椎苗も心をくすぐられるものがったようだ。
 書棚の迷宮に踏み入れる足取りは、普段に比べ少しばかり弾んでいる。

 まあそれも、『端末』としての機能の一部であるが、椎苗には知る由もない。

神樹椎苗 >  
 書棚の間で視線を左右上下へと走らせる。
 文庫や新書、コラムやエッセイ、辞典や図鑑、実用書に児童書。
 品揃えはあまりにも豊富であり、ここでなら揃わない本はないのではと思わせるほどだ。

「悪くねーです。
 これなら退屈しのぎにはもってこいですね」

 すべての本を読もうとしたら、それこそどれだけ時間があっても足りないだろうが。
 不幸にも、椎苗には時間があり余っている。
 どれだけ読もうと、どうせ使い終わる事などない時間が。

 ふらふらと書棚の間を彷徨い、足を止めたのは学童向けの参考書や問題集の並ぶ区画。
 もはや棚がいくつあるのか数えるのもばからしい中でも、椎苗にとって手に取る本を吟味する障害にはならない。
 しかし、唯一問題があるとすれば。

「……届かねーのです」

 書棚の上部には、どうあがいても手が届かない事だった。

ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」にさんが現れました。<補足:幼女、今回は本当に偶然>
> 今日はたまたま、好きな漫画の発売日なのでたまたま寄ってみた幼女、だが視線は一点集中、いつものように駆け出した

「しーーなーーちゃーーん」

神樹椎苗 >  
 書棚の上に手を伸ばしていた椎苗は、なんとも不似合いな場所で突然の声を聞いて。
 バランスを崩してずっこけた。

「なんでここにも居やがるのですか」

 書棚に打ち付けてしまった額を擦りながら、声の主を探すために左右を見る。
 ――どこだ!

> 左右を見ながら、居ない、いや後ろの棚からだ、ぬ、と小さい身体をぶつける様に抱きつこうと

「しーなちゃんしーなちゃんしーなちゃんなにしてるの?あそぼ?」

いつものようぢょである

神樹椎苗 >  
「――ン゛ッ
 ……あーあー何度も呼ばなくても聞こえてるのです。
 ていうかうるせーですし、あそばねーですし、帰りやがれです」

 後ろから飛びつかれ、再び書棚に頭をぶつけた椎苗は奇妙なうめき声をあげながらも、少女に抱きつかれ揺さぶられている。
 その邪険にして追い払おうとする言葉使いは、いつもの椎苗である。

「こんなところに何しにきやがったですか。
 お前、本なんか読んだりするのですか」

 失礼なことを言っているが、椎苗の持っている正直な印象である。

> 「えー、一緒にお買い物しよ?大丈夫?ぶつけた?」

幼女はマイペースである、頭を撫でるようによしよしと

「え?まんがとかよむよ?」

幼女らしい返答である

神樹椎苗 >  
「ぶつけたのです。
 お前のせーです。
 しいは一人でゆっくり、静かに買い物してーのです」

 頭を撫でられても、椎苗はとっても不機嫌そうに恨めしい視線を少女に送る。

「あー漫画ですか。
 まあ漫画も悪くねーですけど」

 しかし、近くを見てもここは漫画のある区画とは全く違う場所だった。

「お前、どうやってここまできやがったのですか。
 この店迷ってもおかしくねーくらいでかいですけど」

> 「えー、ひとりはさみしーよ?」

撫で撫で、痛いのかなーと不機嫌な顔を勘違いし

「たんていねこちゃんのまんが、さがしにきたの」

キョロキョロ

「ここどこ?」
案の定である、迷っていた

神樹椎苗 >  
「寂しくねーです……って何回言えばいーんですかね」

 問答をしても不毛なので、すでになすがままにされている。
 この前向きに強引な子供らしさは、椎苗の手には負えない。

「思いっきり迷ってるじゃねーですか」

 ワンフロア丸々書店となれば、子供一人で歩いていれば迷うのも必然かもしれない。
 興味のない本など、どれも同じように見えることだろう。
 少し考えて、ここまで見てきた書店の陳列を思い浮かべた。

「『たんていねこちゃん』ですか。
 そういえば新刊出てましたっけ。
 入口の方に平積みになってましたけど、見てねーんですか」

> 「むー、しーなちゃんはわがままだなあ」

いつものように振り回しながら

「あと、もんだいしゅー、とかみてたけどわかんなくなってー」

一応勉強するって気概は出たらしく、でも子供が見てわかるものでもないのでうろうろしていて。

「うん、たんていねこちゃんぎんがへんかいにきたの、しーなちゃん、ばしょわかる?」

神樹椎苗 >  
「わがままじゃねーです」

 抱きつく少女を引きはがしながら、ため息一つ。

「まあ場所くらいわか――」

 そこで一度、言葉を止めて。

「……らねーですね」

 と、視線を泳がせながら答えた。

「問題集なら、わからねーでもないです。
 とゆーか、このあたりの書棚、全部勉強のための本ですし」

 と、周囲にある書棚をずらっと示し。

> 「むー」

仕方ないなあと剥がされながら

「しーなちゃんもわからない?」

困ったねえ、とあまり困ってない顔で

「てすとにつかえそうなやつ、どれかなあ?」

むーと問題集と睨めっこしながら

神樹椎苗 >  
「そーですねー、わかんねーですねー」

 感情のこもってない言葉で答えながら、結局困るのは自分だけなのではと思い始めた。

「お前、見てもわかんねーだろ、です。
 お前が読むのにちょうどいい本があるんですけど。
 ……お前やしいでは届かねーです」

 と、書棚の上の方にある、『謎解きで覚えるシリーズ(最難関・算数図形編)』を指さした。

> 「んー、どうしようかー」

あんまり困って無い声で

「あー、とどかない、かも?」

うーんうーんと手を伸ばし

「とどかない」
無理である

神樹椎苗 >  
「そりゃー、しいより少し大きいくらいじゃ届かねーですよ。
 なにか台を借りてくるか、誰かに取ってもらわないと無理です」

 と、腕を伸ばす少女を見つつ、首を振る。
 おそらく、子供が自分で買いに来る事を想定していない陳列だったのだろう。
 そのあたりは、店自体ができたばかりで、客層に最適化されていない様子がうかがえた。

「しかたねーですね。
 都合よく大人が通りかかるなんてこともねーでしょうし、店員でも呼び出すのです」

 と、検索装置からスタッフの呼び出しをしようと、近くの装置を探す。
 130㎝程度の少女と、さらに小さい120台前半の椎苗ではどうすることも出来ないのだ。

> 「いけるかなーって」

無根拠ななんとなくである

「んー、だねえ、だれか来たらいいんだけどー」

キョロキョロと

神樹椎苗 >  
「いけねーです」

 両手を体の前でクロスした。

「まあ来ねーでしょう。
 広さの割には人もすくねーですし。
 ……今スタッフを呼んだから問題ねーですよ。
 ついでに、お前も漫画コーナーに案内してもらえばいーです」

> 「だめかー」
バッテンのポーズを真似して

「ん、しーなちゃんはなにかかうの?」

そういえば、と聞いてみたり

神樹椎苗 >  
「真似すんなです」

 言いながら、質問の答えには先ほど手を伸ばそうとしていた本を指さした。

> 「しーなちゃんといっしょー」

えへへと笑いながら

「しーなちゃんもおべんきょ?」

わかってない顔

神樹椎苗 >  
「お前の勉強用に丁度いいと思ったから買ってやろうと思っただけです。
 しいはもう、初等教育は余裕で『平均点』をとれるから勉強はひつよーねーんですよ」

 そう自分の行動を説明すると、何とも言えない表情になる。

「まあでも、そうですね。
 ほしい本はほかにもなくはねーです。
 本を読むのは嫌いじゃないですからね」

 時間を潰すための本はいくらあってもかまわなかった。
 それが『端末』としての情報蓄積の機能でしかなくても、椎苗にとっては数少ない嗜好品の一つなのだ。

「ほら、店員が来たみてーですよ」

 やってきたスタッフは、椎苗の話を聞くと、謝りながら『謎解きで覚えるシリーズ(最難関・算数図形編)』を取ってくれた。
 そしてすぐ、「ほかにお探しのものはありますか?」と椎苗と少女に聞くだろう。

> 「しーなちゃん、ありがと」

純粋な笑みを浮かべて

「ならしーなちゃん、いっしょによも?たんていねこちゃんぎんがへんです」

店員につたえ、案内してもらい

神樹椎苗 >  
「今日の勉強で満点取れたら付き合ってやってもいーです」

 そう言いながら二人で案内される。
 その途中で、椎苗は一冊の本を見つけてひょいと手に取った。

 二人を無事に漫画コーナーへ送り届けたスタッフは、子供二人にも丁寧に挨拶しながら別の業務に戻っていく。

「仕事熱心な店員ですね。
 ほら、さっさと会計にいくのですよ。
 どうせ一人じゃ迷子になるんでしょーし、連れてってやるのです」

 そう言って少女の手を取ると、会計カウンターに手を引いて連れて行く。
 自分の分はさっさと会計を済ませてしまって、少女が漫画を買うのを待っている。

> 「ん、頑張る」

にこにこ笑いながら

「ん?えへへ、ありがとうしーなちゃん」

手を引かれながら漫画を購入し、えへへと笑いながら側に寄って

神樹椎苗 >  
「頑張るのは悪くねーです。
 せいぜい頑張りやがれですよ」

 傍によって来る少女に手を振り、思い出したように書店の袋から買ったばかりの本を『二冊』差し出す。

「どっちもお前にやります。
 勉強用と、勉強の息抜きにでも読むといーです。
 なかなか興味深くておもしれ―本でした」

 と、『謎解きで覚えるシリーズ(最難関・算数図形編)』に加え『ドグラ・マグラ』と書かれた本を渡した。

> 「うん」

にこにこと

「あ、ありがとうしーなちゃん、わ、嬉しい」

意図しないプレゼントに笑みを浮かべてお礼を言う、ペコリってあたまも下げた

「えっへーへーしーなちゃんしーなちゃん」

甘えるように身体を寄せて

神樹椎苗 >  
「あーもー、なんですぐくっついてくるんですか。
 暑くねーんですかお前は」

 などと言いながらも、突き放したりはしない。

「仕方ねーですから、今日のところは一緒に帰ってやります。
 今度は一人で来るんじゃねーですよ、違法ロリ。
 次は迷っても、助けてやらねーですからね」

 そう言いながらも、きっとその場に遭遇してしまえば助けてしまうのだろう。
 少女にくっつかれたまま、この日もまた二人で寮への帰路に着いたのだ。

ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」から神樹椎苗さんが去りました。<補足:黒基調の衣服、スカート。怪我だらけの自殺癖。後入歓迎 ~6:00までRP可>
ご案内:「扶桑百貨店 久延毘古書房(9F)」からさんが去りました。<補足:幼女、今回は本当に偶然>