2015/06/12 - 00:53~00:51 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に川添 孝一さんが現れました。<補足:時代錯誤なヤンキーファッション。>
ご案内:「カフェテラス「橘」」に『室長補佐代理』さんが現れました。<補足:【乱入歓迎】  汚らしい薄笑いとザンバラ髪の男。垂れ目。長身。制服にコート。公安委員会の腕章をつけている>
川添 孝一 > (夕暮れのカフェテラス、空いているテーブルに座り)
(エッグタルトとドゥーブルフロマージュを注文し)
(そのまま一日の疲れを吐き出すようにため息をついた)

『室長補佐代理』 > 「お疲れの用だな」
背後にたった影が、唐突にそう言葉を漏らした。
もし振り向いたなら、そこにいたのは黒のザンバラ髪をふり乱した長身の男。
泥が滴るような不気味な笑みを張り付けたまま、川添を見下ろす。
「『狂悪鬼』川添。随分と丸い面持ちになったじゃあないか」

川添 孝一 > ………!(背筋に氷を入れられたようなゾクリと来る声)
(振り向き見上げると胡散臭い男がこちらを見ている)
……狂悪鬼の名前は返上したんだ、あんたは誰だ?
(ゴクリと息を呑んで)常世財団本部直轄の人間じゃなければ同席してもいいぜ。

ご案内:「カフェテラス「橘」」に薄野ツヅラさんが現れました。<補足:赤いジャージにヘッドフォンの小柄な少女。右手で杖をついている>
薄野ツヅラ > (かつり、杖を鳴らして一人の少女がカフェテラスに)
(きょろきょろと空席を探すも生憎夕暮れ時。学生で溢れ返り見当たらない)

(アー……折角甘くないの頼んだのに席空いてないとか不幸極まりないわぁ)
(───あら、有名人が)

(ぼんやりと抹茶オレを手に遠巻きに大柄の男性二人をちらと見遣った)

『室長補佐代理』 > 「失礼。俺はこういうものでね」
そういって、普通の生徒が持っているものとは装丁の異なる生徒手帳を取り出し、開く。
「公安委員会直轄第二特別教室 調査部別室 『室長補佐代理』 異能名は『主観論』、魔術名は『君の友人』だ。本名は仕事柄名乗れなくてね」
そういって、断りもせずに対面に座る。
「有名人と出会えて光栄だよ。川添孝一」

川添 孝一 > これはご丁寧に、どうも。(気圧されないように気を張って)
それじゃ俺も名乗らなきゃいけねーな…(手帳を開いて)生活委員会で怪異対策室三課室長、川添孝一だ。
異能は『狂悪鬼』と『追放されし異形の果実』、魔術は偽書『世界は蜜でみたされる』。
俺も有名になったもんだな……あの公安の人間に名前を覚えてもらえるとはな。
(ツヅラには気付かない、この目の前の異質すぎる存在感の男に気を取られていて)

薄野ツヅラ > (まァ、あの面白い場を見逃すわけにはいかないわよねェ──……)

(両人が相席したのを見れば、気持ち早足で机の傍へ)
(にぱっと子供のような笑みを浮かべておもむろに声を掛ける)

こんばんは、もしよかったら相席構いませんかぁ?
混んでてお茶できそうになくってぇ

(躊躇も逡巡することもなく、一言)
(動かない固定された左手で川添の横の席を指した)

『室長補佐代理』 > じわりと、視線を少女……薄野ツヅラへとうつすと、また汚泥が滲むような笑みを浮かべて、左手を仰ぐ。
純銀の不気味な指輪が、怪しく輝いた。
「どうぞ。先日うちの部下が失礼をしたようだからな。お茶くらいは奢らせてもらおう」
そういって、また殊更深く微笑んだ。

川添 孝一 > (ツヅラが声をかけてくれば戸惑う)
(どう見ても怪しい男とどう見ても不良が話しているのを見て相席を望むのか普通、と)
お、おう。それじゃ適当に座ってくれや。
(とりあえず相席を許可した、この男と二人で話すよりは万倍マシに感じた)

ハッ、室長補佐代理さんも部下で苦労してるクチか。
どこの組織も変わらないもんだな………(運ばれてくるエッグタルト)

薄野ツヅラ > おや、ご存知だったんですねェ……?
結構放任主義なものかと思ってましたけどそうでもない、と──……
奢っていただけるなら3日分くらいは食べないと割に合いませんねェ

(控えめに皮肉を一つ)
(笑みを崩さずに口元をにやり、釣り上げる)

薄野ツヅラと申します、どうぞよしなに
『監視番号109番』、と云った方が早いかもしれませんけどぉ──…☆

(川添に対して笑顔を向ける)
(遠慮なくその横に、ちょこんと座り込んだ)

『室長補佐代理』 > 「どうせ経費で落とす。好きなだけ食べるといい」
いいながら、自分もクレソンサンドをむしゃむしゃと食べる。
犬歯を覗かせながら、まるで揚肉でも貪るかのように喰らっている。

『室長補佐代理』 > 「ほう、そこまで聞かされていたか。やんちゃな部下を持つと誰でも苦労をするな」
そういって、わざとらしく左肩を竦める。
右手はずっとポケットにつっこんだままだ。

川添 孝一 > (ツヅラの口を突いて出た言葉に内心ビビった)
(ここまで見事な皮肉が言える女子は強い―――――川添の経験上、そうである確率が高い)
(とりあえずエッグタルトを一切れ口の中に運ぶ)
(糖分全開、勇気百倍だ)
あー、薄野ツヅラ。二年の川添孝一だ、よろしくな。
(これで全員挨拶は済んだ、話すべき話題は――――)

いやぁ、最近物騒だなぁ。あちこちで人間同士の戦いが起こってるって?
怪異にかかりっきりの怪異対策室三課としても胸が痛いぜ。
(室長補佐代理と薄野ツヅラ、誰がどの程度どの情報を知っているのか探る必要がある)
(誰も何も知らないようならスイーツ食べてグッバイだ)

薄野ツヅラ > 何処の組織も大変なのねェ、心中お察しするわぁ…
マルゲリータとアラビアータ、それからミネストローネもお願いねぇ

(通りがかった店員に注文を)
(完全に嫌がらせのためだけに普段食べる量より多めに注文している)
(川添の声を聞けばふむ、と頬杖をつく)

物騒ですよねェ、生徒を守るための組織が生徒を斬る現場を目撃したりぃ──……☆
善良な一般生徒としては胸が痛む話よねェ

(にっこりと笑顔を浮かべた)
(先ずは牽制、と云わんばかりに手元の抹茶オレを口に運ぶ)

『室長補佐代理』 > 「耳に痛い話だな。まぁ、後で『厳重注意』しておこう。お前がそうされたようにな」
そう、ツヅラに、あの女と似た滲むような汚らしい笑みを向ける。
相変わらずサンドイッチを食べているが、その様子は食事をとっているというより、正しく貪っているとしかいえない。
「まぁしかし、争うことは極論すれば人の本能だ。抗うことはできん。怪異についても同じことだ」
曖昧にそう呟いて、川添を一瞥する。
「それよりもだ。『偶然』にもこうやって三者三様の立場を持つ人間が同席したのだ。少し、建設的な話をしないか?」
そう、不気味な笑みを傍らに提案する。

川添 孝一 > (ツヅラの言葉にタルトを食べながら視線が室長代理補佐とツヅラの間を往復した)
(生徒を守るための組織――――公安か風紀か?)
(どちらにしてもありそうは話だが、詳細な話を知りたくもあった)

へえ、そりゃ物騒だな。斬られた生徒にゃ同情するぜ。

(エッグタルトをさらに細かく切り分ける)
そうだな……人間的知性のない、暴れることを好む怪異が現れれば人は戦わざるを得ない。
(室長補佐代理に一瞥されれば視線で射竦められたような心持になった)
闘争が人の本能に根ざしたものであるなら、この街の惨状もさもありなんってとこか。

(室長補佐代理の話に両手を広げて)
ああ、ああ。わかったよ。こうしてお互い牽制しあってても得るものが少ない。
お互いの立場での情報を出し合おう。情報交換だ。

薄野ツヅラ > あっは、間違っても『厳重注意』で怪我させないようにしてくださいねェ?
天下の公安委員さんの評判まで下がっちゃいますしぃ──……

(特徴的な笑いと共に不愉快だ、と云うのも隠す気もなくまた皮肉を一つ)
(んー、とわざとらしく唇に人差し指を当てて首を傾げる)

お互いの立場って云われてもぉ──…
ボクは別にお二人みたいに素敵な役職もないですし
『一般生徒』の知ってる情報に信憑性もなさそうですけどねェ

(にこり、笑み)
(ボクでよければ、と頬杖をつきつつ付け足した)

『室長補佐代理』 > 「なぁに。俺は何処にでもいる善良な公安委員だ。ただ二人に建設的なお話を提供したいだけさ」
サンドイッチを食べ終えながら、そういってコーヒーを啜り、椅子に深く腰掛け直す。
「公安委員会非常連絡局柄まりの話とその顛末はまぁ知っていると思う。それが片付いて風紀委員会との反目も和らいだという話もな。だが、それによって生じた問題も山ほどある。まさに、その問題の一片によって苦労を背負った『第三者』も此処にいるようだしな」
ツヅラを一瞥して口端を吊り上げながら、わざとらしく肩を竦める。
「それのより、この島の保安体制があらゆる部分で変わってきていることもまた、おそらく感じ入っていることだろう。生活委員会も無関係な話ではないはずだ」

川添 孝一 > 『一般生徒』の知っている情報こそありがたいんだ。
情報というのはできるだけたくさん集めて自分で判断するもんだからな。
特別な誰かの言った特別な情報を鵜呑みにしてたらテレビのダイエット特集に流されてるのと何も変わらない。
(続いて運ばれてくるドゥーブルフロマージュを前に)
薄野ツヅラ、あんたにも噂話や伝聞で構わないから情報を出してもらおう。
全員が情報を出し合い、判断するのは自分。
わかりやすい自己責任だろう?(ドゥーブルフロマージュを一口食べる)

(室長補佐代理の話に眉根を顰める)……噂だけなら。
ああ、生活委員会も掃除する場所に変更が頻繁に入るよ。
二人以上で行動するように、との通達も入った場所もある。
保安体制に関わりがあるんだろうな、とは何となくわかるよ。

それじゃ、俺の情報だが。重大な怪異災害である龍害がまたこの島で発生する可能性がある。
怪異対策室三課としては注意喚起に留めるが、龍害が発生した場合には島全体で当たる必要があるだろう。
それと転移荒野付近でアリの亜人、俺たちが蟻人(ギジン)と呼んでいる存在の派兵が問題になっている。
今は怪異対策室一課、二課で抗戦しているが。
怪異対策室三課にもお鉢が回ってきた。
これ以上、問題が深刻化するようなら転移荒野付近の人間に避難勧告を出さざるを得ないだろうな。

……この島の人間の怪異に対する意識というのは、低い。
(遠くを見つめるように)本当は島全体でこの問題に取り組みたいんだがな……

薄野ツヅラ > ───……あッは!
其の『一般生徒』が偏向報道をしていないといいわねェ?

(曖昧な言葉に織り交ぜた肯定)
(組織に属さない少女の感情論に塗れた情報を提示する、という選択肢)
(幸い落第街周りの情報で自分より上手な人物は恐らくいないだろう、という判断)
(あくまで不敵に、不遜に、底を見せない)
(───油断したら何時取って食われるか解らない、そんなスリルを少女は心から楽しんでいた)
(隙を見せない公安の人間に嘗ては悪名高い不良)
(相手取るには十分"楽しめる"、いや、其れ以上に最高だった)

亜人?なんだかファンタジイじみてきましたねェ、この島も
──落第街のほうでも異形が出た、とも聞いてるんだゾ──……☆
適当に強い能力者と魔術師集めて殲滅、じゃ駄目なんですかぁ?

(ぼんやりとまだ見ぬ"龍害"に思いを馳せる)
(まるでいつか読んだ漫画のような展開が現実で起きている)
(其れだけで少女の心を躍らせるには十分だった)
(一字一句逃すことなく、自分の脳に情報を叩き込む)

ご案内:「カフェテラス「橘」」に麻美子さんが現れました。<補足:■未見不麻美子:盛大に着崩した制服に、ハンチング帽を被り、赤渕アンダーリムのめがねをかけている。馴れ馴れしい。>
麻美子 > ケーキとミルクティーの乗ったおぼんを持って歩み寄ると、彼の横に座る
「面白そうな話してるじゃないッスか、
 麻美子にも聞かせるッスよー。」

へらへらと笑みを浮かべつつ、彼をつっつく。

「ま、聞くだけってやつッス。―――いいッスよね?」

『 室長補佐代理』にウィンクする。
絶対中立の『広報部』、その彼女がここに居る事に意味がある。

これから彼と、その場に居る人間全てが話すことを他人にさらに広める時にそれを歪める事も、
あるいは、この場において嘘を話す事も彼女は許さないだろう。

ご案内:「カフェテラス「橘」」にカエラムさんが現れました。<補足:群青色のロングコートを着ており、それに付随するフードを被っている。赤いマフラーで口元を、黒いゴーグルで目の周りを隠している。身長約2メートル半。>
カエラム > 「BhEpks!?」

くしゃみのような何か、のような。入り口でそんな音を立てながら、無い鼻をこする巨体の怪異。
死体も風邪をひくものなのだろうか。生理的な理由はわからないが、とにかくくしゃみが出た。
鼻水は出ないので当然、口元のマフラーは汚れてない。

「あ、やっほう」

店内を少し見回す。
席に座る見知った顔が三人と、見慣れぬ少女の後姿が見えた。
巨躯は、知り合いたちのもとへと歩いていく。

何やら小難しい話をしているようだが、
何も知らない自分が情報を得るのにはうってつけだ。
すこしばかり勉強させて貰いたいと思っている。

『室長補佐代理』 > 川添の言を聞いて、男はニヤリと笑う。
それはもう、殊更深く。
この会談の場で一番の笑み……喜悦を隠さぬ汚らしい笑みを滴らせて、男は嘯いた。
「なるほどなるほど。確かにお互いに苦労する事案が増えているようではあるな。連絡を密にしつつも対処する必要は無論あるだろうが……何せ仕事が多いからな、お互い。『現場の判断』に委ねなければならない部分も多くなりそうだな。なぁ川添」
生活委員会には、捜査権限は本来ない。
それは治安維持機構である公安委員会と風紀委員会だけが持つ権能であり、生活委員会単体では対処が難しい問題だ。
しかし、生活委員会が実際の現場の状況として必要であるからこそ対怪異課を設置しているのは事実であり、ここに上層部と現場との思惑の不一致がある。
未だこの島の『上』は色々とごたごたしている。
その意思が現場に降りてくるまでモタモタしていたら『間に合わない事』が多いのもまた事実だ。
故に、こういった『現場の約束事』も必要になってくる。
これは、こういう話なのだ。

『室長補佐代理』 > 「おう、麻美子。いたのか。まぁ座れよ。折角のティータイムだ。人は多いほうがいいだろう」
そう、わざとらしく微笑む。
なんだかんだで麻美子とは共に『色々と』仕事をこなしてきている。
こういう類『ハカリゴト』は言わなくても互いに分かるのである。

『室長補佐代理』 > 「ああ、カエラムもきたのか。薄野、よかったな。『賑やか』になってきたぞ」
若干挑発的な笑みをかえして、口元だけを歪めて笑う。
こういった盤面で一番楽に立ち回れるのは結局のところ権威である。
その意味を、言外に汚らしい笑みで伝える。

カエラム > 「やあ、スイル。それに麻美子、カワゾエも。
 えーっと、そっちのケガしてる子は……?」

すっかり流暢になった言葉遣い。
見慣れない後姿だとは思ってはいたが、やっぱり初対面の子だった。
何やら話し込んでいる最中だったようだし、手短に自己紹介を済ませておくことにする。

「どうも、はじめまして。わたしの名はカエラム、しがない無職さ。君は?」

薄野ツヅラ > これはこれは一大会議、会議は踊る───…なんてぇ

(初めて見る顔ぶれ。巨躯の男と愛らしい眼鏡の少女)
(噂には聞いていた面々が此処に一堂に会すとは)
(果たして此れは偶然か、其れとも必然か)
(少女は後から運ばれてきたピザとアラビアータを他所目にニイ、と口元を釣り上げる)

どうも、一般人の薄野廿楽と申します
あくまで一般人なので風紀委員に此処にボクが居たことはご内密にお願いするわぁ?

(巨躯の彼に声を掛けながら、また)
(楽しげに、少女の笑みが狂悦に彩られる)
(或いは、恍惚)

川添 孝一 > 『一般生徒』に『善良な公安委員』に『元・不良』か。こいつは笑える。
火星にでもいけそうなメンバーじゃないか。
(冗談でも混ぜていないとやっていられない)
(少なくとも自分は切るべきカードは切った)
(誰かがHateのカードを切るならこの後はだんまりを通すだけだ)

ああ、亜人だ。異能が存在する以上、この世界はファンタジーなんだよ。
………今、やっているさ。異能対策室一課と二課は強力な異能使いと魔術師を山ほど集めてる。
それでもギジンには数で、龍には質で負けるだろうな……
龍害に該当する貴種龍(ノーブルドラゴン)っていうのは、完全生命体なんだ。
殺すことはできない。今は追い返すのがやっとだ。
……いつかは、貴種龍を倒す手段を見つけないと。

(現れた麻美子にため息をつく)
おお、おお。名高い広報部の未見不麻美子まで来るとはな。
せいぜい匿名報道を期待するぜ。
私設組織とは言え、怪異対策室に名を連ねる組織の室長が秘匿情報をぺらぺら喋ったとあっては沽券に関わる。
ま………こうなっちゃブラフはお出しできそうにねーな。

(カエラムが来ると手を振って)
おお、カエラム。なんだなんだ、グリーンドラゴンの時以来だなぁ。
ま……楽しい話題はしてねぇからよ。
せいぜい言葉の勉強程度に聞いててくれや。

(室長補佐代理の笑みに、言葉に、警戒する心が働く)
(だが毒を食らわば皿まで、ここは隠し事をしていてはまるで話が進まない)
ああ、そうだな……『現場の判断』は大事だ…何事にも優先される、というわけではないけどな。
………今度、怪異が人の生活圏で暴れることがあったら。
もう公安にも風紀にも阿るこたぁしねぇぜ。
俺は人を守るために怪異対策室三課を立ち上げたんだ。
政治的な動きにばっか構ってはいられねぇのさ。
(ドゥーブルフロマージュを食べ終わると水を飲み)

麻美子 > 「さすが『室長補佐代理』サン、話が早いッス」

けらけらと笑うと、その場に居る人間に
『麻美子ッスー』とにっこり笑って手を振る。

それだけ済ませると、
自身はのんびりとミルクティーを飲みはじめる。

「情報提供者が匿名でって言ってるなら仕方ないッスねー、
 某元不良くらいにしといてやるッスよ。」

などと、へらへらと川添に返しつつ、
自分自身はあくまで聞きに徹するつもりのようだ。

カエラム > 流石に狭くなるので、自分は隣のテーブル席から身を乗り出す。

「お嬢さん。わたしアイスコーヒーね」

昨日も見かけたツインテールの店員に注文をする。
体の構造上、栄養摂取の必要は無い。なので食べものは、基本的に他の人に譲ることにしている。
ただ、食べるとおいしいし、少しだけ元気になる気もする。
要するに、食べ過ぎなければいいというスタンスなのだ。

「廿楽、ね。どうぞよろしく。
 ははは、よくわからないけどわかったよ。内緒にしとく」
(わあ、この子楽しそう)

けたけたと笑いながら、彼女の抱く感情をひしひしと感じていた。
また変わった子だなぁ。

「ありがとう。でも今回したいのは社会勉強の方かな。
 わたしも怪異認定されてるみたいだから、他人事ではいられないしさ。」

死神基準で小さく手を振り返すと、その場で行われている話に耳を傾け始める。

『室長補佐代理』 > 「政治的? おいおい、何を言っているんだ川添。俺達は楽しくお茶会をしているだけだろう。滅多な事はいわないほうがいいぞ」
そういって、意味深に麻美子の目を見ながら、コーヒーを一口啜る。
「なるほど、確かに生活委員会がそういった『私兵紛いの協力者』を集めているという『噂』は聞いているな。まぁ、生活委員会の日頃の仕事を考えれば『ある程度荒事に耐える協力者』は確かに必要だからな。わからないでもない話だな。『噂』が本当だとすれば明らかな『越権行為』だが、『客観的見地』としては理解ができる」
自分の意見とは関係がないと言外に行っている。
彼は公安委員である。公安委員として言って言い事と悪い事がある。
これはそれだけの話である。
「まぁ、市井の平和を守りたいと思うのはこの学園の誰もが思っている切なる願いだ。だからこそ、『君たちの活躍を期待している』よ」
要約すれば彼は言外にこういっている。
明らかな越権行為ではあるが現場状況から見て黙認してやる。
ただしこちらで責任は一切取らないし介入もしない。
市井の問題は市井で片付けろ、と。
実際に公安委員会や風紀委員会が上からの通達を待っていれば対処は後手後手になっていく。
その先手を打つともなれば、多少の『よそ見』は仕方がないことだ。

『室長補佐代理』 > 「おっと、川添。茶の湯の席の話だ。『みんなも聞いてる』。場を白けさせるような返答はしないでくれよ」
何でも無いようにそういって、ツヅラの顔も見る。
引っ掻き回すのが大好きなコイツのことだ。
きっと彼女も『よそ見』の間に『活躍』してくれるだろう。

川添 孝一 > (麻美子の言葉に顔を両手で覆って)
元・不良で喋ってる内容がこれだと俺しかいねーじゃねーか……
まぁ、もう仕方ないな。広報を通さなかったのだけは残念だが。
いつかは島の住民全てが知って然るべきことだ。

(カエラムの喋り方に気がついて)
おお、なんだお前。結構喋れるようになってんじゃん。
いいぜいいぜ、勉強したんだな。いいことだぜ。

(室長代理補佐の言葉に顔を歪めて笑う)
あー……そうだな、俺たちは楽しくお茶会をしているだけだ。
『噂』にある『生活委員会の戦力増強』なんて、世間的に見れば決して良くは見られないだろうけどなぁ。
それでも下位組織が『暴走』しているなら由々しき事態だ。
とても心配だなぁ、同じ生活委員会として。
(白々しく肩を竦める)
悪かった悪かった………ちょっと熱くなりすぎたみてーだ……………
まるで『一部の生活委員会の越権行為』を自分のことであるかのように語りすぎたな。
ハハハ、元・不良が一気に偉そうな椅子に座ったモンでよォ……加減がわからねぇんだわ。
すまねぇすまねぇ。
(室長補佐代理の言葉はわかる)
(彼の本心がどうあれ、ここで巻き込むのはあまりにもアンフェア)
(そうだ――――――『よそ見』は仕方がない)

(それでも、といい続けて悪を断つのは孤独なヒーローだけに許された特権なのだから)

薄野ツヅラ > そうですよぉ、偶然此処で出会って偶然此処で相席になって。
ただの平和な世間話じゃないですかぁ──……☆

(にこり、と小さく微笑む)
(ただの一般生徒は火星には行けませんよぉ、と軽く茶々を入れる)
(『室長補佐代理』の目が自分に向くや否や満面の笑みを浮かべる)

(────そうこなくっちゃねェ!)

(それはそれは楽しげに、新しいボードゲームを前にした子供のように純粋な笑みを浮かべる)
(暫く瞑目していた廿楽がおもむろに口を開く)

ボクらみたいな一般生徒の知らない話ですよねェ、其れ
まるで能力者と魔術師を集めて───って軍隊みたいでちょっと怖いですねぇ……
頑張ってくださいね、皆さん!

────落第街の人間は手も早ければ気付くのも早い。
そいつらよりも先行しないと状況がさらに悪化とかもあるかもしれませんしねェ?
利用して楽しむ輩もいそうですしぃ……?

(ピザを半分に折りたたんでもきゅもきゅと口に運ぶ)
(廿楽はまた曖昧に笑った。予想以上に味がよかったのか、それとも)

麻美子 > 意味深に見られれば、けらけらと笑う

「そうッスねー、麻美子も放課後にゆっくりとお茶しに来ただけッスから。
 ―――ま、随分と賑やかッスけど。」

この場にいる人間を目を細めて順番に見て、
にっこりと笑みを浮かべた。

「ま、折角の機会ッスから、皆で仲良く『他愛も無い雑談』をするッスよ。
 もちろん、広報紙に載せる必要もないようなやつッス。」

ひらひらと手を動かすと、ミルクティーを一口飲んだ。

カエラム > 「色んな人に助けてもらったお陰さ。こうして話せるようになって嬉しいよ。
 んー、でもそうだな。今回はやっぱり、言葉の勉強にしておこうか」
(……あれ、平和ってどういう意味だっけ。
 わたしが覚え間違えてるのかなぁ……うーん……)

うんうん唸っている間にアイスコーヒーが運ばれてきたので、それを一口分流し込む。
そうしている間にも、話の内容は聞き逃さない。

『室長補佐代理』 > よく、話を理解してくれたようなので満足気に頷いて、最後のクレソンサンドをパクつく。
「まぁわかってくれりゃあいいんだよ。わかってくれりゃあな。俺達はみんな『学園の平和のために』共に働いているわけだからなぁ。いってみれば同志だ。放課後は仲良く楽しくしたいからなぁ?」
意味深に呟いて、薄く笑った。
「まぁ、俺からいうことはその程度だが、お前たちは何かあるか?」
暗に『公安委員会の一部署としての姿勢は示した』といい、視線を巡らせる。
「個人的には、今の学園風紀や状況を鑑みてみなが『能動的』に動ければ俺はいいと思っているんだよ。折角学生なんだからなぁ。自由な時間は大事にするべきだ」

川添 孝一 > (椅子に深く座って肩から力を抜き、ツヅラに向けて張り付いたような笑顔を向ける)
そうだなぁ、平和な世間話に熱くなりすぎたぜ。反省反省。
それがなー、落第街や茶々入れる類の人間にはある程度黙っててもらいたいもんだが。
ロストサインとか、最近物騒だからよォ。
良いことを良いと言ってやるしかねぇよなぁ、やれる人間が。

(麻美子に内心、焦りを感じる)
(とんだ食わせ者だ、中立として立ち回れる器量ってのは確かにある)
他愛もない雑談ねぇ………そうだな…
ま、ここで話ができるのは……
怪異対策室三課は『英雄』あるいは『聖女』を探してるのさ。
(胡乱な語り口である)
(それでも彼は真面目な表情で言い続けた)
この島を救ってしまえるような、とんでもない『英雄』をな。
それが俺の考える正義だ。
(口元を歪めて笑う、せいぜい深読みしてくれやとでも言いたげに)

(カエラムに頷いて)ああ……今、室長補佐代理たちと『他愛もない雑談』をしているからよォ…
カエラムとはまた今度、ゆっくりと話がしてぇもんだな……

(テーブルに肘をついて室長補佐代理に向けて口をへの字に曲げて)
ああ……そうだな…………『学園の平和のため』だ……
(しかし、この男は言っているのだ)
(この怪異事件に対して公安捜査部別室が特別なリアクションを取らないことを)
(結局、求めるべき理想郷には自分の足で辿り着くしかないのだ)
そうだな、俺たちは学生なんだ。自由な時間はこうしてカフェでの駄弁りに使ったりよォ。
それぞれが『自由』であればいいよなァ。ハハハ。

『室長補佐代理』 > 「ほう、英雄に聖女ねぇ。生憎と俺達は公然の警察機構なんでね。『御伽噺』には『興味がない』な。俺の考える正義はもっと『地に足がついている』んでね」
そう、この件に対して公安委員会直轄第二特別教室は介入する気がない。
その権限もない。
第二特別教室の仕事は基本的には『監視』と『特記事項』であり、他の仕事は全ておまけである。
そもそも、公安委員会は生徒会の下にある組織であり、その生徒会の上にいる組織は……恐らく、『英雄や聖女を欲しがってるどこかの誰かさん』の仮想敵であろう。
ならば、この話はもうこれでお終いであり、それ以上にもそれ以下にもならない。
ただし、彼らは捜査権を有している。それに絡まるあらゆる『権限』も付随している。
そのうちでなら、『よそ見』はまぁできるだろう。
逆にいえば、できるのはそこまでだ。
それ以上をしてやる義理も必要もない。
「まぁ、放課後の使い方は『自由』だからな。お互いに『大切』にしたいものだな」

薄野ツヅラ > あッは、落第街の人間はそんなのばっかりですよぉ──……?
じゃないとあの街で『平和』には過ごせませんからねェ
まァ、其の『平和』も最近乱されてますけどねぇ──…☆

(直接物は云わない。ただ匂わせるだけ)
(治安が悪い、と云っても落第街にも一つの秩序が存在する)
(モノを云うのは金銭に力に人脈に情報)
(ある意味一つの街としては正しい姿である、とも云える落第街をぼんやり思い浮かべる)

英雄でも聖女でも一般生徒は知ったこっちゃないですけどぉ、
────元ある秩序に余計な石を、どんな意志でも投げ入れるのはお勧めしませんよぉ

(にっこりと笑み)
(落第街に余計な手を出すな、そんな意味を孕んだ言葉を掛ける)
(ふう、と一息つけばピザを再び口へ運んだ)

『室長補佐代理』 > 「ああ、そうだ、麻美子、カエラム。今日は俺は気分がいいからな、好きなもんおごってやる。適当に頼め」
そう、不気味な笑みを浮かべて呟くが、まぁ本当に機嫌はよさそうだ。
特に付き合いが長い人間ならよくわかる。

麻美子 > 「……英雄、あるは聖女?
 そりゃまた、偲サンみたいな事をいうんスねー。
 ま、向こうは自分がなろうとしたみたいッスけど。」

なんでもないような事を言うようににへらーっと笑う、
絶対の正義なんてそんなものだ、と彼に言うように。

「この学園は皆のものッス、公共の施設っていうのはそれぞれが綺麗に使ってれば、それだけで汚れないんスよ?」

わざわざ協力する必要もない、それぞれが守ればいい、
自分すなわち広報部はそれを邪魔するつもりも、協力するつもりも無い。
ということだろう。概ね、『室長補佐代理』と似た考えである。

「あ、まじッスか?じゃあ麻美子、季節限定カフェ橘ゴージャスパフェ頼むッス。」
『太っ腹ッスねー』とへらへらと笑いながら、店員を呼ぶ
彼の機嫌がいいなら、折角だからお言葉に甘えて、
ちょっと高めのものでも頼んでおこう。

カエラム > (わたしにいたっては『学校の怪談』だがね)

コーヒーカップをとん、と置く。

「太っ腹だね、スイル。 それじゃわたしは……
 あ、ちょっとちょっと。追加でカフェモカくださいな」

先日奢ってもらったばかりだったのだが、好意を素直に受け取るのも一つの礼儀だ。
ツインテールの店員を呼び止めて、追加の注文をする。
『カフェモカ』は前から気になっていたのだ。

「わたしは命同士が争って、その果てにどちらかが失われるのが当然のことだと思ってるし、それ自体を止める気はない。
 『英雄』『聖女』、あるいは『魔王』『怪物』『邪神』……どの命が世にはびこっても、それはそれで結構なことだ。
 全ての命には、『自由』な意思をもって生きる権利があるからね。そこに触れない程度にお節介を焼くのもまた、一つの自由なんだけど。
 要はさ、わたしには恩人と友達がいて、みんなこの島で暮らしているんだよ。
 わたしにも『意思』があるからね。『仲間』が傷付くともなれば、わたしは許しておけないだろう」

『命を刈り、育むもの』としてではいられない、ここはすでに死神個人の領域なのだ。
仲間を見捨てることがあれば、それは自分自身を見捨てるも同然である。

「わたしのスタンスは、あくまで『仲間のため』。そのために治安を守る。
 もっとも……それが結果的に『学園の平和のため』に繋がるかもしれないがね」

『室長補佐代理』 > 「おう、なんでも頼め頼め。今日の『歓談』の内容を考えれば十分『おつり』がくる。でもたけぇもんはたけぇな。普段は絶対頼むなよ。今日だけだぞ。おい麻美子きいてんのか。カエラムの慎ましさと一緒に記事にしとけ」
隣で若干眉間に皺を寄せながらそう捲し立てているが、まぁ怒っているわけではない。
これはこれで『日常』であった。

川添 孝一 > そうかい? 俺は好きだぜ……愛と勇気の御伽噺がな。
(室長補佐代理とツヅラの言葉に顔を歪めて笑う)
剣の英雄………剣の聖女………人類にとっての供物こそが、御伽噺ではいつだって人間を守ってきた。
伝説を蘇らせるんだ。ただ、それだけの話さ。

落第街の『平和』に関しては一般生徒としても心苦しい限りだ。
今度、うちの桜井を適当な理由つけて回らせるよ。
「火の用心」ってカチカチ拍子木を鳴らしながらならもっと雰囲気が出るぜ。
(カラカラと笑って)

(麻美子にあごをしゃくるように話し始めて)
西園寺偲は『方法』を間違えたんだ。
間違った『方法』には間違った『結果』しかついてこない。
そうだな……学園の皆が、綺麗に使ってくれりゃ………
生活委員会の『仕事』も減るんだがな………
(含みのある言葉を使う)

(広報部にとってこちらの足を引っ張る気がないのであれば)
(異能対策室広報と大して変わりはしない)
(―――――――付き合い方さえ間違えなければ)

それだ、カエラム。
誰もが仲間のために何かができていれば、もっと争いは最小限になる。
もっとも、敵対する組織が仲間のために何かをしていた場合は知らないけどな。
………俺は傷つけることしかしてこなかった不良だけどよ。
今はこう考えているぜ…………どこかの誰かのために、何かができるはずだ、ってな。

薄野ツヅラ > ま、火の用心って云いながら正義の味方に燃やされたらとんでもない冗句なんだゾ───……☆
『英雄』『聖女』、『魔王』『怪物』『邪神』。
種類なんてどうでもいいのよぉ、その場で最後に立って、最後に笑うのが自分なら。
あくまでボクは───例え話だけどぉ───最後に笑うのは自分だと思ってるわぁ?

(『個人』として、『落第街の住人』として)

だから"もし"余計な手が入るなら止めるでしょうし、其れで面白くなるなら黙って見過ごす。
出来るだけ此処に居る人とは仲良くしたいのよねェ

(自分の根本にある考えを伝えるのが礼儀だろう、と思った)
(此処に居る5人とも自分の正義を根本に行動しているのだから、自分も提示するのは義務だろうと)
(満面の笑みを向けた)

『室長補佐代理』 > 「そうだな。誰もがどこかの誰かの為に何かができる。それはつまり、その逆もできるということだ」
意味深に呟いて、じわりと滲むような笑みを浮かべる。
「川添。俺はな。鳥籠の中にいる『不自由な自由』まで奪う必要はないと思っているんだ。蛙は井戸の中にいたほうが幸せだし海に飛び込んだところで死ぬだけだ。自由はいいものだ。当たり前の悲劇と隣り合わせという意味で、とてもな」
皮肉気な微笑を浮かべて、左手を仰ぐ。
「御伽噺なら、鳥は大空を望むだろう。鯉ですら滝を昇り竜となるだろう。だが、現実では大空を舞う小鳥は鷹に喰らわれるし、鯉は滝壺に打ち付けられて野垂れ死ぬだけだ」
そして、左手の銀の指輪を輝かせながら……呟く。
「そうだったらいいのにな、なんてのはな。『誰にもできる御伽噺』だ。そういうのは眠くなったら聞かせてくれ。夜眠る前にゆっくりとな」

麻美子 > 「『室長補佐代理』サンが奢るって言ったんじゃないッスかー。」
にへらーと笑って、『ま、今日は機嫌よさそうッスから、
甘えておこうかなってだけッスよ』と断わりは入れておく。

『別に怒ってはいなそうッスけどね』とその顔を見てなんとなく思った。

「川添サンは噂に違わず随分と夢見がちな事を言うんスねー。
 さすが、デスティニーランド年間パスポート持ってる人はいう事が違うッス。」

『麻美子はそんな御伽噺より、もっと恋の話とかのが好きッスね。
 ……いや、デスティニーランドは普通に行くッスけど。』
と、どうでもいい自分の趣味を喋りつつ、届いたパフェを一口、二口と食べる

「あ、『室長補佐代理』サン、一口食べるッスか?」

『あーん』と声を出しながら、スプーンに載せたそれを差し出した。

『室長補佐代理』 > ツヅラの開き直りにも男はじわりと笑みを返して、つぶやく。
「川添。水底ってもんは濁ってるのが普通だ。それを綺麗に一掃するとどうなるか、しってるか?」
そう、その落第街……深淵、奥底で息を吸う人間をみて、嗤う。
「何もいなくなるのさ。綺麗さっぱりなぁんにもな。そんな焼け野原が好きだっていうなら、俺は何もいわんがね」

『室長補佐代理』 > 「まぁ奢るとはいったけどよぉ……まぁいいか……お、くれるのか麻美子。わりぃな」
そういって、麻美子に向き直ると、渋い顔をする。
「……いや、ちょっとまて。俺はガキじゃねぇんだぞ、普通に渡せ普通に」
少し困った顔である。普段をあまり変わらないようにみえるが、明らかに困惑している。
慣れている人間には分かる微妙な変化である。

カエラム > 「スイル、どうやら君から麻美子へ届けた『自由』は……その過程で大きく形を変えてしまったようだね」

既に運ばれてきたカフェモカを啜る。
歯の間から泡が溢れそうになったので、「ずっ」と吸っておいた。

川添 孝一 > (ツヅラに顔を向ける)
そいつは桜井に言ってくれ、あいつは異能のコントロールは上手いくせに感情の制御は苦手だ。
そうだな……ツヅラ。お前みたいな奴が最後に笑うのかも知れないなァ。
(内心、面白くない――――面白ければいいという考えは)
(川添の考える正義とは縁遠い場所にある)
(それでも今はお茶会だ、笑って話をしなければ)
そうだな、仲良くしようぜ。人間、争ってばかりじゃ無益だからよォ。

(室長補佐代理の言葉に肩を揺らして笑う)
ハハハハハ…………いや、失礼。
俺は寝物語のつもりで言っているつもりはないが……
大真面目さ、室長補佐代理。
俺は俺の『理想の正義』を追う………
(瞬間、川添の周囲の気配が変わって見えるほどの熱を持つだろう)
俺は『絶望の未来』を回避するために動いていると言っているんだ。
そうだな……お前は汚ぇ水底の心配をすればいい。
溺れ死ぬ蛙や滝つぼで息絶える鯉を想えばいい。

だが俺は俺の正義を手放さない。

と、いう話だ………いや、なかなか面白い話ができたよ。
(手を軽く叩いて)デスティニーランドはいいもんだぜ、未見不麻美子。
冒険がある。ロマンがある。正義があり、友情があり、夢と愛が満ちている。
(そう語る彼の気配はいつも通りに戻っている)

『室長補佐代理』 > 「自由がどれだけ物騒なもんであるのかよくわかるな」
微かな苦笑と共にカエラムにそう返す。

カエラム > 「時には仲間同士で傷付けあうこともあるから、難しいんだ。ここに来てからもそれに悩まされたよ。
 誰も彼もに『やりたい事』があって、それがひとりひとり違う。そんな中で自分の理想を追求するときは『納得』が必要なんだ」

「でなきゃ、最後には『ひとつ』しか残らない」

無論、ここにいる五人とて例外ではない。
互いが互いを尊重するのをやめてしまったとしたら……
そこまで考えて、カエラムは思考を振り払う。

(そんなことには、わたしがさせない)

薄野ツヅラ > 桜井って云うのが誰かは知らないけどぉ───……
其処の公安のヒーローさんに部下に言ってもらうようにお願いした方がいいと思うわぁ?
まァ、最後に笑う為に日夜───深夜駆けずり回ってこんな怪我してる訳だけどぉ──……☆

(てへ、と困ったように笑う)
(廿楽も川添のようなプラス極のヒーローは苦手だ)
(其れでも普段以上に皮肉を口にしないのは"友人同士のしがない放課後"だったからだ)
(屹度落第街に足を踏み入れるならば恐らくいがみ合うのは想像に容易い)

幾ら正義を謳っても、あくまであなたは人間よぉ?
死んだら死ぬんだからもっと──偶には現実見るのも大事だと思うんだゾ──…☆
残機制のゲームじゃあるまいしぃ

(そう笑顔で一言、川添に)
(当たり前のことを、当たり前のように云った)

麻美子 > 川添の話を聞けば、にへらーと笑った

「麻美子はそういう人は嫌いじゃないッスよ、
 川添サン、そういうのを真っ直ぐ信じられるのって、正直憧れるッス。
 ……麻美子はそういう生き方は、諦めたッスから。」

笑みを浮かべ、真剣な目で彼を見つめる。
「でも、麻美子にも、麻美子なりの『信念』ってやつがあるッス。
 ただの一般人でも、たとえ力がなくても、
 無関係の人間が巻き込まれないように守る事は出来るんスよ。」
『ペンは剣よりも強し』ッス、とメモ帳をゆらゆらとゆらす。

それだけ言うと、いつものにへらーとした笑顔に戻り、
困惑する『室長補佐代理』を面白そうに眺める。
「またまた、『室長補佐代理』サン、
 ガキじゃないからやるんスよ、ほら、照れない照れないッスー。」

けらけらと笑いながら、ぐいぐいと押し付ける。

薄野ツヅラ > (仲睦まじげな『室長補佐代理』と麻美子をちら、と見遣る)

そう云う関係だったのぉ……?
お似合いというかなんというかぁ………
この学園で一番敵に回しちゃいけないカップルねェ……?

(ふふ、と楽しげに笑みを零す)
(自分の真面目な忠告が恥ずかしくなって、その場を茶化した)
(カエラムにピザ食べるかしらぁ?と皿を手渡そうと)

麻美子 > 「少なくとも『まだ』そういう関係じゃないッスねー。」

にへらーと笑って指摘を否定する。
『まだ』とつけたのはわざとだろう。

カエラム > (他の家見つけて退去した方がいいかな……?)

麻美子とスイルの様子と、廿楽のカップル発言を聞いた結果がこの感想である。
太古の時代がどうだったのかはさておき、少なくとも現世でその反応ちょっと早い。

「……おっと、わるいね。いただくよ。」

廿楽に差し出された皿を受け取ると、ピザを丸ごと喉に吸い込んでしまう。
それから数秒もしないうちに、死神の体は携帯のバイブレーションのように震えだす。
消化と分解の始まりである。

「おお、これは美味い! ピザだっけ?」

小刻みに揺れながら答えるバイブレーションゾンビ。

『室長補佐代理』 > 川添の、覚悟にも似た独白を受けて、男は嗤う。
笑うのではなく、嗤う。
明らかな意図をもって、その意味を明白に……嗤う。
「かつて、そう大見得切った野郎の話は歴史にはいくつもある。そして、その末路は後の歴史が語る通りだ」
その伽藍洞の瞳は、川添を見ている。
その目を見ている。
その奥を見ている。
その上で、嗤っている。
「『理想の正義』はとっくの昔から血塗れだ。歴史の図書館はそいつに唆された間抜けでとっくに一杯になってる。お前がそうならないことをせいぜい祈らせてもらうよ」
ただ嗤っている。
その有様を、その言いざまを、その『言い訳』を。
「『絶望の未来』を回避するために『妥協の今』を切り捨てる奴は世間では『悪党』といわれる。『理想の正義の味方』ってのは世間一般じゃ『テロリスト』って読むんだ。よく覚えておくことだな」
ただ、ただ、心底……『嗤って』いる。

『室長補佐代理』 >  
 
「川添孝一。お前の正義は『血の臭い』がする。俺達の持つそれ以上にな」
 
 

薄野ツヅラ > えっ、なにそれ狙ってる訳ぇ……?
其れなら風紀に気を付けるのをお勧めするんだゾ──…☆

(不純異性交遊って取り締まり対象だったかしらぁ、と笑う)
(幾ら落第街の住人でも、幾ら不敵に笑おうが未だ16歳の思春期の女子)
(勿論そんな話題が嫌いなはずがない)
(先刻とは打って変わってふんわりと笑った)

ええ、ピザよぉ。
其の中でもマルゲリータって種類の奴ねえ

(上機嫌にカエラムに笑いかける)
(はたまた『室長補佐代理』の言葉を聞けば先刻のような挑戦的な笑みを張り付けて川添を見る)

川添 孝一 > ………カエラム、お前はいい奴だよ。
俺がグリーンドラゴンを無事にゲートの向こうに押し返せたのもお前のおかげだ。
それでも………
(そこから先の言葉は出てこない)

最後に笑うってのも存外難しいもんだな。
(ツヅラの言葉に肩を竦めて)
人は死んだら死ぬ。俺は弱い……手を差し出すことを躊躇ったら取り返しがつかない。
現実はこれ以上ないってほど見てきたぜ……
見てきた上で言っているんだ。人類には『正義』が必要なんだよ。
それがマシュマロみたいにふわふわして甘いものでもな。

(麻美子の言葉に鼻の頭をごしごしと擦って)
本当の強さとは、自分だけのためじゃなく……
誰にでも差し出せるその手のことを言う。
俺はお前に憧れるよ、未見不麻美子。
ペンの強さを信じているぜ。(穏やかに笑って)

(室長補佐代理の言葉に沈黙を守る)
そうかよ。
(何故だ、何故俺はこの話を聞いて―――――ニヤニヤと笑っているんだ?)
(自分の歪みに気付かされてしまう、自分の闇を見つめてしまう)

(これ以上は危険だ)

(自分の正義に犠牲が付きまとうことを自覚してはダメだ)

さて。それじゃ俺はこれでお暇させていただきますかね。
生活委員会は忙しくてな……『ゴミ掃除』が残っている。
(自分の分の伝票を取って去っていく)

ご案内:「カフェテラス「橘」」から川添 孝一さんが去りました。<補足:時代錯誤なヤンキーファッション。>
『室長補佐代理』 > 「照れてるわけじゃなくて、なんだその……まぁいい、面倒くせぇな」
観念したようにスプーンに口をつけて、ぱくっと食べる。
もごもごした後に、困ったような顔をしながらも続けて溜息を吐く。
「何が『まだ』だ、男をからかうとロクなことねぇからな。この魔女共」
若干困ったようにそう呟く。

薄野ツヅラ > (ひゅう、と口笛を吹く)
『室長補佐代理』 > 『逃げていく』川添をみおくりながら、深く椅子に座りなおす。
そして、去っていく川添の背中に呟いた。
「じゃあな。『理想の正義の味方』。御伽噺がすきなら、せいぜい、『学芸会員』なりに頑張ってくれ」
非正規部隊であることをそう揶揄しつつ、嗤った。

カエラム > 「なるほどね、覚えておくよ。」

バイブレーション咀嚼を終えて廿楽が普通に笑えている様子を見ると、小さく息を吐くように肩を上下させた。
どんな顔でどんな趣味なのかは『自由』だが、死神個人はそういった健全な笑顔の方が好きなのであった。

「わたし一人の力ではないさ。わたしと、カワゾエと、沢山の仲間がいた。
 単純なことさ……わたしでも覚えていられるくらいにはな。
 また会おう」

カワゾエに向かって手を振りながら、見送った。

麻美子 > 「そうッスねー、立候補くらいはしたいッスね。
 『室長補佐代理』サン、こう見えて結構モテるんスよ。」
冗談っぽくケラケラと笑う、本気ではなさそうだ。

そう雑談しながらも川添を見送る。

「―――アレは危ないッスねー、
 ま、そういう『考え方』は嫌いじゃないッスけど、
 偲サンと『同じように』一面を飾らない事を祈るッスよ。」

『室長補佐代理』の口にパフェを押し込むと、ケラケラと笑った

「ろくなことにーってどうなるんスか?
 もしかして『室長補佐代理』サンに強引に押し倒されたりするッスか?
 キャー!!!それはドキドキするッスね!!!」

どう考えても本気じゃない笑みを浮かべつつ、手を頬に当てる。

薄野ツヅラ > まァ、ちょろっとだけ川添クンが心配ねェ……───
甘っちょろいことばっかり云ってたら幾ら強くても甘さに溺れて死んじゃいそ

(楽しげにその背中を見送れば、手元のパスタを口に運んだ)
(さて、と『室長補佐代理』に向き直る)

未だお時間は大丈夫かしらぁ?
お友達として、じゃなくって───『室長補佐代理』さんとお話したいのだけれどぉ?
『公安委員会直轄第二特別教室調査部別室』の貴方の話が聞きたくてぇ

(ぎらり、と肉食獣を思わせるような笑顔を彼に向けた)

カエラム > 「彼が『納得』するには、いささか時間が足りない。
 何かあればわたしや皆がフォローすればいいから、とりあえず今は、眼前の問題に集中すべきだね。」

まだ残っていたカフェモカを、今度は啜りきる。

『室長補佐代理』 > 「麻美子ってっめぇ……!!
ああ、ったく……わかった、わかった。
麻美子にその手の話や冗談をいわれちゃあ俺には勝ち目がねぇ。
今日のところは勘弁してくれ。俺の負けだ。降参だ」
お手上げといった様子で片手をあげて、肩を竦める。
この手の話で、一般的な男性は女性に一切勝ち目がない。
それはこの黒尽くめの男も同じであった。

しかし、ツヅラからそういわれ、目を細める。
闇の滲むような、その目を。

「へぇ。どんな話が聞きてぇんだよ。薄野ツヅラ。見ての通り、女には振り回されっぱなしでね。気が利いた冗句だったら期待されても困るぜ」

カエラム > 「いくらスイルが理性的でも、精神というものは消耗品なんだ。
 ほどほどにしておかないと、取り返しのつかないことになることもある。
 男というものは得てして獣なんだからね」

けたけたと笑うゾンビ。
その笑い方には現状を面白がっているフシがある。

麻美子 > 「まさに『ペンは剣より強し』ッスねー。
 ……ま、今日のところは簡便してやるッスよ。」

満足そうにその手を挙げる様子を見てケラケラと笑う

「麻美子が聞いたらまずい話なら外すッスよ?
 『室長補佐代理』サンを誘惑するって雰囲気でもないッスからね。」

今日は勘弁する、という舌の根が乾かぬうちにそんな冗談を飛ばしつつ、
席を立つ用意をする。

薄野ツヅラ > あッは───…☆

(耳につくような、特徴的な笑い声を溢す)

寧ろ聞いてくれてても大丈夫よぉ?
何時ボクが彼の眉間を撃ち抜くことになるか解らないしぃ…☆

(脅かすように、軽口を一つ)

気が利いた冗句なら期待してないわぁ、生憎もう冗句はお腹いっぱい。
公安委員会直轄第二特別教室調査部別室所属の公安委員の行き過ぎた行動についてぇ───……

(パスタをフォークでぐるぐると巻きとりつつ、笑顔を浮かべる)
(昨日の夜中の大捕物の一部始終を思い浮かべる)
(異常なまでに冷静だった公安の少女の笑い方を思い出し、彼に重ねる)
(露骨に厭な顔をした)

上司の貴方から話を聞こうと思ってぇ──…☆

(ちゃんと手綱は握っておきなさいよねェ、と)

『室長補佐代理』 > 「俺はかまわねぇけど、相手次第だな。麻美子がいたほうが何かと『言質』はとりやすいからな。だがからかうのは適当なところで勘弁してくれ」
と、いつもの調子でいっていたが、ツヅラからそういわれると、いよいよ瞳孔を細めて、薄く笑う。
「……『クロノス』のことか。まぁ、俺も思うところはあるとはいっておくよ。どうも、同僚や部下はやんちゃな奴ばかり寄越される部署みてぇなんでな……まぁ、元同僚とちがって部下だからな。少しくらいは俺も善処したいとは思っているさ」
出来るかどうかはしらねぇけどな、と疲れたように溜息を吐く。

カエラム > 「『クロノス』、ね……」

どこかで聞いたことのあるような響きだったが、特に何も思い出せないので今は置いておく。

「あまり無茶はしないようにな。もし何かあれば、わたしの方まで『誘導』してくれて構わない。
 わたしなりのやり方で良ければ、なんとかしよう」

薄野ツヅラ > まァ、話がわかる人で良かったわぁ
いやあ、完全に私怨かつその人の自業自得なんだけどぉ──……

(黙ってられない理由ができちゃってぇ、と曖昧に笑う)
(ポシェットの中からチュッパチャップスを取り出して口に放った)

死にかけるまでの『厳重注意』ってどうかと思うわぁ?
取り敢えず其れよりも先に落第街に火を点けて回るのはやめさせて欲しいなあって───…☆
あくまであそこは落第街。
財団に存在を否定されようが、あそこはボクがボクでいられる街だ
住んでる人だっている、一方的な正義を押し付けるな、と伝えろ

(真剣に、真っ直ぐ双眸を見遣る)
(カエラムの声を聞けばにっこり笑って)

ええ、そうしてもらえたら助かるわぁ?
生憎ボクの異能は戦闘向きじゃないものでねェ

『室長補佐代理』 > 「まぁある程度は俺のほうでもいっておくが、実際に効くかどうかは怪しい所だな。
アイツには恨まれてても俺は文句いえねぇからな」
そう、薄笑いを浮かべる。
翳りもなく、ただ当然といった様子で。
「正義の名の元に住処を焼き払われて文句をいいたくなるのは誰でも同じって話でな。
それに……落第街の正義に関しては、それすら『無法』の正義だ。押し付けはお互い様だな。
俺はそのあたり『目が悪い』んであんまり見てないんだが……目の前にまでもってこられりゃあ『見えない』なんて言えないぜ?
そこはお前も覚えておけ。薄野ツヅラ」
意味深にそう呟く。
笑みを深めて、静かに。

カエラム > 「―――念の為に聞いておくが、貧民街方面への被害は?」

穏やかで気さくだった音が一転、冷たく無機質なものへと変貌する。
ゴーグルごしにうっすらと見える伽藍等の空間が、より暗く影を落とす。
虚無の眼《まなこ》が、渦の中心を覗き込んだ。

「……私は被害状況を、よく把握していない。教えてくれ」

薄野ツヅラ > やっぱり公安はぶっ飛んでるって噂は本当みたいねェ──

(知ってたわぁ、と云わんばかりに舌を打つ)
(続く言葉を聞けば納得したように肩を竦めた)

『無法』だとしても住んでいるのは『人間』よぉ、其処に住んでるからってだけで纏めて焼かれる人はたまったものじゃあないと思うわぁ?
正義の反対はまた誰かの正義。だから其れを否定することはしないわぁ──……☆
『目が悪い』ならその目、しっかり見開いて一度実際に見てみたらどうかしらぁ?
公安の名の下に踏みにじられた誰かの正義を、その残骸を。
中間管理職に甘えないで、一人の公安の人間として。

(真剣に、ただただ真っ直ぐに自分の想いをぶつける)
(言い淀むことなく、一字一句噛みしめるように)
(カエラムの言葉を聞けば目を───目のある筈の其処を、じっと)

知らないわぁ、生憎そこまで見て回る余裕がなくてぇ────…
ボクも把握してるのは落第街の中だけで

(ごめんなさいね、と頭を垂らした)

麻美子 > 興味なさげにパフェをつっつく。

「落第街っていうのはそういう場所じゃないんスか?
 広報はそこまでは見てないッスよ。
 ……いや、よっぽどの事があれば見に行くッスけど。」

『公安と風紀が直接戦闘するようなやつッス』と付け加えつつ

「ま、『室長補佐代理』サンが言っておくって言ってるなら
 ある程度期待しておいていいと思うッスよ。
 この人、見た目は怪しいッスけど、
 公安委員としてはかなり信頼できる部類ッスから。」

『学生としてはわりとポンコツッスけどね』と笑う。

カエラム > 「―――いいんだ、ありがとう」

廿楽の答えを聞くと、身に纏う雰囲気が少しだけ和らいだように思える。
スラムの方は、自分で確かめに行くしかない。

「今日は色々とありがとう、実に楽しい茶会だったよ。私はもう行くから……」

何かに追われるように、あるいは何かを追いかけるかのように席を立ち上がる。

子供達は無事でいてくれているのか。
二人の話は気になるところだが、それがわからないままでは話に集中できそうにない。
『いてもたってもいられない』というやつだ。

「それと……麻美子」

カフェを出る前に、死神は麻美子のいるところまで歩いていく。
ポケットから小さなケースを取り出すと、麻美子の前に差し出した。
ケースの中身は、『アメトリンのネックレス』。
日頃世話になっている恩返しのために、取引してきたものだ。

『室長補佐代理』 > 「俺も聞いてねぇな。管轄外のことは俺の仕事じゃねぇからな」
カエラムにそう返しつつ、ツヅラの目をじわりと見る。
長身の男が覗き込むようにその瞳を見れば、伽藍洞の瞳が一際大きく見開かれ、瞳孔が奈落の底のように口をあける。
「人間だからどうした。人間であるのは誰もが同じだ。ただ一人の人間であることなど誰もが同じだ。誰もが等しく救いが訪れないただの人間だ」
井戸の奥底を思わせる其れは……濁っているのかどうかすら、わからない。
「正義って言葉は相対的なもんだ。絶対的な基準ではない以上、片方を立てれば片方は立たない。正義という言葉は血に塗れている。敗者というだけで悪にされた者たちの血で。それは今も昔も何も変わらない」
男は嗤う。嗤っている。
川添を嗤ったときと、同じ笑みを浮かべている。
「無法はマイノリティだ。マイノリティはマイノリティというだけでコミュニティでは罰せられる。世界に『純潔』の正義があるのだとすれば、それは『何者も許すこと』か、『何者も許さない』ことだ。俺はそんなディストピアはごめん被る……だからこそ、お前たちの正義も『直視しないでいてやっている』……水は、少しくらいは濁っていたほうがいいからな」
男は、見ていないのではない。
あえて、眼を逸らしている。
目を逸らしたいわけではない。
逸らして、『いる』のだ。そう、明確な意図をもって。
「公権力に汚れを直視しろという事の意味……わからないわけじゃあねぇよな?」

麻美子 > ケースを受け取ると、ぱかっと開けて、驚いたような顔をする。

「これがカエラムからのお礼ッスか?
 洒落たネックレスッスねー。」

妙なものを渡されるのを覚悟していたが、
どうやらその覚悟は不要だったらしい。

「ありがとうッス!!大事にするッス!!」
ネックレスを首にかけ、彼にそうにっこりと笑いかけた。

『室長補佐代理』 > 「麻美子にそういわれちゃ形無しだな。まぁ否定はしねぇよ。仕事が増えたおかげで追試も増えたからな。このままじゃあ最悪、麻美子と同級生になっちまうぜ。そん時は嗤っていいぞ」
冗談めかして肩を竦めて、カエラムの様子を見る。
まぁこいつはそもそも人から離れたところにいる奴だ。
なら好きにすればいい。
あらゆる意味で管轄外だ。

麻美子 > 「同級生になったら一緒に登下校くらいはしてやるッスよ、センパイ?」

ケラケラとからかうような笑みを浮かべて、
手に持つスプーンをくるくると回す。

薄野ツヅラ > じゃあまたどこかで会うことがあれば、ねェ?

(ぼんやりとその巨躯を眺める)
(屹度、彼にも彼なりに護りたいものがあって正義があるのだろう、と)
(目の前のパフェをつつく少女ににっこりと笑みを向けた)

そう云う場所でも誰かにとっては居心地がよかったりするのよぉ?
だから一方的に奪うんじゃなくて話をできればなあと思うのは間違ってるかしらぁ?
目の前で虫の息の人間に公安の人間がトドメを刺す瞬間とか見たくはなかったんだゾ、ボクだって───……☆

(何ならボクの記憶をそのまま叩き込んでやりましょうか、とうすら笑む)
(その公安の、計り知れない人間の上に立つ人間)
(その人間に喧嘩を売るのがどれだけ莫迦な話かなんて自分がよく解っている)
(其れでも、幾ら自分のエゴだったとしてもどうしても伝えたかった)

正義なんて大義名分も正直どうでもいいわぁ、ただ云えるのは────

(すう、と一呼吸)

上が目をわざわざ逸らしているような場所で部下が好き勝手してるのは構わない訳ぇ?
このままだと濁りすらもなくなってつまらない清流ができてハイオシマイ。
解ってるわぁ、今自分がどれだけ阿呆なことを抜かしてどれだけ子供のわがままを言っているかくらいは───……☆

(掴みどころがない。相当に上手の人間を本来廿楽は敵に回さない)
(其れでも)

カエラム > スイルに『その眼』をさせてしまったことに気が付くまで、そう時間はかからなかった。
しまった、といわんばかりに目元を覆い隠して、顔を逸らす。

「……悪かった、やめよう。なにも私達がにらみ合うことはない。
 カフェモカ、美味かったよ」

怪異は、眼をそらしたまま。

「はははは、わたしなりに考えて選んだんだ。
 気に入ってもらえたのなら、何よりだよ」

麻美子の覚悟などいざ知らず、麻美子の嬉しがる姿を純粋に喜ぶ。
タイミングが合わずに渡しそびれていたのだが、今になってようやく渡せたのだ。
湧き上がる衝動がすっと引いていくが、まだ完全には消えていない。

当然、消えるはずもない。

「それじゃあ、また―――」

死神は店を後に……しようとして入り口に頭をぶつけたが、
もう一度くぐり直すと夜の闇に消えていった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からカエラムさんが去りました。<補足:群青色のロングコートを着ており、それに付随するフードを被っている。赤いマフラーで口元を、黒いゴーグルで目の周りを隠している。身長約2メートル半。>
『室長補佐代理』 > 皮肉気にそういわれれば、男は肩を竦める。
「当然ながら、それは憂慮しよう。だが、俺に出来るのはそこまでだ。確約はしない。それだけの話だよ」
男としても、『汚れた場所』を一掃されるのは困る。
何事にも意味はあり、何事にも理由はある。
ならば、その全てを根こそぎ奪う様な行為は……男が身を寄せる正義からしても、面白いものではない。
「薄野ツヅラ。何事も『建前』はある。見栄えは大事だ。そう思わないか?」
そう、とぼけた様子で尋ねる。
つまるところ男は最初からそれしかいっていない。
異なる正義が相容れることはない。
ならば、それが出会わないためにはどうすればいいのか。
「別に俺の正義は俺だけの正義じゃないんだ。同調する奴は山ほどいる。『目が悪い奴』も少なくない。なら、見えないものには対処できんよな」
そう、確認するように。何度も。
「そういう『理由』は……いつだって大事だとは思わないか?」

『室長補佐代理』 > さっていくカエラムに敢えて目を合わせず、去り際に、その背中に言葉を投げかける。
「お前の言う通りだよ、カエラム。俺達が睨み合う必要はない。そして、目を合わせなければそもそも睨み合うこともない。相手の『前』に立ち塞がらなければな。カエラム。お前が『前』に立たないことを、俺は切に願っているよ――それでは、良い夜を」

『室長補佐代理』 > 麻美子の囁きには最初から降参といった様子で肩を竦める。
最近ずっとこんな調子だ。
「それはそれで毎日あらゆる意味で暇をしなさそうで素敵なことだな。留年したら是非とも頼むよ」

薄野ツヅラ > ……憂慮して頂いた上で今後も同じような行動が見られたらその場で喧嘩を売らせてもらうわぁ?
落第街みたいな場所があるからこそ今の学生街の治安の良さもあるんでしょうしぃ

(上司なら部下の行動くらいちゃんと把握しときなさいよねェ、と忌々しげに呟く)
(ゆらり、頭を上げる)
(ギイ、と音を鳴らして椅子の背もたれに寄りかかった)

そうねェ、『建前』は大事だし貴方みたいなお偉いさんには一番大事なものかもしれないわぁ?
その建前が何であれ、ボクは貴方の『本音』が知りたいんだゾ───…☆

(乗ってきた)
(先刻までは幾らか縮こまっていたし、目の前の計り知れない男に若干の怯えがあった)
(其れでも今は、此処は薄野廿楽の舞台だ。荒事で勝てる気はしていない)
(だからこそ、自分が一番自分らしく戦える舞台で口火を切る)
(────勝機は少なくとも)

だからこそ『目が悪い』程度じゃなく『盲目』になるつもりはないかって提案をしてみようかと思うのだけれどぉ?
見えないなら仕方ないって云ったのは貴方よぉ───?
ロストサインだかなんだかは知らないし屹度災害みたいなものでしょう
だからそう云う連中が落第街に蔓延るくらいなら構わない、むしろそう云う連中のための街だもの───…☆
でも公安は。彼女は紛れもない『人災』よぉ?
災害には対処するけど人災は撒き散らす訳ぇ?

(治安の悪い連中にも相応の理由がある)
(彼女には、どう頑張ってもまともな理由が見当たらなかった)
(薄野廿楽は、挑戦するように笑みを浮かべる)

麻美子 > 『室長補佐代理』のそんな冗談にケラケラと笑みを浮かべてパフェをつついていたが、

ツヅラの言葉を聞くと、
『ストップッス。』とスプーンを間に差し入れた。

「薄野ツヅラサン、それくらいにするッスよ。
 ツヅラさんが大好きな落第街を潰したいっていうなら話は別ッスけど。」

そう前置きすると、スプーンを彼女につきつける。

「いいッスか、公安委員会とか、広報部っていうのは
 立場上『法律には従わないといけな』かったり『中立じゃないといけなかったり』するッス。
 まして、今ツヅラさんはご丁寧に前置きまでして、
 公安委員会直轄第二特別教室の『室長補佐代理』サンに話をしてるッス。」

『室長補佐代理』 > なにか言おうとおもったが、麻美子の待ったを見て、口を噤む。
弁が立つのは彼女も同じことだ。
その彼女が前に立つというなら、見守るのも悪くない。

薄野ツヅラ > (ふう、と困ったように肩を竦めて両手を広げる)
(やはり彼女に同席してもらって正解だった、と嘆息する)
(風紀公安の一件で上手く立ち回った記者がいる、と聞いていたがその腕は間違いなく確かだった)

柄でもなくアツくなりすぎたわぁ、ごめんなさいねェ?
立場上『法律には従わないといけない』筈の公安の方については憂慮する、って言ってくださいましたもんねェ───……☆
本来ならそこで切るべきだったわぁ、これは失礼

(咥えていたキャンディを外して小さく頭を下げる)
(ふーむ、と暫し瞑目した後、おもむろに笑顔を浮かべた)

そうだ、それじゃあボクが随分と阿呆な独り言をだらだらと垂れ流していた、ってことにしてくれないかしらぁ?

(悪戯を咎められた子供のように、くすりと)
(立場がある人って大変ねェ、といつも通りの悪態をついた)

『室長補佐代理』 > 「別に俺は構わないさ。俺は最初から『愉しい御茶会』をしにきただけだからな」
そういってそれはもうわざとらしく肩を竦める。
「まぁそれに言いたいことがわからないわけじゃない。『部下』との『コミュニケーション』を円滑にしたいのもまた事実ではあるしな」

麻美子 > 「最低限、公安委員会として『落第街については見えないってことにする。』、
 『彼女にはきちんと注意をする』って答えたんスよ?」

呆れたようにため息をつく。
「それ以上つっかかるのは下策も下策ッスよ。
 そこまで約束させておいて、態々本音を聞いてどうするんスか。

やれやれと首を振り、パフェを食べなおす。
ゆっくり食べているので、まだまだ量がありそうだ。
「そんなもの、ただの私怨ッスよ。
 『注意してくれる』って言ってくれてる人を困らせてどうするつもりッスか。
 ここで彼がもし「じゃあ盲目になろう」って言ったら、
 その場で彼の規則を守らないといけない『公安委員』って立場が無くなって、
 注意してくれるって人がいなくなるって事すら分からないんスか?」

『ま、そもそも優秀な公安委員である
 『室長補佐代理』サンがそんな事言うとは思えないッスけど』と苦笑する。

麻美子 > ふぅ、と息をつく
「ま、あくまで公安委員と話すつもりなら、『建前』以上は聞くなって事ッスよ。
 『建前』から『本音』を察せ無いようなバカなら話は別ッスけど。」

もぐもぐとパフェを食べつつ、そう付け加える。

麻美子 > 『室長補佐代理』の言葉ににっこりと微笑み

「……だ、そうッスよ。
 『お茶会』のどーでもいい雑談として話すなら、
 まー、いいんじゃないッスか、気が済むまで愚痴れば。
 女子高生がカフェで話す内容なんて、どうせ愚痴が半分ッスよ。」

『麻美子もパフェついでに聞いてやるッス』と言いつつ、
パフェをつつく。彼に奢ってもらった手前完食したいのだが、
いかんせん量がおおすぎてそろそろおなか一杯だ。
……と、いうのに、このパフェはまだ半分以上ある。

手が遅くなって来てはいるが、なんとか食べきりたい。
固い決意を胸に恨めしげにパフェを睨み、一口食べた。

『まずくはないんスけどねー……。』

薄野ツヅラ > まァ、最初にボクも私怨だーとは云ったしぃ……
純粋に興味が湧いちゃったのよぉ、だってこんなに面白そうな──……

楽しいお二人と話す機会ができたものでねェ

(怒られたのにまだ言い訳をする子供のように)
(咎められればまた楽しそうに笑った)
(広報部もこりゃ風紀公安以上に強かだ、と確信を得るようにその言葉を呑む)
(かつり、杖を鳴らして立ち上がる)
(すうと息をしっかり吸い込んで腰を折った)

深追いしすぎた点については謝罪するわぁ、それからご忠告どうも

(至って普通に、当然の謝罪と感謝の言葉を一つ)
(頭を上げれば困ったように微笑んだ)

朝からどうも冷静じゃなくってェ
大事な人が公安に大怪我させられたもので余りに気が立ってたみたい

(自業自得みたいなところはあったけど、と愛おしげに笑う)
(其れは今迄のどの笑みより不気味に、されど幸せそうに)

『室長補佐代理』 > 「別に気にしなくていいさ。何度もいうように、俺は友人と茶を楽しんでただけだからな。些細な諍いから口論になることだってそりゃあるだろうさ。何も不自然なことはない」
左手だけを相変わらず仰いで、何でも無いようにそういう。
そう、最初からなんでもない。
そういう事になっていることだ。
なら、それでいいのだ。
「まぁ、薄野ツヅラ。それだけ強く言いたいことだったんだろう。なら、それは『そういうこと』だ。俺はそう受け取る。貴重な意見をむしろ……ありがとう」
そういって、男はいつもよりはいくらか朗らかに微笑んだ

『室長補佐代理』 > 「しかし、随分肩を持ってくれるようになったもんだな麻美子。最初の頃が嘘みてぇだ。ほんの少し前のはずなのに、もう大昔みたいに思えるな。不思議なもんだ」
そういって、また口元を緩めながら微笑んだが……麻美子の様子をみて、深く溜息を吐く。
「麻美子……それ、くいきれるのか?」
少し察したように、つぶやく。

薄野ツヅラ > 友人同士ならそりゃあ仕方がないかもしれないわぁ

(くすり、自分よりも何枚も上手な男の笑みを見遣る)
(同時にその隣の有能な仕事の出来る広報部員にも同じように笑った)

長々と付き合わせてしまってごめんなさいねぇ、
お詫びと云ってはなんだけれど二人に『一般生徒』の噂話が必要な時が来たら何時でも手伝うわぁ───…☆

じゃああとはおアツいお二人でごゆっくりどうぞ
ボクはこの辺で失礼するわぁ☆

(よいしょ、と杖に体重を預けて数歩歩む)
(随分と話し込んでいたらしい、そろそろいい時間だ)
(落第街の夜は暗い。街灯だって少ない)
(そんな夜に呑まれる前に早めにホテルに帰ろう、と重い足を引きずりながら薄野廿楽は背を向けた)

麻美子 > 「恨むなら相手が違うッスよ、それに、目的を達成したなら、
 それ以上はつっかかってもいい事ないッス。
 言葉で戦場に上がる気なら、引き際も弁えてこそッスよ。」

にっこりと彼女に笑いかけつつ、パフェを一口
彼女が立ち上がれば手を振る。

「あ、帰るんスか、麻美子も楽しかったッスよ。
 ……最近物騒らしいッスから、気をつけて帰るッスよ?」

ご案内:「カフェテラス「橘」」から薄野ツヅラさんが去りました。<補足:赤いジャージにヘッドフォンの小柄な少女。右手で杖をついている>
麻美子 > 少し頬を赤らめ、隣の彼に答える。
「ま、知らない仲じゃないッスから、
 こんな事言われたら困ってるだろうなって思っただけッスよ。」
『お互いの立場も、言えないことも、よく分かってるッスから』と付け加え、頬を掻く。
そしてパフェを指差して苦笑いする。

「……『室長補佐代理』サン、残り、食べないッスか?」

頑張って食べたものの、1/3ほど残ったパフェ。
ようするに食べきれない、ということだろう。

『室長補佐代理』 > 「かまわねぇよ。面白い御話しを山ほどきけたからな。あと、アツいだのなんだのは余計だ」
少し困ったように苦笑するが、どこか愉快気ではあった。
「まぁ、恐らく何だかんだで『世間話』の機会は増えると思うぜ。薄野ツヅラ。今後もよろしくな。それでは――良い夜を」
夜の闇へと消えていく『友人』を見送って、男は笑った。

『室長補佐代理』 > 「……」
暫く押し黙っていたが、最後には溜息をついて、そっと左手を差し出す。
「丁度甘いもんが食いたくなった。全部寄越せ」
そして、滲むように口端を歪める。
「知らない仲でもないんだろ? ほら、寄越せよ」

麻美子 > 「甘い物が食べたくなったなら仕方ないッスね。」

ケラケラと笑って、『室長補佐代理』のほうにパフェを押し動かそうとパフェに手を伸ばした。
そこでふと思いついたようににまりと笑う。

「……さっきみたくあーんするッスか?」

悪戯っぽく彼にそう笑いかけた。

『室長補佐代理』 > 艶美な含みが感じられる麻美子の笑みに対して、男はまた溜息を吐く。
「それじゃいつまで経っても食い終わらねーじゃねーか」
呆れたようにそういって、笑みに眉間に皺を寄せて返す。
いつも薄笑いを浮かべているような男の筈なのだが、最近はこうやって普通の顔もするようになった。
「アホなこと言ってないでスプーンよこせ」
そういって、今度はスプーンに向けて左手を差し出す。
単純な気恥ずかしさもまぁあるのだろう。