2020/08/09 のログ
ご案内:「堤防にて」に戸田 燐さんが現れました。<補足:蒼い髪と瞳をした、ライフジャケットとフィッシンググローブにセーラー服の一年眼鏡女子。(乱入歓迎)>
戸田 燐 >
女には負けられない時がある。
常世学園釣り大会。
他の何で負けたとしても、これだけは負けられないのだ。
戸田燐流釣り殺法は堤防にて最強なれば。
堤防釣りにおいて……私は…絶対に絶対に絶対にッ負けなぁい!!
今回の餌は人口イソメ!!
刺し通りで餌を仕掛けて、行くぜ行くぜ行くぜぇーッ!!
錘に氷を少しだけ付与して重さを増し、着水寸前で水に変えてデメリットを受けない。
戸田燐流釣り殺法『コキュートス・フルランディングスタイル』。
これで大物を狙う!!
私の釣り竿、カイーナ(名前)はミディアム。程々の硬さ。
それでも近代の技術の進歩により高度に近代化された釣り竿はッ!!
より遠くへと撓るッ!!
戸田 燐 > [1d10→2=2]
戸田 燐 > [1d3→2=2]
戸田 燐 >
が………っ!! ダメ……っ!!
釣れない……っ!! 確かに餌を喰っている、けど…っ!!
今日という日に限って釣れない……っ!!
負けたくない、絶対に。
そんな思いは空回り。
ふと、水平線を見ると。
自分の険しい表情もいつしか緩んでいた。
いつものように釣りを楽しもう。釣れなくても、いいか。
そんな気持ちでのんびりと汗を拭った。
戸田 燐 >
「あっ……」
釣れた。アジが一尾、綺麗な型だ。大きめ。
でもまぁ……8月にしてはこんなものか。
タモを使うまでもない相手に思わず笑ってしまう。
氷の蔦を指先から放って尻尾を氷で絡ませて引き上げる。
釣りで勝負、なんて考えているから。
海に心根を見透かされていたのかも知れない。
釣りは自分との勝負。
それに……怖い表情で釣りをする人は海に見られているのだ。
反省して、今日という日をエンジョイしよう。
昼も過ぎて青空がどこまでも広がっている。綺麗。
戸田 燐 >
クーラーボックスには陰陽社の定番魔術グッズ、殺生石片。
これを釣った魚と一緒に入れておくと魚の寄生虫が死ぬ。
つまり、刺し身で食べられるわけで。
それ以外の毒性なんて皆無なこの便利グッズ、名前は物騒だけど本物の殺生石とは無関係。
生成した氷と一緒にアジを入れて寄生虫を殺しておこう。
同居人の彩子にどんな料理を振る舞おう。
アジ一匹だと少し寂しいかな……あと一匹、何か魚が釣れたら。
二人で塩焼きにして食べよう。
それにしても釣りが趣味で魚料理が得意です、というのは。
なかなか良い趣味かも知れないと自分でも思う。
実益を兼ねる、というほどコストパフォーマンスの良い趣味ではないけど。
なかなか楽しい。
あ、釣り竿に何か反応が。
小さめの魚だろうか。
戸田 燐 >
釣りをするに辺り、いつも考えていることがある。
それは我欲の石臼の話。
何でも無限に生み出す石臼に運命を狂わされた男が。
逃げた船の上で石臼から塩を作ろうとして船ごと沈み。
海の底で塩を作り続けているその臼のせいで、海は塩辛いのだと。
大きな魚を釣ろう。
美味しい魚が食べたい。
そういう我欲は、きっと塩辛いのだ。
もう一尾、完璧な型で釣れたアジ。
釣り用の物差しを置いて、その隣に二匹のアジを並べて写真を撮影した。
アジの一本釣りは魚体が傷つかないため、とても美味しい。
星アジと呼ぶ地域もあるくらいだ。
このサイズでこの魚体なら、アジでも一匹2点くらいだろうか?
つまり、今日の私は4点。
我欲を差し引き、甘辛く煮付けてやろう。
戸田 燐 >
クーラーボックスに見事な魚体のアジを収めておしまい。
さ、帰ろう。
同居人には、この経験を聞かせたい。
海はこんなにも綺麗で、厳格なんだということを。
ご案内:「堤防にて」から戸田 燐さんが去りました。<補足:蒼い髪と瞳をした、ライフジャケットとフィッシンググローブにセーラー服の一年眼鏡女子。(乱入歓迎)>