2016/06/21 のログ
ご案内:「廊下」にカラスさんが現れました。<補足:黒髪短髪に血色の瞳の青年/167cm 一年生。カラスと竜のキメラ。耳、背、かかとにカラスの翼。頭には黒い輪を付けた白い角があり、首元には黒の首輪。学園制服の一種を着ている。>
カラス > 「ありがとう、ございました…。失礼しました。」

職員室の扉から、そんな声と共に黒い物体がもさっと出てきた。
引っかからないようにそれを畳むと、それは大きな黒い翼を持った青年であった。
制服を着ているのを見る限り、生徒のようだ。

大分緊張しきりの様子で、翼はなるべくなるべく畳まれている。
それでも片翼で彼の身体を覆うほどの大きさであるが。

カラス > ドアを静かに閉めると、大きな溜息が彼の口から零れた。
キョロキョロと辺りを見回し、耳から生えた黒羽が青年の感情を反映するかのように揺れた。

「き、緊張した…。」

そう言って胸を撫で下ろす。
見た目はやたらと大仰なのに、声は消え入るように小さかった。

そうして、廊下をたしたしと歩き出す。
鱗に包まれた爬虫類のような足で。

カラス > 廊下の窓、外は明るい。
太陽はちょうど真上に近いだろうか、
青年がちらりと窓の外の風景にその血色の目線を向ければ、
他生徒の姿も見えるだろう。

「……。」

久しぶりだ。この喧騒の中に来たのは。
だから余計に緊張する。

職員室に行ったのだって、
長いことお休みしてごめんなさいと、保護者の持たせた手紙と共に来たのだから。

カラス > とりあえずは、どうしよう。
校内の地図もすっかり忘れてしまった。

あちこち歩き回ろうか、なんて考えながら、
窓に近付いて外を眺めている。

後ろから見ると本当に真っ黒である。
少し違うのは、光を受けた翼や髪は、鴉の濡羽色。

カラス > 彼の後ろの方で職員室の扉が開く音がした。
ぼんやりと外を眺めていたが、
その音にびくぅっと耳羽と翼を逆立てるように広げてしまった。

振り向いた…とはいえ、何もなかったのだが。

いささかビビり過ぎではないかと軽い自己嫌悪に陥りつつ、
廊下をたしたしとまた歩き出した。

ご案内:「廊下」からカラスさんが去りました。<補足:黒髪短髪に血色の瞳の青年/167cm 一年生。カラスと竜のキメラ。耳、背、かかとにカラスの翼。頭には黒い輪を付けた白い角があり、首元には黒の首輪。学園制服の一種を着ている。>