2020/08/03 のログ
ご案内:「委員会街」に羽月 柊さんが現れました。<補足:後入歓迎:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。スーツ姿。小さな白い竜を2匹連れている。>
羽月 柊 >
夕刻には少し早い時間。
所によって慌ただしい風紀委員の声が聞こえたり、
各種委員のモノが仕事内容について議論しながら通り過ぎていく。
近場に設けられた簡易休憩所のような場所の椅子に腰かける。
ううむ、と軽い唸り声と共に それ を眺める。
常世島の職員証である。
これまで羽月柊の職員証にはX年度常世学園卒業生、魔術学会OB
羽月研究所所長という肩書だったのだが、そこに今日、新たにひとつ加わった。
常世学園『教師』である。
「昔はもっと受理に時間や試験があったと思うんだが……。」
なので今日は外回りの仕事は全て外したのだが、かなり早く終わってしまったのである。
羽月 柊 >
まぁ、今までの業務を放り出す訳にもいかないので、
臨時講師に近い形なのだが、ここまであっさりと受理されるとは。
最悪数日かかるだろうと見て、早めに行動したのにだ。
確かに先日ヨキが『教師はいつでも手が足りていないから歓迎される』と言っていたとはいえ…。
ほぼほぼ、書類上審査のみでパスしてしまった。
実績自体は確かにある。
常世学園を既に生徒として経験しているし、魔術学会・魔術協会に属しているし論文も出している。
研究職としても、学園側に竜の端素材を実験用等で卸していたりするし、
事業がある分全てではないにせよ、異世界に関する知識・技術協力は何度かあった。
卒業した時は"無能力"だった故に、もっと渋られるかと思っていたのだが…。
おまけにいつも一緒の護衛竜であるセイルとフェリアの立場も保証されるとのこと。
これまでペット扱いというのも少なくは無かったのだが、
知能が人間成人並にあると相手側に伝わると、学園内で連れていても問題無いようだ。
彼ら小竜は竜語という、ある程度体系化されている言葉を喋るのもある。
故に、己が教師として教えられるモノは
『異世界学』『妖精学』『竜語』『魔術学』。
歴史や座学なんかも異世界学の齧りであるが、まぁそれぐらいになるだろう。
問題は最近覚醒したかもしれない、まだ正体の分からない異能なのだが…。
ご案内:「委員会街」に芥芽 あるさんが現れました。<補足:黒髪ショートボブの女性 まんまる眼鏡にぱっちりとした黒い瞳 スーツ姿>
芥芽 ある > 【「はい、皆さんおはようございます! 芥芽あるです!
今日の私は……見回りの!先生!です!」】
芥芽 ある > 「……っていっても、風紀委員とかいるこの辺だと別に生活乱れてる子とかいないのよね……」
私は思わずぼやいてしまう。
折角の夏休み。あれやこれやそれやしたい!って思うのは先生だって同じだと思うんですけど!ど!
でも、仕事には勝てません。はい。
素直に見回りを続けます、私……
「……あら?」
そして見かけるのは、この辺には少し似つかわしくないちょっと渋い男の人。
それにちっちゃな……あれ、なんだろう? 鳥? にしてはちょっと大きいような、もふもふしてるような……
それより、なんか渋メンさんがちょっと憂いを帯びた顔してなにか考えてるの……良い!
……こほん
「……えっと……どう、しました?」
思わず近寄って声をかける。
羽月 柊 >
異能について、特殊領域《コキュトス》の件は伏せて話してみたのだが、
『現状での再現性の無さ』ということで、今は一旦置いておかれた。
学園内で異能学教師を見つけたら声をかけてみるしかないか…
確か異能検査テストのようなものもあったな。
そんな訳で羽月柊は今日から教師である。
展開が早い? そこは大人の事情。
委員会街とはいえ、完全に統率が取れているという訳ではない。
今日二級学生から正式に生徒になる為に訪れるモノもいるだろう、
異世界からやってきたばかりで、これから生活委員を訪れるのに彷徨うモノもいるだろう。
もしかすれば、少しサボっている風紀委員だっているかもしれない。
ここ委員会街はいつも別の意味で賑やかだ。
そんな中、職員証を眺めていた男に近づいてくるのは。
「…ん? あぁ、こんにちは。
いやなに、特に迷子という訳ではない。」
どうやら何かしらの【教師】のようだ。
傍らを飛ぶ…鳥では無かった。
もっふりとした毛に、蝙蝠に近い膜の翼。
紅い一角と蒼い二角のそれぞれ……小さいながらもそれは竜だ。
芥芽 ある > 「あはは、流石に迷子、はないですよね。いえ、なにか思い悩んでるような感じだったので。
大丈夫ですか?」
さすがイケメン、言葉遣いも声もイケメンだ!ああ、これだけで一日報われた気がする……
って、違う違う!そうじゃない、そうじゃないでしょ!
そもそも……あれ。この人、職員証持ってる? あれ? 先生?
あれ、もしや同僚? え、待って。知らないこんなイケメン。
クッ、誰だ隠してたの……!! ああいや、違う。それも違う。
「わぅ!あなたも先生でしたか。ごめんなさい、知らなくて……
この学園、教師の人手足りない割に手広いから全員って結構把握できないんですよね……!
改めまして。私、芥芽ある、です。教員やってます! って、知ってますかね……?」
あははは、と笑って誤魔化す。
うん、これで万事オッケー、のはず……はず、だよね……?
「え、っと……それで、先生は?
あと、このもふもふ可愛い子たちって先生のお連れさんですか……?」
すかさず小話も交えて誤魔化しの畳み掛け。
うん、我ながら完璧ね。
羽月 柊 >
この男はただの人間だ。
この男は異能に抵抗出来るほどの強さはない。
芥芽あるが【教師】であることを、男は疑う余地がないだろう。
「これは申し訳ない。知らなくて当然だと思う。
なにぶん、"今日"から教師になったモノでね。
自分は羽月 柊(はづき しゅう)。よろしく。
昔はここの生徒だったが、卒業後の先生方は分からなくてな。貴方とは初めて逢うかもしれない。」
職員証というのは、常世島に不正に居る訳でなければ、
島に貢献する学生以外の立場のモノに支給される。
これが無ければ島のサービスが概ね受けられなくなる代物である。
故に二級学生、不法入島者が不便から落第街周りに溜まる。
淡々とした口調の柊は、
誤魔化し誤魔化しであわあわと話すあるに対し、至極平静であった。
「あぁ、彼らは俺の相棒、護衛をしてくれている"竜"だ。
使い魔という訳ではない、自分とほぼ同じ立場に先ほど成った。」
小竜たちは女性をじーっと見ていた。
まんまるいような、それでいて爬虫類の鋭さのある小さな目があるを見つめている。
「貴方は何か専攻している先生なのかな。」
芥芽 ある > 「あはは、なるほど! 教師になったばかり!それは知らなくても仕方ないですね、あははは」
とりあえず、笑っておけばどうにかなる、というのは血筋に流れた慣習だろうかな? いいよね、笑顔。
まあなんにしても、よかったよかった。ついでに名前もゲット。羽月柊……良い。なんかカッコいい。
うふふふふ…… おっといけないいけない。淑女として嗜みは大事よ、ある。
「困ったことがあれば言ってくださいね。小娘ですけれど、一応、先輩、っぽいですし。
なんかとにかく色々あって大変なんですから」
いきなり休む先生。突然仕掛けられる生徒の罠。突拍子もないコトをやらかす生徒。
とかく、教師にはなんだか色んななにかがつきまとうのだ、この常世島では。
「へぇ、竜! ちっちゃくて可愛いけれど、立派な子なんですねー。
んー……でもやっぱり可愛いなあ…… でもきっと強いんだよねー、君たち」
まん丸お目々で見つめ合う私と竜。あらやだ、可愛い。
一家に一匹欲しいくらいね…… お家帰った時にこんな子が待っていてくれたら素敵だろうなあ……
「あ、わ、私? 私ですか? あ、あははは……えっと、そのですねー。
私ってば、その、穴埋め要員、というかですねー。こう、埋まらない枠を埋めていくような?
なんでもやりますー、みたいな?」
そもそもどういう経緯で此処に来てしまったのか、自分でもその辺、ちょっと曖昧なのだ。
お陰で、異邦人初等教育をさせられたかと思えば、次の日には異能教育をしたり、
歴史を語ったり、化学実験で爆発させないように神経をすり減らしたり、と実に毎日スリリング。
いくらなんでも無茶苦茶な差配ではないだろうか? 労働基準法とかないのかしら。
え、ない? はい。
なので、たまに思う。おお、神よ!私に癒やしを!
あ、そうか。目の前の人が今日の癒やしだわ。
「え、えっとー……羽月先生は? なにか専攻を?」
ちょっといたたまれなくなった私は、情報収集も兼ねて羽月先生のことも聞いてみる。
いきなり下の名前で行きたいところだったけれど、流石にそれは……うん。
羽月 柊 >
「ありがとう、機会があれば頼りにさせてもらうとするとも。
何せ、自分が在籍していた昔と今では随分と学園周りは違うようだから。
俺は元々この島で研究業をしていたんだが、その片手間という訳でね。
教えられるのは『異世界』『魔術』『竜語』…後は歴史や座学もある程度は。」
この島の突拍子のなさはある意味茶飯事だ。
今日もどこかで諍いは起きているし、何かしらが産声を上げ、
誰かの命が終わり、誰かが巣立っていく。
この島の日常はどこを切り取っても『物語』たり得る。
そんな島でこれから教師をすることになる。
自分から望んでそんな騒がしい毎日に飛び込むことになるのだ。
以前の必要なモノ以外を切り捨てていた柊からすれば、信じられないことだ。
「なんでも…それでやってこられたのなら、すごいことだと思うんだが。
研究という専門の徒からすれば、その臨機応変さは尊敬に値するとも。」
それが例え彼女の異能のおかげだとしても、それはすごいことだ。
ちなみに教師に労働基準法はあまり…通用しなかったりする…現代でも。
芥芽 ある > 「ああ、学生やってたんですよね。私、島外から来たから色々びっくりでしたよ。
それにしても……『異世界』『魔術』『竜語』、ですか……ふわぁ……すごい、『研究者』!って感じ。
って、ああ。『竜語』。なるほど?」
納得して、また竜ちゃんたちとお見合い。うーん、やっぱり可愛い……好き……
それにしても、頼りにさせてもらうとする、かあ…… うふふ……
「羽月先生、優しい…… ほら、やっぱり薄く広くってあんまり歓迎されないじゃないですか。
ハンパ者ー! って感じで。私自身、これでいいのかなあって思うこともあるし……
素人みたいなのが興味本位でこっちに入ってくるな―! みたいな視線感じることもありますしぃ」
悲しいかな、それは現実なのだ。そりゃ、専門の方が上なのは当然でしょ!
そもそも押し付けてくる学園側に文句を言ってほしい。私のせいじゃないもん!!
流石にそんな胸の内は羽月先生には見せないけれど。
「それにしても、研究者だったんですよね? どうして先生をすることにしたんですか?
研究者の人って、自分の研究をストイックにしてて教える暇があったら研究したい!みたいなこと、多そうですけど」
でも、優しい羽月先生だからもしかしたら、人を導きたくなった、とかあるのかなあ、なんて妄想してみる。
そこには、なにかエピソードが……?
羽月 柊 >
「学の徒というのは偏屈の集まりが多いからな。
どうしても半端モノは弾くきらいがある。
それはある意味では正しく、ある意味では間違いだ。
前者としてはそうしてより研鑽される。後者としては新たな可能性を潰す。
協会や学会の上のモノ達とそう変わらん。」
自分もそういった扱いを受けた覚えがある。
無能力であるからこそ、魔術を専攻することに奇異の眼を向けられた。
教師もそうである可能性は、今の話で無きにしも非ずだが、
柊にしてみれば見慣れた庭のようなモノだ。
「あぁ、以前は自分もそう思っていたとも。
自分の持てる限り、隙間があれば己の追究を辞めず、
学園に関してもただの取引相手と思っていた。必要なモノ以外は切り捨てていた。
……だが、良くも悪くも人間、独りではいられない。
そう思えることに出逢い、今の学園の生徒や教師のモノに、『先生に』と言われてな。」
小竜の一匹を腕に留まらせる。
スーツがよれるが別に気にすることはない。
癖のように親指でその小さな背を撫でてやる。
「…己の歩んだ道が、もしかすれば誰かの道標足り得るなら、と。」
そう言って男は桃眼の視線を落とした。
決めたことは曲げない主義だが、やはりまだ迷う。
男にとって今までの己の物語を誇ることは、まだまだ彼も未熟だ。
芥芽 ある > 「羽月先生……苦労したんですね」
なんとなく察する。いやひょっとしたら完全なる勘違いかもしれないけれど。だとしたら恥ずかしい!
でも研究者なんて、まさに直撃で面倒くさいことの渦中にいたりしたんだろうなあ、と思う。
そうでなくても、マウント取りたい連中はそこかしこにいるから何処だろうと大体そういう目にはあう。
しょうがないね。人間って愚かだね。よし、滅ぼそう……って終末っぽいコンピューターが結論出しそう。
「『良くも悪くも人間、独りではいられない。』
『己の歩んだ道が、もしかすれば誰かの道標足り得るなら』」
思わず、羽月先生の言葉を復唱してしまう。ヤダ、カッコいい……ッ
ちょっと憂いを帯びた顔つきなのがまた、こう、なにやだもう最高……ッ
きっとまだなにか割り切れないなにかがあって葛藤中って感じなのね!
わかる、わかるわっ! さっきの顔もそれを思ってのことなのよね、きっと。
「羽月先生……! その決断、素敵だと思います……っ!!」
思わず、力を込めて言ってしまう。だってもう、尊いじゃないこんなの!
全力で肯定しちゃう! その悩みも含めて!
「えっとですね! 小娘の生意気な勘ぐりですみませんけれど!凄い勘違いとかだったらごめんなさい!!
羽月先生。羽月先生は、なにか、大きなコトに出会って。色んな人たちに出逢って。それで、悩みながらも今、それを選んだ、んですよね、多分。」
先に予防線は張る。これで大間違いだったら本当どうしよう。
でもだって、こんなもの聞かされたら、だってだって。ねえ。
「悩むのも、選ぶのも、良いことですよ。だって、それでこそ人間じゃないですか。
何もかも、綺麗に割り切れるならそれってロボットみたいでしょう?
それに……昔の羽月先生が思ってやっていたことも、今の羽月先生がやろうと思っていることも。
その時の自分が『こうだー!』って思って信じたことじゃないですか。
それはなんだろうと、大事なことだと思うんです!」
……これで盛大に見当違いしていたら、どうしよう……
羽月 柊 >
あるの勢いに任せた言葉に目をぱちくりとさせる。
例え異能でそういう【役割】だとしても、
それでも、間違いなく彼女は【教師】である。
あるの言葉を聞き、僅かに微笑む。
それは知己であれば笑っていると分かる程度のほんの差異。
桃眼を細めるのみの笑み。
「…やはり、教師というのはすごいモノだ。
他人の心にズカズカと土足で踏み入るようでいて、
それでいて、心の底を暴かれても不思議と悪い気はしない。
赤の他人の心に寄り添うという難しいことを、貴方がたは…そうしてやってのける。」
貶してはいない。言葉選びは悪いかもしれない、が。
自分がそれを出来たのは数回だ。
何度も失敗を繰り返し、そうして掴んだ僅かばかりの成功。
それを持って、こうして彼ら教師と同じ所に立つのは、これからだと知る。
無知とは時に罪だ。
しかし、己が無知であると自覚できるならば、そこからヒトは歩んでいける。
「ありがとう、芥芽先生。
大いに今後の参考になった。」
芥芽 ある > はい。羽月先生の冷静な分析、というか判断のお言葉いただきましたー。
ミスって無かったのは幸い。それにしても、うーん。平静冷静だわぁ……
これが崩れたら、それはそれで可愛くていい感じなんだけど当面は難しいかな。
「あ、あはは……差し出がましすぎちゃいましたかね……」
ちょっとキツめの言い方だけど、この人が貶めよう、なんて思っていないのはすごく伝わる。
というか……え、むしろなんか褒められちゃった? 逆にちょっと申し訳ないと言うか恥ずかしいと言うか……あ、あはは。
言葉でも心でも思わず照れ笑いなのか何なのかわからない笑いが浮かんでしまった。もう、不意打ち過ぎ!
「でも、アレです。羽月先生。羽月先生も、ですよ。
是非、『誰かの道標』になってくださいね?
あなたもこっち側になったんですから!」
にっこり満面の笑みでお迎えします! ようこそ常世教師陣の世界へ!
うん、きっと羽月先生は誰かに『道標』になってもらったんだろうな。
さっき教師って言葉も出てたし、教員の誰かかな?
それはいずれ是非知りたいお話だよね。きっと苦悩に溢れた、けれどどこか優しい物語だろうから。
羽月 柊 >
柊の標。それは複数だ。
それは彼女も知っているかもしれないし、これから出逢うのかもしれない。
例え回りくどい言葉でも、他人へ言葉を伝えることを、諦めはしない。
そう思わせてくれたのは、ここで己に出逢ってくれた全てのモノへ。
そして、目の前の芥芽あるという彼女にも。
「いいや、それが貴方の良い所でもあるのだろう。
俺も、まだ自信らしい自信は無いが、
貴方がた先輩陣のように、出来得る限り…尽くさせてもらうとしよう。」
己の夢は一度灯を消した。
だが、それでも、夢尽きても……俺の言葉が届くなら。
そうして立ち上がる。
話している間に夕刻に近づき、委員会街の生徒もまばらに帰路につくモノが出てくる。
逆に、これからが委員会の時間だというモノもいる。
「…では、こちらは帰って研究の方の仕事があるので。
そちらも、気を付けて。」
そう頭を軽く下げ、挨拶をすると、男は小竜を引き連れ去っていく。
ご案内:「委員会街」から羽月 柊さんが去りました。<補足:後入歓迎:【はづき しゅう】深紫の長髪に桃眼の男/31歳179cm。右片耳に金のピアスと手に様々な装飾品。スーツ姿。小さな白い竜を2匹連れている。>
芥芽 ある > 「はい、ではまた!」
一礼して歩き去っていく、羽月柊先生。お供には二匹の竜を引き連れて……ああ、もう絵になるなあ……!!
思わずぶんぶか手を振ってお見送りをしてしまう私。
「はぁ……いい……」
思わずため息をついてしまうほどのイケメンオーラ。
ああ、いい空気吸えたなー。明日からまた頑張れる!
ふと、見回せばまばらに帰路につく生徒たちの姿。
中には男女一緒の姿も……不純異性交遊ではあるまいな?
いや、いくらなんでも勘ぐり過ぎだよね……?
「……私も浮いた話とか、欲しいなぁ」
独り身、24歳。彼氏とかいません。
……言ってて虚しくなってきました。
もう日も暮れるし、帰ろうかな……見回りの仕事は、ちゃんと果たしたよね……?
うん、帰ろう。
折角の余韻が消えないうちに帰ろう。
なんだか微妙にとぼとぼとした足取りで私は帰るのでした。
ご案内:「委員会街」から芥芽 あるさんが去りました。<補足:黒髪ショートボブの女性 まんまる眼鏡にぱっちりとした黒い瞳 スーツ姿>