2020/07/05 のログ
ご案内:「演習施設」に持流 童男さんが現れました。<補足:一昔前のファッションをしたマントをたなびかせてる大男のオタク>
持流 童男 > (某は、さんざん間違ってきてどうすればいいのかわからなくなってるでござる。)」

演習施設の隅っこで考えながら、

(某に”ヒーローは名のれるのでござろうか”。これじゃまたエセヒーローに逆戻りでござる。)
思考しながら珍しく気落ちしながらも、

(助けてきた人たちはいた、救ってきた推しもいた。だけど、ここじゃあ某はだめなやつでござるな。あかね殿が言ってる通り、本当にエセヒーローでござる。)
真面目に考えつつ、
(某が憧れた、最高のヒーローは、(推しと推しの環境を守れる)そんなヒーローになりたかった。でもここで道を踏み外したら、鬼殿に怒られちまうでござる)

(もっかい考えるでござる、自分の起源は何だったのか)

持流 童男 > (某は、最悪に学校でいじめられて、それで学校に行かないで引きこもっていた時に、魔法処女ブルーに会ったでござる。そして一目惚れして推しになって。)

かすかに涙が溢れる。

(推しのピンチに駆けつけられる、推しの大事な人達も守れるような最高のハッピーエンドになるような。ヒーローにーーーーーーー)

涙が溢れて、胸が苦しくなる。

(なりたかったんでござるな・・ぁ某。胸を晴れるようなそんなヒーローに。)

(先程見逃してきて、こってりレイチェル殿に怒られて、そして間違い取りこぼしてきたけど、それでも、それでも、誰かを助けられるような。・・・・これじゃあの白衣の女性に申し訳が立たないでござる。)

その場にうずくまり。苦しくなり

持流 童男 > 地面を叩く。

「こんな某でも、こんな何もかも取りこぼしてる某でも、ヒーローになれるのでござるかな・・・・」

つい弱音を吐いてしまう。
帰ってくる声がないのはわかってはいるだけどどこかに、向け地面に膝を付きながらも言ってしまう。

ご案内:「演習施設」にレイチェルさんが現れました。<補足:金髪の長耳少女。眼帯と風紀委員の制服を着用。>
レイチェル > 演習施設のドアが、機械的な音を立ててガシャンと開く。
靡く金髪、紅の風紀の制服――風紀の刑事課、レイチェル・ラムレイである。


「こんな所にいやがったか……」

やれやれ、と両腰に手をやるレイチェル。
相手は年上であるというのにこの口ぶり。
今も昔も変わらず、普段通りのである。


「もう次の見回りの時間だろーが、随分探したぜ」

手には何やら紙袋を提げているようだ。
それをくるくると手の先で振り回しながら、
レイチェルは童男に近づく。

持流 童男 > 「レイチェル殿でござるか。もうそんな時間でござるか」

立ち上がりながらも、無理に笑顔を作り、泣きはらした顔を見せずに。

「そ!それならば、いくでござる。」

顔をそちらに見せずにそちらに向かいうつむきながらもあるき出す。

レイチェル > 「待てよ」

鋭い視線を送って、童男を静止するレイチェル。
顔は見せぬように走り去ろうとする童男。
その姿を見て、声をかけずに居られなかった。

「顔は隠せど声くしゃくしゃ……ってとこだな」

小さくため息をつくレイチェル。
だがそのため息は見下すようなものでも、
邪険に扱う忌々しさを込めたものでもない。
ただただ、穏やかなものだった。

「見回りは他の奴に頼んである。
 ちょっと、時間いいか?」

そう口にして、レイチェルは部屋の隅に座り込む。
持っていた紙袋を隣へ置くと、目の前の床をぽんぽんと白い手で叩く。

持流 童男 > びっくとしつつ止まる。

「な、なんでござるか」

と今にも泣き出しそうな顔になりつつも
「時間は・・いいでござるよ」
「声がくしゃくしゃになってたでござるか。情けないでござる」

声を震わせ体を震わせつつレイチェルさんの目の前の床に座る。

レイチェル > 「おう、ありがとな」

目の前の床に大男が座れば、レイチェルは満足げに頷く。
そして真剣な表情で目を細めれば、問いかけていく。

「その様子。さっき叱った件……だけじゃ、ねぇな?
 そんなに泣き出しそうになるくらいに困ってるなら、
 ここでオレに話してみな」

と、そこまで言って、顎に手をやる。
親指と人差指で顎を支える形である。
白く透き通った指はよく見れば所々傷ついていて、
がっしりとしている。
小さな火傷の跡も残っているのが見て取れるだろう。


 「……まー、19の女にこんなこと言われても、妙な気分に
 なるかもしれねぇが。風紀《ここ》じゃオレの方が長い。
 何かと力にはなれるだろうと思ってな」

そう口にした彼女は、穏やかな笑みを浮かべる。
胸を裂く悲しみを包み込むような、あたたかな笑みだ。

持流 童男 > 「・・・・!!!」
涙が溢れ出てくる、19の少女に甘えるではなく我慢しようとした。
だが吐露してしまった

「某は・・!!”最高のヒーロー”になりたかったんでござる。推しと推しの環境を助けられるよな!そんなヒーローに!」

「でもなれなかったでござる。いやまだなれてもないのでござろうが。散々取りこぼしてきて、取り戻そうとしても、でも最悪な手を打ち続けちまって・・!!」

「某は本当に”ヒーローを名乗れるのか”わからなくなってきてしまったでござる・・!!”胸を晴れるヒーローに!!!”」
吐露が出てくる。

「そしてそんな自分を疑ってる自分が、某が、本当に情けなくて、辛くて苦しくて・・・!!でも、諦めたくなくて・・!」
うずくまりながらも

「こんな某でも、何もかんもを取りこぼしている某でも”胸を晴れるヒーロー”になれるでござるか・・?」

初めて、弱さを吐露してしまった

レイチェル > 「最高のヒーロー、ねぇ……」

推し、というのは確か『好きな奴』のことだったか、と。
そんなことを思い浮かべながら、レイチェルは彼の話に長い耳を
傾ける。

そうして全てを聞いた後、穏やかな笑みのままでレイチェルは語りかける。
相手の心を傷つけぬように。目の前の彼の心を両手で包み込むように。

それは先ほど、傷害事件を見逃して帰ってきた報告をした時に見せた、
目の前の相手を食い殺しかねない獣の眼とは打って変わった表情であった。
そこに浮かんだのは、果たして単純な同情だったろうか。気遣いだったろうか。
それとも――。

「胸を張れるヒーローを目指す。オレはいい夢だと思うぜ。
 誰かを助けたいって気持ち、オレもよく分かる。
 この島に居る奴らを助けたい。
 まー後……気に食わねぇ奴をぶっ飛ばしたいってのもあったがな。
 そんな訳で最初、オレも風紀に入ったんだ」

口の端を上げて、童男を見上げるレイチェル。
そうして、目を閉じれば胸の下で腕組みをする。


「だが、夢を追いかけるのと風紀で治安を守るのは、全くの別問題だ。
 説明は受けたと思うが、風紀はこの島の治安を維持する組織だ。
 個々の正義を振りかざして好き勝手動いて良い、
 そんな単純な組織じゃねぇのさ」

と、そこまで言って、レイチェルはふざけたように、笑い飛ばして
更に言葉を投げかける。

「ま、オレも昔はそんなだったけどな……
 色々あって、オレは、風紀《こっち》を選んだ。
 ま、諦めちまったのさ……格好悪いかもしれねぇが、
 これでいい。オレの理想は、この島の治安を守ることだ。
 それ以上でも、それ以下でもねぇ」

自嘲気味に軽く笑い飛ばすレイチェル。
ま、オレの話なんざどうでもいいな、などと呟きを加えた後、
姿勢を正して童男を見やる。

 
「じゃあ、童男。改めて聞くぜ。
 
 お前は英雄《ヒーロー》になりたいのか、
 風紀《こっち》になりたいのか。
 
 お前の気持ちは、どっちなんだ?」


その瞳の奥には、確かな意志が見て取れるだろう。
真っ直ぐに、ただただ真っ直ぐに、童男の瞳を見つめるその光から。
先までの柔和な表情は消え去り、童男の瞳をじっと見つめるその表情は、
険しいとはいかないまでも硬く、見据える。

持流 童男 > 「某は・・・・某は、・・・」

と声が震えながらも心のなかにいる弱音が
「夢なんて無駄だ、諦めて入っちまえよ・・・そうすりゃ楽になる」
と頭の中で声が聞こえた。
しかし、
(本当にそうでいいのか?)
思考する。
(誰かを守りたくて、助けたくて夢を追いかけたんじゃないのか・・?)
(お前のしたいことは、一体何だ?)
(某の・・・某のしたいことは・・!!!)

歯を食いしばりながらも
「英雄(ヒーロー)に・・・!胸を晴れるヒーローになりたいです・・!!」
その視線は、歯を食いしばりながらも目をレイチェルさんに合わせた。その目は泣きはらしているが、しっかりと見ていた。

レイチェル > 「それでこそ、だぜ。英雄《ヒーロー》」

レイチェルは目を閉じた。
その返答が来るのは、分かっていた。
付き合いは短いが、この男はそういう男だ。
何度か話をして、確信に近い思いは持っていた。
だから、それを当然のものとしてレイチェルは受け入れた。

だからこそ、笑った。
輝く太陽をめいっぱい、彼に見せた。


「ちったぁ『らしく』なったじゃねぇか、童男。
 でも、お前の選んだ道は茨だぜ。そんな、大それた夢……
 『信念』を持っちまうっていうのは、『呪い』ですらある。
 それでも、お前が前に進むってんなら、オレは止めねぇ。
 いや、止められねぇってのが正しいか」

一度抱いた信念は、簡単に止められるものではない。
そのことを、レイチェルはこれまでの戦いで十分に理解していた。
自らの胸の内で燻っている炎も、痛いくらいにそのことを伝えている。

だからこそ、そう答える。
だからこそ、胸を張って諦められる。

「答えが聞ければ、よしだ。いずれにしたって、答えも無く
 うろうろ迷われてたんじゃ、安心して仕事を任せられねーっての」
 
そう笑いながら。隣に置いていた紙袋をほれ、と渡すレイチェル。

「答えたからには突っ走ってみてくれよ、オレが走り続けられなかった道を。
何度悩もうが、何度傷つこうが、お前自身の信念を忘れなきゃ
きっと、大丈夫だ。もし大丈夫じゃなかったとしたら……
その時は、支えてやる。だから、とにかくやれるだけ走ってみな」

その表情は、再びまっすぐその瞳を見つめていた。

持流 童男 > ハッとした顔をしながらも
泣きはらした顔を拭ってにかっと笑いながらも紙袋受け取りつつ

「走れるだけ走って見るでござる・・!!!!傷つこうが、悩もうが、胸を晴れるようなヒーローになるでござる。」

いつの間にか心にくすぶっていた闇は晴れて光が差し込んだ

「ありがとう!レイチェルさん!!!」

ニカッといつもの笑顔になりながらも
いつもの調子に戻ったらしい、ただいつも以上に自信満々に笑いながらもその瞳に応えた

レイチェル > 「たーだーし」

よっこいしょ、と立ち上がりながら目を閉じ。
間延びした声を出すレイチェル。


「風紀に属するからには、忘れるなよ。
 夢は諦めないでもいい。
 でも、お前が風紀であることは絶対に忘れるなよ。
 お前が風紀を名乗る限り、お前の行動は風紀の行動として見られる」

それだけ言うと、両腕を後頭部に回し、レイチェルは訓練施設を去っていく。

そうして去り際、顔を見せぬまま。

「難しいもんだぜ。ヒーロー貫きたきゃ、道を『絞る』のだってありだ。
 いずれにせよ、お前の道はお前で決めな。今回の件、きっかけにはなっただろ。
 困ったら、また話は聞いてやるよ」

そう小さく呟いて、ドアの向こうへと消えていった。

紙袋の中には、魔法処女ブルー……ではなく。
名前が似ているようで全く似ていない、魔法戦士バンダインの
限定フィギュアつきジュースが入っていたことだろう。

持流 童男 > 「レイチェル殿・・これ魔法戦士バンダインでござるよ・・」
と少し笑った後に。

「わかったでござる。某の道は、某が決めるでござる。」

と魔法戦士バンダインのジュースを飲み干し気合が入った顔をしつつ
「さて見回りの準備でござる!!」
といいつつ演習施設を後にする。その顔は晴れやかだった

ご案内:「演習施設」から持流 童男さんが去りました。<補足:一昔前のファッションをしたマントをたなびかせてる大男のオタク、(後入り歓迎)>
ご案内:「演習施設」からレイチェルさんが去りました。<補足:金髪の長耳少女。眼帯と風紀委員の制服を着用。>